本会議会議録
委員会補足文書
令和6年7月人口減少社会課題対応特別委員会
調査事項に関する説明 【 当局側説明 】 発言日: 07/18/2024 会派名: |
○民谷総合政策課長
私からは資料に基づきまして、新ふじのくに物流ビジョンについて御説明いたします。
資料の4ページを御覧ください。
本県では、2018年に策定いたしました新ふじのくに物流ビジョンの下、現在は後期取組計画に基づきまして各取組を推進しております。後期取組計画では目指す姿といたしまして、未来型物流システムの構築による豊かな暮らしの実現を掲げ、県内産業の競争力強化・環境負荷の軽減など、4つの目標を定めております。
5ページを御覧ください。
戦略体系といたしまして、物流機能の高度化と立地の促進や物流におけるカーボンニュートラルの実現など、4つの戦略と各戦略にひもづく11の戦略の柱を掲げ、物流を取り巻く諸課題に対し、多様な関係者と連携しながら、総合的に政策を推進しております。
6ページを御覧ください。
各戦略ごと、令和5年度の主な取組状況と今後の取組方針について御説明いたします。
戦略1では、物流の自動化、機械化や高機能な物流施設の立地促進を推進することで、物流産業における労働力不足の解消を目指しております。
主な取組状況といたしましては、県トラック協会を通じた効率化設備の導入等の事業者支援のほかに、高機能な設備投資を行う物流事業者への助成を実施し、8事業者が物流施設を新設、増設いたしました。
今後の取組方針といたしましては、物流事業者における作業用機器の導入に向けた助成やデジタル人材の育成支援などに取り組んでまいります。
続きまして、7ページを御覧ください。
戦略2では、船舶等を活用した環境負荷が少ない物流網の構築や、港湾・空港等の脱炭素化を推進することで、カーボンニュートラルの実現を目指しております。
主な取組状況といたしましては、モーダルシフト推進に向けたRORO船の利用拡大への取組や、県トラック協会を通じたハイブリッドトラック等の環境対応車への導入助成を実施しております。
今後の取組方針といたしましては、再配達の削減に向けたクルポのポイント獲得スポットの増加や、宅配ボックス新設への助成等の取組を推進してまいります。
8ページを御覧ください。
戦略3では、過疎地域における新技術等を活用した物流手段の導入や災害に強い物流の構築を目指しております。
主な取組状況といたしましては、ドローン等を活用した物資輸送の実証実験や、住民主体の移動支援サービス創出等への支援、防災訓練における配送訓練などを実施いたしました。
今後の取組方針といたしましては、山間地の過疎集落におけるドローンを活用した物資配送の実証実験や、災害時におけるドローン活用に向け、県職員の実動訓練等を実施してまいります。
9ページを御覧ください。
戦略4では、道路・港湾・空港における交通ネットワークの充実化、利活用促進を図り、物流を支えるインフラの充実を目指してまいります。
主な取組状況といたしましては、主要な渋滞箇所の解消につながる富士川かりがね橋の開通や、清水港等の港湾利活用拡大に向けたポートセールス活動などを実施いたしました。
今後の取組方針といたしましては、コンテナ船やRORO船の就航促進に向けた港湾使用料等の減免措置の拡大や、空港貨物の需要拡大に向けた地産品を販売、輸送するプロジェクトなどを推進してまいります。
10ページを御覧ください。
物流業界を取り巻く現状は、2024年問題の対応やカーボンニュートラルの実現、災害に強い物流の構築など多くの課題が存在しております。これらの課題に対応するために、国、荷主企業や物流事業者といった物流業界の関係者が連携し、それぞれの役割に応じて対応することが必要となります。県といたしましても、物流施策の強化に向けまして、令和6年度以降の推進体制及び施策について強化を図ったところでございます。
まず、推進体制につきましては、各部局の部長代理等を物流対策推進官に新たに任命いたしまして、各部局の物流関連施策をより一層連携させ、責任を持って統括するよう体制を整えたところでございます。
11ページを御覧ください。
2024年問題への対応として、国が策定いたしました物流革新に向けた政策パッケージを踏まえ、国、荷主企業、物流事業者、県の役割を整理いたしました。その上で、荷主企業、物流事業者が行う人材確保や物流効率化、モーダルシフトへの取組支援など、県が担うべき役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
最後に、12ページを御覧ください。
先ほど戦略ごとの取組の中で御説明した内容と重複いたしますが、2024年問題の対応ということで、主な取組を記載してございます。総合政策課といたしましては、物流における課題の解決に向けまして、物流ビジョンの進捗管理を的確に行いまして、各部局における取組を促進してまいりたいと考えております。
○海野都市計画課長
続きまして、交通基盤部の資料3ページをお願いいたします。
物流施設を整備する場合の都市計画及び開発許可手続について御説明いたします。
交通利便性が高い高速道路インターチェンジ周辺は、新たな土地の利活用による地域活性化が期待されております。県としましては、今後も地元市町と連携を図りながら、計画的な土地利用が図られるよう、適切な都市計画法の運用を行ってまいります。
2の市街化区域と市街化調整区域です。
(1)市街化区域ですが、市街化区域では優先的かつ計画的に市街化を図る区域としまして、国土交通省の補助などを使いながら、街路、公園、土地区画整理、市街地再開発等、都市基盤整備を積極的に行っています。一方、(2)市街化調整区域は自然環境の保全、農林業の推進のため、市街化を抑制する区域としております。ただし、開発許可の手続により建物立地は可能となります。
ここで、5ページの地図をお開きください。
こちらに静岡県の地図がありますが、赤く縁取りしているところが、市街化区域と市街化調整区域に分けている、いわゆる線引きの都市計画区域です。東の御殿場小山広域都市計画区域から一番西の湖西都市計画区域まで、県下では10都市計画区域、17市町において市街化区域と市街化調整区域を分ける、いわゆる線引き制度を用いているところです。
