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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和2年9月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:10/05/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 それでは、一問一答方式でお願いします。
 難波副知事におかれましては、2015年に中央新幹線対策本部が設置されて以降、その本部長として職務に当たってきていただき、また10月2日には日本記者クラブで本県の立場を説明する会見を開いていただいたとのことで、誠に御苦労さまでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 もとより私は地質の専門家でも水問題の専門家でもありませんので、間違った理解や解釈をしていることがあるかもしれませんが、そのときにはぜひ率直に御教授をお願いしたいと思います。
 本会議でもリニアの問題を取り上げさせていただきましたので多少重なる点もあろうかと思いますが、説明していただいた論点が5点ほどこの資料にはありますけれども、それについて少し私なりの考え等を述べさせていただきますので、見解等をお聞かせ頂きたいと思います。
 まず1点目。トンネル湧水の県外流出による水利用への影響、とりわけ工事中の湧水の大井川水系外への流出ですけれども、山梨県との県境には800メートルに及ぶ畑薙山断層が存在していると。そこの破砕帯に含まれる大量の地下水が流出すると。このために静岡工区から掘削すると大量の突発湧水によってトンネルが水没、そしてまた作業員に危険が及ぶと。したがって山梨県側からの工事を進めたいと。これがJR東海の説明だったと思います。
 そして、この工事期間中は大量に流出した水が山梨県側へ流出して大井川へ戻せないとの説明がありました。ここでトンネル湧水の全量を大井川に戻すと以前約束していたものが破棄されたことになってしまいました。
 そこで、先ほどからお話が出ております9月10日の新聞報道ですけれども、畑薙山断層の横を流れているのが、大井川直下にも大量に涵養された地下水が存在している可能性があると。トンネル掘削によって高圧大量湧水の発生が懸念されるとのことで、この点についてはJR東海も認めていることであります。
 山梨工区は静岡県側へ1.1キロ入って大井川直下まで伸びております。JR東海はこれまで畑薙山断層の破砕帯の湧水についてのみ、その発生を説明してきたところですけれども、この報道によって大井川直下の大量の地下水もあると。このことには全く触れてこなかったと記憶しております。
 それはうがった見方をすれば、大井川直下の高圧大量湧水が発生すると大井川の水量に多大な影響を及ぼす可能性があると。そしてこのことが新たな重大な問題となることをもしかたらJR東海は十分に承知していたのではないかなと私は考えざるを得ません。
 トンネルに水が出ないことがトンネル工事を進める上で必要な条件だと思うわけでありますけれども、そのためには大井川直下の水も抜いてしまわなければならないことになろうかと思います。工事を進めるためには、その流出する大量の水がかなり出てしまって水圧がある程度下がる、一定のところに来ないと止水というか、防水といった工事はできないのではないかなと思いますが、以上の点についての御見解をお聞かせください。

○難波副知事
 一般論としてですが、トンネルを掘るに当たっては水との闘いが一番大きな問題だと言われています。かつて随分苦労したわけですけれども、特に丹那トンネルの時代は大変苦労したわけです。今は大変技術が進んできて、掘れないトンネルはないぐらいトンネル技術は進んできていると言われています。これは実際にトンネルの技術者に聞いたところですけれども、ただしその前提は水を抜いた場合です。つまり水さえ抜けばトンネルは掘れるのがトンネル工学の基本といえば基本になります。
 したがって、トンネルを掘るときにはトンネルを掘る側からすると水をどうやって抜いていくのかが大変問題で、いかに抜けるかをポイントにするわけですけれども、今度は逆に影響を受ける側はそれでは困るわけで、水が抜かれてしまうと後で戻ってきませんので、そういったことが問題になります。
 先ほど8番委員からお話がありましたように、ほかのトンネルでも掘ったところ突然とんでもないものが出たといったことで、十分調査していてもそうした状況があるということです。今回の大井川直下の断層については、そのあたりについてデータがあったわけですけれども、それも十分出てきていない状況もありますが、いずれにしてもそのあたりの評価がまだ十分されていないというのが県としての認識です。

○小長井委員
 今のお話を聞くと先進坑の役割が若干見えるのかなと。水抜きトンネルと言ってしまうと問題があるかもしれませんが、その要素もあるのかなと、そんなふうにお聞かせ頂きました。

