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委員会会議録

質問文書

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平成21年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:岩瀬 護 議員
質疑・質問日:09/30/2009
会派名:平成21


○岩瀬委員
 3点伺いたいと思います。
 まず、車いす進学についてのことでありますけれども、以前奈良県に住む生徒さんが、希望をした地元の中学校へ進学を希望されたが拒否をされたということで、これは地元奈良地方裁判所の決定において、仮に入学許可を出すよう義務づけたわけですけれども、それを不服として高等裁判所のほうに学校側が抗告しましたね。これが議論を呼ぶところだというふうに思うんですが、いわゆる健常者と障害者というのは社会の中で一体であるわけで、そこの取り扱い――取り扱いというと語弊がありますけども、学校としての迎え入れの姿が問われるというところになって、これは結果で見てみますと、障害に見合った迎え入れの設備が完備されてないから、結果としてそのお子さんに迷惑をかけるだろうということが背景にあるんだろうと思います。
 これに対して、その地元の知事は地方裁判所の決定はすばらしいものであったと、これをそのまま受け入れていただけるんであれば、講師などを派遣してでも応援をし、そこでその生徒さんが、そこに行きたいと思った地元の学校で生活できて勉強していけるように手だてをしたいというようなふうにも応援の言葉を出されているわけであります。そこに介在した生徒さんのお父さんというのは、非常に遠慮がちに地元の中学校に対して配慮ある言葉を発しているわけでありますけれども、結果として町及び町教委におかれては、仮の決定だから受け入れはして勉強していただきます、しかし抗告したことが逆転をすれば、それは受け入れを拒否できるということで拒否するかもしれないということを示唆しているわけでありますね。
 こういうことは、380万県民を預かる我が県において、どういうふうに全く事例としてなかったのかどうかということも問われるし、今後もある可能性は大いにあるわけで、こうしたこの1つの事例に対してどういうふうに今回のいわゆる裁判沙汰になった、抗告までしている、こういう実態について、県教委としてはどのように印象をお持ちになっておられるかちょっと伺いたいと思います。これが第1点です。

 それともう1つは、本会議の質問でもかなり出ておりましたが、高校再編にかかわる長期計画、これは平成22年度で1期の長期計画が完成になる、5地区10校の統合ということで、これについて、再編はいろんな時代の流れで考えざるを得ないというそういう側面は持っておりますから理解をいたしますけれども、とりあえずここまで取り組んでみえてきて、進捗については着実に行われてきたというふうに発表もされていますし、そのように理解しているんですが、進めてきたその中で、長期計画の成果と思われるもの、あるいはむしろ伺いたいのは問題点として浮かび上がったのはどういうことなのか。長期計画で実施はしてきたものの、これはちょっと考え直さないといけないよなって思われるようなこともあろうと思うんですね。むしろそこの御認識を伺いたい。
 そういうことで、まず第1点は、第2次計画がもう進み始めているこういうことでありますけれども、そのときに当たって、中間的な総括をしてみていただけたらありがたい。根本的に静岡県における高校教育のあり方が変更されていくというか、そういう機構改革をされているという、編制を変えていくということでありますから、非常に重要な、今後を占うことでありますから中間の総括を伺っておきたいと思います。

