委員会会議録

質問文書

平成24年11月内陸フロンティア振興特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	11/28/2012
	会派名：	民主党・ふじのくに県議団

○髙田（泰）委員
　きょうの午前中、農地を守るという観点から、ＪＡの皆さんに御意見をいただきました。この内陸フロンティア構想の中で、農振地域などを、新東名が通り、アクセス道路もできてきているために、農振法、農地法の課題の壁が非常に高いという御説明をいただいたのですが、農地を保全するということは、ある面ではやはり重要な課題だと思います。しかし、一方で、新東名や、東部で言えば伊豆縦貫道路等々の高規格道路、あるいはそれにかかわるアクセス道路の沿線、周辺のこれからの土地活用で相反するところも出てくるので、いかに両方を生かすかということが必要ではないのかなと思います。極端なことを言えば、今、農地が整備されていても、さらに高台といったらおかしいですが、奥地に新たに農地を整備して、代替をしていくということも必要ではと思うのですが、その辺の手法や考え方について、まず伺います。

○渡辺尚司氏
　農業とのかかわりということでは、県知事のイメージの中にも、工業の開発だけということではなくて、農業色というのがすごく強いとお察ししますので、農業の振興や活性化も盛り込んだ中で、内陸フロンティアを実現していかなければいけないと私どもも考えています。きょうの発表は、開発に特化した感じですが、それだけではなくて、やはり農業振興というのも考えているわけです。そんな中では、両方生かすということで、今、６次産業化と言われていますが、農業だけではなくて、加工して販売するという取り組みの部分では、２次的な工場などもあります。また、いま、流通の面でも新東名が重要になっています。ただ積み込みをするだけではなくて、生産や加工も行った中で発送していく倉庫というのもありますので、農業も絡めて、農産物の流通というのもあると思います。また、セントラルキッチンということで、地場産品を加工して、発送するというときには、基盤として農業がなければ、集まりませんから、地場産品を活用した、農業も一緒に発展していくような新東名の生かし方、周辺の開発を考えていけばいいと思います。

○髙田（泰）委員
　聞き方が悪かったかもしれませんが、大枠としては、そういうことですが、道路ができた場合、農業関係のものについては道路を生かした活用もできると思いますが、物流関連事業で利用したほうがいい、あるいはものづくりの企業を誘致したほうがいいというようなことで、これから開発が進んでいくのではないかと思うのです。しかし、過去に構造改善をした農地である場合には、転用がなかなか難しいというハードルがあるわけです。
　片方ではやはり、農地は農地として保全をしていかなければならないという側面があるので、別の場所に農地を整備し直して、道路沿線はより高度利用をしていくという考え方で、具体的に進めることができないのかなと思うのです。法制度上、そういう手法、あるいは考え方がどうなのか、コンサルをされている皆さん方がどうお考えかをお聞きしたいです。

○渡辺尚司氏
　そこを開発するかわりに、ほかのところへ農地をつくるというのは、空港など大規模な開発で行っていますが、農地法上、集団的な優良農地を開発するに当たっての規制が厳格になり、非常に難しくなりましたので、現実としてはなかなか調整がうまくいかなくなっています。したがって、限定した区域で、必要最小限の開発をして、確実性があるものについては開発を認めてもらって、周りを農地の保全をしていくという考えで進められたらいいなという考えです。

○上村秀人氏
　今の質問に対して、少し私の考えを先に述べますが、今まで都市部の計画は都市計画の担当部署でしか、農地の計画は農地の担当部署でしかできなかったところがありました。都市型の開発にも緑地の保全というのはあるのですが、どちらかと言うと開発と農地の保全とで、別々に計画が成り立ってきました。
　今回の内陸フロンティアという１つの大きなくくりの中では、都市部も農地部の方々も一緒のところに立って、自分たちの市町はどのような地域づくり、まちづくりをしていくのかという視点で、この沿線はどうしていこうか、農地側からの意見、都市部の意見を集め、ちゃんと計画をつくり上げて、オーソライズすることが必要なのかなと考えています。内陸のフロンティアを拓く取り組みが立ち上げられて、我々が今関係している市町でも、都市部、農地部の方が集まって、内陸フロンティアを軸にどうしていこうかと話し合いがされていますので、今後どうしていくかを計画書としてまとめれば、それをもとに動き出していくということになりますので、都市部・農地部が一緒になった中での計画づくりが１つの手法として挙げられるのかなと考えています。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます、そのような御意見をいただきまして。きょうは東部の方が見えていますが、私も長泉なので、いろいろお世話になっていますが、長泉沼津インターチェンジの周辺については、今、伊豆縦貫道も開通し、さらに都市計画道路も整備されてきており、長泉町も協議会に参画して計画を出していますが、長泉と沼津の行政境ということもあって、沼津・長泉両市町の関連する方々が一体となった計画になかなかなり得てないと感じています。長泉町だけが非常にピンポイントでの構想参画ということになっているのですが、私はもっと広く、農地も含めたこの内陸フロンティア構想にすべきだと考えるのですが、あの周辺をどうすべき、どのような形にしていったらいいか、アドバイスをいただければと思います。

○鈴木正之氏
　私どもも地元におりまして、どこまでエリアを広げるかという考えはいろいろあるでしょうが、まずは沼津市、三島市、それから清水町、長泉町の２市２町という大きなくくりが一番大事だと思っています。今回、長泉沼津インターができたこと、そして内陸フロンティア構想に関しては、三島市はちょっと地域が東ですし、市独自の考え方もあるように聞いていますが、沼津市と長泉町は、インターの名前のとおり、周辺はほとんど一緒の地域です。地形的な条件等もありますが、以前からいろいろな方々、いろいろな団体が提案をされておりますので、何とか一体の、面的な利用および活用を図ることが一番重要だと言われるのだと思っています。当該地は、中西部とちょっと違い、愛鷹山麓の一帯で、使えるところが農地になっていて、使えないところは急傾斜の山林です。使える代地がほとんど農振ですし、今回、10ヘクタール以上の大規模集団農地はずっと農地ということで開発できないことになりましたので、今、委員がおっしゃるように、また先ほど説明もありましたとおり、もう少し総合的な、大きなグランドデザインの中でエリアを決めることが、１つの自治体では無理かなと感じております。

○髙田（泰）委員
　ぜひ、今度またアドバイスをいただきたいので、よろしくお願いします。ありがとうございます。

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