本会議会議録
質問文書
令和6年12月定例会文教警察委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 坪内 秀樹 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 12/13/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○坪内委員
一問一答方式でお願いいたします。
文教警察委員会説明資料3ページ、第148号議案「静岡県教職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」について、今回の給与改定では人事委員会勧告に基づき若年層に重点を置いて教育職給料表の給料月額を引き上げるとのことですが、理由を伺います。
○高林教育総務課長
今回の給与改定は教育職給料表の全ての級、号給で引上げを行い、そのうち若年層には手厚く配分することにしています。
理由は大きく2つあり、1つ目は民間給与との均衡を図るためです。本年4月の民間給与との比較において年齢層別で格差を分析したところ、若年層である10代、20代の給与格差が他の世代よりも大きかったため、格差を解消し均衡を図るものです。
2つ目は、採用時における人材確保のためです。働き方改革やキャリア形成に対する若年層の意識変化などにより採用における人材確保が困難な状況となっていることから、国の給与改定等を考慮して若年層の処遇改善を図り人材の安定的確保につなげていくものです。
○坪内委員
今回の給与引上げでは、若年層の給料月額をどの程度引き上げようとされているのでしょうか。
また、1人当たりの影響額について伺います。
○高林教育総務課長
教育職給料表の給料月額の引上げ額は、大卒初任給で2万5900円、採用10年目の職員で1万7000円の引上げとなります。全体の引上げ幅は3,700円から2万7800円の間となっております。
また、1人当たりの影響額はボーナスを含めた年収ベースで大卒初任者は約49万7000円、採用10年目の職員で約34万9000円の増額になります。
なお、教育委員会全体での人件費の影響額は約51億円の増額を見込んでいます。
○坪内委員
単に給料の引上げを行うだけでは人材確保になかなかつながらないものです。今は人材不足で学校の先生になろうと思う方が少なくなってきていると聞いておりますので、人材確保に向けた県教育委員会の考え方を伺います。
○高林教育総務課長
職員の処遇改善だけでなく、教員の多忙化解消や学校の運営体制の充実など様々な視点から取組を行い、教育職の魅力を向上していく必要があると考えています。
特に教員を取り巻く環境については、学校における働き方改革のさらなる加速など中央教育審議会からの答申を受け、国も具体的に検討しているところです。
今後、法改正など国の動向にも注意して機動的に対応してまいります。
○坪内委員
私どもの世代は、なりたい職業というと教員や警察官などと言われた時代ですが、もう時代が変わってしまいましたので、今後とも教職員の処遇や環境の改善もしっかりと行い頑張っていただきたいと思います。
次に、説明資料5ページ第171号議案「公の施設の指定管理者の指定について」です。
朝霧野外活動センターの指定管理者の公募に対し、申請者は日本キャンプ協会グループ代表団体公益社団法人日本キャンプ協会1者ですが、きちんと広く公募したにもかかわらず、なぜ1者だったのか伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
今回の公募に当たり、県ホームページへの掲載、記者提供に併せて事業者の方へ電話やメールで連絡しております。官民連携実践塾やふじのくに施設紹介フェアなど県主催行事の事業紹介のブース出展で興味を示していただいた会社が16社あり、それらの事業者にも個別に連絡いたしました。結果として現地説明会には4者の参加があり、申請書の提出は最終的に公益社団法人日本キャンプ協会1者でしたが、関心が高い業者には連絡が届いたと考えております。
○坪内委員
それだけ引き合いがあったのに、なかなか難しいのだなとの印象ですが、朝霧野外活動センターの指定管理者の選定は今回が何回目で、過去に別の会社が選定されたことがあるのか伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
朝霧野外活動センターは、平成19年度から指定管理となっており今回が第5期目となります。第1期から第4期までの全てを公益社団法人日本キャンプ協会が継続して指定管理しております。
○坪内委員
ただいまの答弁のように、同一事業者が継続して指定管理していることについて、そこしかないと言えばもうそれまでですが、メリットやデメリットをどのように考えているのか伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
公益社団法人日本キャンプ協会は、これまで4期12年にわたって運営してきていただいている実績がございます。野外活動の専門家集団ですので、県による直営時代にはなかった魅力的な野外活動プログラムを開発してもらっており、指定管理者のよさが出てきていると認識しております。
また、これまで大きな事故もなく、さらに朝霧野外活動センターは非常に広い敷地を持っていて施設もたくさんありますが、隅々まで熟知していただいていますので公益社団法人日本キャンプ協会にお任せすることに安心感があるところがメリットかと思います。
