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委員会会議録

質問文書

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平成30年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:宮沢 正美 議員
質疑・質問日:07/03/2018
会派名:自民改革会議


○宮沢委員
 それでは、大きく3項目に分けて一問一答方式でお尋ねいたします。
 まず、委員会説明資料6ページの地域未来投資促進法に基づく取り組みについてお聞きします。
 この法律は昨年7月1日施行でちょうど1年経過したと思いますが、静岡県では32件の申請、承認があったと報告されております。この中で、基本計画については県や市町が定め、それに対して地域経済牽引事業計画を事業者が出して承認を受けることになります。この地域経済牽引事業はどういう視点から計画を出されているのかわかりませんので、32社の取り組み状況、時期、計画の内容、静岡県の特徴的なものがあったら教えていただきたい。
また、付加価値額合計176億円とありますけれどどういうことなのか。176億円の根拠がわかりましたらお願いします。

○水口産業政策課長
 地域未来都市促進法に基づきまして、それぞれの企業が事業計画を出してくる形になりますけれども、その狙いにつきましては基本的には地域を牽引していく企業の事業計画を承認して、集中的に支援する。その中で企業が成長すると同時に、地域経済に波及効果をもたらしていく。そういう狙いの中で事業計画を承認しています。
 32事業あるものですからいろいろあるんですけれども、特徴的なもの1つ申しますと静岡のロボット部品メーカーが海外製の医療機器の国産化に向けて、一貫受注生産体制を構築するための協同組合を設立し、静岡県初の高品質の医療機器の海外輸出を目指す事業を申請し承認されました。この事業につきましては、申請企業自体の付加価値が増加することもございますけれども、協同組合化することもありまして地域企業への波及も想定されます。それぞれいろいろな特徴がございます32事業が出てきています。
 見込まれる付加価値額でございますけれども、事業計画を企業が申請するに当たりまして、その事業を実施することによってどれだけの付加価値を生むかということを計画の中で示す形になっております。それを32社合計すると、小計ベース、申請ベースの見込みで176億円でございます。

○宮沢委員
 国は3年間で2,000社、設備投資が1兆円、GDPの押し上げ5兆円という狙いを持ってこの法律を定めたということで、1年間申請を受けてこれから事業が展開されると思います。こうしたものを活用して新しい分野での産業育成に努めていただきたいと思いますが、国の支援措置として減税や補助事業の優遇措置を挙げております。これに対して県として、どのような支援をしていくのか。また1000億円と書かれています地方創生交付金とのかかわりはどうなってくるか。そのことについてお尋ねいたします。

○水口産業政策課長
 県の支援につきましては、直接の優遇措置は設けてございません。むしろ、国の制度をより多くの企業が活用できるような支援をしています。具体的には静岡県産業振興財団と連携しまして、中小企業診断士の専門チームを企業に派遣して計画の策定のお手伝いをしたり、掘り起こしをしたり。または承認企業のフォローアップということでオープンイノベーション静岡による伴走支援を行っているところでございます。
 地方創生交付金につきましては、この事業と絡めて使われている事例はまだございません。

○宮沢委員
 これからも申請される中で、そういうことも考えられると理解しておきます。
資料にも支援措置や規制の緩和がうたわれておりまして、目につくのは農地転用許可や市街化調整区域の開発許可でして、多岐にわたる事業展開を促している気もいたします。そうした中で、国は5兆円と言っていますけれど、県としての目標といいますか、事業効果についてどのような期待をしているのか。その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。

○水口産業政策課長
 国がGDPで5兆円と言っていますけれども、県がつくった基本計画では付加価値額を100億円創出するという目標を立てているところでございます。ただ申請ベースで既に176億円で目標を超えています。それが実現されているわけではないものですから、実現に向けてフォローしていきたいと考えているところでございます。

○宮沢委員
 ありがとうございます。
それでは、次の質問に移ります。
委員会説明資料21ページ、産業人材の確保ということで県の施策を記載していただいております。今、いろんなところで人手不足という話が聞かれるようになってまいりました。資料を見ると、県は大学生や社会人の求人に対するさまざまな施策を行って人材の確保に努めていると理解しています。
 一方で、有効求人倍率がありまして、先ほども1.7倍台になったと報告を受けたわけですけれど、この有効求人倍率1.7倍を県はどのように分析されているのかお聞きをします。
例えば大企業とか中小企業、小規模事業者の規模別の分析や職種別の分析ですね。それから地域別、東部、中部、西部とか大くくりでいいです。正規、非正規の職員分類もあるかと思いますが、概略で結構ですので1.7倍の中身についてお尋ねします。

