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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和2年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:03/10/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員

 それでは、分割質問方式でわかりやすくいきます。

 今7番委員からも出ましたPCR検査について確認をとっていきたいと思います。

 まず、先ほど最新の検査数338件、結果は陰性とのことですが、この338件のうち再検査をした方があったのか、もし再検査をしているのであればその理由。

 それから、国の注意勧告が出て、学校が休校になってからの2週間、県内のPCR検査数の推移はどのようなものか。右肩上がりにふえているのか、横ばいなのかといった

意味ですが、それをまず教えていただきたいと思います。

○後藤疾病対策課長

 前半の御質問の回答としましては、検体の場所は咽頭もしくは鼻の奥の鼻咽頭、喀たんと3種類ございます。途中から咽頭よりも鼻のほうの検査が陽性に出やすいとの情報

がありましたので、現在は主に鼻咽頭で検査を施行しております。ただ鼻咽頭の検査で陰性だった場合に、担当の医師が肺炎の状況等で疑いがぬぐい切れないといった場合に

は、喀たんを再度とり直して再検査されている方が十数人含まれております。

 2点目に関しましては、2月27日にPCRの検査の基準が割と緩くなって、医師が総合的に判断してこの病気を疑った場合も対象になりましたので、そこから検査の件数が

ふえていると感じております。

○阿部委員

 わかりました。ありがとうございます。

 引き続きPCR検査について何点か聞きますが、まず今医師の要請についてありましたが、PCR検査に至る手順それからルールのようなものがあれば、そのあたりを多く

の県民の皆さんは知りたがっていると思うんです。そこを明確にしていただきたい。明確な基準がないのであれば、どのように検査に至っているかを教えていただきたいと思

います。

○後藤疾病対策課長

 まず、相談センターに電話する基準がございます。呼吸器症状、咳や喉の痛み、鼻水等と37.5度以上の発熱が4日以上続く場合ですね、ただし高齢者や妊婦あるいは持病が

ある方、抗がん剤等を内服されている方は2日以上続いた場合が相談センターへの電話対象になります。

 また、明らかに確定している患者と濃厚接触している方、家族の方が先ほどの風邪症状、呼吸器症状や熱が出た場合も電話する対象になりますし、どんどん地域が拡大して

いますが、流行地域――最初湖北省から始まり、浙江省が追加されたり韓国の地域が追加されたりイランも追加されましたけれども――に2週間以内に行って帰ってきた人、

もしくはそこから来た人と2週間以内に会った人も風邪症状や熱があった場合は電話することになっています。

 相談センターの電話を保健所の担当職員が聞き取って、PCR検査の基準に該当するものが検査になります。1発で該当するのが先ほど申し上げた濃厚接触者である方、家

族に確定している患者がいらして濃厚接触した方等ですね、その方並びに流行地域から2週間以内に帰ってきた、もしくは流行地域の方と2週間以内に会って話すなど接触し

た方は検査の対象になります。

 それ以外に症状が4日続いている、合併症があって2日続いている方に関しましては、入院を要する肺炎を疑う必要があります。相談センターでは電話だけではわかりませ

んので、帰国者・接触者外来への受診を調整して、そこの先生が入院を要する肺炎の疑いがあるか判断して、確定すれば検査になります。

 最後に、先ほど申し上げましたけれども、それ以外のカテゴリーとして診察した医師が総合的に判断してこの病気であると疑いがある方も対象となります。

○阿部委員

 わかりました。

 答弁の中で不安に感じるところがあるんですが、保健所に電話して担当職員が聞き取って、必要があると判断した場合とのことですが、保健所の電話もつながらないぐらい

鳴っている場合もあろうかと思いますので、非常にあやふやな判断になってしまって、実は潜在になってしまったりする場合もあるのかなと心配になります。ここからは要望

に近い形ですが、先ほど7番委員からのPCR検査をふやせるかの質問で、5施設の病院と民間1施設で検査可能とのことでありました。そこでなるべく早く検査していただ

くようにしていただきたい。報道によると韓国などは非常に簡易な検査で、希望すればある程度の方は検査ができるようになっていると思いますので、そのような体制を1日

も早く構築することが重要だと思いますので、努力していただきたいと思います。これは要望とします。

 先ほど、5施設の病院と民間1施設で検査が可能になった場合、増加できるのは200件程度と御答弁いただきましたけれど、その200件とは今の1日104検体にプラス200件な

