本会議会議録
質問文書
令和4年2月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 牧野 正史 議員 | |
質疑・質問日: | 03/08/2022 | |
会派名: | 公明党静岡県議団 |
○牧野委員
分割質問方式で3問質問させていただきます。
今、6番委員からもありましたが、新県立中央図書館整備について本日も追加資料を配っていただきました。先日2月19日土曜日に、公募型プロポーザル公開プレゼンテーションに私も実際にグランシップに足を運んで傍聴させていただきました。木苗教育長と長澤教育部長もいらっしゃって、6組の設計事務所さんがコンセプトや機能性、また構造計算、コスト計算、CO2削減についてプレゼンし、僕ら素人にとってはもう本当にプロフェッショナルな内容のすばらしいものでした。
それに対して審査員の方から本当に鋭い質問が出まして、例えば建物の外観に静岡らしさがほしい、県民参加とうたっているが具体的にどうやっていくのか、6番委員も言われたとおり県産材の活用に触れていない、ガラス張りだが蔵書を日光からどう守るのか、高齢者がもっと入りやすいような図書館にしてほしいなど、本当に厳しい質問が投げかけられて選考が行われ昨日決まりました。C+A・アイダアトリエ・日建設計エンジニアリング設計企業体が最優秀賞で、次点になったのが妹島和世建築設計事務所でした。我が会派に一級建築士の資格を持つ田議員がいるんですけれども、C+Aとか妹島設計事務所のことを御存じで、本当にすばらしいところだと言われていました。実際にほかのプレゼンも聞いて非常に甲乙つけ難いすばらしいものでした。選考でここが最優秀賞になった決め手に関して、分かる範囲で教えていただければと思います。
○藤ケ谷新図書館整備室長
最優秀作の評価された点についてお答えします。
この案につきましては、静岡県の好環境に合った外部空間と内部空間を一体化した読書空間ということで、多くのテラスを設けて新しい読書の形を提案していること、それから静岡県の歴史や地域性を捉えた提案であった点で、静岡県の読書家をつくる強い意志が感じられたところが積極的に評価されました。
また、先ほどから話題になっております県産木材の利用に関しても、この提案が一番積極的な表現がありました。
そのほか、提案者の発表姿勢において設計を進めるに当たって重要なコミュニケーション能力が非常にある提案者である点も高く評価されました。
○牧野委員
これから具体的に始まっていくと思いますが、今日配られた中でも提案内容がそのまま設計案となるものではないとうたわれており、いろいろと疑問点も出てくると思いますが、本当に県民にも喜ばれて我々議会としても承認できる内容の図書館にしていただきたいと要望いたします。
続きまして、第2号議案「令和4年度静岡県一般会計予算」のうち、医療的ケア児関連事業費について伺います。
主要事業参考資料5ページに医療的ケア児関連事業費で、特別支援学校人工呼吸器装用児受入体制整備モデル事業費の新規事業の内容とスケジュールと目的について伺います。
○伊賀特別支援教育課長
人工呼吸器装用児受入体制整備モデル事業についてお答えいたします。
人工呼吸器の管理については、これまでその対応の専門性の高さ、児童生徒の生命維持に直結するケアであることから、特別支援学校では学校における医療的ケアの対象から外してきた経緯があります。
一方で、令和3年9月に施行されました医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、いわゆる医ケア児支援法において、学校の設置者による医療的ケア児への適切な支援を行う責務や付添いの保護者の負担軽減が明記され、人工呼吸器の管理についても対応を求められております。
こうした背景から、人工呼吸器装用児につきましても医療的ケア児でない児童生徒と共に教育を受けられること、あわせて付添いの保護者の負担を軽減し当該児童生徒の自立を促すことを目的として、学校現場での看護師によるケアのモデル事業に取り組むことにいたしました。
具体的な内容としては、今年度これに向けた人工呼吸器の付添い軽減のための検討委員会の中で、その体制整備の検討やガイドラインの作成等を行ってまいりました。それを基に人工呼吸器に係る研修を受けた看護師が学校での人工呼吸器管理をモデル的に実施してまいります。そのモデル的取組については令和4年度から令和5年度にかけて2年間予定しております。その成果と課題を受けてガイドラインを制定するとともに、緊急時における医療機関との連携の在り方等を検討してまいります。
モデル校としては、中央特別支援学校を想定しております。そのモデル校での取組を踏まえ、令和6年度以降には3つの特別支援学校への導入について検討する予定です。
○牧野委員
ありがとうございました。