 それからもう1点は、ここに奥之山議員がみえますけども、私も地元の議員ということになるわけですが、袋井特別支援学校の狭隘化解消についての方向性についてであります。私も折に触れて学校のほうには、時間が持てる限りは伺うわけでありますが、記憶では250人ぐらいのキャパで学校新設をしたと思います。それが今や大ざっぱ丸め込んでですよ、350人までいっていて、全国で9番目の巨大校だと認識をしております。これはこのままでは教育環境として、生徒さんにもまたそこで働く先生方にとってもメンタル的にも非常によろしいことではない。そういうことで極端な話、食事の時間も差をつけて入れかえ制で処理しているような毎日を過ごしているような実態ということを考えると、いつまでもこれでいいやという話じゃないはずです。
 早くから問題化されて、私は自分なりに努力をして、個人的な形で教育委員会のほうにはかなり努力もしたし相談もしてきたつもりです。しかしそれは、その以前に伏線があって、ここの袋井の学校については、前石川知事も地元の御出身の大東町で掛川寄りのところに、そういう学校が持てないかということで御努力いただいたことも仄聞しております。
 それと掛川東高校の跡地を使えないかということも出たことも伺っております。これはアクセスの問題でこれは却下された。そのように新しいところをつくらなくてはならないという御認識で教育委員会が努力されてきたことは認めますし、感謝をします。成果として上がらなければこれは解決にはならないことです。
 したがって、それを解決しようと思って、私は周智高校の空き地を利用して、あそこは改めて言いますが、氷砂糖の発明者、鈴木藤三郎――森町出身ですが――彼の寄附と、福川泉吾という静岡県一の山林家、資産家だと思いますね――今はもちろんかわってますけども当時――その2人の方の私財を投じてできたのが周智高校の前身ですね。したがって、そこで受け継いできている思想というのは、私はそうありたいと思っているわけですが、森町としては障害者教育まで取り入れて初めて教育に理解ある深い思いあるまちだということが実現できる。こういうことで今を、この学校利用を受け継ぐべきだというふうに私は思って努力をしてきましたし、それは残念ながら教育委員会のほうでは受けとめていただけませんでした。周智高校の道路南側は農業実習棟があって、それは新しい総合高校のほうで有効的に使うということで利用されることになった。しかし、北側半分は学舎と運動場があるということで、それは非常に実は特別支援学校の分校ではなくて本校設置に適したコストのかからないものを持っている、整備されているというふうに思ったわけですが、実はアクセスが非常に悪いということで、何とも努力に報いることはできないという御返事をいただきました。
 私が思いますのは、もう狭隘化が叫ばれて何年たつかということを考えてみると、分校設置で解決がつく話ではないと僕は思っています。本校設置が前提となったから、掛川周辺に探し始めたんではないんでしょうかね。それで、改めて昨今、最近伺った話で、主に中東遠を管轄するという袋井特別支援学校、それが袋井市にあるということで磐田袋井エリア、いわゆる中遠地域の本校設置。もう1つないのは、やっぱり通いやすいエリア編成として、掛川、菊川市等を中心にした本当に周辺から通いやすい学校を、本校をつくりたいんだという御案内をいただきました。それは当初からの理想とする学校設置であっただろうと思います。私はそれならそれでよろしいでしょうと、私は大いに周智高校にこだわることはない、賛成をします。しかし、考え方だけでは困ります。実現に向けてどのような整備計画を立てていただきますか。お考えだけからはもう外れてください。実現に向けてのお考えをいただきたいと思います。御所見を伺います。以上です。

○白畑高校再編整備室長
 再編整備計画、第一次、第二次含めまして、現在の評価というか考え方の御質問だと思います。高等学校の再編整備につきましては大きく2つの目的がございまして、1つは適正規模の確保という点と、それから新しい学校についての学科等の魅力化という大きな柱があろうかと思います。
 1つ目の適正規模の確保につきましては、対象となる学校につきましては、1学年4学級以下になるような学校が近隣に例えば2つある場合は、我々が考えている適正規模というのは1学年6〜8学級でございますので、4学級以下の小さな学校が近くに2つある場合は、2つを一つにして適正規模の学校にするというのが1つの大きな目標でございます。これにつきましては、再編整備をすることによって適正規模は確保されましたので、子供たちが一定規模の学校の中で人間関係を含めて切磋琢磨ができるという、そういう環境と、それから一定の規模がありますので、学校行事が活性化され、さらに部活動等も教員の配置を含めまして、いろんな部活動が配置できる。
 それから、もう1つは、学校が大きいことで教員が当然多く配置されるわけでございまして、特に高等学校等の理科につきましては、例えば物理、生物、化学等の専門教育を行う複数の教員が置くことができる等のそういうメリットがございますので、再編整備によりましてこの目的は達成され改善されたというふうに考えています。
 それからもう1つ、特色化につきましては、2つの学校を例えば再編整備する場合には、それぞれの学校の伝統というか培ったものをもちろん踏まえるわけでございますけども、さらにそれに加えまして新しく魅力化を図る学科を設置しているところでございます。例えば森高校と周智高校におきましては、森高校が普通科高校、それから周智高校は農業、工業、商業の学科が主要な学科でございました。それをこの春、再編整備いたしまして、総合学科を有する高等学校に再編整備したわけでございます。このように学科の特色化も図られておりますので、現時点で再編を行いました高等学校は4地区8校、来年は伊豆総合高校――現修善寺工業、大仁高校の開校がありますけども、これにつきましては、成果としては十分評価されると思います。
 もう1点、問題点はどうかということでございますが、1つは我々が再編整備の説明に行ったときに、関係者の方からいただく言葉としましては、今まであった学校のところにどちらかに行ったり、第3の土地はあるわけですけども、そうすると今まで通えたところに通えなくなるわけですので、交通の利便性が悪くなるんじゃないかとそういう御指摘はありました。
 ただ近隣の高等学校で再編整備を進めますので、大きく交通の時間とか、金額がかかるということはないようにはなっておるんですけども、必然的にある場所に学校がなくなるわけですので、交通の利便性というのは若干悪くなります。ただ、それにつきましては、小さな学校が近くにあるよりも、多少離れていてもいい学校に通うことができるという、そういう学校をつくりたいというふうに考えておりますので、それについては御理解いただけるかなと。
 もう1つ、学校とは直接関係ないかもしれませんけど、後援会とか同窓会とかPTA等2つの学校の関係者が一つになるわけでございますので、そういう意味ではいろいろ時間をかけて調整する必要があるかなというふうに考えています。以上でございます。