 畑薙山断層と大井川直下の断層帯は隣同士になると思いますので、つながっている可能性があることも指摘されております。
 そうしますと、畑薙山断層は静岡県と山梨県の県境に存在することから、もし山梨工区から掘削を始めれば、掘削が静岡工区に入り込まなくても、大井川直下の水もつながっていることによって山梨県側へ出てしまうことも心配されるわけですけれども、この可能性について見解をお聞かせください。

○難波副知事
 断層については、断層の向きはここの場合南北方向にもつながっていますけれども、地中側にどうつながっているのかが問題になると思います。実際のところ県境付近の水の流れがどうなっているか分からないとのJR東海の幹部からの説明がありましたが、水への影響が評価できているわけじゃないんですけれども、この辺りはちゃんとしたボーリングがなされておりません。
 それから、畑薙山断層ですけれども、これは井川大唐松山断層であるとの地質の先生の意見もあります。こちらのほうが有力だというのが一般的ではないかと思いますけれども、断層もしっかり評価できていない段階では、水がどのくらい出て、どっちに行くかもはっきり言うとよく分からない状況ではないかと思います。したがってそこをしっかり評価しないとリスクの評価ができない状況にあると思っております。

○小長井委員
 山梨工区から掘っていくと必ず水が出るかは調査しないと分からないとのことでありますので、この9月10日の新聞記事が出たことによって、ここはしっかり調査していただかないと、先ほど私が申し上げたような懸念が発生するおそれがあるものですから、しっかりお願いしたいと思います。

 それから、静岡工区から山梨工区へ向かって静岡県側から掘っていくと突発湧水によってトンネルが埋まると。作業員の安全面や水没の危険性から、山梨県側から掘りたいと言っております。しかし同じような場所である千石非常口については、ほぼ同じような突発湧水があると考えられると言われながら、上から掘っていくとの説明をJRはしていたと思います。
 一方では上から掘ると危ない、一方では上から掘る、これは非常に矛盾がある説明だと思いますが、この辺についての見解をお伺いいたします。

○難波副知事
 先ほどのリニア中央新幹線建設の環境影響評価に係る県とJR東海の対話の状況の34ページ、地下水位低下の予測がありましたけれども、この図を見ていただくと――JR東海の予測は上側にありますが――地下水位の低下範囲は非常に広いわけですね。300メートル以上低下する範囲も広いわけです。これは地下水位の低下範囲と低下量ですけれども、トンネル内の湧水量に比例しているかどうかは分かりません。
 細い線で出ていくと物すごく地下水位は下がりますけれども、逆に量は多いが太い線で出ていけば地下水位の変化は小さいですから、必ずしもこれ自身がトンネル湧水量の大きさを直接表しているわけではないんですが、これを見る限りはどうも真ん中辺り――荒川岳の北側辺りの湧水量が多そうだなと感覚的には分かると思います。ここは下向きに掘れると言っていますので、トンネル湧水をコントロールできるということですね。逆に山梨県側はこの図で見る限り地下水の低下量がそれほどでもないのに、こちら側は下からは危なくて掘れないと言っております。これは大いに矛盾があるといいますか、分かりにくい説明だと思います。

○小長井委員
 この辺のところもしっかりと議論して進めていただきたいと思います。

 私は、昨年、一昨年と2回ほど糸魚川−静岡構造線の新倉の断層露頭地点から入って大井川の田代ダムで取水した水が落ちる部分までを見てきましたけれども、もう工事が始まって途中にトンネルができている状況でありました。多分このトンネルは削孔か何かかなと思うんですけれども、まだ調査がしっかり済んでいないので、先ほど申し上げましたように山梨県側から掘っていくと大量の水が出る可能性だってないとは言えないとのことであります。
 この山梨県側の工事についてもしっかり見ていかなければいけないのかなと、そんな感じで先ほどの話を聞いておりましたが、この点についても県としての対応、何かお考えがあればお聞かせください。

