本会議会議録


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令和4年9月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:加藤 元章 議員
質疑・質問日:10/06/2022
会派名:自民改革会議


○加藤委員
 分割質問方式でお願いします。
 議案第107号について5番委員から質問がありましたが、もう少し細かい部分を質問させてください。
 最初に、盛土緊急対策事業費の対象盛土について具体的な場所と状況をもう少し詳しく教えていただきたい。
 それから、対策が必要だとのことですけれども、判断基準の概念は先ほどおっしゃられていたんですが、物理的にこう危ないとか、駄目であるという要因があると思います。その点が非常に大事ですので教えていただきたいと思います。
 それから、地元自治体との連携による対象盛土の周辺住民への説明、周知等が必要だと思いますが、この点についてどうなっているのかお伺いいたします。

○望月盛土対策課長
 盛土緊急対策事業の4か所の盛土でございますが、昨年行為者が逮捕された沼津市宮本、あと3か所につきましては本日の静岡新聞に一面でアップされた函南町となっております。
 これから調査に入るところでございますので、詳細についてはまだ把握できていません。
 昨年度国の盛土総点検において196か所が指定されさらなる基準を設けまして再評価したところでございます。
 やり方については、まずステップ1として著しい変状があるところに着目して総合的に評価しました。人間で言うと要精密診断を受ける人を抽出したのが30か所になります。次にステップ2として要詳細調査の対象箇所について工学的な調査を行いまして、最終的な安全評価をするものであります。
 現在、最終評価までは行っていません。これから詳細調査を行い結果が判明した段階で地元に周知したいと考えています。ただ30か所につきましては国のガイドラインに基づいて調査し崩れる蓋然性が高い盛土なので、市町に情報提供して避難の判断材料にしてもらおうと考えているところであります。

○加藤委員
 今の答弁の中で、基準の1つとして変状のあるところとのことですが、物理的な変状のほか時間経過もあると思います。変状についてもう少し分かりやすく説明を頂きたいのと、多分一番心配するのは周辺住民だと思いますが周知等についての答弁がなかったのでもう一度お願いします。

○望月盛土対策課長
 変状についての調査項目は盛土の規模、小段の有無、粉塵やほこりがあるかどうか、崩壊やクラック、はらみ出し、湧水があるかどうか、排水施設の有無などを詳細調査し最終的に判断して必要な盛土を抽出しているところです。
 地元への説明ですが、30か所については現状の危険性が判断できていない状況です。詳細調査をして初めて安全性が判断できますので、それから市町に情報提供しようと思っています。その際に細かな点まで伝えないと間違った判断になってしまいますので、細かく地元に説明しようと思っているところでございます。

○加藤委員
 大体分かりました。周辺住民への説明はしていない。これからということですね。
 あと、これは要望ですけれども、その現場を確認のため見に行ったりすることはできるんですか。

○望月盛土対策課長
 現状の30か所については非公表としています。公表してしまうと現場に行ったり、行きたいと思う人がいらっしゃると思います。そうすると風評被害が起きる可能性がありますので、その地区の方だけには市町を経由して情報提供しようと思っているところです。
 30か所のうち4か所については、これから調査するところでございますので、市町に連絡していつ事業をやりますと公表したいと思っています。
 また、立入りは民地なので立入許可証をもらう必要があるため、個別に対応したいと思っています。

○加藤委員
 ありがとうございました。
 では、次に移ります。
 リニアの関連でいろいろ質問が重なって出ておりますけれども、大きな3つの課題のうち発生土置場の件を確認したいと思います。
 危機管理くらし環境委員会説明資料に、8月8日に知事がこの燕沢発生土置場予定地等を現地視察されたと記載があります。
 知事としてどのような課題を持って、どのようなことを確認しに行って、その結果どのような評価があったのか。具体的にお伺いしたいと思います。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 発生土置場の確認につきましては、現状確認をしたとのことです。現地ではJR東海から発生土置場の計画について説明がありましたので、それについて御自身の判断を申し上げたと理解しております。
 燕沢発生土置場予定地については、360万立方メートルの通常土の置場ですので、周辺の崩壊地等の影響を懸念しております。
 それから、藤島発生土置場予定地については要対策土が置かれることとなりますので、静岡県盛土等の規制に関する条例との関係等を踏まえて御説明されたとのことであります。

○加藤委員
 そもそも発生土置場自体は、JR東海が場所を探し、場所を決め、設置するものであるのかという点と、今答弁にもありました360万立方メートルというとてつもない量の土砂が物理的にそこに置ける前提で考えられるのかお伺いします。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 発生土置場の場所については、JR東海が環境影響評価準備書の段階で候補地を示しております。具体的にどのような形で置くのかをこれまでの県の専門部会や有識者会議で説明しており、計画の実現性については現在対応の中で確認しているところでございます。

○加藤委員
 本当に置けるのですか。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 現在のJR東海の計画では、360万立方メートルの土砂を置く計画になっております。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 物理的に置けるかについては、場所はあるけれどもどの程度安全かの評価が必要になってまいります。いろいろな安全性基準がありますが、さすがにそれだけの量になった場合に10年や30年の確率降水量に対して大丈夫という評価でいいのかどうかというところです。
 それに対して住民の方々が不安を持たれてとても容認できないというお気持ちもありますので、単に基準に合っていれば大丈夫なのか、あるいは最低限満たすべき基準に合っていれば大丈夫なのか、それとも住民の方がもっと納得できるような安全性を確保する必要があるのかどうかについて対応が必要だと思っております。

