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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和4年9月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鳥澤 由克 議員
質疑・質問日:10/05/2022
会派名:自民改革会議


○鳥澤委員
 一問一答方式で。
 このたびは亀崎参考人におかれましては、幅広い知識と豊富な経験の中で、本調査に参加し御協力頂きまして大変ありがとうございます。
 この一帯は大変豊かな生態系を持った地域であることと、アカウミガメが自然豊かな環境の中で産卵、あるいは上陸でふ化すると私どもも理解していますが、この近くにはオオタカやカワラハンミョウ等小さい昆虫類や、ハマダイコンやシャリンバイ、コウボウムギなどいろんな植生があります。土壌中とか窒素中花粉化が促進される植物ホルモンは、照明による日長延長等で植物性が変わる花芽文化があります。この周辺における光は、亀に対する影響でしたが、生態系に対する影響はどうお考えでしょうか。

○亀崎樹参考人
 まず、光が植物に与える影響はほとんど調べられていないと思います。従来の見解をお話すると、毎日そういう光が影響を与えることはないんので、それは大丈夫じゃないかと僕はたかをくくっているんですけれども、それは全く根拠のないことで、よくよく調べれば何かあるかもしれません。ただ毎日明るい時間が変化するわけじゃないし、季節的に限られたものと考えればそんなに大きな影響はないのではと思っています。また照度も光合成に関するような話にまではならないような光ですからね、それもあまり関係ないかなと思っています。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 植生が大きく変わらなければ、亀に対する環境について第一条件はクリアされると思うんですが、先ほど建設委員会説明資料の中で、亀の産卵のタートルトラックの中の分布を見ましたが、海に帰る範囲や直接的な距離が長ければ長いほどアカウミガメの遡上としても、また産卵とふ化の確率も上がってくるだろうとお聞きしていますけれども、8月27日の新月のときに特異な行動パターンをしているんですが、これは何か意味があるのでしょうか。

○亀崎参考人
 私もこれ全く分からないです。8月27日の曇りで新月のときに光がない段階で浜松市の光に誘引されているのは間違いないですね。例えば同じように8月25日は海のほうに取りあえず行っているんです。こういうことを見ると、ううんとうなってしまいますね。僕が感じたのは、曇りでしかも月がない夜は絶対的に浜松市のほうが明るいし、ゴルフ場もあり陸のほうが明るい状態が築かれていて、こんなところあるんだと私も感激というかびっくりしたんですけれども、何が起こってもおかしくないですね。例えば25日や26日も右往左往して光に誘引されているような状況が見られるので新月のときはよくない。よくないというか浜松市はあまりよろしくない環境にあることはまず間違いないですね。

○鳥澤委員
 今回、公園の全体の計画の中で、スタジアムの中の大きな駐車場とか街路灯、人工林で樹林帯を造ること、気候変動等これから想定される環境変化がアカウミガメの産卵時期や上陸時期にあることによる影響について御意見等ございますでしょうか。

○亀崎参考人
 それは私も非常に心配しています。だから球場の周辺にできる駐車場とそれに附帯する施設の光は極力漏らさないようにしなきゃいけない。例えばオーストラリアにモン・レポスというところがございまして、そこに同じようにアカウミガメの産卵場があるんですけれども、そこは徹底していまして豆球しかついてないんですよ。だけど豆球のところをちゃんと歩ける施設で強い光を出すものは一切ないんです。そういうところを一遍参考にされながら何とか光が漏れないように、例えばある程度の範囲内に入ったらスモールランプで走れとかゆっくり走れといったことも必要かもしれませんね。そういうことを求めていくのもこれからの時代だと思います。

○鳥澤委員
 確かに本当に微妙なバランスの中で環境が保たれていることがありますので、そこに人工的なものが加わることはかなりのリスクでしょう。生態系を守るため、環境保全のために果たすべき役割があると逆に危機感を受け止めさせていただいたところです。亀の上陸、産卵、ふ化の3つのステージの中で、光あるいは環境が与える影響について御意見等はございますでしょうか。

○亀崎参考人
 アカウミガメの産卵行動に対して影響を与えるとすれば、上陸するときと、それからふ化して脱出するときなんですね。ふ化して脱出するときの影響が一番多分大きいんでしょう。しかも、もっと調査しなきゃいけないのは海に入ってからの行動です。通常子亀は出てきたら、乳酸の加減なんですけれどももう必死に浜辺を走り、そのとき地磁気との間の関係を学び、それで海に入るんですけれども、海に入ったら今度は波に向かって必死に泳ぐんです。それが20時間から40時間続きまして、これを我々はフレンジと呼んでいるんですけれども、その後岸に押し寄せるような波がなくなってもその方向を学んでいて沖に行っちゃうらしいんですよね。それが僕もあまりちゃんと見たことないんですけれども、一番影響を与えるのは海に入ってからです。それで海に入ったあとどうばらつくかは、我々今後ちゃんと検討していかなきゃいけないことだと思うんですけれども、亀を夜中に追っていくわけにもいかないものですからうまく研究できていません。それはもう我々が考えるべきところじゃないかなと思っています。

○鳥澤委員
 今回の繁殖地域におけるアカウミガメの産卵成功率はどれくらいですか。

○亀崎参考人
 産卵成功率というのは、上がってきた中で産卵する率ということですか。これは僕よく知らないです。これはサンクチュアリエヌピーオーの方に聞いていただければいいと思うんですけれども、ただ産卵しないことが必ずしも悪いことではないんです。つまり安心な海岸だったらホイホイと上がってくるようなことも当然ありますよね。ですから産卵成功率が悪いからといって、そこが悪い環境とは考えない。

