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委員会会議録

質問文書

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令和3年9月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:増田 享大 議員
質疑・質問日:10/08/2021
会派名:自民改革会議


○増田委員
 一問一答方式でお願いします。
 危機管理くらし環境委員会説明資料18ページ、第12回リニア中央新幹線静岡工区有識者会議について確認させていただきます。
 中間報告案が提示されて、座長から次回13回で中間報告を取りまとめる方針が出された状況下にあって、これは一定の見解を有識者会議が示すものであり、意義は深いものがあると思っております。一方で、一番大事な住民の理解がこの有識者会議でも県の専門部会でも議論されておりますけれども、地元の皆様からはこのリニアの話は技術的、また専門的な話が大分多いものですから課題や構図が分かりにくいという声も多く伺っております。少しでも今の状況を県民の皆様方に分かっていただけるように理解が深まればいいなという思いを込めて質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 まず、この中間報告案の取扱いに関してなんですが、次の会議で取りまとめるということはこの間の県側の議論は大事だと思っています。
 県として、まず当局側の議論と、また県は専門部会を抱えておりますので専門部会での議論をされるのか。
 また、流域の住民の皆様方に問うてこれに対する考えとか御意見を聞く手順を踏まれる予定なのか。難波副知事から意見みたいなことは記してありますが、その間どのような対策、対応を取られるお考えなのか、予定をお伺いさせていただきます。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 中間報告案が今出されまして、今後第13回で取りまとめ、その後に正式に中間報告として出される流れとなっております。
 この中間報告案の内容については、中身が非常に難しいこともありますので、まずは県から利水者、流域市町に対して説明する必要があると今のところ考えております。
 また、その後につきましては、県の地質構造・水資源専門部会におきまして中間報告の内容に沿って県とJR東海で対話することになると考えております。
 また、専門部会の対話の内容につきましては、もちろん全面公開で利水者、流域市町の方、住民の方にも見ていただくものと考えております。

○増田委員
 ということは、案が取れて中間報告が出されるのを待って県でいろいろ議論していくということでよろしかったでしょうか。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 有識者会議の議論はあくまでもJR東海を指導するものであって、私たち県の立場はオブザーバーに過ぎません。ですから、直接県に対して出るものではない考えております。ということからも、有識者会議の議論を見届けた上でその結果について対応を取っていきたいと考えております。

○増田委員
 分かりました。
 その中間報告が第13回を目途に出された上で、県では専門部会も含めた地元の中でいろいろな議論をしていくということなんですが、この有識者会議の今後の方針がちょっと分からないものですから、例えばこの中間報告を出した第13回でこの有識者会議は一旦閉じられるのか。その後どのような見通しが考えられるのか。例えばまだお水のことだけじゃなくて自然環境や希少動植物のこともあると思いますけれども、この有識者会議の中間報告という節目の後の話ですね。もちろん中間報告に関する県のリアクションはあるとは思いますが、その後の見通しについて分かる点を御説明頂ければと思います。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 この中間報告案については、あくまでも大井川の水資源問題に関する中間報告案でございます。水資源問題については有識者会議はこの中間報告をもって議論は一旦終わると考えています。
 中間報告案にも書いてあるんですけれども、その後は生物多様性の議論に移っていくと伺っております。

○増田委員
 ということは、水資源の有識者会議が一旦これで閉じる見通しで、例えば自然環境の生物多様性に対する有識者会議がまた立ち上がるのかなと私は思っていたんですが、その点の見通しについて分かれば教えていただければと思います。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 有識者会議はあくまでも有識者会議として存続するんですけども、その議論する内容について水資源はこの中間報告が出た段階で一区切りつけて、同じ会議の中で生物多様性についてもまた議論する形になります。

○増田委員
 水資源は一旦これで、自然環境に関してはまた新たにみたいなイメージを持っていいということですね。分かりました。
 ということは、水資源に関してはこの有識者会議の中間報告はかなり大きな意味、意義があると思います。これまで県の専門部会でやってきてもなかなかJR東海さん側と議論が深まらなかった、また情報提供の話もいろいろスムーズにいかなかった点はあったかと思います。
 この有識者会議の効果があったと私は思うんですが、水資源に関する国の有識者会議によって私たち県民側としてよかったなといいますか、県当局側が考える効果についてどのような認識か、主なポイントだけで結構ですので確認させてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 県が考えます有識者会議の今までの成果は大きく分けて2点あると考えております。
 1つは、これまで県の専門部会ではこちらが求めても出てこなかった資料が有識者会議からの求めによって新たに提示されて、それが議論の深まりにつながっていると考えております。
 それからもう1つは、静岡県とJR東海の間で一番大きなずれとなっていたのが、JR東海は自分たちの説明や計算結果が全て正しいんだということを基にだから分かってくださいと説明されていたんですが、中間報告案にも書かれておりますけれども、この議論の中でリスクコミュニケーションがようやく取れる内容になってきた。解析結果には不確実性があるのでリスクを考慮しなきゃいけないことが中間報告案あるいはJR東海の資料に書き込まれたことが大きな成果であると考えております。