一方で、同一事業者が継続して指定管理を続けているため緊張感がなくなって事業がマンネリ化したり、新しい視点に乏しく漫然と運営することになりかねないとの懸念があります。外部評価委員会に評価していただくと毎回その点が問題になりますので、当課で独自に利用者アンケートを取って業者の意見を聞いたり、また外部評価委員会から新しい視点での取組について常に指摘していただくことでチェックしております。
公の施設で広く他の事業者にも機会を与えるようにするべきですので、今後も公募の際には幅広い方に関心を持っていただけるようにしたいと思っております。
○坪内委員
様々なチェックの目が入っているとは思いますけれども、広く募集することによって周知の幅も広がりますので努力を重ねていただければと思っております。
次に、説明資料16ページ定時制課程の見直しに伴う募集停止により、静岡高校や浜松北高校の定時制課程へ通いたいと考える中学生は今後どのように対応すればいいのか伺います。
○桑原学校づくり推進室長
定時制課程の見直しについて、基本的には学校規模が大きい単位制定時制高校を受皿としております。例えば浜松地区では、浜松北高校の学年制定時制課程に在籍する生徒の通学範囲を単位制定時制課程を有する浜松大平台高校が十分にカバーしており、進学先として十分選択肢になるものと考えております。また学年定時制課程が設置されている新居高校、浜名高校を選択する場合もあろうかと思います。静岡地区も同じ状況であり、静岡中央高校の単位制定時制課程は広い範囲をカバーする受皿とし、学年制定時制課程が設置されている清水東高校も選択肢としてございます。
特に、単位制定時制高校である浜松大平台高校は学校規模が大きいため開設科目数も非常に多く、スクールカウンセラーなどの配置人数も多いので手厚い支援体制の下で高校生活を送ることができると考えております。
○坪内委員
確かに生徒数も少なくなってきておりますから、うまくカバーし合えるようにこれからも考えていただきたいと思います。
また、セーフティーネット機能の強化に向けて定時制課程と通信制課程の連携による生徒の柔軟な受入れが可能な教育システムを構築するとしていますけれども、具体的に教えていただきたいと思います。
○桑原学校づくり推進室長
単位制定時制課程と通信制課程を併置する学校として静岡中央高校が行きたい学校づくり推進事業の指定校となっており、現在定時制課程と通信制課程でどのような連携が可能か研究している段階です。例えば定時制課程の生徒が不登校になった場合、通信制課程の科目単位を取得することができないかなどの研究を進めており、困難を抱える生徒が様々なハードルを乗り越え、社会で活躍するための一歩を踏み出せるようにしていければと考えております。
○坪内委員
様々な環境の学生さんたちがいらっしゃると思いますので、上手にサポートしていただきますようよろしくお願い申し上げます。
続いて説明資料22ページ、新県立中央図書館の建築工事に関する入札結果を受けての対応案について伺います。
物価高騰の傾向はこれまで様々な場面で説明を聞いてきましたが、今回のような入札不調はほかでも起きているのかについて情報があれば教えていただきたいと思います。
○金嶋新図書館整備課長
例えば、秋田県や鹿児島県が発注した県立体育館、福岡県が発注した複合施設、千葉県船橋市が発注した医療センターなどの建築に当たって参加表明があったものの辞退となり入札不調になったと伺っております。
また、交通基盤部建築管理局からの情報によると今年度発注した営繕工事のうち、札入れまで行ったけれども金額が折り合わない入札不落は例年並みの割合で発生していますが、入札不調の割合は1割程度高まっていると伺っております。
ヒアリング結果からも大手ゼネコンは都市部の再開発や半導体工場の建設などを選び、不確定要素が高い公共工事の競争入札案件よりも民間からの相対の発注案件などに注力するなど受け手となる事業者がプロジェクトを選べる傾向があり、技術者をこちらの事業に回していただけない状況から入札不調が出ていると認識しております。
○坪内委員
今回の入札不調とその後のヒアリング結果について、担当課や教育委員会としてどのように受け止めて年度内の再入札を見送ることとしたのか伺います。
○金嶋新図書館整備課長
入札不調に至る前に幾つかの会社から御挨拶を受け、中には参加意欲を示していただいた事業者もあったため、1者も参加がないとは想像しておりませんでした。
ヒアリングの結果、主たる原因は技術者の確保ができないとの理由でしたけれども、発注時期が議会での予算審査と連動すること、競争入札の性格上具体的な参加条件をギリギリのタイミングまで公表しなかったこと、新しい図書館は見た目の印象から技術的に難しい建物との印象を持たれてしまったことを解きほぐす場面もなかったため、入札参加を促す積極的なアクションが不足していたと考えております。その点については反省しているところです。
現図書館の状況や日に日に物価高騰の影響が大きくなることを考えますと、計画どおり2月議会への契約議案の提出に向けた再入札に取りかかりたいとも考えましたけれども、大手ゼネコンへのヒアリング結果を踏まえ入札手続上の対策を講じなければ同じ轍を踏んでしまいかねないため、今回の方針案としました。
○坪内委員
新しい方針案に沿って進めていく場合、今後の手続の手順や入札に当たって検討している具体的な改善方法があるのか伺います。