凡例にもありますが、線引き都市計画区域の中のピンクに塗り潰してあるところが市街化区域となります。それ以外の場所が黄緑ですけれども、市街化調整区域です。
もう一つ、東西の大動脈であります東名高速道路と新東名高速道路を紫色で示していますが、東名高速道路は比較的都市部を横断しているのに対し、新東名高速道路は北側で、市街化調整区域や都市計画区域外を通っているという状況でございます。
もう一度、3ページに戻ってください。
3の市街化調整区域における必要手続です。
都市計画法の立地基準においては、下の表の@、A、Bのいずれかを行う必要があります。@市街化区域の拡大は、そもそも市街化調整区域から市街化区域にしてしまえば、立地はできますということです。この権限は県及び政令指定都市が持っております。A市街化調整区域のまま、地区計画というものを市町が権限により立てれば、その区域においては立地が可能となる制度です。B開発行為の許可は権限は県、市町、いろいろありますが、こちらにつきましては後ほど土地対策課長から詳細に説明します。
4の主な県内の取組状況ということで、新東名のインターチェンジ周辺だけをピックアップしてみました。平成24年の開通以来、新東名高速道路については、全部で14か所のインターチェンジ及びスマートインターチェンジがございます。このうち7つで、それぞれ@、A、Bのいずれかの手法により、物流施設や工業団地の開発を行っています。一部完了したところもあったり、事業中のところもございます。なお、4番、5番につきましては、島田市と森町は、そもそも先ほどの地図で線引きを行っていないため、もともと立地基準がございますので傍線を引いているところです。
なお、プラスとしまして、都市計画法の手続については@、A、Bですが、市街化調整区域の場合、多くの場合が農振法や森林法などの規制がかかっている場所が多いです。したがいまして、都市計画法の規制解除を行う、現状の規制を変更すると同時に農振法や森林法も同時に規制を外すという作業が必要となります。
○福田土地対策課長
それでは引き続きまして、開発許可の手続に関し、説明いたします。
ただいまの資料の続きになりますが、4ページを御覧ください。
まず、5(1)を御覧ください。
建築物を建築するための土地の改変行為を開発行為と言います。一定規模以上の開発行為には許可を要します。その要件としまして、一定以上の幅員の道路や、十分な能力の排水施設などの整備を義務付けておりますが、良質な宅地水準を確保するための技術基準と呼んでおります。
また、市街化調整区域につきましては、併せて立地基準に該当する必要がございます。
原則、開発を禁止する市街化調整区域におきまして、例えば、日用品店舗のような既存集落の維持に必要となります施設や農林水産加工場のような区域の支援を有効活用するための施設、そういったものにつきましては例外的に認められるという制度でございます。
次に、(2)のフローを御覧ください。
許可手続の大まかな流れになります。本県では、既に全ての線引き市町――ここでは処分庁と呼ぶ――に対し、開発許可権限の移譲が済んでおりまして、許可処分の手続は全て市町で行うことになります。ただし、一部には県の開発審査会の議を経なければならない開発行為というのが存在しており、先ほど申し上げました日用品店舗、農産物の加工場のようなものにつきましては、審査会の議を経る必要はございませんが、工場や倉庫といったものにつきましては開発審査会の議を経る必要がございます。
続きまして、(3)物流施設の立地の手続を御覧ください。
上のフローのとおり、その全ての工程を経ることになります。審査会の承認を経た上で市町が許可することとなりますが、静岡県の開発審査会の中では、付議することができる物流施設の類型を定めております。資料(3)の下に米印で対象となる土地と書いてありますが、下線が引いてある区域――処分庁があらかじめ指定した区域に位置し、高速道路のインターから5キロの区域内にあり、インターチェンジに至る道路の幅員が6.5メートル以上である土地――が基本となります。
また、下に2つほどポチを打ってありまして、4車線以上の国県市町道に接している土地や高速道路のインターからおおむね1キロの区域、こういったものも認められることがあるという制度です。ですので、上の処分庁があらかじめ指定した区域があれば、そこに立地するのが基本という基準を設けております。
なお、近年の静岡県開発審査会の付議実績ですが、令和元年から令和5年までの付議実績は件数にしまして、令和元年から2件、5件、6件、3件、3件と付議の実績がございます。審査会に付議される件数というのは年間大体10件から15件ぐらいですので、こうした物流施設の付議の件数はかなり多いというのがお分かりになるかと思います。
○平山建設業課長
私から、建設業の現状、働き方改革、担い手の確保・育成など、建設業に対する県の支援の取組と課題などにつきまして説明させていただきます。
説明は、資料右上の資料番号とページ下に記載したページ番号で御案内させていただきます。
6ページの資料2を御覧ください。
建設業の現状、担い手確保、働き方改革、生産性向上などの命題に関しましては、交通基盤部において2019年に策定し、現在まで継続的に施策に取り組んでおります静岡県建設産業ビジョン2019と内容がおおむね一致しているということで、このビジョンの柱立てをベースに説明させていただきます。
このビジョンは、少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴う若年就業者の割合の減少と高齢化の進展、自然災害の多発に伴う地域社会における役割の増大、働き方改革の必要性の高まりなど、現在も続いております厳しい経営環境や社会的要請に的確に対応し、建設産業が夢や誇りの持てる魅力ある産業に転換するための課題、取組の方向性を取りまとめたものでございます。交通基盤部では、このビジョンに沿って、担い手確保・育成対策や働き方改革などの施策を進めております。
課題といたしまして、働き方改革の推進、担い手の確保・育成、建設現場における生産性の向上、経営の安定化と地域力の強化、美しい景観の創造力向上の5本を柱として掲げております。
7ページの資料2−2を御覧ください。