○望月特別支援教育推進室長
 初めに、車いすの方の就学についてということでお答えをしたいと思います。障害のあるお子さん、とりわけ特別支援学校へ就学するお子さんの就学の手続につきましては、学校教育法の施行令の22条の3というところに定めがございまして、この障害の程度によって市町が就学先を決めるという形になっております。ただそれを勝手に決めるということではなくて、就学指導委員会という会を設けまして、この会のメンバーとしましては、教育、医学、心理学そういったことの専門家の方々から客観的な情報を得るということと、それから何よりも保護者の意見を聞くということも大事だというふうになっております。そういったことに地域の状況を加味して、市町のほうが就学先を決定するということになっております。
 さらに、平成14年からは認定就学という制度ができました。この制度によりまして、心身の状況からは特別支援学校への進学が望ましいと思われるお子さんでありましても、小中学校において適切な教育が受けられる特別な事情がある場合については、小中学校で学ぶことができるというふうな制度になっております。この特別な事情とは何かということでありますけども、それはその受け入れ先の学校でスロープですとか、エレベーターといったような施設面の管理ができるようになることですとか、介助員さんがつくことができるとか、それから、登下校の安全が担保をされているとか、そういったことが用意されているかということが判断基準になるわけですが、そういった条件が整えば、小中学校に在学することができるということになっています。
 こういった認定就学を考える上で、やはり何よりも大事なことということで、国のほうも指摘をしているわけなんですけども、1つは小中学校で学習することがそのお子さんにとって本当に望ましいのか、物理的にはその学校に行けても学校の指導内容が理解をできなくて、ただいるだけではやはり子供さんのためにはなりませんので、小中学校の教育課程が確実に履修できるのかということがひとつ大きなポイントになります。
 もう1つは、子供さんが安全に学校生活をおくれるかということになるわけでして、こういったことは当然奈良県のほうでも、町につきましても十分考えた上で判断がなされているかと思いますけども、今回のところで私が特に学ばなければいけないなと思ったことは、午前中もお話に出てきましたけども、個別の教育支援計画というものがありまして、当然このお子さんも小学校時代、車いすを使用しながらも小学校で学んでいたわけですので、特別な支援が必要だったお子さんということで、こういった個別な教育支援計画がつくられていてしかるべきだと思います。そういった中では、御本人の考えですとか、保護者の考え等も十分伺える期間があったと思いますので、この中学校へ進学する直前になるもっと前から、お子さん、親御さんがどんな考え方であったかということも十分お聞きをするですとか、それから当然肢体の特別支援学校もあるわけですので、そういうところの体験等をしていただきながら、望ましい就学先というものを保護者、御本人が納得の上で決められるような方策をとっていかなければいけないんだろうなというようなことを印象として持ちました。1点目は以上であります。

 2点目につきましては、袋井特別支援学校の狭隘化への対応ということでありますけども、委員のお話のとおり、袋井特別支援学校につきましては、開設時214人という規模でつくったわけですけれども、本年度は訪問の方も含めると353人ということで、大分大きな規模になっておりまして、当然大規模狭隘化の状況にあるということであります。
 こういったことへの対応としましては、平成18年度に基本計画を策定しまして、早急に対応が必要な地域ということに挙げております。具体的には、通学困難の解消とあわせて平成18年度には、池新田高校の中に御前崎分校を設置し、来年度には磐田北高校の中に磐田見付分校を設置する計画であるということであります。しかしこれだけでは抜本的な解決にはならないということも、委員の御指摘のとおりでありまして、磐周地域への特別支援学校の設置というものを考えているところであります。
 ただ、設置場所について、今いつどこにということを具体的にお示しできないのは本当に申しわけないところでありますけども、児童生徒の居住地の状況ですとか、通学距離、通学困難の解消といったことを精査して検討してまいりたいと思っております。