のか、合計200件なのかどっちなのか、それだけ答弁求めます。

○後藤疾病対策課長

 プラス200件と考えています。

○阿部委員

 ありがとうございます。

 PCR検査についてもう1点確認ですが、PCR検査を強制的に受けていただかなきゃいけない方、対象者があると思います。

 当然、クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号に乗っていらした方、関係の方、帰国者、DMAT等も含めて医療関係者、濃厚接触者、この4つの分類なのかなと思っていま

すが、これ以外に強制的にPCR検査を受けてもらっている、受けてもらわなきゃ困る方がいらっしゃるか確認します。

○後藤疾病対策課長

 強制的とはなかなか表現として難しいと思いますが、クルーズ船を下りて県内に帰ってきた方の場合は観察をしっかりしておりますので、症状が出た時点で検査を行う、も

しくは14日間の健康観察が終了した場合に、御本人が希望された場合に検査を行っております。

 医療関係者でも同じように濃厚接触があった場合に症状が出れば原則的に検査を行いますけれども、先ほど7番委員の御質問にもありましたように、病院の状況に応じては

柔軟に症状が出る前に検査をする場合もございます。

 それ以外に検査する必要があるのかに関しましては、実際に検査陽性で入院になった方が退院する前の陰性確認という手順がございます。2回連続PCR検査でマイナスが

出ないと退院できないとする現在の国の基準がございますので、退院する前に2回陰性が続くまでの最低2回の検査は必ずするとなっています。

○奈良健康福祉部参事(医療人材確保・健康危機管理担当)

 クルーズ船の場合は対応が2つに分かれています。初期の場合は、濃厚接触者に当たらないとする国の判断もありましたので検査の通知がなかったんですが、例の岩田教授

の話の後、DMATなどで入った方は必ず検査を受ける旨の通知が3月2日付で参りまして、そのときからは皆さんにやってもらっているとのことです。

○阿部委員

 わかりました。ありがとうございます。

 クルーズ船の乗客について何点か掘り下げてお聞きしたいと思うんですが、静岡県の場合は乗船されておられた方が28名で、うち1名の方は不幸にして発症されてしまいま

したが、残りの27名の経過観察はどのように行ってきて現状はどうなっているのか確認します。

○後藤疾病対策課長

 その方が滞在している地域の各保健所が毎日御本人に電話で体温の状況や症状の有無を確認しています。2月19、20、21日、3日間に分けて下船されていますので、そこか

ら2週間の健康観察期間は3月4日、5日、6日でおのおの終了しているところであります。

 2週間の健康観察の間、1名の方以外は症状がなく、その中から希望される方はPCR検査を受けて全員陰性だったと聞いています。

 また、2週間の健康観察が終了した後も一、二週間は体調に変化がないか十分注意していただき、外出の際はマスクをつけていただく等の注意を各保健所から言っていると

ころでございます。

○阿部委員

 ありがとうございます。

 今の状況がわかりましたが、関連してさらに2つ掘り下げます。

 1つは、28名の方は大部分が御自宅で経過観察をされていると思いますが、御家族の方の経過観察、体調の変化についての聞き取りもあわせてされているのか。御家族の方

からPCR検査の希望、もしくはぜひ受けてくださいという形でお勧めしているのか確認したいと思います。

 それから、国内でもこの新型コロナが再発されている事例がありますので、今後万が一に備えてクルーズ船の乗客に再度PCR検査をお願いしていく予定があるかお伺いします。

○後藤疾病対策課長

 先ほどの答弁で1点修正がございます。

 国から3月6日付けで、クルーズ船の入院患者は退院した後4週間ぐらいは健康観察するようにといった通知が来ていたと思います。国も長期間の対応を考慮していると思

います。ただ御家族に関しましては、船に乗っていた方が下船してそのまま発病せずに2週間済んだとのことで、感染源がございませんので御家族の健康観察をしていません

し、PCRの検査も勧めていない状況になります。

 ただ高齢の方は免疫力が弱かったりして、発症して一旦治った方の場合は一時的にウイルスが体にふえた時期があり、そのウイルスがまたぶり返すといった状況があるかも

しれませんので、実際に発病した方に関しましては3月6日に発病後4週間ぐらいは厳重に健康状態を観察する通知が出ています。ただ下船して全く発病してない方に関しま

しては、クルーズ船の方が全員感染したわけではございませんので過剰な注意は必要ないと考えています。

○阿部委員

 わかりました。ありがとうございます。

 クルーズ船の県内28名とは別に、国から依頼されて入院された14名と、県内で発症された1名、計15名の方が県内病院に入院され、現状12名が退院されたとのことです。こ