まず、建設業の現状について説明させていただきます。
本県における建設産業の就業者の年齢構成を見ますと、全国的な状況と同様に、若年齢層の割合が減少し、今後10年程度で引退すると考えられる高年齢層が約40%に迫っておりまして、将来にわたる担い手の確保が必要な状況となっております。
県内建設業従業者数を見ますと、平成26年には約11万人でございましたが、令和7年には約10万人と、10年ほどで約1万人の減少が見込まれております。従業者数全体が減りまして、内訳として、若者の割合が減って高齢者の割合が増えていると、そしてその高齢者は遠からず引退していくという流れの中で、担い手を確保するために働き方改革を推進し、夢や希望を持てる産業へ転換することが喫緊の課題となっております。そうした中で、本年4月1日からは、建設業においても罰則つきの時間外労働規制が適用されております。
県では、これまでもビジョンに沿って、建設産業の働き方改革への対応、担い手確保・育成や現場における生産性向上を喫緊の課題として取り組んできましたが、現状では週休2日工事の市町におけるさらなる推進、民間への波及、定着などが課題となっているところでございます。
8ページの資料3−1を御覧ください。
建設業の働き方改革の大きな命題であります週休2日の取組として、ふじ丸デーについて説明させていただきます。
今、後ろで掲げておりますけれども、このようなポスターで、一斉休工をPRしています。このふじ丸デーは、建設業の担い手不足が深刻化して、一方で時間外労働規制の適用など働き方改革が急務となっている中で、他産業では当たり前になっている週休2日を建設業においても当たり前にしようということで、県内建設業界の団体及び行政機関が主体となりまして、令和3年度から産官連携による県内公共工事の一斉休工に取り組んできたものでございます。
まず、令和3年度から毎月第2土曜日をふじ丸デーといたしまして、公共工事の一斉休工とする取組を開始いたしました。その後、対象日を徐々に増やしまして、令和5年の10月からは全ての土曜日を対象としております。6年度につきましてもこの取組の定着化を引き続き推進しているところでございます。
県では、公共工事の入札執行に当たりまして、週休2日に対応した適切な工期設定を行うとともに、週休2日を実施するために必要となる経費を積算、計上しまして、このやり方を災害復旧等を除く全ての工事に適用しております。
現状の課題といたしましては、この後の説明にも出てまいりますが、市町が発注する工事への一層の浸透が必要であるということ、さらに公共工事が先導役となって、民間工事にも同様の考え方、やり方が波及していくことを目指しておりますが、民間工事への波及という部分も課題と考えております。
○森西技術調査課長
9ページの資料3−2を御覧ください。
建設業の働き方改革における週休2日工事の普及促進について説明いたします。
建設現場における労働環境の改善として、週休2日の取得が可能な環境づくりを推進するため、週休2日推進工事の実施に取り組んでいます。
週休2日工事とは、対象期間において4週8休以上の現場を閉所する工事であり、4週8休以上とは、対象期間内の現場閉所日数の割合が28日のうちの8日、つまり28.5%以上の水準を言います。週休2日の確保に当たり、閉所の現状に応じて経費を補正し、閉所に必要となる経費を計上するとともに、工事成績評定、総合評価における加点を行っております。経費の補正は下表のとおり、労務費、機械経費、共通仮設費、現場管理費のそれぞれに国の基準と同率の係数を乗じています。4週8休以上の閉所が確認できた場合は、請負工事ベースで2%から3%の増額となります。
令和6年度からは、さらなる普及促進に向けて、災害復旧工事を週休2日工事の対象としました。週休2日工事の対象となる工事は、施工に必要な日数が短い工事、通年維持工事及び緊急性の高い応急対策工事等を除き、原則全ての工事を対象として発注しています。
令和5年度の実施状況ですが、対象となる1,038件のうち995件で4週8休以上、4週7休と4週6休がそれぞれ1件、その水準に達成しなかった工事が41件でした。4週8休以上の達成率は96%と、おおむね達成できている状況となります。
課題といたしましては、週休2日工事の確保により、工事費増、工期延伸となりますが、必要性の理解を深め、市町工事において週休2日工事を進めていく必要があります。表のとおり、市町工事発注のうち、週休2日工事の対象となる4,230件のうち、週休2日工事対象として発注した工事は1,734件であり、発注率は41%と低い水準となっております。
○平山建設業課長
続きまして、10ページの資料3−3を御覧ください。
働き方改革のうち、発注の平準化についてです。
道路や河川などに係る土木建設工事は、国・県・市等公共工事が中心でございます。公共工事の特性として、年度当初の第1四半期には仕事が少なく、年度末の第4四半期は非常に忙しくなるという、繁忙期と閑散期の波が発生しております。この繁閑の波を平準化することによりまして、人材、資機材の実働日数の向上による建設業者の経営の健全化、技術者・技能者の休日の確保など処遇改善の効果を上げることができますことから、各種の対策を実施しているところです。
具体的には2の主な平準化策に記載のとおり、工事着手日選択型工事の活用、債務負担行為の活用、発注見通しの早期公表などの対策を実施しております。指標として、平準化率がございます。これは、年間の月当たりの平均稼働件数を分母といたしまして、4月から6月の月当たり平均稼働件数を分子として比率を計算したもので、現状では0.8を目指しておりますけれども、グラフのとおり0.75前後からなかなか上げられない状況となっております。
課題といたしましては、この繁閑の波の要因は、公共工事であるがゆえに、単年度の予算により早期発注が難しく、工期が年度末に集中してしまうという事情にございます。そのため、予算の繰越制度などをうまく使うという方法もございまして、国土交通省ですが、この方法を勧めております。ただ一方で、繰越しは本来あるべきではないという考え方も根強く、制度の制約の中で、平準化が進められないという部分がございます。予算の繰越しや債務負担の柔軟な運用が必要と考えているところでございます。
