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委員会会議録

質問文書

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令和元年9月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:10/02/2019
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員
 おはようございます。
 それでは、がんセンター関連から質問させていただきます。分割質問方式でお願いします。
 まず、9月12日にがんゲノム拠点病院に指定され、今後ますますゲノム研究が深化してくることを期待していますので、がんゲノムについて何点かお聞きいたします。
 まず、今回がんゲノム拠点病院に指定されて、今後独自で遺伝子のパネル検査の実施、分析、治療、専門家会議の開催とレポートの作成、がんゲノム医療連携病院等の診断支援、人材育成機能の設置、治験先進医療の主導などができることになったと聞いていますけど、今後それぞれについてどのような実施計画をつくっていくのかお伺いします。
また同時に、県内病院との連携は具体的にどこの病院と組んで、がんゲノム医療について取り組んでいく計画か。現状で明らかにできるものがあれば開示いただきたいと思います。

 同じくそのがんゲノム研究関連でお聞きしますが、このゲノム、いわゆる遺伝子情報を調べる遺伝子検査は大きく3つあると認識しています。
1つは、昨年6月に保険適用されることになった2つを含むパネル検査。これは遺伝子のうち数百個の遺伝子を調べる検査ですね。2つ目が全ての遺伝子を調べるフルゲノム検査。これは莫大な費用がかかるものだと認識しています。3つ目については私も勉強させてもらったのですが、ゲノムは大きく言うと2つに分けられて、1つは命を保つのに必要なたんぱく質であるエクソン。そしてそれ以外の部分がイントロン。その2つに分類できるのですが、がんの発生源になるのは主にエクソン部分。このエクソン部分だけを検査するエクソーム検査があるとお聞きしていますが、これならばゲノム全体の2%の検査で済んで費用も抑えられるとのことであります。
以上3つの検査方法があると思いますが、がんセンターとしては今後どの検査方法を軸に研究や治療に当たっていくのかお伺いします。

 それから3つ目の関連質問ですが、今がんセンターはプロジェクトHOPEを実施していますけれども、民間会社と組んで5,000人余の治験データを持つことが強みになっていると思います。
世界を見ますと、イギリスではUKバイオバンクをつくって、100万人分のゲノムデータと健康情報を集めていると聞いています。既に50万人をクリアしたとのことですが、今後がんセンターはゲノムデータ収集の取り組みについて当然考えていくべきと思いますけど、どのような所見でおられるのかお聞きします。
 
○内田がんセンター事務局長
 まず、がんゲノム拠点病院についてでございます。
 静岡がんセンターは、これまでがんゲノム連携病院として国立がん研究センター中央病院と名古屋大学――中核病院になっておりますが――と連携してゲノム検査を行う体制をとっておりました。
厚生労働省は、パネル検査を実施するに当たって年間おおよそ1万件ぐらいの希望者があるのではないか、その1万件に対応するには12の中核病院ではとても耐え切れないとのことで、中核病院と連携病院の間に中二階である拠点病院を設けました。34程度指定されたんですけど、これでもまだ1万人には対応できない状況にあると思います。
ところが、実際ふたを開けてみますと余り実績が伸びていないと。静岡がんセンターでは6月以降25人の患者から希望があって実施しており、まだ各病院のデータが出ておりませんが、恐らく全国有数の実績になるかと思います。
 こういった中で、少なくとも静岡県内のがん診療拠点病院については、静岡がんセンターを拠点病院とするゲノム医療の体系の中に入っていただければなと、現在御案内を差し上げているところです。正確な数は申し上げられませんけれども、幾つかの病院についてはがんセンターにやってもらいたいとの返事をいただいているところです。