の12名の退院に至るまでの治療法、どんな薬を投薬されたのか、どのように回復に至ったのか治療の経緯、推移、状況について開示できるようであればお願いします。

○後藤疾病対策課長

 詳細は聞いておりませんが、一部聞いておりますので個人情報に関係ないレベルでお話しします。

 15名のうち最初にクルーズ船から紹介された患者に関しましては、無症状病原体保持者と思われる方も数人いたと聞いています。その方は特に症状がございませんので、先

ほど申し上げたPCRの検査2回陰性を待って、割と短期間の1週間ほどで退院していると聞いています。

 また、レントゲンCTでごく軽い肺炎の方とある程度の重い肺炎の方に分かれると思いますが、軽い肺炎の方は一般的なウイルス性肺炎の治療として食事がとれない場合に

は点滴等で水分を補給する、あるいは多少息が苦しい場合でサチュレーション――酸素の飽和濃度が下がった場合には指で測定し酸素を投与する、あるいは細菌、ばい菌によ

る肺炎の合併に備えて抗生物質の点滴を行う等の一般的な治療をしていると思います。

 重い方に関しましては、さまざまな先進的な施設で効果があると言われているカレトラ――抗HIV薬、エイズの薬でございますが――を投与した方もいると聞いております。

○阿部委員

 わかりました。

 医療関係者はよく承知しておられると思うんですが、治療経過はこれからの新型コロナの治療に役立つことだと思います。国が把握されるのかどこがされるのかわかりませ

んが、しっかりとしていただきたいと思いますけれど、県として情報の取り扱い等々どうなっているのか、開示できる範囲で結構ですのでお教えいただきたいと思います。

○後藤疾病対策課長

 2月の半ばに感染症指定医療機関の先生や感染症専門の先生がお集まりになって、当時治療中であったクルーズ船から受け入れた入院患者の治療状況等の勉強会が行われた

ところであります。私も同席して症例の細かい報告を聞きました。

 また、日本感染症学会のホームページには各医療機関のクルーズ船の方の入院報告等も多数載せられているところでございます。

 一部のお薬に関しましては、病院や学会等で症例を集積して効果の検証が行われていると聞いております。

○阿部委員

 わかりました。ありがとうございます。

 それでは次にそもそも論に入ります。

 そもそもこの新型コロナウイルス――コビット−19ですか――についてわかる範囲で教えていただきたいと思いますが、現状このコビット−19の特徴や感染力や耐性、また

致死率などについて正確にわかっているところをまず教えていただきたいと思います。

○後藤疾病対策課長

 まだ正確にわかっていないことが前提になると思います。

 コロナウイルスの一種であることはわかっていると思いますけれども、感染力に関してはさまざまな意見ございますが、インフルエンザと同等ぐらいと言われていると思います。

 死亡率や重症化する率は、国によって違うと思いますけれども、全部押しなべて調べた限りでは8割程度は軽症で入院を要さない、十数%が重症化する、致死率は国によっ

て差がありますれけれども1%ぐらいじゃないかと言われています。

 薬に対する耐性については、今のところ薬がはっきり決まっていませんので耐性もわからないんですけれども、1月の終わりぐらいに日本に入ってきた時点では、武漢のウ

イルスと日本でのウイルスの遺伝子に変異はほとんどなかった、99.9%同一であるとの報告がございますので、耐性を獲得するような遺伝子の変異はその時点では起こってな

いと思います。

○阿部委員

 わかりました。現状とのことで認識します。

 ちょっと聞き方を変えますけれど、このウイルスを殺すことに有効なツールとか手段、あわせて予防法について最近の情報があれば教えていただきたいと思います。

○後藤疾病対策課長

 アルコールで消毒すると死ぬこと、次亜塩素酸で物を消毒すれば、その上に付着しているウイルスが死滅することはわかっていると思います。予防に関しましては手洗い

、石けんでもウイルスは流れ落ちると思いますので、石けんを使った入念な手洗い、時間がなければアルコールによる手指消毒が最も有効な策であると考えています。

○阿部委員

 ありがとうございます。

 もう少しコビット−19について聞くんですが、先ほど触れた再発の事例が報告されています。再発はほかのコロナウイルスやインフルエンザウイルスでも見られることなの

