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委員会会議録

質問文書

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令和元年10月多文化共生推進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田口 章 議員
質疑・質問日:10/24/2019
会派名:ふじのくに県民クラブ


○田口委員
 どうもありがとうございました。
 母語による支援について、ちょっと教えていただきたいんですけれども、午前中も参考人の方から、母語支援が大事だということを言われました。浜松大平台高校の事例なんですが、浜松大平台高校では、ブラジル人の子供に対して、ポルトガル語の授業をやっているというんですね。それはまさに、会話はできるんですけれども、学習言語になっていないということで、そういう授業をやっていると聞きました。実際にポルトガル語を教えているところって、考えてみると、ブラジル人学校ぐらいしかないかなと思うんですけれども、母語支援をやろうと思ったときに、私たち、県を含めて、外国人学校とコラボレーションするとか、そんなことを考えたほうがいいのかなって、ちょっと思ったんですが、いかがでしょうか。

○山下泰孝氏
 経験だと、母語で教えると、母語に頼っちゃうんですね。日本ですから、ほとんど日本語ですよね、目の前にあるのは。しかも、高校へ行けば日本語で勉強しますよね。ですから、10歳前後までに母語がきちっと確立していて、それから来ますと、翻訳で勉強できるんですよね。つまり、例えばリンゴとか、目の前に見えるものは、見せればこれがリンゴだよと教えられるんですけれども、例えば平和や幸せというのは、教えられないですね。そういう抽象的な概念が、英語で言えばpeaceとか、happyとかという、その翻訳で抽象的な言葉が覚えられるんですね。だから、そういう意味で、母語が確立していることが大事だというのは、池上先生がおっしゃったのはそういう意味で、我々は同感ですけれども。
 それで、じゃあポルトガル語で教えたらどうかというと、先ほど申し上げたんですけれども、その場はいいんですけれども、結局、ずっと母語に頼らないといけないわけです。だったらブラジルにいたほうが、よっぽどいいわけですよね。日本にわざわざ来て生活していくためには、やっぱり日本語で理解をする、日本語がわかることが必要だと思うんですね。だから、日本語の習得が必要ですけれども、その基礎となるのは、母語がしっかりしていないと、日本語の習得が遅くなると。これは、大阪の大学院の先生に来ていただいて、菊川教室で何人も実験をしたんですが、母語の指導は絵本とか、読書で十分なんですね。読書をしていくと、どんどん語彙はふえていくし、そうしていくと、日本語の上達が急激に伸びる。確かに母語ができる指導者に教えていただくのがいいんですけれども、教科まで教えちゃうと、全部頼ってしまうというのが、僕の考え方です。

○田口委員
 私も日本語を教えることはもちろん大事だという前提で、そのカバーするためのポルトガル語を少し学ぶために、どういう仕組みが考えられるのかなと思ったので、お伺いしたんですけれども。ですから、高校で科目としてやっているというのも、私もびっくりしました。ですから、部分的に――例えばずっとブラジル人学校に通うというわけじゃなくて、週に何時間でもそういう時間を設けるとか、そういうスキームでもできないのかなと、考えたんですけれどもね。

○山下泰孝氏
 菊川市には、2つのブラジル人学校があるんですね。そちらから母語が指導できる先生を呼ぶと、やっぱり金銭的なことが発生するものですから、正直、そこがネックになってしまうというのが現実ですね。

○田口委員
 現実的には。わかりました。ありがとうございます。
 ちょっと、じゃあ別の質問をよろしいでしょうか。
 先ほど、高校進学率を知っているかと問われまして、私も答えられなかったんですけれども。静岡県が16%しかないというのは、私も驚いたわけですが、先ほどお話の中で、外国人生徒選抜の枠を拡充してはどうかというお話ですとか、あるいは志願資格を中学校入学以前からに拡大したらどうかとか、幾つか御提案をいただきましたけれども、今、実施している学校の数も少ないですよね。ここらあたりについて、もう少し先生の問題意識があれば、お聞かせ願えればと。まさに県立高校は、我々の所管部門ですので。

○山下泰孝氏
 まず、県立高校を受ける場合に、外国人生徒選抜の方法は、御存じのとおり、日本語の作文と簡単な教科の試験なんですね。今、受験資格は、中学校で入ってきた、いわゆる来日3年以内というのが外国人生徒選抜枠になっているんですが、そうすると、小学校の高学年で来た子たちが、わずか1年とか数年の違いだけなんですけれども、外国人生徒選抜枠で受けられなくて、日本人と同じ勉強をしなくちゃいけない。たったそこの差が、3年と4年との差が現実にあるので、まずそこを柔軟にしていただけると。実は小学校から日本の学校に入っていく子たちは、教科はできるようになってるんですね。ですから、できたら4年生あたりから来た子も外国人生徒選抜で受験できることになれば、ぐっとふえると思うんです。