 パネル検査についてですが、例を挙げますと、特急電車が走っている鉄道路線を想像していただきたいです。特急電車が走っている線路の駅、それから線路も含めて解析しようとするのが全ゲノム解析となります。そのうちエクソーム解析は駅だけを見ていこうと。パネル検査は特急がとまる駅だけ見ていきましょうと、大体そんな感じと思っていただければいいと思います。
現在の治験では、特急のとまる駅を見ればいいのではないかとのことで、今回パネル解析が保険診療になったんですが、実は線路の中――全ゲノム解析をやれば駅と駅の間の線路の部分も、現在は知られていないけれどもまだ遺伝情報が含まれている可能性があることもありますし、鉄道の駅ならできたのはわかりますけれども、遺伝子の世界ではそこに何があるかまだわからない部分がたくさんあります。
 現状の治療法等を考えれば、現時点ではパネル検査が一番効果的とのことですけれども、世界の風潮はそういった未知の領域も含めて全ゲノム解析に移っています。現時点では希望される患者さんの全ゲノムを調べるのは経費的に無理なところがあるのかもしれませんけれども、今後は器械あるいは試薬等の開発が進んで、だんだん低価になってくれば可能になってくるのではないかと考えております。
がんセンターとしては、研究としてパネル検査、エクソーム検査、全ゲノム検査を並行して進めていきますし、現状保険診療についてはパネル検査を重視して進めていきたいと考えております。

 それから、HOPE研究のゲノムデータの集積ですけど、先ほどお話ししましたように全ゲノム解析のデータも取り入れながら、診断薬あるいは新薬の開発につながるデータの公開も含めて今後検討していく予定でおります。

○阿部委員
 ありがとうございます。
ゲノム検査について非常にわかりやすい御説明をいただくことができて、さすがだなと思っております。
 せっかく拠点病院に指定されたので、全国で横並びでやる必要はないと思います。静岡県がすぐれている、静岡県立がんセンターが先行している部分は多分にあると今までの実績を見ても思っていますので、ぜひ精力的な研究をこれからも進めていただきたいと思っています。
 それから、県内病院に関しても具体的に幾つか打診中とのことでありました。県内の病院と連携することによって、静岡県ががんに対する研究の先進県であることを強く意識づけられると思いますので、ぜひいい形での協力関係をつくっていただきたいと思っています。これは要望とします。

 次の質問に入ります。
 がんの療法について2つほどお伺いしたいんですが、光免疫療法という新しい概念のがん治療薬が開発され――RM1929と言うそうですが――これを軸にした研究をするとのことで、楽天の三木谷さんは7月1日に楽天メディカルという会社を設立されていますね。楽天グループとして初めてヘルスケア事業に参入してきたので興味を持ったんですが、この光免疫療法についてがんセンターとしての見解、光免疫療法に取り組んでおられないのであれば、今後取り組む考えがあるのかお伺いしたいと思います。

○小櫻がんセンター局長
 今、全国でいろんな大学や研究機関が光免疫療法など新しいがん治療法の研究開発を進めており、当然光免疫治療についても当センターの免疫治療研究部で一応承知しております。全国でいろんな大学や研究機関がそれぞれの特徴を発揮して、さまざまな研究開発が行われている現状の中で、それぞれの研究の内容についてしっかりと情報収集等しながら、臨床現場にどのような形で導入できるのか常に関心を持っておりますけれども、具体的に今回の楽天グループの研究の中身について、直ちにがんセンターで導入するところまではまだ行っていないと思います。
静岡がんセンターでも、免疫治療研究部ではいろいろな免疫治療について研究を進めておりまして、まさに本庶佑先生が貢献された免疫治療の考え方を導入して新しい免疫治療もどんどんトライしております。幾つかの免疫治療については、これから臨床現場に導入されると考えておりますので、全国で行われている分野の研究をしっかりとウオッチしていきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
この光免疫治療に限らずいろんな研究が出てくると思うので、ぜひアンテナを高くしていただきたいと思います。