か、まずそれをお聞きするとともに、このウイルスだけが人間の中に抗体ができづらいのか否か。それから先ほど1月の時点では変異していないとのことだったので、体内に

残りやすい特性があるのか、わかる範囲でお答えいただきたいと思います。

○後藤疾病対策課長

 正確なところに関しましてはほとんどわかりません。再発なのか長く体内にウイルスが残っているだけかが、まずわからないところだと思います。

 PCRで検出するのは、その病原体の遺伝子を増幅して検出していますので、遺伝子があっただけ、つまり死んだウイルスの断片、破片から遺伝子を増幅している可能性が

ございます。ですので、治った後しばらくたってから検出されたウイルスが、本当に感染力があるのかの検証が必要であると思います。

○阿部委員

 わかりました。ありがとうございます。

 現状わかっている正確なところをお教えいただきたいんですが、病原体の核の部分の大きさによって空気感染する可能性があるとレポートを出していらっしゃる学者もい

らっしゃいますが、それについてはどのような認識をお持ちか教えていただきたいと思います

○後藤疾病対策課長

 空気感染と申しますのは、しぶきで飛んできたたんや鼻水の液体の部分が蒸発して核となる部分で漂う、その段階で感染するかでございます。空気感染するウイルスは麻疹

と水痘、結核の3種類が有名でございますが、それ以外は現状では明らかに空気感染する病原体はなく、このコビット−19、新型コロナウイルスに関しましても空気感染の明

らかな証拠がないと言われていると思います。

○阿部委員

 わかりました。ありがとうございます。

 このコビット−19は、ペットなど動物に感染する可能性はあるんでしょうか。

○長岡生活衛生局長

 動物感染症は私からお答えさせていただきます。

 そもそもコロナウイルス自体は、昔はT型からV型まで分かれておりました。その後SARS、MERS、そして新型コロナウイルスでございます。

 コロナのT型は昔からあり人に鼻風邪を起こさせますが、犬や猫の下痢症の原因にもなります。U型もやはり人の鼻風邪を起こさせるわけでございますけれども、牛に下

痢、ネズミに肝炎を起こさせます。V型は鶏の気管支炎を起こすんです。その後SARSはハクビシン、MARSはヒトコブラクダでございます。

 今回の新型に関しましてはいろいろ諸説ございます。コウモリとかありますけれどもまだ確定してはございません。ただコロナウイルスであれば可能性としてはございます。

○後藤疾病対策課長

 先ほど、9番委員からインフルエンザ等でも長期にウイルスを出すことがあるのかと、抗体がつくられにくいことがあるのかについて答弁を求められてございましたので2点答えます。

 インフルエンザでも新型インフルエンザがはやった2009年、私は臨床の現場にいましたけれども長期間ウイルスを出すお子さんはいらっしゃいました。

 2点目の抗体がつくられにくい病気があるのかについては、ほとんどのウイルス感染症で治癒した場合には抗体を体の中でつくっている、産生していることが原則だと思い

ますので、抗体はつくられると思います。

○阿部委員

 ありがとうございます。

 それでは、全て答えられないかもしれないですが、少し角度を変えて県の対策本部の関連について確認したいと思います。

 まず、県の対策本部は知事以下で構成されていますが、新型コロナウイルス感染症の専門家や有識者がメンバーにいないように見えますけれど、本部として専門的知見はど

なたにお聞きして判断の参考にされているのかお聞きします。

○青山健康福祉政策課長(社会健康医学推進担当)

 現在の県の対策本部におきましては、9番委員御指摘のとおり、各部局長が本部員になっておりますので、専門家の方は入っていない状況でございます。ただし各自報告を

する時点におきましては、健康福祉部は奈良健康福祉部参事、後藤疾病対策課長に加わっていただきまして、必要な助言をしていただくことで対応してございます。

○阿部委員

 今、加わっていただいている皆様の名前が出ましたけれど、正直体制として十分かどうか、大切なことですのでやはり専門家の参加を求めるべきではないかなと我々は感じ

ます。それに対して実際本部で協議をされる皆様としてはいかが感じておられるのか確認をします。

○奈良健康福祉部参事(医療人材確保・健康危機管理担当)