○難波副知事
 正直申しまして、山梨県側からのところはなかなか物が言いにくい状況であります。そうした懸念はあるんですけれども、はっきり言って、こちらの因果関係じゃなくてそうした現象が起きる可能性は特定できませんので、なかなか言いにくい問題ではあります。
 ただ、これから県境付近の水の流れがどうなるのかは国土交通省の有識者会議をはじめしっかりした議論がされると思いますので、そういったところでこの辺りの水の流れがある程度分かってくると、逆にこういった心配があるんじゃないかとの指摘ができるようになると思います。そんなに長くはないのではないかと思いますので、その時点になりましたら、御指摘の点をしっかり踏まえた対応してまいりたいと思います。

○小長井委員
 知らない間に掘られて水が抜かれている状況にならないように対応をよろしくお願いいたします。

 それでは2番目、中下流域の地下水の影響についてお伺いしたいと思います。
 質問に入る前に、上流域、中流域、下流域という言い方をしますけれども、大井川の場合にはどこまでが上流域、中流域、そしてどこが下流域か定義といいますか、どのように考えたらいいのか教えてください。

○難波副知事
 特に定義があるわけではないと思います。上流域と言っているのはほぼトンネル直下の辺りから椹島であるとか、その辺りまでを上流域と呼んでいると思います。いろんな言い方があります。長島ダムのところまでを言うこともありますが、今のところは一番上のトンネル近傍のところを上流域と言っております。
 中、下流域はそれより南ですので、どこまでが中流で、どこまでが下流かはあまり意識しておりません。

○小長井委員
 上流域、中流域、下流域ははっきりしたものがないとのことですけれども、ずっと見てきますと、上流から井川本村に入るところの井川ダムから本流へ水を流す分と送水管によって水を送水している。その水が川口の発電所へ行くので、1つの考え方としては井川ダムまでを上流域、川口の発電所までを中流域、それから下を下流域、扇状地といった考え方もあろうかと思います。

 中下流域の地下水への影響について、大井川直下のトンネル掘削によって地下水の切断、また流れを変える可能性もあると。これが論点だと書いてあります。
 大井川直下の水が大量に流出してしまえば、下流域の水にも当然影響が出ると私は単純にそう思います。大井川の地下水の低下が表流水の減少になって、特に渇水期にはこの影響が大きく出ることによって水生生物、自然環境、生態系に大きな影響を及ぼす結果になるのではないかなと推測するところです。
 先ほども出ました丹那トンネルも掘っていって完成したにもかかわらず水が戻らなかったので、この大井川直下の水が大量に流出してしまえば流れが変わって水が戻らないことも可能性としてはあると思います。この辺についても御見解をお聞かせください。

○難波副知事
 水は流域全体でどう流れているのかが大事ですけれども、基本は総量はどうなのかということです。全体の量ですね。そのときに非常に単純に考えて、トンネルの中の湧水で本来は大井川に流れるはずの水を山梨県側に流せば全体の量は減るわけです。大井川の水の総量は減るわけで、どこでどう回って減っていくのかの分析は厳しいですけれども、とにかくどこかに影響が出るということですね。
 これは国の有識者会議の委員からも、減ればどこかの河川流量が増えるなんていうおいしい話はなくて必ずどこかにツケが回るとの話がありましたが、どこかにツケが回るわけですね。
 そのツケがどこに回るのか。中下流域の地下水まで回ってしまうのか、そのあたりについては本当に分からないですね。我々は分からないので分かるようにしてほしいというのが切なる願いなわけです。そこをJR東海にはしっかりと説明してもらいたいと思います。とにかく総量が減ればどこかにツケが回ると理解しております。

○小長井委員
 分からないことだらけですけれども、JR東海にしっかりした調査と説明を求めていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 表流水についてですけれども、先ほど申し上げましたとおり大井川の水は井川本村に入る直前に井川ダムから送水管と本流の二手に分かれると。一方が大井川に、もう一方は発電のために送られて下流域の塩郷ダムを経由して川口発電所に送水されております。
 表流水が減れば当然その水の権利を持っている中部電力は経済性から考えて送水管に送ることが中心になると思います。そうすると本流へ送る水が少なくなって、かつて水返せ運動といった大きな運動が大井川で起こったことがあると聞いておりますが、今回も本流の水が減ってしまえば同じような水返せ運動、さらに大規模な広範囲の水返せ運動もあり得るのではないかなと心配しているところです。
 したがって、先ほど副知事もおっしゃいましたけれども、中下流域の影響は小さいとの言い方もされていますが、有識者会議での検証が本当に不足していると考えておりますので、その辺のところをぜひJRにもしっかりと伝えて説明を求めていただくようにお願いしたいと思います。