○花井雇用推進課長
 有効求人倍率の詳細な分析についてお答えをいたします。
 まず企業の規模別でございますが、全体の新規求人数が2万8000余になっており、この内訳は29人以下が1万8588人、30人から99人までが6,700人で小規模の数が多くなっております。
 次に職種別でございますが、事務職が0.45倍と低いのに対しまして、建設・採掘が5.85倍、介護が4.61倍、輸送・機械運転が2.36倍で、職種によって違いが出ております。
 地域別でございますが、ハローワークの管内の東部、中部、西部に分かれておりますが、中部が1.77倍と高くなっており、東部と西部が少し低い状況になっております。
 正社員の有効求人倍率は全体で1.11倍という倍率になっておりまして、長い間1倍を切っておったんですが、ここ一、二年は1倍を超えています。

○宮沢委員
 これは非常に難しい問題で、かつて1を切っていた時代には仕事がないと非常に困って、その対策をやらなくてはいけないということでしたが、現在は1.7倍ということで企業の人手不足が深刻化しており、バランスが非常に難しいと思います。事業者の規模でいうと29人以下が多いと我々もよく聞くんですけれど、建設や介護人材が特に不足していると私も理解をいたします。
 そういう中で、県の人材確保の政策がそこに結びついているかというと、必ずしもそうでもない気もします。中小企業や小規模事業者に対する人材確保を県ではどのように考えているのかお尋ねさせていただきます。

○花井雇用推進課長
 小規模事業者への人材確保の対策についてお答えをさせていただきます。
 県では、小規模事業者が採用に非常に苦労している状況は認識しておりまして、昨年12月から採用活動を支援するコーディネーターを全県で9カ所、12名配置しております。商工会議所の御支援もいただきまして、小さな都市まで配置しておりまして、中小企業、小規模事業者を中心に採用活動に割く人がいない、採用活動の経験がない事業者も多いものですから、1社1社回りましてきめ細かな支援をしているところでございます。

○宮沢委員
 ありがとうございます。
最近では外国人の労働者確保ということもあちこちで聞かれるようになりました。国の制度の動きといいますか、外国人労働者確保への取り組みの現状としてはどうなっているのか。まだはっきりしていない部分もあると思いますので、概略で結構ですのでお答えいただきたいと思います。

○前嶋経済産業部理事(産業人材確保・育成担当)
 現状の外国人の労働力確保政策でございますが、大きく分けまして留学生に県内企業に就職してもらうという点、定住外国人の方も多数おられますのでその定住外国人の方に県内企業に就職してもらうという点、もう1つは国際協力の事業ではございますが、技能実習生という制度があり、多数の方が県内の現場で働いている実態がございます。
留学生につきましては、県内企業への就職を促進すべくマッチングやインターンシップを実施しております。
 定住外国人につきましては、定住外国人向けの職業訓練を実施したり、しずおかジョブステーションに外国人通訳を配置したりと、相談してそのまま就職に結びつく施策を展開しております。
外国人技能実習生につきましては、1年たったところで日本語と実技の試験に合格しないと母国に強制的に帰されてしまいます。日本語能力がなかなか厳しいと聞いていますので、日本語の研修をやるなど――これは全国ではまだほとんどやっていない事業ですが、そういったことに取り組んでできるだけ県内に長くとどまってもらうよう事業を展開しております。

○宮沢委員
 外国人労働者が定着していくには、制度としての課題も多い気もしますけれど、人材確保のためにあらゆる角度から取り組みをしていくことが大切だと思いますので、よろしくお願いします。
 いろいろお聞きしましたけれど、全国どこでもやっていることなんですね。効果がないということではないんですけれど、効果を出していくのはなかなか大変だなと思います。
静岡県ならではの取り組みというか、特に力を入れていることがありましたらお願いします。

○花井雇用推進課長
 産業人材確保策として静岡県の特徴的な取り組みについてお答えをさせていただきます。
 まず、新卒者のUターン就職支援に取り組んでいるんですが、Uターン率が下がる一方であることもございまして「30歳になったら静岡県!」というキャッチフレーズを設けています。新卒で一度夢を見て東京などに就職して、30歳前後になって新しいことに挑戦しようと静岡県に戻って、また新たな夢に向かって仕事をしたいという方のU・Iターン就職の支援を本年度進めておりまして、SNSによる情報発信や同窓会での情報発信、あるいは静岡県に戻った場合でも東京に比べてそんなに生涯収支が下がらないことを示したり、若手社員のインタビューなどを示したりという取り組みは静岡県ならではだと思います。
 もう1つは、業界団体の取り組みに対して支援をしておりまして、昨年度は18団体に対して上限300万円の人材確保支援をいたしました。若い女性が活躍している動画作製などに業界団体、経済団体がみずから取り組んで、課題に向き合っていただく非常にいい事業であったため本年度も継続してやっております。