 私が昔疾病対策課長だったときに、新型インフルエンザのことをやっていまして、そのときは専門委員会をつくっておったんです。今回もそれに似た組織を考えておりまし

て、その中には県外の有名な先生――誰かはちょっと申し上げられませんが――と、あるいは県内で感染症を主にやっている先生、あるいは大学の先生もいらっしゃいますの

で、そういった方を入れた上で今後考えていきたいと思います。

○阿部委員

 奈良参事がそうおっしゃる以上、1日も早く専門委員会を構成いただいて県内、県民の皆様の安心をつくり出していただきたいと思います。強く要望いたします。

 次に、先ほど7番委員からも確認がありましたが、必要と思われる物品についての県の備蓄状況についてもう1度確認させていただきます。

 先ほど保健所でサージカルマスクが1万5000枚とお聞きしたんですが、その他の一般に販売されているマスク等の備蓄があるのか。先ほど来アルコール消毒が有効とのこと

でありましたが、消毒液の備蓄があるのか。クラスターなどが生じた場合、またクルーズ船のような集中感染が出た場合のことを考えて防護服の備蓄があるのか。その他今申

し上げた3つ以外でも必要と思われて備蓄しているものがあれば、開示いただきたいと思います。

○田中医療政策課長

 保健所の備蓄状況でございますけれども、まずサージカルマスクは先ほど申し上げましたので、手指消毒用のアルコール液の本数は55本でございます。さらに防護服につき

ましては875枚になります。それ以外に備蓄しているものでございますけれども、ゴーグル、フェイスシールド、ディスポーザルガウン、手袋などを備蓄しております。

 それぞれの数ですが、ゴーグルは256個、フェイスシールドは157個、ディスポーザルガウンは425枚、手袋は5,800となっております。全て3月4日の時点でございます。