 次に、地下水位低下、沢がれ、河川流量の減少等による生態系の影響について、これも本会議で取り上げさせていただきました。トンネルの掘削によって300メートル以上の水位低下が起こるのはJRも認めていると。この点について言うならば、これも申し上げましたけれども、2011年に環境影響評価法の一部が改正されて計画段階の環境配慮事項の検討が加えられました。この直後に国交省の鉄道小委員会がありまして、環境省意見としてルートの検討に際しては南アルプスや大井川源流への設定については影響が非常に大きいのでよくよく慎重に検討しろとの意見が述べられております。この法改正から概略リニアルートの発表まで僅か1か月と本当に短い期間でありましたけれども、環境省がこの南アルプスルートの影響の大きさについて最大限の懸念を示したのがこの意見ではないかと私は思っております。
 しかし、その甲斐もなく現状のルートが決められた結果として流域の住民の皆さんが納得できない状況に現在は陥っていると思います。これまでに出されました環境省の意見とそれに対するJR東海の対応について見解をお聞かせいただきたいと思います。

○難波副知事
 当時、一番の問題は大井川の水が2トン減りますという環境影響評価しか出ていないんですね。だからどうするといったことが出ていないところに環境への影響についての認識の甘さ、理解の違いがあると思います。それに対して県が、いやそれはとんでもないという話になって、この問題がずっと出てきているわけですけれども、当然今の環境省のお話もそうですし、国の環境影響評価のときの意見もそうですが、やはりこの水の問題については相当懸念しています。
 それに対して、一番最初にその2トン減ることについての認識の甘さがあったと思います。それは戻してほしいといったことで、戻すと言っているわけですけれども、ただそこはルートが決まっていますから、あとは戻し方になっています。もう1つは、2トンを確定値かのように扱うと午前中にお話ししましたけれども、そういった話をずっと続けてきたことが問題の本質になっていると思います。そこは環境省も今もしっかりと理解はしていただいていると思っております。

○小長井委員
 こうした状況になるのは多分環境省は十分承知していたのかなと。今さらながらですけれども、私は書類に目を通すにつけてそう感じます。

 次に、発生土の処理に伴う生態系や生活環境への影響について伺います。
 本年2月定例会のリニア新幹線建設工事に関する集中調査の席上、難波副知事はこの問題は優先的解決事項として、重金属等によって生態系や生活環境に悪影響が出ないかの問題もあると述べられております。9月16日の新聞報道によるとJR東海は重金属を含んだ残土の最終処分場を大井川沿いの藤島沢に整備する検討を始めたとの記事が載っていました。この報道について、県はJR東海へ確認しているかどうかお伺いします。

○田島くらし・環境部理事(自然共生担当)
 今までの専門部会の議論の中では、基本的には重金属混じりの土砂はこの流域の中に置かないでくださいと。どこが崩れてくる、どこがどれだけ水があふれてくる、これが予想外に起きるところなので、それが流出する危険がある以上、域外処理をお願いしますという段階です。どこに置くかは藤島沢とか剃石とかいろんな候補地があると聞いてはいるんですが、それはあくまでも上流域の話なので、その域外に処理をお願いしたいと申し入れております。

○小長井委員
 県の申入れは私も承知しております。残土処分場の問題では、かつて産業廃棄物処理場の建設問題で揺れた岐阜県御嵩町は、遮水シートで周りを囲んで土をかぶせるなどして重金属が漏れないようにする対策を取るから残土処理させてくれとのJR東海からの申入れを拒否したと。遮水シートの使用でもその危険性を問題視されたとのことであります。
 重金属を含む水は、足尾銅山の例があるように一旦漏れ出すと大変大きな危険を含んだ問題になると思います。命の水が上流にあるわけですから。重金属を含んだ土は地層を形成しているのではなくて大小の土塊のような形で点在するとも聞いておりまして、それを見つけるのは非常に大変で専門家でもなかなか見つけられないと聞いておりますが、重金属を含んだ残土処分の問題について、藤島沢への処分も検討したことも含めてどのように対応するのか、同じお答えになるかもしれませんが、もう一度お聞かせ頂きたい。