 もう1点、がんセンターの関係で乳がんについて絞ってお聞きします。
 乳がんの検診というとマンモグラフィーが代表的と認識していますが、女性の体質によってはマンモグラフィーで乳がんを見つけにくいそうです。デンスブレストというタイプの方が見つけづらいと。このデンスブレストの体質の方は日本人を含む東洋人に多くて、しかも乳がんの罹患率が高い40代の女性では70%以上が該当されるとのことであります。マンモグラフィーのこの弱点をどう克服していくかが大きな課題と認識していましたが、近年超音波技術を使ったリングエコーという診察装置が東京大学COIとベンチャー企業によって開発中とのことであります。
実用化も間近とのことでありますので、現在がんセンターではデンスブレストのタイプの女性に対する検診をどのようにされているのか、新技術であるリングエコーに対する認識、今後導入のお考えがあるかどうかお聞きします。

○羽切マネジメントセンター長
 がんセンターではマンモグラフィーとエコーを併用しまして、わかりにくいデンスブレストタイプに対応しております。リングエコーでございますけれども、もちろん現場の医師も認識しておりますが、まだ臨床試験の途中とのことで有用であれば積極的に導入していきたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
静岡県立がんセンターが常に先進であるためには、しっかりとアンテナを高くして研究し、また必要に応じて導入を図っていっていただければと思います。要望として申し上げます。

 次に、健康福祉部関連に移ります。
 まず、社会健康医学大学院大学について伺います。
 6月議会でも質問させていただいて、青山健康福祉政策課長から御答弁いただきました。今回の資料では履修モデルまで出てきており、6月にお答えになられたとおりの履修モデルになっていると思いますのでその内容についてと、もう少し大きな意味でこの大学院大学のあり方を確認したいと思います。
 まず大きな意味でお聞きしますが、社会健康医学とは、いわゆる医学と社会をつなぐ知の拠点として位置づけたらいいのかなと捉えています。日本の社会で健康を取り巻く、また長寿社会を取り巻く中で大きな問題になってくるのが社会保障制度であります。今後日本国全体で考えなければいけない話ですが、社会保障制度のあり方によって医療や高齢者の生活が大きく影響を受けることになります。現実と理想をそれぞれ考え合わせてこそ、社会健康医学になると思うんですが、社会保障制度の動きも追いかけた履修内容がこの中にあるのかないのか、確認させていただきたいと思います。

○青山健康福祉政策課長(社会健康医学推進担当)
 社会保障制度を見据えた中のカリキュラムについてでございますが、厚生委員会資料1の6ページを見ていただきたいと思います。
 今回、大学院大学の履修モデルをお示しさせていただいたところでございます。基本的な考え方としまして社会健康医学につきましては公衆衛生学からの発展形であり、まずは公衆衛生学基盤科目で大きく5領域にわたって学んでいただく予定でございます。その上にゲノム医学専門、発展科目としてございます。
 9番委員から御指摘いただいた社会保障制度そのものをどこで勉強するかになりますと、健康管理・政策学領域でございます。その中に2つございまして、健康政策・医療経済学領域概論、健康政策・医療経済学特論で、概論は必修、特論は選択であり医療経済学、社会保障制度全般にわたって勉強していただく予定でございます。

○阿部委員
 わかりました。
既に水面下では教授の選任なども終わっていると思うんですが、現実と乖離している、ただ学問としてだけやるのではこの大学院を設置する意味がないので、現実をきちんと加味した上でいい人材を育てることを目指して現実離れした机上の論理にならないように、ぜひ履修内容を詰めていただきたいと思います。
 1つ補足すると、平成30年7月27日全国知事会宣言文の最後に、知事会は「人々の生活の質の向上を図りつつ社会保障制度の持続可能性を高めるとともに、社会に活力をもたらす健康立国の実現に向けて地方は地方の責任をしっかりと果たすことをここに宣言する」とございます。これを具現化するのが、いわゆるこの大学院大学の使命でもあると思いますので、ぜひ高邁な使命感を持って大学院大学を開設いただきたいと思います。これは強く要望いたします。

