本会議会議録


質問文書

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令和6年12月定例会総務委員会 質疑・質問
質疑・質問者:塚本 大 議員
質疑・質問日:12/13/2024
会派名:無所属


○塚本委員
 分割質問方式でお願いします。
 初めに、移動知事室について伺います。
 令和6年6月定例会の総務委員会説明資料に4つの地域に分けて実施すると示され、実際に幾つかの地域で行われました。私は焼津市出身ですから、焼津市や中部圏域に関係するところを中心にお伺いしたいと思います。
 まず、移動知事室を行う目的、狙いをお聞きします。私なりの解釈をお話ししますので、間違っている点などがありましたら修正頂ければと思います。
 日頃、知事は分刻みで大変忙しく仕事されているわけですが、仕事をしている場所は主に県庁の中だと思います。実際に今県が取り組んでいる事業の内容や県政の課題などを職員経由で聞くと、ちょっとニュアンスが違う可能性もありますよね。ですから現場に行って自分の目で確かめて、現場の声を生で聞くことを大事にしようとの思いからこの事業をやっていると私は思っています。
 この解釈が合っているか合っていないかも含めて、移動知事室の狙い、目的などを教えていただきたいと思います。

○坂本地域振興課長
 基本的には今7番委員がおっしゃった目的で実施しています。
 知事は、まず現地を実際に見て現状と課題を実感することが重要との姿勢で臨まれています。このため、就任当初の行事等が落ち着いた9月から知事自身が県内各地に赴き、地域の実情を把握して課題解決や施策に反映していくことを目的に実施しております。

○塚本委員
 私も現場を実際に訪れて、見て、雰囲気を感じて、携わってる方々の生の声を直接聞くことは大変重要だと思っています。実りのある事業にしてほしいとの思いから少し細かいところまでお伺いしたいと思います。
 知事の基本的な考えに、税金は1円たりとも無駄にしない、経営の視点を取り入れるなどがあります。これは1分1秒たりとも無駄にせず時間を有効に使いながら仕事することにも通じると思います。
 忙しくて日頃なかなか時間が取れない知事が時間をつくって外に出ていくわけですから、無駄な時間をできるだけ省いて現場での時間を有効に使ってもらいたいと思いますが、恐らくそうはなっていないと思います。
 移動知事室は、4つの圏域に分けてそれぞれ2日間で行いますから移動時間が長いと思うんですよね。その移動時間も有効に使わないともったいないと思います。
 焼津市は1か所だけ見ていただいたのですが、静岡市内から車で来られたので移動中に道路を通りながら現場を見ることもできたと思います。土木関係の要望は時代遅れだと言われることもありますが、実際には期成同盟会などが存在して道路の要望は数多くあります。知事は担当課の職員から要望の内容は聞いていると思いますが、実際にその現場を通るならば見るよい機会だったと思います。
 静岡市から焼津市へは高速道路を使わなければ恐らく国道150号を通ったと思います。その際、現場の道路の状況について何か話題になったのか、また静岡市から焼津市に向かう中で、焼津市に関する部分でいいですから、車内でも現場の実情を知事が把握したり、意識高く知事に説明する機会があったのか、状況をお聞きしたいと思います。
 恐らくなかったと思いますけれども、その状況を確認して、私はぜひこういうことを話題にしてほしかったと後ほどお伝えしたいと思います。

○前田秘書課長
 7番委員のおっしゃるとおり、知事が移動時間を有効に活用することは大切なことだと考えております。
 移動知事室に際しましては、焼津市への移動中の車内で焼津市の道路などに関してお話しすることはありませんでした。

○塚本委員
 今後、そういう場面があったら、ぜひ話題にしてほしいと思います。
 静岡市から焼津市に来るときに恐らく通ったと思われる国道150号は8月の大雨のときには冠水して通れなかったんです。そのことについて焼津市から今後こういうことがないようにどうにかしてほしいと要望書が出ています。せっかく現場を通ったなら、8月の大雨のときには冠水して通行止めになって大変な状況だったと知事に話していただきたかった。
 よく伊豆地域の方が、知事は浜松市の方だから伊豆のことはよく知らないでしょうけれども一生懸命やるって言ったんだからやってくれと言いますが、伊豆地域以外に詳しいかといえば、知事になったばかりですから、志太地域や静岡市のことも浜松市に比べればそんなには詳しくないと思います。
 鈴木知事なら、ここが通れなければ焼津−静岡間はどうやって移動するのかと聞いたかもしれないですよね。そうしたら、高速道路以外では本来は海側の県道静岡焼津線が通れますが、そこは今、浜当目トンネルにひびが入っていて通行止めですと説明できる。浜当目トンネルが通れなくて県道静岡焼津線が使えない、冠水したら国道150号も使えない、それは困るねと地域の実情を把握するきっかけになったと思うんです。知事は話としては聞いていると思いますが、その現場を見るチャンスだった。
 今後、移動知事室でいろいろなところに行くわけですから、職員はアンテナを高くして、課題を抱えている地域を通るときには知事に対して、日々の仕事の中で状況を説明していますがここがその現場ですと情報提供していただきたいと思います。