○岩瀬委員
 ありがとうございました。車いす進学、通学のことですけれども、決まり事の中で、生徒さんの実情にあわせた迎え入れの仕方に慎重を期さねばならないということで運営していることはありがたい御配慮ですし、よろしいわけですがね、わかりやすいとこで1つ実例を挙げたいと思います。
 車いすを必要とするお子さんを持った御両親が実は旧春野町にお見えになって、進学の場面に来たといったときに、もうお父さんは随分学校に気づかって、車いすで迎えてくれるところ、いわゆる養護学校であるとか、肢体不自由のそういうところの学校に行けよということをお子さんに言っていたようですが、お子さんは地元の学校に行きたい、みんな知っているんだから、友達がそこにいるんだから行きたいということを言って、大分家庭の中では、親子の間で意見のいろんなすり合わせ努力もあったようです。それを聞きつけた地元のある人が、「お父さん、そんなに悩むことないじゃないか。この地域の人たちだったら絶対にその学校へ行っても、地元の学校へ行っても何かしてくれるよ」って、その言葉が背中を押すことになって地元の学校に進学することになった。
 そうしたら生徒さんに教えたわけでもないんだけども、同級生を初めとして、階段を移動しなくちゃならないようなときには、生徒さんが黙っていても先を争うようにして、その車いすを座ったままで上げてやっているという、それでとうとう卒業までいきまして、それはそこで修学――理解できる、学業処理していくことができるという前提のお子さんであることはもちろんでありますけども。
 私はその話を聞いて、ああいい話だな、子供たち何か勝手なこと言っているけど、やっぱり純粋な心を持っているよな、そのように導けば、そのような場に入れば、そのように生きていくよな、心を育てるよなってそう思ったんですね。そういう学校の中に、むしろ整い切った条件で人に気を使わなくてもいいような学校整備が、本当にそれが子供を育てることになるのか、若干やっぱり人をそういう助け合いなり、何かそういうことを必要とするぐらいな環境があったときに初めて心って育つんじゃないかなって、そんな思いもしました。やっぱりそこで育った、手を差し伸べた方も、差し伸べていただいた生徒さんも、友達を忘れられないと思いますね、育っていっても。助けることの本当の気持ちよさ、助けられたことのありがたさ、そういうことが人生を形づくっていくように僕は思えてならないんです。
 そうやって考えてみると、学校の中に、実学として、心のユニバーサルを推進するような場面であったって僕は思えるんです。そうやって考えてみると、これからやっぱり地域で、障害者を、障害を持った子の迎え入れ方、本当に一緒にやっていくということの本質って、いろんなところにごろごろしておって、ちょっと見方を変えると、これもう迎え入れてやれるようにしたらどうとかいうことがあってもいいんじゃないかな、しゃくし定規にやると、これもう無理だからほかの学校へ行って、お子さんの思いを外してしまうようなことにもなってしまう。ですから、場面場面で本当に真剣にそのお子さんがどこの学校に行きたいのか。春野町なんていったら、純朴な心の固まりみたいなものですからね、一人一人が。ですから、何を言わなくてもやっぱり助け合う心情って、親から子から全部できてますから、だからそういう場と、都会域の学校でのあり方というのは、おのずと違うかもしれないわけですけども、そういうことも含めて、よくよく就学のあり方、個々の場面に照らして、調整すればいい話じゃないという感じがしてならなくて、そこに理解が、交情があらわれるような場面って、別の選択であるんじゃないかなという気もしましてね、ちょっとこれを伺ってみたくなったんです。
 それと、今まで静岡県の中で、こういう子が地元の学校へ行きたい、それをほかに行くというようなことで、調整をして進めてきたということがありはしなかったかって思えてならなくて、それでそういう場面にどういうふうに対処なされたのかなということも実は聞きたかったんですが、私がこの質問の1つに入れた思いを感じていただいて、今後の車いす進学について、個々の事例に本当に向き合っていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。

