• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和5年12月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田内 浩之 議員
質疑・質問日:12/14/2023
会派名:ふじのくに県民クラブ


○田内委員
 それでは、分割質問方式でお願いします。
 静岡県の新ビジョン評価書案108ページの成果指標で、清水港のコンテナ船欧州航路・北米航路における寄港便数と東南アジア航路における寄港便数についてお伺いします。
 この欧州航路・北米航路の成果指標は、目標値の設定が現状と同じ週当たり2.5便であり評価・課題においても2022年度末時点で維持しています。
 今後の取組方針においても、引き続き航路の維持に努めますとされております。
 なぜ欧州・北米航路は2.5便維持という目標なのか、東南アジア航路における寄港便数は週10便から11便に増便することを目指しており、航路によって維持と増便と異なる考え方を伺います。

 また、増便の目標を掲げることが望ましいと思うのですけれども、寄港数の拡大にはどのような方法が考えられるのか。またそれに対して県はどのような取組をしているのかお伺いします。

○吉住港湾振興課長
 まず、欧州・北米航路の目標の維持の考え方ですが、目標には、米国の海運船社の北米航路と2019年に邦船3社の改編統合で設立されたオーシャンネットワークエクスプレス――通称ONEという会社も欧州・北米航路に含まれております。
 ちなみに、欧州・北米航路を持っているのは東京、名古屋、神戸、清水の4港でございます。ただ近年アジアの各港でコンテナの取扱量が増加しており、スケールメリットを追求するために船社ではコンテナ船のさらなる大型化や再編を進めております。
 そうした動きを背景として、航路における寄港地の絞り込みが大変進んでおり、清水港はもとより日本にとっては現在の欧州・北米航路を維持するのが非常に厳しい状況になっております。
 特に船社の航路再編により、釜山やシンガポールなどの特定の港にコンテナなどの荷物を集めて大型コンテナ船に乗せ換えて輸送することが長距離輸送のトレンドとなっているところもございます。こうした厳しい状況にありましても清水港につきましては、現状の欧州・北米航路を堅持することが、荷主へのサービス水準や他港との比較優位性を維持していくためにも必要との認識に立ち、週2.5便の維持という目標を掲げております。
 一方、東南アジア航路につきましては、新型コロナの影響で一時週10便となっておりましたけれども、計画策定時に取扱量が中国を上回る伸びを示しておりましたし、コロナ収束後には投資がまた見込まれるのではと期待されたことを受けて、11便まで増やす目標を定めたところでございます。ちなみに東南アジア航路につきましては、今年7月に11便に増便しております。

 寄港数を拡大していくために、どのような方法が考えられるかですけれども、新たに航路を敷いたり、航路を増便するためには何よりも荷物の量が最も重要になります。
 航路誘致の前提としては、船会社の採算が取れるだけの十分なコンテナ取扱量を確保できることが必要となりますので、清水港では県内や背後県である山梨県、長野県でセミナーを開催するなど、ポートセールス活動によって新規荷主の獲得やコンテナ取扱量の増加に努めております。
 また、11月には清水港利用促進協会のポートセールスとして海運事業者や港湾関係者、静岡市と共に県幹部がシンガポールのONE本社を訪問し、直接CEOに清水港への寄港継続を呼びかけるなどの活動もしております。

○田内委員
 御答弁ありがとうございました。
 なぜ清水港の質問してるかというと、先日マレーシアとベトナムに海外事情調査に行かせていただきました。ベトナムのハイフォン港の国営企業の皆さんからお話を聞いた際に清水港を知らなかったんですね。その後、会議が終わった後に三河港は知ってますかと聞いたら三河港は知ってたんですね。トヨタ自動車株式会社とベトナムは行き来が多いためと思うのですけれども、東南アジアや東アジアで清水港のプレゼンスを上げていく必要はとてもあると思います。
 今、吉住港湾振興課長の答弁を聞き、寄港数の拡大をある程度ターゲットを分けて戦略的にやっていく必要があると思っています。
 まずは、清水港の後背地の清水区や主に中部地域の荷主さんの荷物をどうやって持ってくるか、静岡県全体の荷主さんをどうやって持ってくるか、県外、東アジア、東南アジアの荷物をどうやって持ってくるかを分けてやっていくべきだと思っていますので、戦略があるのかお尋ねします。

○吉住港湾振興課長
 戦略としましては、まず県内の西部地域の荷主向けにポートセールスを行っております。
 また、県の中東部は本社を首都圏に持つ企業が多いものですから、首都圏企業向けのポートセールスも実施しております。
 さらに最近では、中部横断自動車道でつながった長野県、山梨県の甲信地域の荷主に向けたポートセールスもする形で、ターゲット別の誘致を行っているところでございます。