○阿部委員

 わかりました。

 数からして、県職員とか関係者が使うものなのかなと思うんですが、本来であれば県内でお困りの必要と思われるところに県の備蓄をお分けしてもいいと思いますし、本当

はなきゃいけないのかなと思うんですが。

 今後、県内関係施設への配布等は考えていくのかどうかお聞きします。

○田中医療政策課長

 先ほど来申し上げましたとおり、サージカルマスクは1万5000枚ほどですので数としては多くございませんけれども、県内の医療機関において早急に必要との状況があれ

ば、放出していく考え方でおります。

○阿部委員

 わかりました。

 考え方であれば確認しますが、民間はなかなか難しいかもしれないので、まず県の所管する施設や機関それぞれにおけるマスクや消毒液の充足状況をお聞きしたいと思います。

 あわせて、民間でも公共交通機関を担われるバス、タクシー、電車などの各社もマスクや消毒液が充足していないと、我々会派の聞き取り調査でも聞いております。

 あくまで一例ではありますけれど、このような公共機関が県庁も含めクラスターにならないように、計画的にマスクや消毒液を供給していくことも県としては早急に考える

べきだと今痛感しましたが、それについてのお考えをお聞きします。

○田中医療政策課長

 医療機関は、民間については把握していません。

 ただし、3月6日の国からの通知により医療機関を規模別に4区分に分け、それぞれ区分ごとに5つの医療機関を抽出して物資の不足状況、備蓄状況等を報告するよう要請

がございました。今まで国は感染症指定医療機関に向けて、優先的にそうした物資を配分する方針でございましたけれども、対象を拡大していくことを検討するために調査が

実施されております。

 本日が期限で数字はこれから取りまとめる状況でございますけれども、国に報告する中には民間の診療所も含めて御報告する予定でおりますので、その中で把握ができると

思います。

○阿部委員

 苦言を呈さざるを得ない御答弁ですね。

 その前にもう一度確認しますが、県の対策本部の陣立てはわかります。県全体の新型コロナウイルスに対しての組織体制、市町とか医療機関などを含めた指揮命令系統が

しっかりわかるような組織図も含めて、組織体制がどうなっているのか確認したいと思います。

○池田健康福祉部長

 県の本部が中心となりまして対策に当たっております。

 政令市等につきましては3月3日に県と政令市との連絡調整会議を設けまして、県と政令市の間で対策におくれが生じないように調整を図っているところでございます。

 それから――名称がはっきり出てきませんけれども――病院協会あるいは医師会や県内の医療機関との連携を図るために会議を設けまして、常に連絡調整に当たっております。

 経済対策の関係ですけれども、3月6日に経済対策会議を設置し、県あるいは政令市、経済部門、観光、市長会、町村会などと連絡調整会議を開いているところでございます。

 おくれが感じられるかもしれませんが、県としては常に先手、先手で空振りは許されるけれども見逃しは許されないという危機管理の基本に忠実にできることはやっている

つもりでございます。

○阿部委員

 苦言を申し上げます。

 現場感覚はありますか、大丈夫ですか。現場の県民の皆さんが1番不安に思っているのは、満員電車に乗ったときに感染しないだろうか、手すりに掴まったときに大丈夫だ

ろうか、そういったことを物すごく心配されているわけですよね。県のほかの部署はいざ知らず、健康福祉部においては感染拡大防止や予防を重点的に考えるためには普通に考えて、マスクのない方にはどうやったらマスクが行き渡るだろうか、消毒薬のない方にはどうやったら消毒薬が行き渡るだろうか、現場からの声を受けてしっかり考えるべ

き。それを対策本部で強く主張して議論すべきだと思います。

 身近な例でいうと、例えばこの県庁内においても受付、駐車場、警備などは外部委託されていますが、この方々ですら会社からマスクを手に入れたいんだけれど手に入らな

いから独自で入手してくださいと言われて困っていますと。そういったお声もあります。足元ですらできてなくて、県全体でできるのか強い不安をおぼえました。苦言を呈さ

ざるを得ない。

 だから、しっかりもう1度対策本部としてどんな役割を県がやっていくか、お困りの人たちを助けるのは誰なのか、役割分担をしっかりやっていく。感染防止がかけ声だけ

で終わってしまうといけないので、個人の方の努力だけに任せておくんではなくて県も率先してやる形を具体的に見せていただきたいと思います。これは苦言とします。

 もう少しお聞きします。

 医療現場の状況について、医療現場で混乱が出ていないか非常に心配ですので認識を伺います。

 それから、一斉休校によって看護師のお母さんなどが多く対象になられたりしていると思いますが、その影響があるのかお聞きします。

○後藤疾病対策課長

 一部の帰国者・接触者外来に関しましては、日によって受診患者が多いことは聞いていますけれども、全県ではなくて一部の地域で多いことがあると聞いております。

 入院に関しましては、先ほど来話題になっていますようにクルーズ船の入院患者が2人、静岡市の患者が1人の計3人でございます。第二種感染症病床46床ですので、入院

に関しては混乱していないと把握しているところです。

○奈良健康福祉部参事(医療人材確保・健康危機管理担当)

 一斉休校の関係で看護師が出てこない可能性があり、国から通知があって今調べておりますが、各病院の中で外来縮小、並びに入院の縮小をやったところは今のところはな

いと聞いております。ただ今後長引くことに関しては考えないといけないもので、状況を注視してまいりたいと思います。

○阿部委員

 わかりました。

 医療現場でもう1つだけ。

 厚生労働省から全都道府県に薬の処方、服薬指導について、感染拡大を防ぐためになるべくオンライン診療をやりなさいと通達が出ていると思いますが、県内では現状この

通知に従ってどのくらいの医療現場でオンライン診療が実施されているのか。またオンライン診療ができないのであれば、問題点、解決策を県としてどのように把握している

かお聞きします。

○奈良健康福祉部参事(医療人材確保・健康危機管理担当)

 オンライン診療に関しては、今のところ外来患者が少ない状況で余り需要はないと思っています。

 実際には2つくらいあると思いまして、まず慢性疾患の患者で外来が混むために病院に来られない場合には、オンライン診療の適用かと思いますが、例えばコロナウイルス

とかに感染した場合、初診患者に関してオンライン診察はできないので、その点を見きわめた上で各医療機関に指導、助言していきたいと思います。

○阿部委員

 奈良参事がおっしゃったとおり、コロナウイルスに感染して重篤化される心配があるのは慢性疾患をお持ちの方や高齢者の方です。その方々がオンライン診療になることは

非常に安心感を生みますし、今後の感染症対策にも役立つことですので、できるところはどんどんやっていただくように県も手助け、導入を進めるべきと思います。これも要

望とします。

 