 それから長期計画の件ですけれども、正直伺った中では、問題点の把握に私は運営上の問題点を伺いたかったんです。交通の利便性だとかということ、そんなことはそこに高校を設置するときにわかっているじゃないですか。統合したりなんかするときに、それが利便性でどうのこうのなんていう段階ではないはずじゃないですか。そうじゃなくて、本当に2校を一つにしただとかいうような中で、こう思っていたけどこれは違ったないうような思い、学校運営上、考え方をあるいは対応を改めて望むべきところがあって、今後の再編統合等に役立てたいという思いがあるほどうれしいんです。そういう意味で、実は問題点のほうを聞きたかったということなんであります。そういう思いで伺いましたけれども、意図するところは酌み取ってください。

 ところで、天竜林業と二俣高校の統合問題も本会議でも出ました。それで、例えば話で知事からも、この2つのケースを想定して、いわゆる特色を持った専門校と普通校の合併については、もう少し慎重であってほしいなと思ってますという答弁がありましたね。統合に異を唱えているわけではなくて、いろんな解釈が出てくるということですね。切り口として思いが。そういう中で、知事が言われるのは、歴史もあるでしょう、そのところで育ったアイデンティティーの尊重みたいなものもあるでしょうとか、あるいは極端に言えば、その地域の活性化――活性化で学校を置いているわけじゃないですけども――活性化に影響してしまうだとか、いろんな切り口があって、統合問題には雑多な幾つかの意見は出てくるわけでありますけども、ここの2つの高校の統合の中で知り得た意見が幾つかございましてね。両校の意見というふうにとらえていただいてもいいと思うんですが、現在の実習林でできることは、旧来型の手作業を学ぶ実習林だけで、今後期待されている重機や機械を扱う作業道もあるような実習林でないとニーズにあわないんだけれども、しかしそういう実習林は全くない。唯一の林業高校でありながら、今後に対応する専門校としての役割、魅力づけをどれだけ果たしているんだろうかと考えていると、少なくとも今までなかったんじゃないか。人口も減少している地域に立地する高校に、新たな魅力を見出すための統合合併というのを本当に施行してくれているだろうかという疑問が出ています。
 教育長の本会議答弁でも、魅力づけとしてそういう専門性を追及した、ほかにはないような高校をつくりあげていきたいということがあるわけですけれども、本当に今のようなままの延長で専門課程を入れたとしても、全国はおろか県内や近隣からも生徒が集まる学校にはならないんじゃないかと心配していますね。それは本当に林業がなりわいとして成り立たなくなって、そういう中で林業高校の経営というのは難しい、応募してくる人も本当に専門的に林業をこれからやっていくんだという思いで来ている生徒がどれだけいるかということを考えると心配なわけですけども、本当にやる気のある子だったら、機械化しておってここでしか学べない唯一の林業の専門課程を持った高校として、これから実習でも、実学としてこれに入れ込んでいくからという形でないと、その専門課程は魅力にならないということですね。そういうのはまともに指摘をされているところであります。
 それとか、4つある学科を1つ減らすことが試行されている。しかし、本当にこの学校の本質を追求していくのであれば、学科定員の見直しみたいなことを決断してくれれば、数合わせ的なことはしなくてもすむんではないかいうような指摘も出てますよね。
 それからまた、いわゆる現在統合された学校に設置されている実情、いわゆる総合学科、そして入れ込まれていますけども、先ほど御答弁があったように本当に人材が必要だ、それにまた見合ういろんな進め方に対する予算も欲しいでしょう。しかし、そういうものが統合された総合学科の中で見られるように思えない。運用上ちょっと中途半端になっているんじゃないだろうか。そういう指摘も実は御意見も伺っておりまして、そういうことだとすると、森町の遠江総合高校、本当に立派な建物として建てていただいて、私、内覧会へ行かせていただいたんです。中庭があって、日の光が本当に全クラスに入り込んで、もう見に来られた地元の方々の話し声を聞いていると、何かどこかのホテルみたいだねとか、どこかの大学みたいだねって、そういう言い方ですごいって言って喜ぶわけです。建物を喜んでいただくのも本当に評価されてありがたいんですが、本当の意味ではそこに学ぶ子がよかったなって思ってもらうことが大事なわけで、そこにはまさに専門の人材も欲しいということになっていきます。
 したがって、これから第二次長期計画でも、さらにこの県立天竜林業、それから二俣の高校の統合もあります。これはもう規定の計画にはまり込んでやっていくことですから、地元の御意見もいただきながら調整をし進めてきていただいたことですから、それはそれで進むんでしょうけれども、やはり林業課程に生かすということが前提であるわけでありますから。本当はね、私が記憶して間違いがなければ、いわゆる木材に関する機械化というのは、加工工程と生産段階の加工に移る前の機械化と山の中の機械化と両方あるわけですね。そこの加工のほうは場所を選ばず進んでいるわけです。しかし、山の中を機械化するというのは、ヘクタール当たりで機械化が機能するのは、理想的には100メートル。50メートル以上でないと機械化が機能しない、過剰投資になる。それで静岡県で一番林内の道路密度が進んでいるのは、旧龍山村の森林です。37メートルぐらいだと思います。それでもそうなんです。だから、本当に機械化がいいといったって、受け入れる土壌もできてない。だから私は、モデル的に静岡県に70%山間地があるという中で全部の森林に道路つくろうなんたって、何代か過ごさなければ機械化になるようなところはできないよと。本当に採算のとれる山林経営で実証したい、証明して機械化でやれるということを証明するんだったら、モデル地区をつくって、その中に道路密度を濃くして機械化して、コストを下げてやれるという近代経営の方法も成功例としてつくり出さないとだめじゃないかということも、僕は本会議の中で質問したんですけども、そういうものを背景に置いて、この林業課程というのはあるわけですよ。ですから、座学の中での学びもあると思いますが、実学が本当に問われる、林業として全国に1つしかないということをどうやって魅力づけして、外から集めるかということもお考えになっていただきたいなという感じが、統合に際してはあります。
 中教審の中間報告で、勉強会の中で出ている話なんですが、高校教育の中で一番足りないのが実学だとされているんですね。御承知のとおり発表されています。余りに座学が多くて、高校の中では人との触れ合いもコミュニケーションも社会性も育たない。もっと社会の中へ入り込んでいくような課程も入れておかないと、人間としての成長が成り立たない、今の日本の高校教育の欠点だというような指摘をされている方がありますね。そういうことも踏まえると、この総合高校の中での職業課程というような専門課程の中の位置づけというのは非常に大きいものがあると思います。期待を申し上げて、この2校の統合についての思い切った施策展開を、学業の環境を整えていただきたいということをお願いしたいと思います。これももう要望で結構です。