 大学院大学についてあと3点ほど具体的にお聞きしますが、1つは健康寿命の延伸研究のフィールドワークを考えているとのことでありますけど、どのような形を考えているのか。
6月の委員会でも御紹介した弘前大学のように、いわゆる県民の皆さんを巻き込んだフィールドワークにするのか、もっと別の形にするのかお聞きしたいと思います。

 2点目ですが、今がんセンターのところで申し上げたゲノム医療は、先ほどの答弁の通りがんセンターが精力的に取り組んでいかれますが、がんセンターとの共同や他の病院、研究機関との連携、ゲノム医療についてどう考えているか。もちろん海外も含めてです。お聞きしたいと思います。

 最後3点目ですが、今回がんセンターの施策として特定看護師の件が出ており、今全国では大学院を出た方が11分野2,000人ぐらいいらっしゃいます。高度医療職、専門職の育成がこの大学院大学の目的であり、その中に医師、看護師が含まれますが、その看護師は今回のがんセンターの制度と同様、この大学院を出た後に専門看護師としての養成も視野に入れているのか。将来的にでも結構ですのでお伺いします。

○青山健康福祉政策課長(社会健康医学推進担当)
 1点目の研究フィールドの関係でございますけれども、社会健康医学大学院大学で研究を進めるに当たりましては、本県の特性にちなんだ研究が必要と考えております。県内の各地域、市町における課題を取り上げ、その中から例えば高血圧とか糖尿病などの関係についてどこの地域でどうなっているかといったフィールドを市町にも協力していただいた中でつくり上げて、研究を進めてまいりたいと思っています。

 ゲノム医療との関係でございますけれども、社会健康医学大学院大学は臨床というよりも少し公衆衛生学に近い形でございますので、臨床研究に直接かかわることよりも、ゲノムの関係を疫学的にどう整備していくか考えているところでございます。ただ疫学研究の中では、コホート研究等を進めていく必要もございますので、今後の研究内容次第でございますけれども、例えばゲノムコホート等を進めることになれば、がんセンターがお持ちになっているゲノムのデータ等々との兼ね合いが将来的には出てくるものと考えております。その点でがんセンターとの連携、ほかに将来的には他大学とも研究関係で連携があり得るのかなと考えているところでございます。

 最後の特定看護師の関係でございますけれども、大学院大学では2年間勉強していただき社会健康医学の修士を取っていただきます。少し特定看護師の制度とは異なっておりますので、現時点では特定看護師の認定制度に移行する予定はございません。

○阿部委員
 ありがとうございます。
 まずフィールドワークですけど、今青山健康福祉政策課長がおっしゃるように地域のフィールド、地域の課題を取り上げることはとてもいいことなので、大学院大学ではこういうことをやります、地域の課題について取り組みますのでぜひ地域課題、健康問題があったら一緒にやりましょうと、きちんと早いうちに病院や自治体に投げていくことも必要だと思います。この大学院は何をやるんだろうって、皆さんわからないのが現実だと思うし、だんだん静岡県に必要だなとわかってくると思いますので、そういったところは早目に表に出すのをお勧めしたいと思います。
 それから、ゲノム研究もよく整理された答弁でそのとおりだと思います。いわゆる臨床はがんセンターでやるけれども、医療統計学も含めた疫学の研究等の部分はこの大学院で担っていくんだといった位置づけをしっかり出されると、静岡県が世界に誇るがんセンターとセットでより高度な施設運営ができると思うのでお願いしたいと思います。
 看護師ですが、現状はわかりました。
ただ、看護師を専門的、高度化していくことは医者の負担を軽減することでもありますし、看護師のほうが患者に近いのでよりよい医療現場ができてくると思います。これはすぐにとは言いませんが、将来的に検討していただきたいと要望を申し上げて、この質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