○難波副知事
 この問題は、JR東海の環境影響評価では重金属は出ない、出たらどうするんですかと言うと適切に処理しますとのことだったと思います。したがってその処理方法について、当初の環境影響評価でどの程度まで検討していたかはまだよく確認しておりません。
 県の専門部会で様々な指摘をして、どういった処理方法をするんですか、有害なものは域外処理をしてほしいと特に部会長からも意見が出ていましたが、あんまり応じなかったわけです。その段階で分かりましたのは、処理する工法について、例えばそこの斜面の角度がどうだとか、出てきた水の処理方法をどうするか十分検討されていなかったと思います。
 一番最初に申し上げましたけれども、環境影響評価をどの程度のレベルでやったらいいのか、恐らく残土処理の問題については細かい処理位置の設計をしていなかっただろうと推定されます。それを今一生懸命詰めている段階であります。
 ちょっと長くなりますが、その中でどういった答えが出てくるかというと、基準にのっとってやっていますとよく出てきます。基準にのっとってやるのは、通常の基準にのっとってやる問題と大井川の水源になっているところでやっていく問題とは同じレベルで扱ってはいけないわけで、そのあたりについても認識をしっかり持っていただくことが必要だと思います。

○小長井委員
 JR東海のような大きな会社には社会的責任という企業としての責任もあると思いますので、今おっしゃったようにこの水がどういった水なのかをしっかりと理解していただいて、JRが対応していただくことを私も希望します。ぜひそのように伝えていただきたいと思います。

 次に5番目、トンネル掘削による湧水量や地下水の変化の予測精度が挙げられております。
 この問題についても、現状では県とJR東海は大きく食い違っていると感じます。なかなか議論が進まなくなろうかと思いますが、私はJRがしっかりと説明できなければ、先ほどから出ているような県として何らかの提案をするとか、具体的な提案をするまでには至らないと思いますので、ぜひともこの辺の予測精度についての議論も進めていただきたいと思います。
 もう1点、静岡県への影響について、先ほど山梨工区から行くと水が抜かれることについては山梨工区のことだからなかなか言えないとの副知事の御答弁を頂きましたけれども、静岡県は大井川だけじゃなくて富士川それから天竜川いずれも水質の問題、水量の問題、それから残土処分の問題、大変大きな問題になる可能性のあるものが山積されております。
 この辺についても把握が必要ではないかなと私は考えますが、どのようにしていくのか。富士川や天竜川に重金属が流れ出しても大変大きな問題になるわけですので、しっかりと受け止めていく必要があると思いますが、御見解をお聞かせください。

○難波副知事
 御指摘のとおりだと思います。ただ山梨県側で環境影響評価をやっていますので、山梨県としては環境影響評価は十分やられているとの御見解だと思います。したがってそこについて県の見解は伝えつつ、まず情報開示をお願いするのが大事かと思いますので、一番基本である情報開示を求めていきたいと思います。

○小長井委員
 議論と対話が進まないのは、先ほどからお話がありましたけれども、JRが昔と同じ考えで穴を掘って何か問題が出たらそのとき考えるといった態度を改めない限り議論してもなかなかかみ合わないだろうなと私は思います。
 最後に一言、いつも静岡県が言われっ放しなものですから私が一言言わせていただきますが、愛知県の大村知事、それから大阪府の吉村知事、このお二方は静岡県の対応に大変大きな不満を述べております。工事の開始にこだわるなら静岡県にとやかく言うよりもJR東海へ行って、ちゃんと説明しろよと、あるいは説明ができないならもう一回初めから考え直せと言うのが私は本来の筋だと思っております。
 多分このお二方は現在の対話の状況について理解していない、あるいは理解しようとしていない、とにかく早く工事が進んでくれればいいんだといった感覚でいると思わざるを得ないわけであります。ぜひともこの両県知事にはJR東海へ出向いていただいて、静岡県の流域住民を納得させるような説明をするようにと進言していただきたいなと。このことを最後に一言申し上げまして質問を終わります。

○四本委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は14時40分とします。

( 休 憩 )

○四本委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
 質問を継続します。
 発言願います。

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