11ページから13ページにかけての資料4を御覧ください。
県では、建設産業の将来の担い手確保のため、静岡どぼくらぶ講座による若年者への建設産業の理解促進に取り組んでおります。
具体的には、若者の職業選択において建設産業が選択肢の一つとなるよう、小・中学生、高校生等を対象とした出前講座や建設現場体感見学会のほか、小学生と保護者を対象とした親子インフラツーリズム、若手従業者の横のつながりをつくり、離職を防止するための若手交流会、高校、中学の先生方を対象とした教員研修会などを教育機関や民間企業、その他行政機関等と連携して開催し、若年者の建設産業への理解促進を図っております。
課題といたしましては、こうした建設産業の魅力や重要性の一般県民に向けたPRがほとんど行われていない部分にあると考えております。
例えば、災害が発生したときに、地元警察や消防の活動はマスコミに広く報道されますけれども、初動時に災害協定に基づきいち早く現場に入って対応する地元建設業者がいることは、多くの人が知らない状況でございます。県建設業協会では、建設災害応急支援隊C−DESTを組織化しまして、ポスターやビブスを作成してPRに努めているところですが、こうした建設事業者の活動も、さらにPRしていく必要があるのではないかと考えているところでございます。
○森西技術調査課長
14ページの資料5を御覧ください。
生産性の向上に向けた取組と課題について説明いたします。
建設産業が良質な建設サービスを提供しつつ、多様なニーズに対応するためには、生産性向上のための取組を推進する必要があります。生産性の向上に向けて、県として取り組んでいる内容と課題について説明いたします。
ICTや新技術による生産性の向上についてです。
取組の方向性としては、ICT工事の普及拡大及び新技術の利活用促進です。令和5年度はICT活用工事を103件実施し、新技術交流イベントは1,131名に参加頂きました。課題としては、ICT建機が高額であることや、作業員が高齢化し、新しい技術に対応ができない場合があること、また、現場のニーズに合った新技術の情報不足が挙げられます。
発注・施工時期の平準化による生産性の向上についてです。
取組の方向性としては、工事量の時期的な偏りを解消し、人材、機材の有効活用を目指しています。平準化の推進に向けて、発注業務を担う出先機関職員に対する制度説明を行っています。
課題としては、10ページの資料3−3にも説明したとおり、平準化のための予算措置上の仕組みが必要であることが挙げられます。
事業の特性に応じた入札契約制度の確保による生産性の向上についてです。
維持管理等において、同一地域内での複数の種類の業務、工事を1つの契約により発注――包括発注をすることで生産性の向上を図ります。現在、県と下田市による道路の包括管理業務を試行しております。取組を進めていくには、試行の結果を踏まえて、下田市以外の市町など関係する機関と連携していくことが必要です。
受発注者のコミュニケーションの円滑化による生産性の向上についてです。
取組の方向性としては、工事関係書類の簡素化、統一化です。現在、チェックリスト等提出書類の必要性の見直し、国等との様式の統一化を進めています。
課題としては、関係法令や仕様書の改定が必要であることです。
市町の発注体制の強化による生産性の向上についてです。
取組の方向性としては、市町発注工事での週休2日の実施や、発注・施工時期の平準化の推進です。現在、国、県及び市町で構成する協議会を通じ、情報共有や制度への理解を深める取組を行っています。
課題としては、資料3−2で説明したとおり、市町の取組が遅れていること、週休2日の確保により、工事費が増えてしまうことや、工期が延びてしまうこと、平準化のための予算措置上の仕組みが必要なことが挙げられます。
○平山建設業課長
続きまして15ページの資料6を御覧ください。
地域の守り手に配慮した入札・契約制度についてでございます。
交通基盤部では、建設産業は単なる一つの産業分野、公共工事の受け手というだけでなく、地域の守り手として非常に重要な役割を担っていると考えております。
例えば、大雨による土砂崩れで孤立した集落があるとき、そこまでの応急の車道をいち早く開くような場合、地域の建設業者が必要不可欠ですが、そうした建設業者は減少しております。県では当然、特定の事業者を優遇するということはございませんが、一方でルールを決めた中で、地元の公共工事をできる限り地元の建設業者に発注したいということで、入札契約制度について毎年度見直しを行っているところです。
令和6年度は、地域を守る事業者維持・育成入札試行要領の対象業種、施工範囲を拡大いたしまして、県発注の全ての公共工事に適用するなど、地元発注の枠組みを強化しております。また、事務負担の軽減が期待できる電子契約や災害対応に当たった実績を加点対象とする改正を行っております。
課題といたしましては、こうした取組をさらに拡大していく必要があること、そのために、随意契約の制度の弾力的な運用や維持管理を含めた公共工事の長期的な契約なども考える必要があると思っているところでございます。
最後に、建設業の関係ですが、先日の国会で改正されました第三次・担い手3法について触れさせていただきます。
国土交通省の公表資料を3枚つけさせていただいております。
まず1枚目、16ページを御覧ください。
先日の国会で建設業法、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)、それから、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)になりますが、この三法が担い手確保、生産性向上、地域における対応力強化という目的で改正されました。その改正内容は、労務費の確保と行き渡り、労務費へのしわ寄せを防ぐ資材高騰分の転嫁の円滑化、著しく短い工期の契約締結の禁止など、働き方改革に資する中身となっております。
17ページを御覧ください。
建設業法と入契法の内容でございます。