○田内委員
 ありがとうございました。
 そういった分けてやっていただくことがとても大事かなと思います。先日国会図書館で港のことをいろいろ調べていたら、これから地方を活性化するためには東アジアに重点を置いてやっていくのが一番いいという文献なり雑誌なりがたくさんありました。友人の港湾関係者に聞いても、民間企業は東アジアを見据えてやっているということです。北米航路は維持するだけでもなかなか難しいと思うんですよね。なので北米航路に関してはもう減っていってもしようがないと。ただその分、東アジアと東南アジアに力を注ぐのはとても大事だと思いますので、取組を進めていただければと思います。

 東アジアや東南アジアにターゲットを置くときに、コスト重視型貨物として自動車産業の部品メーカーから大口の荷物をどれだけ安く運ぶかの観点と、野菜や海産物などの小口のところで少々コストは高くても鮮度を保ちながら早く運ぶとか、同じ荷物の運び方でも全然違うと思うんですよね。なのでそういう分け方もセールスしていく上では大事だと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○吉住港湾振興課長
 清水港は、多くの品目を扱う総合港湾という特徴がございます。今も自動車産業を中心とする機械を多く取り扱うのが主流です。
 農産物などに関しましても、高付加価値のものの取り扱いをここ10年ぐらいは強めておりまして、例えば温度を一定に保ち運ぶためにコンテナの電源を港湾に整備するなど時代に合った形で対応する港湾として取組を続けています。
 東南アジアや東アジアの重点化ですけれども、静岡県と静岡市、民間の海貨事業者が合同で利用促進協会という組織をつくり、民間融資に対する補助金は中国などを今年の重点対象として加えたり、航路別の融資に対する補助については東アジアや東南アジアなども重点的に対象とし、毎年見直しを行い定めています。

○田内委員
 ありがとうございました。
 それでは、再質問させていただきます。コスト重視の大口貨物は結構安定してると思うのですけれども、これからサービス重視の小口貨物をどうやって確保するかはとても大事だし、今後伸びる可能性が多大にあると思うんですよね。
 海外事情調査では、マレーシアの株式会社セカイマルシェさんといって日本のすばらしい農産物をマレーシアで売りさばくスタートアップ企業に行きました。
 とても驚いたのは、例えば日本で100円で仕入れたものをマレーシアでどのぐらいの売価でできるか聞いたら、20%増しぐらいで売れますとはっきりおっしゃっていたんです。2倍か3倍ぐらいの値段じゃないと売れないのかなと思っていたのでとても驚きました。そのぐらい小口貨物の物流は発達していると思うんですよね。
 そこで大事になってくるのは、今までの既存の港湾の物流業者に加え新しい物流業者の参入がとても大事だと思うんですね。
 売り方が違ってくると、物流も全然変わってくると思うので、県として新しい物流業者に入ってきてもらう取組を何かされているのか教えてください。

○吉住港湾振興課長
 静岡県といたしましては、経済産業部マーケティング課と協働して、農産物を清水港から輸出していただく取組を始めております。
 清水港には、先ほど申し上げました冷凍用のコンテナに対応した電源を設置し、静岡市の市場にはコールドチェーンを確保するためのドックシェルター――トラック搬出入の時の冷気を逃がさない装置を補助金を使って設置し、日本農業などの農業事業者を主体とした輸出の取組も始めております。
 これは従来の方々だけでなく、新しい農業事業者が中心となった輸出スキームになると思います。

○田内委員
 御答弁、ありがとうございました。
 最後に、要望といたしますけれども、東南アジアとか東アジアに関しては、ぜひ高い目標を掲げて頑張っていただければと思います。
 友人が言うには、今物流は世界的に右肩上がりだが微増とか平行線は伸びてないことと一緒だという認識でした。
 私がベトナムに行った感覚と同じでした。しっかり高い目標を掲げて頑張っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 あとは、小口に関しても先ほども申し上げたんですけれど、物の売り方やスピードがますます速くなってきているのでぜひアンテナを高くしていただいて、港の観点から新しい物流とは何かを改めて考えていただければありがたいなと思いますので、要望とさせていただきます。

○阿部委員長
 今の8番委員の質問は、厳密に言うと経済産業部も入っていると思うのですけども、吉住港湾振興課長に御答弁頂いたように、物流という考えで言うとハード整備だけでは収まらないので柔軟に捉えていただいて、建設委員会でこういう意見が出たよと経済産業部ともよく話し建設的に進めていただきたいと思います。委員長として申し添えます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp