本会議会議録
質問文書
令和元年6月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 小長井 由雄 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 07/01/2019 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○小長井委員
それでは、委員会説明資料に沿いまして4項目、何点か御質問をさせていただきます。既に準備した質問について皆さんと重なる部分もありますのでなるべく重複を避けるつもりですけれど、多少同じような質問になろうかと思いますが、それはお許しいただきたいと思います。
まず4ページになりますが、南海トラフ地震に関する新たな防災対策の検討です。その中で、県は国のガイドラインを踏まえ本県の多様な地域性やこれまで実施してきた地震・津波対策の効果を反映した県独自のガイドラインを今年度中に策定するとなっておりますが、多様な地域性とか、あるいは県独自のガイドラインがどういったものなのかをお聞かせいただきたいと思います。
○後藤危機政策課長
本県の多様な地域性でございますけれども、伊豆から浜松まで、人口とか現在のハード整備の状況、それから津波対策のソフトの現状などが個々に違ってございます。そういった違いを見ながら、今回の3つのモデル市町にお願いをすることを決めてございます。
それと、県独自のガイドラインと書かせていただきましたのは、今現在全国でほかにガイドラインをつくると宣言しているところはございません。本県のみでございますので、そういった意味で県独自のガイドラインと書かせていただいたところでございます。
○小長井委員
静岡の場合は、特に地震に関してこういったものをつくろうとすると、必ず同時に関係してくるのが浜岡原発が存在することだと思います。防災計画をつくる際に浜岡抜きには考えられないのが静岡県の状況だと思いますが、その辺のところとの関係性についてはいかがでしょうか。
○後藤危機政策課長
ガイドラインと浜岡原発の関係でございますけれども、現在国で出してございますガイドラインの中では原発につきまして詳しい書き込み等はない状態でございます。一部、指定公共機関としてガスとか石油の会社と同じ中で、個別の留意事項としまして避難勧告が発令された場合顧客や地域住民等の安全確保のための適切な対応をとるというのが1つ記されているのみでございます。そのほかは当然指定公共機関でございますので、南海トラフのガイドラインの対策、南海トラフ地震防災対策計画を個別にそれぞれの機関でつくることになってございます。現在ガイドラインでは先ほどお話ししました留意事項しか書かれていないので、そのほかは原子炉等規制法の範囲に沿って事業者がやっていくと思います。
市町におきましては、現在ある避難計画が突発対応ということで、その場合の事前避難でございますけれども、こちらはあくまでも半割れ、一部割れ、ゆっくり滑りで、地震の程度にもよりますがある程度社会生活を維持しながらという計画になってございます。これは原発の関係する市町、どこでどういうふうに考えるかはございますけれども、そこを勘案してつくっていくものと考えてございます。
○小長井委員
県独自のガイドラインとなると、浜岡があるということを抜かすことができないという意味で今お伺いしたんですけれど、国のほうの意識にはそういうのは入っていないということだったと思います。
原発事故の避難計画で対象の住民が避難すると、数十万人、92万人でしたか、それがなかなか簡単にはいかないわけでございます。例えばこのキーワードを極端に言えば、調査中と出た段階で、例えば避難を開始することも極端な例として言えば考えられないこともないと私は考えるんですけれど、当局はいかがでしょうか。
○望月原子力安全対策課長
事前避難といいますか調査中といった状態で避難ができるような仕組みは9番委員の御提案でございますけれども、先ほど御紹介いたしました浜岡地域の原子力災害広域避難計画、11市町が12都県に避難するタイミングにつきましては、原子力規制委員会が出しております指針に基づいて避難することになっております。先ほどそのガイドラインの中に調査中、巨大地震警戒といったものがそういった指針に仮に盛り込まれるとするならば、そういったものに基づいて避難計画を考えていく必要があるかと思っております。
○小長井委員
先ほども、何回も言いますけど、県独自のことだもんですからそういったことも考えられるんではないかなということで、私の意見として申し上げておきます。
次に21ページになりますが、先ほど3番委員からもお話がありました消防防災航空隊の活動状況と新機体の運用開始でございます。
2人操縦体制の導入で安全性を向上させるということですが、操縦士がなかなか足りていないことについては国のレベルで考えていくというお答えだったと思います。先ほどの話で県と静岡市と浜松市と3機体制で運用されているわけでございますけれど、例えば1機が修理あるいはメンテナンスをして常に2機体制でということになろうかと思いますが、こういった体制の中でヘリは非常に機動性があって、かなり使い勝手のいいという言い方はおかしいかもしれませんけれど多様な活動ができるということですね。
当初、3機体制で県内をカバーできるというお話が数年前にあったかと思うんですけれど、現状として消防ヘリの静岡、浜松、県の体制について何か今後の課題があればお聞かせください。
○細沢消防保安課長
今の県内の3機体制ですけれども、大きい東京消防庁のように複数機を持っているところはございますけれども、全国的に見ましてもこのような形で違う団体が3機持っているところはほとんど例がなくて、一応これが全国的なモデルとなっております。今も静岡市と浜松市と県で具体的にあらかじめ定まっている修理期間中であるとかを綿密に調整した上で、例えばヘリでいうところの車検のようなものの時期を決めたり、調整しながらやっておりますので、今のところ県内の3機体制は順調にいっていると考えております。
○小長井委員
県内は3機体制でうまくいっているということでございますけど、今後南海トラフの地震等いろんな災害を考える中で、例えば県内の3機だけじゃなく他県、他の自治体との関係は今どんなふうになっておりますか。
○細沢消防保安課長
通常、他県とは例えば長野県とか山梨県とか、相互応援協定を事前に結んでおります。例えば他県のヘリが動けない場合はこちらから行くという相互応援の形で今やっております。
それから、南海トラフ地震のような巨大地震があった場合は全国的に緊急消防援助隊という枠組みがございまして、それに基づいて動くことが取り決めとしてなされておりますので、その辺の動きも一応は決まっております。
○小長井委員
他県との関係ですけれども、静岡の場合は3機あると。これは全国的にも特異なケースだということでございますけれども、他県から要請されて県内の消防ヘリが出動するのはかなり頻繁にあるものですかね、どんな状況ですか。
○細沢消防保安課長
今、具体的には数字を持ち合わせておりませんけれども、感覚的に言いますと一月に1件出るというところです。
○小長井委員
ありがとうございます。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
23ページ、消防団の充実強化に向けた取り組みで、私も30年くらい前に消防団をやりましたときには団員が私の地区で90名近くいたのが、今は10数名と非常に減少しているんですよね。いつも消防団員の獲得については難しいと言われているわけですけれど、それについても県としてもさまざまな取り組みをやっていただいてると。
しかしこれは減る一方。人口も減るからそういうことだと言ってしまえばそれまでですけれど、大規模災害のときは、やはり消防や警察や自衛隊だけでなくて緊急に地元の消防団員にさまざまな形で応援していただくのは非常に重要なことになろうかと思います。そのためにも消防団員の確保が非常に重要だと思いますが、消防団員の確保についても県内のさまざまな自治体、消防団から要望が上がってくるんではないかなと思います。どういった要望が具体的に上がってるのか、どうすれば消防団員が確保できるかの提案もあろうかと思いますが、その辺はどんなふうになっているかお聞かせください。
○細沢消防保安課長
消防団員の減少は、本県だけに限らず全国的な傾向であります。各団、各市町の消防団とか分団で個別に新しい団員の確保に努めてもらっていますので、県でも先ほどの消防団応援条例であるとか、将来の団員になる大学生とか専門学校生に対する働きかけを近年は強めております。
県内の消防団の要望は年に1回ありますけれども、今手に持っていないですから、改めて調べてお答えさせていただきたいと思います。
○小長井委員
さまざまな現場の声が上がってきていると思いますので、できることはぜひ応えてあげていただきたいなと思います。
今、学生団員というお話ございました。これを見ますと女性団員もふえてきておりますし、学生団員もふえてきているということでございます。
以前、私が消防団へ入ったころは消防年金という制度もあったりしたんですけれど、この女性団員とか学生団員の人たちは基本的にはボランティアだと思いますが、団に入っていてどのような保障というか、そういったものがあるのかお聞かせください。
○細沢消防保安課長
消防団員になりますと年額報酬が、額は多くないですけれども、一応交付税で普通の団員ですと年額3万円ちょっとぐらいの額になっております。
それから、特別職の公務員になりますので、団活動で負傷した場合は公務災害の扱いになります。
○小長井委員
先ほどお話が出ました機能別団員と一般の団員は基本団員と言いましたか。この日常的な活動の違いについてお伺いしたいんですけれど、一般の団員ですと定期的に訓練、あるいは点検等をやってきてるんですけれど、機能別団員は一般の団員との日常的な活動の違いは何かあるのでしょうか。
○細沢消防保安課長
現状ですと、機能別団員は例えば消防職団員のOBの方がなって、操法大会とかそういう訓練はやらずに何か火事とか災害が起きたときだけ出動する形のものとか各消防団によって形は違うんですけれども、全てやる人に比べると大分負担は軽減されることになります。
○小長井委員
OB団員が再入団という形かと思うんですけれど、確かに夏場の大会に向けての訓練等について消防団員に聞くと負担のあるときもあるということでした。今、機能別団員ということもございましたけれど、これからこういった形も普及するというか、入っていただくことを積極的に進めていただきたいなと思います。
次の質問に移ります。
26、27ページになりますけれど、原子力発電所の安全対策及び防災対策についてでございます。
まず、浜岡原子力発電所の新規制基準への適合性審査は原子力規制委員会の中で進められていると思いますが、進捗状況はどうなっているのか。
特に、先ほどもお話がございました津波の高さ22.5メートルという数字も出てきておりますので、こういった津波に対する評価とか、あるいはこれまでは動かないと言われてきたH断層についての評価の現状がどうなっているのか聞かせてください。
○望月原子力安全対策課長
新規制基準適合性審査の進捗状況はどうかといったことでございます。資料26ページの2の中部電力の主な動きの中に記載してございますけれども、中部電力は新規制基準に基づく審査を国の原子力規制委員会に申請しております。4号機につきまして、平成26年2月に申請を行い、3号機につきましては平成27年6月に行っております。
現在、規制委員会は4号機の審査を優先しておりまして、申請後5年5カ月余たちましたけれども、現状これまで90回を超えた審査会を開催して審査を実施しておるところでございます。
現在、先ほど9番委員がおっしゃっていましたように基準津波の審査を行っておりますが、まだ結論が出ている状況ではございません。
また、浜岡発電所の敷地を通っておりますH断層等が活断層であるかどうかを審査会合の中で議論しておるところではございますけれども、それはまだ審査を終えておる状況ではございません。
いずれにいたしましてもまだまだ審査項目は数多く残されてございますので、その審査の終了の状況はまだ見通すことはできません。
○小長井委員
津波の高さについても、プレートの破壊が始まる地点を変えるごとに高さも変わってくると思います。22.5メートルが本当に最終的なものかどうなのか。これはやり始めると切りがなくてさらに高いケースもある。つまり、こういった数字が出てきても結局結果として何かあったときには想定外という言葉で済まされるのが一番怖いと思っております。
浜岡については、私の個人的な意見でございますが、非常に危険な地域にあるからここは廃炉しかないと考えております。
次に、原発のテロ対策について、県の考え方をお聞かせください。
○望月原子力安全対策課長
国が示しております新規制基準では、原子力発電所に対する意図的な航空機衝突等を想定した、いわゆるテロ対策が必要だとされております。重大事故の収束のために使用する可搬型設備の分散配置等も行っておりますが、また原子炉建屋と同時に破損しないよう離れた場所に設置する特定重大事故等対処施設といった対策のほか、重大事故の発生に備えた安全対策が大規模な自然災害だけでなくテロに起因する事故にも有効に機能することが求められているところでございます。
県といたしましては、中部電力には日ごろの警備等を含め安全確保の徹底を求めているところでございます。
○小長井委員
航空機の衝突というお話が出ましたけれども、それを遠隔操作するような設備の整備というお話だったかと思うんですけど、航空機が衝突すれば遠隔操作も何もできない状況が考えられるんではないかなと思います。テロ対策については日本の場合は全く無防備だと私は思いますけれども、航空機に限らずドローンとかいろんな形があると思うんですけど、これについてもどんなふうにお考えかもう一度お聞かせください。
○望月原子力安全対策課長
こうした特定重大事故等対処施設につきましては、審査が終了した後5年間とか猶予期間が設けられているところでございます。またこうしたものにつきましても、審査会合の中では今後議論されていくものと承知しております。
○小長井委員
原発事故の場合は、先ほども申し上げましたけれど地震と関係した複合災害になる可能性があると。こうなると対策としても非常に難しい状況が現出する考えます。これまでもこういったことは本会議を含めていろんなところで長い期間にわたって議論されてきたことで、最後にお聞きしますけれども、複合して起こる地震、原発の災害について、県としてこれからどう取り組んでいくのかお聞かせください。
○望月原子力安全対策課長
県といたしましては、原子力災害が起きた場合にいかに住民に対する防災対策ができるかといったことも今後も続けてまいります。
その1つとして、先ほど申し上げました広域避難計画の中で万が一の場合に備えて広域避難計画を策定しておるところでございます。先ほど3番委員からもありましたが、いろんな課題を抱えてございます。関係市町とそういったものを相談、協議しながら、今後も防災対策を進めてまいりたいと考えております。
○小長井委員
広域避難計画がなかなか機能しない状況が考えられるのが南海トラフの巨大地震だと思います。言うならば、こういった防災計画は国が責任を持ってつくるもので県につくれとか自治体につくれというものではないと思います。そういった意味からも、特にこの浜岡原子力発電所については非常に危険な原子力発電所ということで、一日も早い廃炉を望むということで終わります。
○細沢消防保安課長
先ほど9番委員から、消防協会からの要望にどんな項目があるかということでしたが、昨年の12月18日に消防協会から県に来ていた要望では、消防団への処遇の改善であるとか、消防団員確保のための広報の取り組み、事業所における消防団員の確保対策の強化促進などの項目で要望をいただいております。
○深澤委員長
ここで、しばらく休憩といたします。
再開は、15時15分といたします。
(休 憩)
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