 次に、薬局についてお伺いしたいと思います。
 政府が6月21日に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針2019、いわゆる骨太の方針の中に保険薬局の調剤報酬についての適正化の一文が入っておりました。これは2020年度の診療報酬改定を検討する中で、調剤報酬の引き下げを示唆している内容だと認識しています。財務省が目指しているのは、現在年間8兆円もかかっている医療費全体を下げていこうと。その中で薬局の部分をターゲティングして攻めているとのことでありますが、財務省の説明自体が例えば薬局とガソリンスタンドの数を比べたりとかして、ちょっと無理があるんじゃないかなと感じています。
 もともと薬局は薬剤師を医療機関から独立させた存在にして、医師の処方ミスとか薬の過剰投薬を防ぐために導入されたのが医薬分業だと思っています。その医薬分業を実現するために薬剤師のレベルアップを図り、2006年から薬剤師の養成課程が4年から6年に延長されています。
ところが私も思うのですが、確かに財務省の指摘のとおり、現実は単に医師の出したとおりの処方せんどおりに薬を渡すことに終始している薬局が多過ぎるのではないかと。相変わらず医師に対してものを言えていないんじゃないかと。そこは薬剤師も反省すべきところなのかなとも感じていますが、静岡県の薬局薬剤師を所管する薬事課としてどのような見解を持っているのかお伺いします。

○田中薬事課長
 医薬分業でございますけれども、医薬分業は院外処方になるかと思います。医師が発行した処方せんを薬局薬剤師が確認することで患者に対する薬物療法の安全性、有効性を高めることを目的にしております。
県としましては、単に処方せんを受けて調剤して渡すだけではなく、患者が安心して相談できて、医療・介護等の多職種、他機関との連携や地域活動で積極的にかかわる薬局としてかかりつけ薬剤師・薬局の取り組みを推進しております。これらの取り組みを進めていくことで、患者にとってよりよい薬物療法につなげていきたいと思っております。

○阿部委員
 かかりつけ薬剤師の制度が目指すところはよくわかりましたが、私がお聞きしたいのは国の骨太方針で示されているように薬剤師、薬局自体が力量不足だから医薬分業から元に戻したらどうかとの趣旨にも読めるんですが、そのあたりをどう感じておられるのかお聞きしたいと思います。

○田中薬事課長
 薬剤師の力不足のことでございますけれども、現在でも発行された処方せんで調剤するに当たり、医師に対して必要に応じ疑義照会している状況がございます。少し古いデータではございますけれども、平成27年度の日本薬剤師会が実施した全国疑義照会調査では、発行された処方せんのうち2.56%について疑義照会がされ、そのうち74.9%が健康被害の発生のおそれがあるなどの理由により処方が変更されたとございます。
これを静岡県に単純に当てはめますと、平成27年の静岡県内で発行されました処方せんは約2400万枚でございますので、それに2.56%を掛けさらに74.9%を掛けると年間約46万枚の医師の発行した処方せんが変更されております。そのあたりからすると、必ずしも医師に対してものが言えていない状況ではないと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
それから派生してお聞きするんですけど、お薬手帳ってありますよね。僕もこの件に興味を持ってしっかり勉強するまでは認識が甘かったんですけど、お薬手帳はきちんと管理すれば違う薬局に行ってもこういう薬をもらっているんだということや症状が自分でわかるわけですからこの薬は要らないよ等言えることもあると思うので、そういったところを薬剤師はもう少しきちんと利用者に説明されたりすれば、薬剤師とお薬手帳の存在意義、存在価値が上がるように思います。その辺のPR不足を感じるんですが見解を伺います。

○田中薬事課長
 お薬手帳についてでございますけれども、平成22年度か23年度だったと思いますが、県薬剤師会が医師会に御協力いただきながら防災型お薬手帳をつくって最初は県内に配布しまして、その後も頒布しています。
 お薬手帳の利用については、今までも県としても薬剤師会としても利用を呼びかけておりまして、今後とも引き続き利用を呼びかけていきたいと思っております。