次の質問につながっているんですが、我が会派でも2月議会の代表質問で医療的ケア児の通学支援について取り上げさせていただきました。その際木苗教育長から、他県に先んじて健康福祉部が難病患者介護家族リフレッシュ事業において就学支援メニューに追加し在校時と通学時の支援を行っておりますと答弁していただきました。平成27年に制度改正して始まった事業ですけれども、この対応は緊急避難的な対応であって、その後家族会や保護者から再三にわたり強い要望があったと聞いております。
そこでまず、この6年間教育委員会としてはどのような対応を行ってきたのか伺います。
○伊賀特別支援教育課長
人工呼吸器装用児の支援ですけれども、学校の医療的ケア体制の中での受入れについては、教育委員会の中で何度も話題に上がっておりました。医療的ケア体制については医療的ケア運営協議会を設置して、その中で在り方等について検討してまいりました。医療的ケア運営協議会については医師や看護師も委員に入っており、学校における医療的ケア体制の在り方等も検討してまいりましたが、その中で度々上げられていたのは医師のいない学校という環境の中で本当にどこまでできるのか。人工呼吸器の管理については看護師の資格があるから誰でもできるということではなく、そのあたりについてはもう少し慎重に考えるべきという意見も頂き、具体的な実現には至っておりません。ただこのような状況でずっといることは法律の施行等も受けて難しいだろうということで、今年度もう1回本格的に検討していくために来年度からモデル事業を実施します。
○牧野委員
学校での在り方もそうなんですが、通学時における医療的ケアに関して聞いたんですけれども。
○伊賀特別支援教育課長
通学支援についてですけれども、これまで他県の状況等も情報収集しながら何ができるか検討してまいりました。本県は今健康福祉部で行っている難病患者介護家族リフレッシュ事業で対応している中で、これから一歩進めるに当たってどういう形ができるかといったときに医療的ケア児の通学に使う車両の問題、そこに係る看護師の問題などの相談は財源的にもかなり大きく膨らんでいく中で行えるのかは再度検討していかなければいけないと考えておりますが、結論が見出せておりません。
○牧野委員
今いろいろ説明していただいたんですが、結局健康福祉部のメニューを使って、言い方が悪いとあぐらをかいて6年間ほったらかされてきたという捉え方も我が会派はしております。代表質問の再質問に対して今度は長澤教育部長から保護者、生徒御本人の思いをきちんと教育委員会として受け止め、できる限り医療的ケア児の通学時の付添い負担について軽減する形で今後教育委員会とし、制度として確立していくことの検討を進めたいと答弁を頂きました。
現在、健康福祉部のリフレッシュ事業は通学時の支援に係る看護師や交通費について一部自己負担が求められています。教育を受ける権利を有する義務教育で自己負担しないと学校に通えないのは、今となっては47都道府県の中で本県のみとなっております。教育委員会として義務教育における通学における自己負担に対しての所見を伺いたいと思います。
○伊賀特別支援教育課長
義務教育段階において、通学時における自己負担が生じている問題については望ましい形ではない気持ちでおります。通学支援につきましては1割負担の問題、あるいは対象が義務教育段階に限られている課題もありますので、法の施行を受けてこの事業の形をベースに生徒の支援や保護者の自己負担等の課題を踏まえた上で、新たな支援制度を教育委員会でつくってまいりたいと思います。
○牧野委員
ありがとうございます。
保護者さんからいろいろお話を伺うと、24時間ひとときも目を離すことができない中で、現状通学のために対応してくれている訪問看護ステーションを自ら探して居住する市町と契約を交わすなど、全て保護者が行わなくてはならない状況となっているとのことです。
また、仮に事前に依頼したとしても看護師の手配が先方の都合でいきなりキャンセルとなったりして、子供としては楽しみにしていた学校に行くことができないケースも多々あると伺っております。
このように本来あるべき姿とかけ離れたいびつな状況を一日も早く解消すべきと考えます。制度設計されると言っていただいたんですが、具体的にいつまでにどうするかお伺いします。
○伊賀特別支援教育課長
ただいま保護者から様々な声、あるいは事業者等の声もあるということで、この制度設計に当たりましては保護者のニーズや現在の医療的ケア児の通学の実態あるいは実際に関わっている運行業者や訪問看護ステーションの声等も拾い上げ検討していきます。令和5年度には制度設計がスタートできるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
○牧野委員
ありがとうございます。
もうこれで最後にしますが、令和5年度にはスタートすると言ってくださったんですけれども、できるだけ早く、可能であれば補正予算を組んで来年度途中からでもスタートできるようにして、静岡県が掲げる誰一人取り残さない教育を本当に実現していただきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
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