上の箱の中ですが、背景・必要性の部分を御覧いただきたいと思います。考え方といたしまして、建設業は他産業より賃金が低く就労時間も長いため、担い手の確保が困難という現状に対し、建設業が地域の守り手等の役割を果たしていけるよう、時間外労働規制等にも対応しつつ、処遇改善、働き方改革、生産性向上に取り組む必要があります。右上に記載の流れ図のとおり、賃金を引き上げ、資材高騰分の転嫁をしっかり行い、労働時間の適正化、現場管理の効率化により、担い手を確保して持続可能な建設業へ転換していこうという考え方となっております。
18ページを御覧ください。
品確法の内容でございます。
こちらは、担い手確保、地域建設業等の維持、生産性向上の取組を公共工事から加速化、牽引することで、将来にわたる公共工事の品質確保、持続可能な建設業等の実現を目指しているという内容でございます。
この法改正につきましては、今後1年半以内に施行するとされておりまして、今後、国において、政省令の整備やガイドライン等の改正が予定されておりますことから、国の動きを注視しつつ、関係団体の周知やホームページへの掲載等により、改正建設業法等の周知を図っていくとともに、対応状況を確認し、定着を図っていきたいと考えております。
これらの担い手確保・育成、働き方改革の推進等につきましては、県のビジョンにおいても、主な取組として掲げていることから、引き続きビジョンの実現に向けて取り組んでいくことにより、改正建設業法等に記載された取組も併せて推進してまいります。
建設業関係の説明は以上でございます。
○八木労働雇用政策課長
私からは、経済産業部資料3ページから5ページを御説明させていただきます。
それでは、3ページ資料1の本県の雇用情勢を御覧ください。
初めに、有効求人倍率でございますが、ハローワークを通じた求人・求職を基に算定した数値でございまして、求職者1人に対してどれだけの求人があるかということを示しています。
まず、(1)本県の有効求人倍率の推移を見ますと、コロナ禍の影響で、令和2年度に0.97倍と大きく落ち込んでおりますけれども、その後1.29倍まで回復いたしまして、令和6年5月時点では1.11倍で、40か月連続で1倍台となっております。
次に、職業別有効求人倍率を見ますと、保安7.04倍、建設5.69倍、介護分野3.99倍と高く、輸送・機械運転においても1.87倍と、全業種の平均を上回って人手不足ということが、有効求人倍率からも読み取れます。その他の業種につきましても、県内では多くの業種で人手不足が深刻化しております。
当課では、県内企業の情報発信や企業とのマッチングを支援するなど、若者のUターン就職支援や、女性、高齢者、障害のある人、外国人など多様な人材の活躍支援に向けた施策を展開しておりますけれども、労働人口が減少する中で、本県産業の担い手となる人材の確保を図るためには、より外国人の活躍を推進していく必要があると考えております。
2の外国人労働者の状況を御覧ください。
外国人労働者数は年々増加傾向となっておりますけれども、特に新型コロナウイルス感染症の位置づけが感染法上の5類に引き下げられた令和5年度は、雇用事業所数は9,523所、外国人労働者数は7万4859人と、過去最高を更新しております。産業別の内訳で見ますと、全体の約40%を占めるのは建設業でございますけれども、抜粋して記載いたしました人手不足分野に従事する外国人は、建設業が4,241人、運輸・郵便業が1,704人、介護分野が1,480人となっております。
続きまして、4ページを御覧ください。
海外高度人材活躍支援事業についてであります。
本事業の対象となります、いわゆる高度人材と呼ばれる専門的な知識や技能を有する外国人材の割合については、年々増加傾向にありまして、企業における採用ニーズが高まっております。こうしたことから、当課におきましては、海外高度人材採用活動を行う県内の中小企業を支援するために、地域外交局をはじめとした庁内の関係部局と連携いたしまして海外の大学や大学院等を卒業または卒業予定の高度人材を対象とした合同面接会を令和元年度から開催しており、5年間の内定者数が188人となっております。令和6年度も、9月にモンゴル、11月にベトナム、2月にインドネシアで合同面接会を開催することとしておりまして、現在、面接会の事前説明会や参加企業の募集を行っているところでございます。
モンゴルにおいては、健康福祉部の介護保険課が同じ会場で介護人材の面接会を開催することとしておりまして、これまで以上に関係部局と連携を図りまして、官民一体となって海外からの活力の取り込みを推進していくところでございます。
今後、外国人労働者のさらなる増加が見込まれる中で、本県が外国人に選ばれる県となるよう、生活労働環境を整備していくことが喫緊の課題となっております。外国人を労働力だけとして見るのではなく、同じ県民という視点を持ち、日本語教育や安心して働き、暮らしていくための支援を行うなど、地域外交局とも連携し多文化共生社会の実現に取り組む必要があると考えております。また、外国人を雇用する企業に対しましては、外国人に長く働き続けてもらえるように、適切な処遇や将来的なキャリアプランの明示の重要性について助言するなどの取組も重要であると考えております。
続きまして、5ページを御覧ください。
資料3の誰もが働きやすい職場環境づくりの推進であります。
しずおか産学就職連絡会がまとめた県内企業の新卒実態調査によりますと、学生が就職先企業を決定する際に決め手となったものは、仕事内容のほかに職場の雰囲気や福利厚生などと回答しておりまして、働きやすい職場環境を求める傾向が明らかとなっております。しかしながら、人手不足分野と言われる業界においては、長時間労働など勤務条件が厳しい等のイメージが先行しており、就職先として検討されない状況があります。人々の価値観やライフスタイルの変化に合わせまして、誰もが働きやすい職場環境づくりが求められております。そうした職場環境づくりを通じて、産業人材の確保を図っていく必要があります。
そのため、県内中小企業へのアドバイザー派遣や専門家による巡回訪問支援を通じて、ダイバーシティ経営の普及を促進するとともに、多様な人材の活躍推進や多様な働き方の導入に取り組む企業を支援しております。
また、多様な働き方の選択肢の1つとして、テレワークの普及促進に取り組んでおります。テレワーク導入セミナーにつきましては、製造業や建設業など一般的にテレワークの導入が困難と思われている業種における先行事例等を紹介するなど、テレワークの導入を働きかけ、これらの業種においても働き方を改善することで、人材確保につながるように取り組んでおります。