○阿部委員
 ありがとうございます。
なぜ今回興味を持って質問したかというと、先ほど来出ているように今後の日本の人口動向を見ていくと社会保障費を大きくクローズアップせざるを得なくなります。その部分できちんと個人が自己管理できる、健康管理できる、いわゆる無駄なお金を使わないで済むといったことを考えていくと、薬にもしっかりとスポットを当てておかなきゃいけないと思います。
今回はたまたまこの骨太方針の中で削られる対象だったので興味を持ったんですが、トータルに医療・健康のシステムを考えると、どこかがいびつになることがあるとよくないと思います。いわゆる業界団体の言い分だけ聞いているといびつになってしまうとか、とにかく税金安くしてくれなどの一方的な受益者の言い分を聞いていても将来持続可能な体制ができないと思うので、今回は薬事課ですが薬事課に限らず健康福祉部全体で考えていただきたいと思っております。
その件について、最後に部長ないしは担当局長の所見を伺います。

○池田健康福祉部長
 今9番委員から将来を心配する御意見をいただきましたけれども、確かに私もいろいろ心配しておりまして、団塊の世代が後期高齢者になる2025年、団塊の世代が85歳になるピークと言われている2040年問題がありまして、これから非常に大変な時期になってまいります。
そうした中で、医療費あるいは介護保険も持続可能なものとしていくためには、確かに言い分を聞いてばかりというわけにもいきません。厚生労働省が今回医療機関の実名を出しましたのも、やり方は乱暴ですけれども将来の医療費を抑えるために再編を検討しろという地方への呼びかけであると考えております。
 今後さまざまな分野で見直していかなければならない時代になってまいります。急激な人口減少のピークに備えつつ、非常に難しい行政運営になってまいりますので、皆さんのお知恵をかりまして難局を乗り切っていきたいと考えておりますので、またよろしくお願いいたします。

○阿部委員
 御答弁を池田健康福祉部長みずからありがとうございました。
我々議会もそうですし、当局の皆様にも申し上げますが、今後御自身の所管分野だけじゃなくて社会構造全体を考えたときに、国の言うとおりという時代はもう終わりました。地域のことは地域できちんと考えないと、きのうの5番委員や8番委員の質問にもありましたが、今の病院のことも実情を全く踏まえないままどんと言ってくると。そうではなくて現場からものを考えて、こういうものは必要だ、こういうものは要らないと静岡県がちゃんと言えるようにならなきゃいけないし、県民生活にとって一番大切なのは健康福祉部の所管する分野だと思いますので、チームとしての健康福祉部、チームとしての社会保障制度の組み立てをぜひ意識していただきたいと要望してこの質問を終わります。

 次の質問に入ります。
児童虐待対策についてお伺いします。
 今回9月補正でも児童虐待防止対策事業費がつけられております。まずお聞きしたいのが、報道によると平成29年度全国で児童相談所と警察と検察が連携して児童虐待のおそれがあって保護者等々に共同面接したものが957件とのことでした。
県内では共同面接がどの程度実施されているのかお伺いしたいと思います。

○橋こども家庭課長
 共同面接の実施件数でございます。
 平成28年度が21人、29年度が18人、30年度が23人となっております。

○阿部委員
 実数はわかりました。
開示できるもので結構ですが、共同面接を行った結果はどうなったのか。虐待が防がれたのか、もしくは非常に軽度に済んだのか内容をお伺いします。

○橋こども家庭課長
 共同面接につきましては、例えば虐待を受けた子供を一時保護し、その後子供の裁判のときに警察と検察と児童相談所が被害の状況を確認するものです。性的被害等を受けた子供が何回も面接、質問されることは心理的な負担が非常に大きいので共同で被害状況を確認するものでございます。