○宮沢委員
 ぜひ効果が上がるようお願いしたいと思います。
 経済産業部の問題ではないかと思いますが、社会全体の働き手を考えてみると、障害者雇用の問題もあります。障害者雇用率が2.0から2.2に上がったということですが、人手不足の現状にありながらも雇用率が上がっていかないという課題は健康福祉部の管轄になるかと思います。そういうことについても総合的にいろいろな連携をしながら、誰もが職業を見つけ自立していける日本社会ができていったらいいなという気持ちを持っています。ぜひそういうことも念頭に置きながら、取り組みをお願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。
 大きく3つ目は委員会説明資料38ページ、AOIプロジェクトの推進について報告をいただいております。これは昨年の8月に開所して、県の新しい研究機関としてスタートいたしました。研究ということでいろんな機関に入っていただいたり、県農業技術研究所のスタッフも加わったりということでやっていますが、研究の狙い、大きな目標についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

○杉山農業戦略課先端農業推進室長
 AOI−PARCの研究の狙いについて御答弁申し上げます。
 本県では、AOI−PARCを拠点としたアグリオープンイノベーションプロジェクト――AOIプロジェクトに取り組んでおります。その名のとおり、農業分野にオープンイノベーションを取り入れるものでございます。したがいまして、AOI−PARCの研究の狙いにつきましてもこのオープンイノベーションの理念のもと、進めてまいりたいと考えております。
 具体的には、大学研究機関を初め、民間事業者、生産者、生産団体など多くの皆様にプロジェクトの参画を促します。その上で、参画された皆様がお持ちの高度な知見あるいは技術、アイデア、あるいは農業生産現場の課題などを出し合っていただきまして、複数の主体が協働し革新的な栽培技術、品種の開発を進めていくのが研究の方針でございます。

○宮沢委員
 資料の2(3)に7つの事業化に向けた取り組みを開始と書いていただいていますけれど、具体的にはどういうものであるかお尋ねします。

○杉山農業戦略課先端農業推進室長
 現在進められている研究のうち、何点か御紹介をさせていただきます。
 現在、イチゴ生産に甚大な被害を及ぼす炭疽病の防除のため、光計測技術を有する理化学研究所とAOI−PARCが所在しております県東部のイチゴ産地が連携し、罹病した苗の装置検知システムの開発が進められております。
また、情報科学技術を有する慶応義塾大学とミカン産地などが連携いたしまして、いわゆる匠の技の見える化によりICT技術を活用したAI学習システムの開発も行われました。
さらに、県農林技術研究所が中心となりまして農業現場のニーズと製造業が持つシーズのマッチングを進めまして、農作業の省力化のための農業ロボット開発にも取り組んでいるところでございます。
 今後とも生産者、生産団体の皆様と連携いたしまして、生産現場の課題解決や農業の生産性向上に向けて、研究成果の実用化を第一に考えながら取り組んでまいります。

○宮沢委員
 私なんか零細農家なもので、オープンイノベーションと言われてもなかなかイメージがつかみにくいんですけれど。具体的に御報告をいただいたんですが、やはり県レベルの研究所としては研究のための研究所じゃなくて、研究成果をどうやって静岡県農業の振興のために生かしていくかという視点がすごく大切だと理解しています。今後、研究所の成果をどのように静岡県農業振興のために生かしていくおつもりかお尋ねいたします。

○津久井経済産業部理事(先端農業推進担当)
 5番委員からお話がございましたとおり、研究成果の実用化が第一で、現場にいかに還元していくかが重要だということは十分認識しております。
 現在、AOI−PARCで研究しているものを現場で使っていただけるように、順番に高度な実験、実証をしていきながら現場におろしていくということを随時進めているところでございます。
それを生産現場、農家の皆様方に広めていくために、農林事務所や農林技術研究所といった日ごろから現場でおつき合いさせていただいている県の機関を通じて、普及していくことを考えております。
さらには、農業だけではなくて農業を軸とした関連産業の発展も進めておりますので、それにつきましてはAOI機構で持っているAOIフォーラムという産学官金農食健連携で組織しておりますプラットホームを活用して、事業化、実用化について進めていきたいと考えているところでございます。

○宮沢委員
 静岡県の農業生産額も2200億円ぐらいまで落ちてきたんですが、それを2400億円に持っていこうという計画でありますので、関連産業のこともありますが農業生産額にも将来的には大きく効果が出ていくような研究所であっていただきたいなと思っております。
 大変申しわけないんですけれど、近くにありながらまだ行ったことがないので、また近々視察もさせていただきたいと思っております。以上で私の質問は終わります。

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