 それでは、残り2点だけ。

 1つは、生活困窮者や高齢者の方の生活支援についてです。所管がずれてしまうかもしれませんが、健康福祉部で所管するところだけでいいので答弁をお願いします。

 うちの会派の聞き取りの中でも、高齢者や生活困窮者が御不安に思っている相談が多くあります。この方々はどこに相談したらいいかといった相談先です。まずは民生委員

になると思うんですが、民生委員に正確な情報がいっていない。テレビ報道をごらんになっただけとか、もし間違った情報が伝わってしまったら大変なことになります。生活

困窮者や高齢者と接する方々に対して、市町と連携して正確な情報を出すと。また相談を受けたら、どのような手順を踏むかきちんとすべきだと思いますが、できているかが

1つ。

 それから、この方々は外出を控えなさいとなると買い物等が非常に困ってしまいます。所管をまたいでしまうかもしれないですが、例えば県はユニーやイオンなどと包括業

務提携を結んでいますので、移動販売してこういった困った方を助けてくださいと要請することもできると思います。これらについて、しっかりと現場目線でやるべきだと思

いますが、現状における検討状況等々お聞きしたいと思います。

○桑原地域福祉課長

 生活困窮者については、普通の状態であっても民生委員に地域の身近な相談相手となっていただき、市町の支援窓口や市町社協の協議会等を御案内していただくようになっ

ております。

 今回はコロナウイルス関係で、特に民生委員自身も高齢の方が多いものですから、3月3日に全国の民生委員・児童委員連合会から民生委員に対し統一的な対応を図るため

の通知が出ています。それを受けて県の民生委員・児童委員協議会から3月4日に各市町の民生委員・児童委員協議会を通じて通知を出しております。各民生委員は基本的に

今までどおりの対応をするけれども、民生委員自身の健康対応も含めて、手洗いとか日常的に気をつけていただくこと、場合によってはもしかしたら民生委員も心配になる

方、健康が問題の方もいらっしゃるかもしれないですから、そういった方についてはメールや電話で対応するようにといった内容となってございます。

○藤野長寿政策課長

 高齢者の買い物支援について、移動販売の観点でお答えいたします。

 現在、移動スーパーで高齢者の買い物支援をしている企業が幾つかあることは承知しております。西部方面で移動スーパーを展開している企業に確認させていただいたとこ

ろ、新型コロナウイルスによる影響は現時点でさほど出ていないとのことでした。

 あわせまして、電話で配達の注文を受けているところも幾つかございますけれども、たまたまトイレットペーパーが品薄といった状況はあるんですが、今のところこちらも

特に影響はないとのことです。

 移動スーパーにつきましては、福祉だけではなくて商業とか交通の機関との連携が必要でありますので、引き続き市町、関係団体を通じて必要な情報収集に努めていきたい

と考えております。

○阿部委員

 現状はわかりました。

 ただ、藤野長寿政策課長に申し上げるんですが、県がやるべきは危機管理、大切なのは危機管理。現状はいいけれど、もし発症者が県内に多数出た場合に、さらに不安が増

して生活困窮者や高齢者の方がお困りになります。そのときどうするか先手、先手で考えるのが我々の役目だと思いますので、現状に満足するんじゃなくて、先の危機管理を

しっかりしていただきたいと思います。その緊張感を部全体で持っていただきたいと強く申し上げます。

 最後に1問だけ質問しますが、特に入国制限がかかっている中国や韓国、最近患者の多いイタリアなどから入国される方々は、入国されてしまうとその後2週間、経過観察

してくださいと言われても個人任せになってしまうのが現状であります。国の所管でもあろうかと思うんですが。

 滞在先や連絡先の把握も不十分との報道もあります。余りこの方々を特別視すると新型コロナウイルス・ハラスメントになってしまうかもしれないんですが、県としてこう

いった入国者に対しての情報発信――あなたはマスクしてくださいねとか、症状が悪くなったらこうしてくださいなど――をある程度すべきだと思うんですが、県としてのお

考えをお聞きします。

○後藤疾病対策課長

 そのような注意事項は、検疫所でアナウンスされていると認識しているところであります。

○阿部委員

 わかりました。終わります。

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