○阿部委員
 わかりました。
今後は児童虐待を事前に防ぐ、予防の分野に力を入れていかなきゃいけないなと感じるのは、きのうも質問が出ていて皆思いを同じにするところだと思います。
 今回の補正の中で児童福祉司等サポート職員の配置等々の予算もついており、きのうも答弁にあったと思うんですけど、報道によると児童福祉司の養成がなかなか大変だと聞いております。これからそういったところを具体的に取り組んでいかなきゃいけないと思います。
アメリカの事例なんですが、家庭訪問プログラムがありまして、連邦予算で補助しているとのことであります。このようなものをメニュー化したらどうかなと感じています。このプログラムは児童虐待に限らず出産・育児に対する相談も受けるメニューがあって、育児の仕方とかドメスティック・バイオレンスへの対応などについて相談に乗るとのことで、親の孤立やストレスも防ぐとのことであります。
まず、そういったものが今回の補正予算に入っているかをお聞きしますが、入っていなければ今後メニューとして考えていくべきだろうと思います。ちなみにアメリカではNPOや大学などとも連携しているとのことでありますので、そういったことを考えていくことも必要だと思いますが、所見を伺います。

○橋こども家庭課長
 アメリカの家庭訪問によるプログラムですけれども、今回の補正の中には入ってございません。
育児に対する不安の解消、あるいは子育てに対する支援については母子保健事業がございます。1歳6カ月、3歳健診等の場合に子供の育児状況を健診するとともに、母親の育児不安や心理的負担あるいは虐待の早期発見に目を配っていただいております。そのほかにも産前産後サポート、産後健診といった事業も行っております。
 一方で、虐待関係については9番委員おっしゃるとおり予防は大変重要だと考えておりますので、御指摘いただいたプログラムについても少し検討していこうと考えております。

○関こども未来局長
 橋こども家庭課長の説明に補足させていただきます。
 妊産婦等への訪問指導事業を県内各市町で行っております。妊産婦訪問、新生児訪問の2つをやっておりまして、9割近くの訪問率で取り組んでいただいているところでございます。この中で支援が必要とされた児童、乳幼児につきましては引き続きケアしていく形で、県としては市町の保健師に対する研修会等で支援を行いつつ、現在子育て世代包括支援センターの設置を各市町に勧めており、虐待も含め子育て家庭に対するワンストップ窓口となる制度として進めているところでございます。引き続き市町と連携しながら充実させていきたいと考えております。

○阿部委員
 ありがとうございました。
まさに今関こども未来局長がお答えになったことについて再質問しようと思っていたんですが、市や町にそういったシステムがあるのはよく存じ上げていますけど、県内市町を見渡すと非常にばらつきがあります。このばらつきをフォローするのが広域行政でもある県の役目です。こども未来局として児童虐待に限らず全体の子供の育ち、ちょうどふじさんっこ応援プランをつくっている最中だと思いますので、そこに具体的なメニューとしてしっかり家庭訪問プログラムを組み込めるように。さっき研修とおっしゃいましたけど、研修だけじゃだめだと思います。やっぱり人材育成を県が考えないと、市や町の力だけではできないところが多分にありますので、よく現場の状況を理解した上で県がやるべき仕事をやっていただきたいと要望してこの質問を終わります。

 次に、人権啓発事業についてお伺いします。
 11ページに人権週間啓発事業が載っており、12月4日から10日までが人権週間でありますけれど、それぞれの講演会を見ると東・中・西でやっていて講師も非常に聞きたいなと思う方々、いい方々なんですが、なぜか講演会もフェスティバルも全て平日の昼間でございます。これはどんな目的があるのか。土日のほうがいろんな人が聞けるんじゃないかなと思うのでお伺いします。
 それから、それぞれの講演会、フェスティバルに参加していただけそうな方、声をかけているところ、どういう人がおいでになるのかお聞きしたいと思います。