○加藤委員
 360万立方メートルという量がぱっと分からないのですが、たしか県の資料だったと思いますけれど駿府城公園の広さで県庁東館の高さ分の土砂だと説明があったと思うんですね。
 非常に基本的なことなんですけれど、その土砂を今の場所に本当に運べて処置ができるのか。例えばダンプカーで運ぶとすると大体1回で6立方メートルなので、ダンプカーが60万回行ったり来たりしなきゃいけません。道のことなどもありますので、現実的にどう考えていらっしゃるのか教えてください。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 やはりそれだけの発生土は出てきてしまいます。処理せざるを得ないので、狭い範囲で一生懸命探されて最初に候補になったところは反対もあり駄目になったので、燕沢発生土置場予定地に多く積む計画になっております。
 とにかく処分しないといけませんので、物理的あるいは現実的にそれだけの土砂を運ぶことは可能であると思われます。60万回ダンプカーで運んだ場合の環境影響やコストは大変なことになりますから、トンネルからできるだけ近いところに処分しないと経済的には成り立たちません。
 したがって、どうしても無理することになりますので、JR東海としっかり議論していきたいと思っております。

○加藤委員
 さっきの2番委員のお話もありましたけれど、国家的なプロジェクトでもありますからどんどん推進してやってもらいたいのですが、それに当たってはやっぱり課題を一つ一つクリアして消していくしかないと思うんですね。
 燕沢発生土置場自体は、まだ曖昧な部分が多いように感じます。JR東海から提案があったことはいいと思いますが、知事として基本は推進だと言っているならば県も一緒になってその姿勢を見せることが必要だと思っています。
 この件に関して言えば、代替地もしくは併存でもいいんですが分散させる発想も考えていかないと多分無理なんじゃないかという気もします。
 そういった補完案を常に一緒に考えることが大事だと思うんですけれど、そのような取組はしていないのか、する気持ちがないのかお伺いします。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 1番委員の御指摘のとおり、360万立方メートルは非常に大変な量でありましてできるだけ分散させたほうがいいと思いますが、地形上なかなか適地がございません。先ほど申しましたようにほかで処理する場所があったのですが、そこはいろいろ問題があるということで結局は燕沢発生土置場予定地に360万立方メートルの土砂が集まることになりました。
 そして、10万立方メートルと言われている有害物質を含んだ要対策土が出た場合は、燕沢発生土置場予定地ではなくて藤沢発生土置場予定地に入れる計画がされていますが、やはり有害物質が入っていますので水源の近くに置くことが適切かどうか安全面から非常に厳しいものがあると思っています。
 とにかく、そこで処分するのではなく有害物質を分離しその分だけをどこか外に運んで残ったものを現地で処分するとか、いろいろな方法があるのではないかと提案しておりましたけれども、JR東海はその場所で処分するとずっと主張しています。その後新しくできた静岡県盛土等の規制に関する条例により有害物質を含んだ盛土はそこで処分できなくなりましたので、もう一度どうするかJR東海と対話していくことになると思います。

○加藤委員
 発生土に関してですが、他県は工事が進んでいて同じような課題があったはずだし今もあると思うのですが、どういう処置や処理の仕方をしているのか、もし分かりましたら教えていただきたいと思います。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 発生土については、各県でいろいろ御苦労されていると思います。場所によっては開かれた場所で台地や盛土にしてグラウンドにするといった使い方をしているところもあります。ただ本県の場合はそのような利用ができませんので処分になります。
 他県のことですからあまり申し上げるべきではないかもしれませんが、有害物質に関して本県の場合は新しい盛土条例で処分できないことになっています。他県は土壌汚染対策法の適用対象外になっていますので、トンネルから発生した土砂は静岡県よりもある種緩い基準で処理できるようになっています。
 実際に各県でも反対や疑問の声が出ているようですけれども、それは他県で御苦労されていることで我々があまり口を出すことではなく、静岡県は静岡県としてきっちりやりたいと思っております。

○加藤委員
 発生土における有害物質の処理に関して勉強していないのですけれども、工事エリアから一定区域内であれば処理が必要ないと報道で見た気がするのですが、今の御答弁の中での他県の例が多分これに該当しているからいいのだと思います。
 その辺の解釈や規定について教えてもらいたいと思います。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 静岡県盛土等の規制に関する条例に関して申しますと、山の中に有害物質が入っているとしてすぐ横で処分する場合は山の横に置くわけですから現状を大きく変更するわけではない。ただ何も処理しない状態ではいけませんので、漏れないように処理して処分するのであれば現状を変更したことにはならないので適用除外としております。
 先ほどの土壌汚染対策法では、山を切り崩した場合は法の対象となり要対策土として完全な封じ込め処理をしないといけません。ところが同じ山であってもトンネルから出た場合は法の対象外になっているので通常の処理をしてもいいという位置づけになっています。ただそれはさすがにまずいだろうということで、もう少ししっかりとした処分はされていると思います。
 もう一度盛土条例に戻ると、山の外から取っても中から取っても一緒です。ちゃんとした封じ込め処理をしないといけないので、トンネルから出てきた土においても土壌汚染対策法の対象と同じようにきっちりとした処分をしてくださいとなっています。
 ですから、静岡県の土壌汚染対策法の解釈は非常に合理性があると思っています。もう一度申しますと、山の外と中を同じ扱いにして処分を求めるほうが合理性があるのではないかと思っておりますので、こういったやり方になっております。

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