○佐野職業能力開発課長
私からは、引き続き資料4と資料5を説明させていただきます。
資料4の6ページをお開きください。
外国人技能実習制度の見直しについて説明いたします。
従来の外国人技能実習制度を廃止し、就労を通じた人材育成及び確保を目的とする新たな育成就労制度が成立し、2027年までに始まる見通しです。
2の入管法、育成就労法の主な改正点についてです。
入管法では、新たな在留資格――育成就労を創設し、育成就労法で特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的としております。技能実習制度では認められなかった本人意向の転籍も、同一業務区分内であることや就労期間、技能等の水準などの一定の要件を満たせば可能となります。
3の技能実習制度と育成就労制度の主な違いについてです。
主な違いを表にまとめさせていただきました。特定技能は現在もある制度です。技能実習制度から育成就労制度に、2027年までに移行する予定です。目的が技能実習の国際協力から育成就労の人材育成と確保に変わり、育成就労から特定技能への移行を促進し、長期間産業を支える人材を確保する狙いがあります。
資料5の7ページをお開きください。
県立職業能力開発施設で行っている建設業関係の人材育成の取組について説明します。
県立工科短期大学校及び浜松技術専門校では、若年者訓練、離転職者訓練及び在職者訓練において、建設業関係の人材育成を実施しています。
2の若年者訓練についてです。
建設業関連の若年者訓練としまして、工科短期大学校静岡キャンパスにおいて電気技術科、建築設備科を、訓練期間2年間で実施しております。電気技術科では電気設備の設計、施工、管理、保守の技術・技能を身につけ、電気通信工事、電気設備保守関係会社等に就職しています。建築設備科では、建築設備の設計、施工、管理、保守の技術・技能を身につけ、給排水衛生設備、ガス・空調設備関係会社等に就職しています。また、浜松技術専門校において、建築科、設備技術科を訓練期間1年間で実施しています。建築科では、建築大工に必要な施工、設計、管理の技術・技能を身につけ、建築工務店、建設会社等に就職しています。設備技術科では、給排水設備、空気調和設備の施工、設計、管理に必要な技術・技能を身につけ、給排水衛生設備、空調設備関係会社等に就職しています。
3の離転職者訓練についてです。
工科短期大学校と浜松技術専門校では、離転職者訓練により訓練期間6か月もしくは11か月の短期間で、建設業に就労するために必要な基礎的な技術・技能を早期に身につけて、再就職を目指す職業訓練を実施しています。工科短期大学校沼津キャンパスにおいて、住宅メンテナンス科では、建築、内装、配管設備、電気工事など、住宅等のメンテナンスや施工に必要な技術・技能を身につけ、住宅リフォーム関係事業所に就職しています。電気工事科では、第二種電気工事士養成施設認定コースとして、第一種電気工事士の資格取得も目指し、電気工事業に就職しています。浜松技術専門校において、造園科では、造園管理に必要な技術・技能を身につけ、造園業に就職しています。電気工事科では、工科短期大学校沼津キャンパスの電気工事科と同様、第二種電気工事士養成施設認定コースとして、第一種電気工事士の資格取得も目指し、電気工事業に就職しています。
4の在職者訓練についてです。
工科短期大学校と浜松技術専門校では、在職者訓練により、労働者に対し新たな技術・技能の習得や、既にお持ちの技能のレベルアップを図るための短期間の職業訓練を実施しています。在職者訓練は約300コース計画し、うち建設業関係は電気工事、建築製図、造園、配管などがあります。
○中村高校教育課長
私からは、教育委員会の資料に基づきまして、御説明申し上げます。
人材確保に向けた若者向け啓発、理解促進という点では、高校の中ではキャリア教育として取り組んでおりますので、そちらを御説明させていただきたいと思います。
キャリア教育は、望ましい職業観、勤労観及び職業に関する知識や技能、そして自己の個性を理解し主体的に進路を選択する能力、態度を身につけていくことを目指しております。
教育委員会といたしましては、資料3ページの3(1)にありますように、経済団体や就業支援機関など、産学官が一堂に集まり議論を行う静岡県キャリア教育推進協議会を実施しております。キャリア教育に関する学校の課題や行政の施策、産業界等からの要望等を議題として、それぞれの課題解決に向けた協議や情報の共有を行っております。
また、資料4ページになりますが、生徒の職業観、勤労観を養うために、静岡大学から講師を招聘するといったように、大学の教育内容への理解と興味・関心を喚起するため、大学から講師を招聘いたしまして、高校生向けの大学講義を行っていただく取組も行っているところでございます。
また、(4)にありますとおり、学習内容や将来の進路に関連したインターンシップを実施しております。コロナの影響で、令和2年度は実施校が大体33%まで低下してしまっておりましたが、令和5年度では83.5%まで回復してきておりまして、実施校もだんだん増えてきているところでございます。
資料5ページを御覧ください。
就職の状況についてでございます。
高校生の就職内定率は、2の就職内定率、求人数の推移の(1)の表の一番右の全定と書いてあるところですが、近年は98%近辺で推移しており、非常に高い水準となっております。
また、(2)の求人数の推移のとおり、本県求人倍率も非常に高くなっております。近年の令和4年度、5年度は3倍を超える規模となっております。いわゆる売手市場でございまして、新聞報道なども行われておりますが、各学校には卒業生の数を上回る求人の数が寄せられており、生徒は非常に選択肢が多い中から職業を決めていくことが可能な状況となっております。
資料6ページをお開きください。