○金嶋新図書館整備課長
今後の手続としては、さきの9月議会で認めていただきました債務負担行為に関する予算を廃止して令和8年度以降の債務負担行為も含めた令和7年度当初予算案を追加提出し、改めて2月議会で審査していただきたいと考えております。
その先は、文教警察委員会説明資料22ページの3でお示ししているスケジュールのとおり参加の可能性が高まる来年秋の契約に向けて進めていきたいと考えております。
再入札に向けた改善策としては、公告や入札までの期間の十分な確保、設計コンセプトや設計JVの役割分担、施工上の技術的ポイントや契約後の物価スライドの適用などに関する説明会を開催して業者側にしっかりと説明を行うとともに工事着手日の柔軟な設定、JVを組成する業者数、総合評価方式の要件緩和なども検討したいと考えております。
入札執行上の公平性を担保しつつも、業者の参加意欲を高める手だてをいろいろと講じることによってより多くの参加が得られるよう頑張っていきたいと思います。
○坪内委員
改善を尽くし仮に再入札が認められたとしても、また入札不調となった場合にはどうするおつもりなのか伺います。
○金嶋新図書館整備課長
再入札の状況を見て参加申請があるのかないのか、あるいは入札に至った場合も予定価格と乖離がある場合はそのときの状況を見た上で直ちにその後の方針を検討していただけるよう、再入札の体制整備と並行して準備を進めておかなければならないと認識しております。
入札参加状況や入札結果を待ってから準備に取りかかるのでは、時間とともに物価高騰の影響を受けてしまうため、また時間を無駄にするわけにはいきませんので整備規模を縮小した場合の仕様の見直しなども含めてしっかりと検討を進めておきたいと考えております。
○坪内委員
結果論ですけれど、いろいろなところで公共事業の入札不調、入札不落が出ていることに鑑みれば、事前に打てる策があったのではないかと思えます。この案件だけではなくて建設業界全体の事情によるところも大きく、タイミングが悪かったのかもしれませんけれども、今回の入札不調で完成、開館も遅れ、物価高騰の影響でペデストリアンデッキなど一部の機能を失うことになりますと、新図書館だけではなく県民にとっても大きな損失となってしまいます。
入札の厳正なルールの中では、行政側が動ける範囲も限られるとは思いますけれども、再入札に取りかかることができる状況になったときには機会を逃がさないよう、できる限り万全を期して事に当たってほしいと思っております。
次に、説明資料21ページ静岡県立青少年教育施設の在り方に関する検討について、先ほどの池上教育長による説明では老朽化や利用者数の減少などの課題があるから青少年教育施設の在り方を検討しているとのことですが、急にこうなったわけではないと思いますので、今ここで青少年教育施設の在り方を検討する理由を伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
青少年教育施設は主に学校が利用し、また学校意外にも利用していただいております。大変重要な役割を果たしている施設ですけれども、先ほどの池上教育長からの説明にありましたとおり近年は少子化が非常に進み、また自然体験活動の在り方が変容して学校行事で利用しなくなりつつある状況がございます。さらに施設の老朽化により今後大規模な補修が必要になるとの課題があり、昨年度から庁内に検討委員会を設けて検討しています。
自然体験活動が重要であるとの認識の下、将来的に続けていくために適切な施設規模を考える必要があり、今回検討を行った次第です。
○坪内委員
ただいまの答弁でも自然教育の重要性をおっしゃっていましたが、その重要性をもっと発信していかなければいけないと思います。
また、さらに大切さが増してきている実態があると思っていますので、もう一度自然教育の重要性、意義を御説明頂ければと思います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
自然体験活動は、文部科学省の追跡調査でも自然体験活動を行った子供は大きくなってからも自己肯定感や非認知能力の面で効果があると指摘されており、非常に重要であると思っております。
青少年教育施設の学校利用の仕方についてリーフレットを配るなどして訴えているところですが、特に近年は人間関係の希薄化が進んでおり、また自然に触れ合う機会が少なくなっていることから、今後も自然体験活動や自然教育の重要性は薄れないものと思います。
○坪内委員
検討の結論の方向性について、利用している近隣市町の意向をどのように捉えているのか伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
社会教育施設を減らしていくことも1つの方向であるとの結論を得た中で、今後は利用市町の御意見も伺ってまいりますが、昨年度は浜松市、焼津市のお考えを伺い、両市とも県立施設の継続を望んでいました。また磐田市長はこちらにお見えになって、市で社会教育施設を維持するのは難しいので県による存続を要望されておりました。
○坪内委員
とにかく自然教育は大切だということは理解しますが、教育委員会だけで全てを結論づけないで近隣また利用されている近在の皆様方の合意をある程度取られてから決めていただきますようにお願いします。
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