 また、焼津市がテーマになっている部分に立ち会った際、私は集合時間より10分早く伺いましたが知事はもっと早く着いていて、時間を有効に使うために15分ぐらい前からスタートしていました。ですから私が到着したときにはもう始まっていたんです。それはいいんです、時間を無駄にしないという意味では。
 ただ、知事が15分から20分早く現地に着いて、本来の開始時間までに余裕があるなら周辺を見てくれたらよかったと思うんです。
 道路が冠水したってことは原因があるわけです。テレビなどでも取り上げられましたが、梅田川の水門がうまく動かなかったんじゃないかといわれています。その水門も通り道沿いにあるのですから、せっかくですから知事に、説明は聞いていると思いますがうまく機能しなかったといわれている水門はこちらですと見てもらえばいいんです。知識のある職員が同伴していれば、数年前の台風のときには焼津市の別の水門も思うように機能しませんでしたと説明でき、そこも近くですから知事が見る機会になったかもしれません。
 すぐ近くには県道焼津森線もあります。これも期成同盟会があって毎年のように要望しています。東名焼津インターと新東名の藤枝岡部インターを結ぶ大変重要な道路です。20分ぐらい早く着くならこういう現場も見るチャンスがあったわけです。
 幾つか例を挙げましたが、せっかく外に出るなら時間を有効に使って課題となっている場所を知事に見てほしいと思います。要望としてお話しさせていただきました。

 次の質問に移ります。
 移動知事室で焼津PORTERSを知事に見てもらいました。中部圏域を2日間で見るわけですから回れないところもあった中で、焼津市から1つテーマを取り上げ、1か所見ていただいたことは大変ありがたいと思います。
 焼津市内でも課題がたくさんあり、焼津市内で県が取り組む事業もいろいろありますが、その中から今回訪問先として焼津PORTERSが選ばれた理由と、併せて訪問先選定の考え方や基準を教えていただきたいと思います。

○坂本地域振興課長
 移動知事室における訪問先の選定については、知事就任後初めての本格的な地域訪問となるため、まずは県の重要施策の現場や重要施設、市町の重要施策の現場、県や市町と連携して産業施策や地域振興に取り組む企業や団体等を中心に選定を行いました。
 焼津PORTERSにつきましては、漁協が所有し使われなくなっていた漁具倉庫をリノベーションして、デジタル田園都市国家構想交付金等も活用して、にぎわいや人を呼び込む取組を観光協会や漁協、市役所等が一体となって進めています。民間が中心となって地域一体となって取り組んでいる事例であるため選定させていただきました。

○塚本委員
 焼津市や県が抱えている課題には重要なことがたくさんありますから、どこか1か所しか訪問先に選ばれないとなれば仕方ないかなと思いますし、焼津PORTERSが決して悪いわけではないです。旬なネタというところではまさにそのとおりだと思いますが、知事が初めて移動知事室として焼津市を訪問するときに、静岡県といえばお茶というのと同じように焼津市といえば漁業、魚のまちというのがまず先に来ると思うんです。
 本会議場でも発言がありましたが、知事が企業誘致やスタートアップを一生懸命やってくれるのはいいけれども、今まで頑張ってきた産業に対してはどうなんだという声もなきにしもあらずです。
 知事も当然知っていると思いますが、焼津漁港は水揚げ金額日本一です。静岡県が日本一の漁港を県管理で持っているわけです。いろいろテーマはあるけれども、知事に就任して移動知事室として訪問する第1回目は、焼津市ならまず漁業の状況を確認する思いがあってもよかったと思います。
 今回知事が見たのは、新しい場所に港が移って旧港となった場所をにぎわい創出のためにどう利用していくかというところですので、漁業のメインの場所ではないですよね。旬な場所であることは分かっていますよ。でもほかのところを選んでほしかったという漁業関係者もいらっしゃるのではないかと思います。
 知事の訪問先の選定に当たっては、2回目、3回目には旬のネタでもいいと思いますが、第1回目はこの市、この地域の一番大事だと思うところから選んでいただきたい。今後の選定の参考にしていただけたらと思います。