○鳥澤委員
 今回、プロ野球の試合を想定した上空の光について御指導頂いたとのことですけれども、今回草薙球場と千葉のマリンスタジアムがプロ野球の開催時等実際的な事象に基づいた光――平方メートル当たりのカンデラを測定しているわけですけれども、今回の設定基準とその調査内容について何か御意見等はありますでしょうか。

○亀崎参考人
 これ私も見ましたけれども、実態を反映しているかという危惧はあると思いますね。もうちょっと全体像を見せてほしいと思います。ですから、輝度しかデータとして挙がっていませんけれども、もっと球場全体について、光の面積がどうなるのかは全然まだ触れられてないのでもうちょっと調査されたほうがいいんじゃないかなと思っています。

○鳥澤委員
 はい、分かりました。ありがとうございました。

○諸田委員
一問一答方式でお願いします。
 先ほど、海に入ってからの動きが分からないというお話でしたけれども、海に一旦行ったけれども何らかの理由で戻ってきてしまう。戻ってきて死んでしまう事例なんかもあるのでしょうか。

○亀崎参考人
 あります。それで波で打ち上がる個体もありますね。基本的には、要するに静岡の遠州灘でふ化した亀はうまく黒潮に乗らないと駄目なんですね。だから黒潮に乗る率が結構影響を与えると思うんです。その後も黒潮にうまく乗って、それでバハマ、カリフォルニア、カリフォルニア半島沖が餌が一番あってそこで成長することが分かっていますので、要するに黒潮に乗れないということは、その生育海域にうまくたどり着けないことを意味してよろしくないんじゃないかなと思っていますね。

○諸田委員
 ありがとうございます。人工的にふ化させてから放流するまで、時間的なものはどれぐらいのスタンスでやるのが通常なのか。放流するまで時間を調節できるものなのか。そこら辺お知りでしたらちょっと教えていただけますか。

○亀崎参考人
 それは難しいですね。それはやっている人の技量が少し関係しますし、いろいろあるんですけれども、まず亀が脱出したら急に動きが激しくなり、先ほど言いましたように大体20時間から40時間続くんですけれども、それを通常発泡スチロールの箱とかいろんな暗い箱に入れるんですけれども、起こした中途半端な段階で海に放流してもよろしくない状態になるんでしょうね。それをコントロールできる人はなかなかいないだろうね。だから僕でも何か砂に埋もれた状態でと思うんですけれども、フレンジが起こったりしますので、これはなかなか難しいですね。だから本来だったらば脱出したときに海に帰してやるのが望ましいんですよね。日本というか世界各地でいろいろと初期の頃は産卵層を移動するデロケーションも大分行われたんですけれども、そういう方法はそろそろやめようというのが世界の機運ですね。だから、もうあまりやっていても効果がなかったのが事実だと思います。

○諸田委員
ありがとうございます。
先ほども少しお聞きしたんですけれども、いろんな考え方があって、自然にふ化させるのが一番いいという考え方もあれば、しっかりと保護してあげてふ化したものをしっかり帰すのがいいんだという考え方もある。亀崎参考人はどちらかというと、自然のほうがいいというお立場かもしれません。それで相良の調査を亀崎参考人が自然のほうでやったと。片やサンクチュアリエヌピーオーは、しっかりと保護しふ化させて帰す方法をやっているそうなんですけれども、そう考えると先ほど亀崎参考人が言われたように、20時間から40時間の間であれば、時間的な調整をすることによって、光の影響が少なくなった時間帯とかまたは球場を使っていないときに海に帰してあげることもできるんじゃないかと思ったんですけれども、そこら辺可能かどうか。また、サンクチュアリエヌピーオーの方にも聞いてみなければいけないと思いますけれども、亀崎参考人のお考えをお聞かせください。

○亀崎参考人
 サンクチュアリエヌピーオーがもし問題があるとするならば地理的に、つまり70キロメートルぐらいの距離の間の卵を1か所に集めているという話と、それから時間的に、要するにウミガメがふ化する時刻じゃないのにもかかわらず放流しているという話なんですね。そういうことをどうすりゃ解決するかは難しいですね。僕もここの海岸でいろいろ調査したんですけれども、陸のほうがずっと明るいんですよね、浜松市のほうが。ですから、特に新月の夜なんかは、あの状態だったらああいう方法を取らざるを得ないなとは思うんです。ただ浜松市より東の方向は暗いところもそこそこありますので、そこはもうほっておいてもいいんじゃないかという考えも持っています。それから時間です。いつ頃がいいのかというと、彼らは夜中だったら寄ってきちゃうからよくないとか言われるんですけれども、それも本当かどうか検証しなきゃいけません。いろいろと問題があると思います。ただ我々がちゃんと直視しなきゃいけないことは、そういうことをやってきてもう数十年たつんです。サンクチュアリエヌピーオーの場合はもう40年近くも同じようなことをやられているわけですけれども、そういうことをやってきて増えていないことはちょっと問題かなと僕は思っています。アカウミガメが成熟する年齢は20歳ぐらいから60歳ぐらいまでにかけてなんですけれども、これからその効果が出てくるんじゃないかと思っています。

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