6ページの4、令和5年度事業実績の(2)にありますように、選択肢が多い中でも生徒が、自分の適性や希望を的確に就職に反映させていくことが大切になっております。そこで、学校の先生が進路指導の中でも就職支援をしているのですが、それに加えて、現役時代に進路担当を行っていた退職教員等をジョブ・サポート・ティーチャー――就職支援教員とし、就職希望が多い高校や就職支援に課題を抱える定時制高校等に配置して、きめ細やかな指導を行っているところでございます。なお、この4人のジョブ・サポート・ティーチャーは原則として、本務校に週3日、兼務校の2校に週1日ずつ勤務し、生徒に対して就職指導や支援を行っているところでございます。
また、求人は多くあると先ほど申し上げましたが、早期の離職率も非常に高くなっております。令和4年度の高卒3年以内の離職率は、県内で30.4%、全国は35.9%でございます。このような早期離職というのは、どうしてもミスマッチから起こるところと言われております。
そこで、資料8ページにありますように、高校生就職マッチング対策事業というものを実施し、未内定者への就職支援、それから就職ミスマッチによる早期離職を防止するための就職支援活動を行う就職支援コーディネーターを配置して、希望校に巡回させております。進路未決定者には個別の進路指導を中心に実施し、また、発達障害などを抱える生徒や外国籍生徒、進路に不安を抱える生徒等にも、就職支援コーディネーターが相談に乗るなどの個別支援を実施しているところでございます。
また、学級や学年単位でセミナーも実施しておりまして、進路意識の醸成や履歴書の書き方、面接指導なども実施しているところでございます。
教育委員会としては、生徒一人一人が自己の個性を理解して、主体的に進路を選択する能力や態度を身につけていくことができるよう、キャリア教育を推進していくことにしております。
○伊藤医療人材室長
健康福祉部の資料3ページをお開きください。
私からは、看護職員の負担軽減に向けたデジタル技術を活用した取組・支援・課題に関連しまして、医療従事者の勤務環境改善推進の支援について御説明いたします。
1にありますとおり、本県では医療従事者の勤務環境改善を推進するため、医療法に基づき設置したふじのくに医療勤務環境改善支援センターにおきまして、医療機関の要請を受け勤務環境改善に係る相談等を行う社会保険労務士の派遣や有識者による研修会の開催に加え、勤務環境改善計画に基づく取組への助成等の支援を行っております。
2のふじのくに医療勤務環境改善支援センターにつきましては、県の委託事業として、静岡県病院協会に設置し、センター長を県病院協会長にお願いしております。
医療機関に助言等を行うアドバイザーにつきましては、医療労務管理に関しては社会保険労務士、医業経営や看護効率化などに関しては、日本医業経営コンサルタント協会静岡県支部会員及び静岡県看護協会働き続けられる職場づくり推進委員会委員をそれぞれ配置しております。
3の事業概要につきましては、令和6年度当初予算において、センターの運営としてアドバイザー派遣等に1,550万円余、医療機関担当者向け研修会に110万円余、勤務環境改善計画策定運用促進として勤務環境改善計画の策定、計画に定めた事項の実施に要する経費の助成に3,640万円余の計5,310万円余となっております。
令和6年度事業計画につきましては、アドバイザー訪問、医療関係団体が参画した運営協議会の開催、病院を対象とした研修会を4回開催、センターの活用PR、勤務環境改善計画の策定取組を行う病院への助成12病院となっております。
次ページを御覧ください。
5の主な活動実績の数値でございます。
アドバイザー派遣につきましては、令和2年度、3年度は新型コロナの影響で減少しておりましたが、令和4年度以降は元に戻る形で、年間50病院程度実施しております。医療機関を対象とした研修会は、令和5年度には年4回開催しております。医療機関へのアンケート調査により、勤務環境改善計画を策定している病院が、令和5年度に69病院となっており、県内には病院が全部で170ありますので、3分の1超となっております。勤務環境改善計画策定病院への補助金交付につきましては、令和5年度に3病院となっております。詳細につきましては、6で御説明させていただきます。センターの活動に関して御意見を頂く運営協議会に関しましては、年3回程度開催しております。
6の医療勤務環境改善事業費補助金の実績でございます。
勤務環境改善計画を策定して、継続的に医療従事者の勤務環境改善に取り組む病院に助成しております。令和元年度からの5年間で延べ24病院、5,920万円余を交付しております。これらの取組の中で多いものとしましては、勤怠管理システムの導入が多くなっております。看護職員の労働時間の管理は看護師長等の業務となっておりまして、大きな負担となっているので、その負担の軽減と適切な労務管理を目的として、多くの病院で実施しております。システム導入により、看護師長等の負担軽減が図られ、看護業務や若手看護師の育成に時間をかけることが可能となっていると考えております。そのほかに多いものとしましては、看護職員等の負担軽減のための電動ベッドの導入や業務効率化のための電子カルテの導入となっております。
○加藤介護保険課長
私からは、介護職員の負担軽減に向けたデジタル技術の活用につきまして、御説明いたします。
資料は、引き続きまして5ページの資料2を御覧ください。
まず、県内の介護職員の状況ですが、2の左側の表にございますように、年々増加しております。右側の表にいきまして、令和4年の時点で5万5567人となっております。令和4年度を基準といたしまして、市町におけるサービスの見込み量あるいは将来の入職者数・離職者数等から、今後の需給推計を行ったところ、3年後の令和8年(2026年)に必要とされる5万9061人に対しまして、供給可能なのは5万6688人と約2,300人の差が生じており、さらに高齢者人口がピークを迎えます2040年(令和22年)にはその差は1万500人余と広がりまして、さらなる介護職員の確保と定着が重要になってまいります。
県の取組についてですが、まず3(1)の介護分野のICT化等事業費助成があります。こちらは介護事業所に対して、ICT機器及び介護ロボットの導入の経費の一部を助成するものでございます。実績として一番多いのが、表の左から2番目のICT機器等導入支援になります。こちらは、介護記録から請求業務までの一連の手続を処理する介護ソフトあるいはタブレットの導入、こういったものが主な内容となっております。