○勝俣委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時30分とします。

( 休 憩 )

○勝俣委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○塚本委員
 午前中は、移動知事室の訪問先に焼津PORTERSを選定した理由を伺いました。
 焼津市といえば漁業のまちという地元の思いや、漁業者をはじめとする今まで頑張ってきてくれた方々の声も酌み取りながら移動知事室のテーマを選定してほしいとお伝えしておきます。

 質問の続きですが、焼津PORTERSを視察してどういうことが分かって、今後の県政にどう反映していこうと思っているのか御説明頂きたいと思います。

○坂本地域振興課長
 焼津PORTERSは、地域の遊休施設を有効活用して今後のにぎわいにどうつなげていくかという新たな試みです。また地域の関係者が一体となって、国の交付金などもうまく活用しながら取り組んでいる事例として今後の県内での横展開等に大いに参考になったものと考えております。

○塚本委員
 根掘り葉掘り聞いてもこれ以上の答弁は出てこないと思いますが、今の答弁を聞いて移動知事室を実施した効果はあまりなかったのではないかという印象を持ちました。現場を見たから分かった内容ではなく、県庁内で説明を受けても分かるような内容だからです。
 ここは逃しちゃいけないということを1点だけ言っておきます。港の跡地利用として漁具倉庫を有効活用したにぎわい創出も決して悪いことではないと思いますが、大前提として海がすぐ目の前にあります。人が集まる場所としての安全対策は大丈夫なのかという点を見てもらいたいわけです。現場に行ってこそ分かるのはそういうところです。見て分かったと思いますが、あの建物の目の前は胸壁の整備がまだ終わっていません。ここは胸壁で防ぐはずではないかと現地で気づいて進捗状況を確認したり、にぎわい創出をやっているのだから安全対応も速やかに進めるように話を結びつけたりしてほしいと私は思います。ほかにも気づいてもらいたいことはたくさんありますが、これが人命に関わる一番大事なことなので取り上げました。
 移動知事室では、ぜひ現場に行ったからこそ分かったこと、確認できたことが今後の県政に反映されるよう取組を続けてほしいと思います。

 次に、県が毎年実施している県政世論調査の今年度の結果について報告資料を頂きました。
 県民の方々の思いを県政にどう反映させていこうと思っているのか、分析結果なども御説明頂きたいと思います。

○望月広聴広報課長
 県政世論調査につきましては、経年調査項目の基本調査と個別施策に関する意識等を調査する課題調査に大別して調査しております。
 基本調査は、県民の意識や行動等を広聴広報課が集計、分析し関係部署と結果を共有して施策に生かしています。
 課題調査は、前年度中に各部局から調査案件を募り設問を設定して調査しています。その際、今後の施策への反映についてあらかじめ各部局に聞き取った上で調査項目を設定し、今後の施策への積極的な反映や方向性の検討を行うことを求めており、結果の報告を広聴広報課に提出する形になっております。

○塚本委員
 いろいろな考え方があると思いますが、私が調査結果を見て、県が国などと連携しながら速やかにやらないといけないと思った点を言っておきます。
 新聞などでも取り上げられていますが、暮らし向きが苦しくなっている割合が今回は49.9%で約半分でした。昨年度はたしか50%を超えていて調査開始以来一番悪い結果だったと思います。去年悪くて、今年も同じように悪い。苦しくなっているという回答が今年は49.9%だけれども、去年と同じようなものという回答が45%あるわけで、去年どう思った人が同じようなものと回答したかは分かりませんが、あまり改善されてない、依然として苦しいと判断するのが普通だと思います。テレビなどを見れば、やはり物価高騰に苦しんでいるのだろうと思います。
 国の物価高対策にもし足りないところがあるならば、県が補完しなければこの苦しい状況は変わらないという判断に結びつけてほしいと私は思います。
 
 次に、移動知事室と同じ日に行われた、知事広聴、やすとも知事と県政を語ろうについてです。
 午前中に移動知事室、午後に知事広聴でした。中部圏域では10人の方々に来てもらいましたよね。焼津市からは1人でしたけれども、10人の方々からいろいろ意見を聞いて、知事が答える形でした。この代表の10人の方々との意見交換で県民の声や思いをどう酌み取り、今後の県政にどう反映していこう思っているのかお聞かせ頂きたいと思います。