 それから、春野高校が分校化されて、これに付随してつくわけですが、地元からはいろんな要請を受けております。とにかく存続はさせてほしいいうことがあって、それは地元の進学率も問われるよこれからも、というようなことも申し上げておりますけれども、一応存続ということでありますけども、言ってみれば分校化ということ。佐久間高校の扱いは違う方向を考えておみえになるようでありますけれども、森町の警察署が奥之山先生のところの袋井のほうに本署がいって、森町警察署は120年の古い歴史を持つわけですが、時代の流れでもう寂れましたので分署になるんですね。その分署という言い方にも抵抗があって、もう押しなべてそうなんです、誇りがあるんです。そこに本署があったというとは、本校があったということは、これはましてや卒業生はそうなるということも、さっきのアイデンティティー、そこに母校に対する思いみたいなものも捨て去れなくて、何とかしてほしいという思いがあるわけでありますが、そこで1つ要望としても提案が出ていると思いますが、本校に対する分校だとかということではなくて、その山間エリア全体が一つの、仮称天竜林業高校とするならば、その高校の域だと。それで天竜校舎、春野校舎、できうれば佐久間校舎、あるいは天竜キャンパス、さらに理想をいえば、地元の人たちの思い、春野キャンパス、佐久間キャンパスで上下関係ではなくて、だってここの天竜林業、二俣高校の統合に当たっては、相互交流というものもかなり書いてありますね。
 それと、先生方も、固定ではなくて、こういうことで並列にエリアで考えていただければ、本当に救われたような思いがあります。というようなことで強い御希望もいただいております。直接に地元のグループから御要請もありましょう。あえて私もその言葉を、要望をお伝えをしてですね、地元の気持ちを掘り下げて考えてみていただきたいということをお願いをしたいと思います。すべて要望に切りかえて思いをお伝えさせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございます。

○山村委員長
 ここでしばらく休憩いたします。
 再開は3時20分。
( 休 憩 )

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