○金原人権同和対策室長
 人権週間の啓発事業に関して、人権講演会とふじのくに人権フェスティバルでございますけれども、会場の使える日などの関係で土日がうまくはまらなかったところもございます。あと日中お仕事で聞くことができないとの声も聞いておりますけれども、今年度はこの形になっております。
 参加の声がけについては、関係団体、人権擁護委員、民生委員などを中心にしております。
ふじのくに人権フェスティバルにつきましては、平成27年から特に青少年に人権啓発について考えていただきたいため、地元の中学生に参加を呼びかけて出席いただいております。去年も島田市で行いましたけれども、地元の2つの中学校から300人ほど出席していただいて、アンケートで内容も非常に参考になったと好評なお答えをいただいております。今年度も地元の中学校――今回富士市のロゼシアターで行いますけれども――1、2年生400人に参加していただけるとのことで、中学生を念頭に置いた話をしていただくように調整しているところでございます。

○阿部委員
 わかりましたが、金原人権同和対策室長及び山内福祉長寿局長に苦言を呈さなければいけません。
後半の中高生を対象にすることは、人権問題はとても大切なのでいいと思います。であるなら、会場がとれなかったとの理由はナンセンスであります。やっつけ仕事じゃなくて、大変失礼ながら、人権啓発をするんだとの使命があるのであれば、きちんと今最後におっしゃったようにターゲティングして、その人たちがどれだけ講演会やフェスティバルに出られるか、そこから組み立てないとだめだと思います。
今後そういった考え方でやっていただきたいと強く要望しつつ、山内福祉長寿局長の見解をお聞きします。

○山内福祉長寿局長
 まことに9番委員のおっしゃるとおりで、これからは時宜に合ったテーマをしっかりターゲティングして取り組むことを念頭に、開催日程は二の次で土日が必要であれば土日にターゲットを絞ってやってもらいたいと思います。

○阿部委員
 やってもらいたいと思うんじゃなくて、やっていきますとしていただかなければ困ります。
ことしはもうこれで決まっているので、なるべく多くの聞いてもらいたい人たちに声をかけておいでいただく努力をしていただきたいことと、来年度の計画を練っていく上で、申し上げたようにやっつけ仕事にならないよう、それだけ要望してこの質問を終わります。

 では最後1問だけ、総合戦略評価書案について一言要望申し上げつつ質問します。
 健康福祉部関連で言うと、総合戦略評価書案の戦略5の時代に合った地域づくりの110ページから115ページまで。
例えば、福祉コーディネーター養成など健康福祉部関連の行事等々がありますが、根本的な問題として111ページの今後の方針5−1地域社会の活性化の一番下に公共交通の自動運転導入に向けた実証実験を推進するなど革新技術の活用を図っていくとあります。
これは所管が違うと思うんですが、でも今静岡県の高齢者の方々の現場の声で一番聞くのが足がないと。何で免許を返納できないかというと、行きたいところに行けないと。公共交通網の充実とは健康福祉政策を考えるときの一番の基礎になると思います。だから所管が違うからこの部分は知らないではなくて、そういった部分をちゃんとやらないと健康福祉政策ができないことを認識していただいて、今後この総合評価書の総括、そして次期総合戦略をつくるときに健康福祉部としてもそこは強く訴えるべきと思っていますが、所見を伺います。

○青山健康福祉政策課長(社会健康医学推進担当)
 総合戦略の関係でございますので、私からお答えさせていただきます。
 9番委員がおっしゃられたとおり、本県も将来かなりの人口が減ってしまうことは、既に想定されているところでございます。
そういった中で地域交通のあり方は大きな課題でありまして、健康福祉部としましては高齢者の足について現在取り組み始めているところでございます。ただそれだけでよいかという話になりますとそうではなく、ここに書いてありますけれども、連携型都市構造の実現となりますと全体の地域交通、特にバスや電車、自動運転を含めてどのような形で住みよい環境をつくるかについて考えていかなければならないと思っております。
今後は、交通基盤部、経営管理部等とよく政策共有しながら進めてまいりたいと思っております。

お問い合わせ

静岡県議会事務局政策調査課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-2558

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