○望月広聴広報課長
 中部地域はもちろん他地域でも知事広聴を開催しておりまして、速やかに議事録の概要を各部局に情報共有し今後の県政の参考としていただくようにしています。
 意見や要望については、基本的には知事がその場で回答しております。事前にお聞きできた意見等については各部局に相談した上で回答しておりますが、追加の回答や対応が必要なものについては県民のこえの規定に基づき各部局に対応を依頼しています。
 今回の知事広聴では、他地域と共通する課題等の御提示も頂きましたので、各部局の施策や分野別計画、総合計画への反映を働きかけてまいります。

○塚本委員
 知事広聴が終わってからまだそれほど時間がたっていないので、具体的な方針は出てこないと思いますし、具体的に答えてほしいと言うと総務委員会ではなくほかの委員会の所管になるかもしれないのでこれ以上は聞きませんが、知事広聴を実施した効果が本当にあるのか私は疑いを持っています。

 知事広聴当日は、10人の方が自分が考えてきたテーマについて意見を述べ、それに対して知事が答弁する形で進んだ後に、時間が少し残ったので、たしか望月広聴広報課長が司会で、共通のテーマについて10人の方々にそれぞれどう思っているかお聞かせくださいと時間を取ってくれましたよね。そのテーマが日々の暮らし向きについてどう思われているかでした。県政世論調査では日々の暮らし向きについて半数の方が苦しいと回答しました。けれどもこの知事広聴では、望月課長が10人の方に暮らし向きはどうですかと聞いたら一人も最近の暮らし向きが苦しいとは言っていなかったと思うんですよ。
 県政世論調査と知事広聴で意見が違うことも含めて、この共通テーマに対する回答をどう受け止めたのかお答え頂きたいと思います。

○望月広聴広報課長
 中部地域の知事広聴において、私から共通テーマとして日々の暮らし向きについてお聞きしたところ、7番委員御指摘のとおり、暮らし向きについて直接言及される回答はこの場ではありませんでした。
 議事録を見ていただくと分かりますが、ほかの会場でも最初の方が暮らし向きとは違う話題についてお答えになってしまうと後の方も同じ傾向で続いてしまうことがあり、中部地域でもそのような形になってしまったと思います。
 最初の方が暮らし向きについてお答えになられますと、次の方も同じようにお答えくださり、暮らし向きが苦しいとの意見が相当数出た会場もございますので、私の司会も含めて聞き方を工夫すればよかったと感じております。

○塚本委員
 今、望月広聴広報課長が言われたことは合っていると思います。事前に用意された質問ではないので、初めの方がどういう答え方をするかを参考にして2番手、3番手の方も答えていくので、最後まで暮らし向きは大変厳しい、物価高で困っているという意見が出なかったのだと思います。
 けれどもそれだけではなくて、あくまで私の考えですが、それぞれの方が持ってきたテーマについての発言内容などを総合的に考えると、知事の前で厳しいことを言わない大人の対応ができる方々が選ばれているのではないかと感じました。
 焼津市の方は1人しかいませんでしたけれども、知っている方だったのでどういう経緯でここに来たのか聞きましたら、市役所の職員からお願いされたとのことでした。
 もし私が市の職員で、焼津市民を代表して誰か1人、そういう場で意見を述べてくれる人を探してくださいと言われたら、私もやはりあの方を選ぶと思います。そういう場できちんと大人の対応、表現は悪いですけど悪口などを言わない方を選ぶと思うんです。
 そうすると、望月課長が言ったとおり最初の方が悪口ではないきれいなことを言うと、本当は内心苦しい、物価高大変だ、知事にどうにかしてほしいと言いたい人も言えなくなってしまう連鎖反応があったかもしれないです。
 移動知事室もそうですが、知事広聴も知事が県の職員を経由しないで生で話を聞くせっかくのチャンスですよね。やり方によって発言内容ががらっと変わっちゃうとか、望月課長も先ほど御自身の聞き方について言及されましたけれども、聞き方に左右されるのもまずいですよね。知事が行って住民の意見を聞くのなら、県政世論調査の結果と同じような生の声を知事にぶつけてほしいわけです。知事も調査結果だけを見て苦しいことを把握するのと、現場に行って10人中5人に物価高で苦しんでいると言われるのとでは受け止め方が違うと思います。せっかくこういう事業をやっているのですから、生の声が聞けるやり方に変えてほしいと要望して質問を終わります。

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