その隣から、介護ロボット関係の導入支援のメニューとなっておりまして、この中で最も多いものは、見守り等となっております。こちらの代表的なものは、ベッドの布団の後ろに敷いて、寝返りや心拍数などを検出して、リアルタイムで表示するといった機器の設置です。これによりまして、利用者の状態に合わせたケアの提供ができるようになっております。
事業全体では、今年度の予算は二重傍線の下に記載の2億9000万円、昨年度の実績はその下にございますが、437件で補助金額ベースで2億7046万6000円となっております。
続きまして、6ページを御覧ください。
介護事業所の業務革新を支援する取組であります。
まず、介護事業所の職場革新支援についてでございます。
(2)アになりますけれども、介護事業所にコンサルタントを派遣いたしまして、介護現場の業務の洗い出しから行い、さらに課題を見える化した上でICTあるいは介護ロボットを効果的に活用するという一連の業務効率化のモデルを構築いたしまして、他の事業所への普及を図っているところでございます。表にございますように、令和4年度からの2年間で8つの事業所をモデルといたしまして、昨年度はICT機器を活用して、介護記録等のルールを整理してマニュアルを作成し、介護記録のデジタル化や職員間の利用者情報の共有化を進めました。それによりまして、職員間の円滑な情報共有に加えて、職員のテクノロジーに対する抵抗感も改善されたといったアンケート結果も出ており、そういった成果が出ているところでございます。
今年度につきましては、事業所向けのセミナーのほか、こういったモデル事業所の取組の情報発信、またICT機器、介護ロボットの展示会の実施等により、他の事業所への普及を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、7ページを御覧ください。
ケアマネジメント業務AI導入支援になります。
ケアマネジャーが日頃の業務の中で抱えている主な課題といたしまして、利用者や家族への説明、利用者の状態の確認の抜け落ち等によります訪問時間の増加、また後進の育成等が挙げられております。そういう中で、このイメージ図にございますように、ケアマネジャーが利用者の情報をシステムに入力いたしまして、AIシステムがその方に適した介護サービス等をビッグデータに基づいて分析しケアプランの案を提案し、これを参考にプランを作成するといったことになります。これにより、根拠に基づくプランの作成、プランの作成にかかる時間の短縮、また人材育成の負担軽減といった効果が出ておるところでございます。
こちらも昨年度、今年度と県内で1ないし2地域をモデル地域として定めまして、モデル地域での取組に加え、また事業所向けのセミナーや事例集の作成等によりまして、普及を図る予定でございます。
このような取組により、介護事業所におけますデジタル技術を活用した取組を促進しまして、職員の負担軽減を図りながら、人材の定着確保、最終的には介護サービスの質の向上につながるように支援してまいりたいと考えております。
○竹田資産経営課長
私からは、公共施設等総合管理計画の概要について御説明いたします。
経営管理部の資料3ページを御覧ください。
人口減少や少子高齢化の進展など、社会情勢の大きな変化の中で、高度経済成長期に建設された多くの施設が更新時期を迎えているところであります。本県では、平成26年度に公共施設等総合管理計画を策定し、県有施設の総量の適正化や長寿命化、有効活用等を図っているところでございます。
次に、2の県有施設の状況について御説明いたします。
県有施設の延べ床面積は、令和5年度末で383.6万平方メートルとなっております。うち、教育施設や県営住宅が全体の6割以上を占めているところでございます。また、老朽化に関しては、県有施設全体の65.8%が築30年以上の建物となっております。
次に、3の公共施設等総合管理計画――現在の計画の内容でございます。
1番、総量適正化、2番、施設の長寿命化、3番、維持管理経費の最適化、4番、施設の有効活用を4本の柱として、公共施設の総合的かつ計画的な管理をこの計画で推進しているところでございます。また、本計画に基づきまして、各施設ごとの施設管理の方向を定めた個別施設計画を定めまして、ファシリティマネジメントの取組を推進しているところでございます。
なお、本県では、県有施設の延べ床面積を令和31年度までに、令和元年度の面積から15%削減する目標を設定しておりまして、令和5年度末は令和元年度に比べて3.25%の削減となっております。
次に、4ページをお開きください。
県有施設の課題でございます。
人口減少や施設の老朽化の一層の進展、また物価高騰による維持管理費の上昇、長寿命化対策の財源不足が課題として挙げられるところでございます。
最後に5の今後の取組として、今年度、第2期公共施設等総合管理計画の策定を行うこととしておりまして、第1期の計画の総括を行うとともに、DXや脱炭素など、新たな視点を追加したものとしたいと考えております。また、庁内体制につきましても、計画を策定するに当たり、迅速な意思決定を目指し、施設所管課長等で構成されています現在のファシリティマネジメント委員会の体制の見直しを検討しているところでございます。
○和田委員長
以上で当局の説明は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
再開は13時15分とします。
( 休 憩 )
○和田委員長
休憩前に引き続き委員会を再開します。
委員の皆様に申し上げます。
これより質疑応答に入りますが、質問・意見等の内容は、この特別委員会の調査事項の範囲内で、また本日出席を要請した説明者の所管内の質問でお願いしたいと思いますが、御異議ございませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
また今後、この委員会として提言を取りまとめますので、提言につながることを見据えた議論をお願いしたいと思います。
それでは、御質問、御意見等がありましたら発言願います。
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