○田口委員
 他県では、受験のときに、日本語でなくても受けられる都道府県があったように聞いたことがあるような気がするんですけど。

○山下泰孝氏
 愛知県ですね。

○田口委員
 愛知県ですかね。そういったお考えはいかがでしょうか。

○山下泰孝氏
 川勝知事と日伯交流協会の記念式典でお会いしたときにも聞かれたんですけれども、そうすると、受験するときは母語で受験できたとしても、日本の学校に行く場合は、各教科、全部日本語で授業を受けるわけですよね。そうすると、各教科、全部母語の授業があればということになっちゃうと思うんですよね。リッキー君が言ったんですが、彼は、日本で生活するんだから、日本の学校を受験したい。日本語で受験したいから、そういう勉強を教えてほしいということで、始めたんですね。ですから、母語で入試を受けるというのは、入るだけはいいかと思うんですけれども、入ってからが、いわゆる高校の卒業率に続かないと思うんですね。ですから、僕は日本語で受験する道を選ばせて、日本語を習得するような勉強の仕方をする、そのときには翻訳集があればいいと思います。リッキー君も、7カ月で4科目は合格したわけですので、できないことはないと思います。

○田口委員
 日本語で、ちゃんと学習能力を身につけてもらうのが基本だということで理解しました。その上で、高校に行った後、お話の中に少しあったかと思うんですが、どうしても非正規雇用といいましょうか、派遣労働だったりすることが多いと。その理由に、外国人の子供の場合、親御さんの意向でなかなかそのキャリア形成ができないというのを聞いたことがあるんですけれども、先生、そのあたりはいかがでしょうか。

○山下泰孝氏
 結局、親が派遣でいるので、だから子供も派遣のほうがというのが、単純にありますね。要は、通訳がいる――派遣だと、何か困れば通訳がいるものですから、そういう意味で、派遣を勧めるというのが、まず1つあると思うんですね。あと、やっぱり現実的に、日本語能力が不十分だということ。例えば矢崎さんなんかは、文化庁の費用で、大人の日本語の講座を、教室が夜あいてますので、やっていた時期もあるんですね。そうすると、日本語能力が不十分な人たちが来るんですけれども、結局その子供が、日本語能力が不十分だった場合、日本語がわからないと雇えないというのが、現実に多いですね。中学校を卒業してから、日本語の指導がないから高校に行けない、でも日本語学校にも行けない、だからそのままの状態で、多くの16、17歳の子たちがたむろしているというのが、現実にあるんですね。

○田口委員
 外国人の子供たちに、日本語を応援しようということで、県もグローバル人材育成基金とか設置をして、そこにもやっぱり一定の企業の皆さんからの寄附を募ってやっていこうという、そういう思想でスタートしたんですけれども、午前中も、もう少し企業側の皆さんにも支援のお願いをしていいんじゃないかというお話もあったんです。三方よしという言い方を最近よくしていまして、企業よし、外国人よし、地域よしと、それやっていこうと思ったときには、やっぱり地域ではNPOの皆さん初め、いろんな方々が協力をし、企業側にも必要な拠出をお願いをするというのは、私はスキームとして、まだこれから大きくできるんじゃないかなと思うんですけれども、先生、そこらあたり、いかがですかね。企業側の協力というか。

○山下泰孝氏
 私の知人である社長が言うには、企業側からすると、外国人は確かに安い費用で雇えるけれども、やっぱり日本語が不十分だと、そういう教室を設けなくちゃいけない、この負担が大きいと。逆に、海外に工場を建てていけば、もっと安い費用でできるわけですね。だから、その会社もアメリカとインドに工場をつくって、今、主力がそっちに移っちゃったんですね。やっぱり日本で外国人を雇うと、1人当たりの賃金は安いかもしれないけれども、日本語の指導とか、ほかにかかる負担が大きくなると、企業側は言っていますね。あるいは、派遣会社で日本語を教える教室をやろうとしても、勤務時間がばらばらで、交代で勤務だと、継続的に指導を受けられないし、かつ日本語の先生を雇えないと。雇っていたらやっぱり経費負担が大きくなるということは言っていますね。

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