○四本委員長
 ここで、換気のため休憩します。
 再開は11時40分とします。

( 休 憩 )

○四本委員長
 それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○増田委員
 先ほど、有識者会議によって今まで出てこなかった資料、データがJR東海さん側からもたらされたという効果をお聞きしました。
 参考までに、県が一番だと受け止める有識者会議に出てきた今まで知らなかったデータは、どういった資料なのか教えてください。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 今年の2月か3月にやった会議だと思うんですけれども、リスクと対応という資料が初めてその段階で出てきたことが一番大きな効果でした。それによって、やっとリスクコミュニケーションが取れるスタートラインに立てたと認識しております。

○増田委員
 そうですね、JR東海側のリスク認識不足は会議でも指摘があったと思いますのでよかったと思います。
 その上でなんですが、今回いろいろ見させていただくと、工事期間中の10か月間の山梨県側への流出湧水の取扱いに関しては非常に大きな課題だと思っています。知事発言も新聞報道、マスコミ報道されている中なんですが、会議のほうはもちろん湧水はあるけど影響は軽微ではないかという、これは読ませていただいた私の主観ですけれども。でも県側はこれは1滴でも漏れちゃったら困るからすぐ戻してくれ、JR東海側は10年、20年かけて戻すという言い方をされていると認識しています。
 例えば、ほかの部分に関してはポンプアップして湧水を戻してくれることになっているわけなんですが、この県外流出分、後方の傾斜がついたところで出た水を戻す技術的なやり方ですね。単純に頭でイメージしているのはただポンプアップして導水路トンネルを造って戻してもらえばいいんじゃないかって、私なんかは思っちゃうんですが、県の認識として技術的にまず可能かどうか。そして具体的にはどのような手法、設備によって戻すことが考えられるのか、県の認識を確認させてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 技術的な問題について、県が直接答えるのは適切じゃないと思うんですけれども、今までの県の専門部会等の中でも指摘させていただいておりますし有識者会議の中でも一部議論しておりますが、例えば静岡県側から下り方面で掘削する方法とか、山梨県境から直接導水路トンネルを掘って戻す方法等がこちらから指摘した方法としてはございます。
 一方、これらについてはJR東海から技術的に難しいと答えが返されています。ただ、それについては十分な説明になっているとはまだ考えておりません。

○増田委員
 どちら側から掘るというのは工事の危険度の話だと聞いておりますので触れませんが、例えばJR東海が考えている今の工法で掘った場合に、お話があった山梨県側から上げる行為は技術的にはできることだと思っています。費用はかかるかもしれませんが、それに関して県外のエリアの話にもなるのか分からないんですが、技術的にまず可能と思ってらっしゃるのか、どうしてそこをやらないというかやれないお話になっちゃってるのか。そっち側から戻す話が出てこないのか少し分かりにくいんですが、その点について認識を教えてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 今5番委員がおっしゃったことについては、今までのJR東海の説明ですと、まず1つは導水路トンネルの距離が非常に長くなることで費用の問題、それから工事で改変するエリアが増えるという問題を言っています。
 それからもう1つとして、県境に断層帯が想定されておりますので、断層帯にトンネルを造る場合には、通常は断層帯に対して直角に一番短い距離で取るのがトンネルの工法だそうです。それに対して、今のように山梨県側から自然流下で下ろそうといたしますと断層帯に沿って並行してやらないといけないといった技術的な問題があるとJR東海から伺っております。

○増田委員
 分かりました。
 あくまで県側の認識で結構なんですが、費用はもう置いとくしかないと思いますので、いわゆる知事が湧水を戻さないと工事が認められないというか中止ぐらいの発言をされている以上、じゃあ戻すことが一般的な認識としてできることなのかできないことかがやっぱり分かりにくいと思うんです。
 それは、県としたら戻せると、費用は置いといて、今の技術があればやろうと思えばやれるでしょうという認識でよかったでしょうか。確認させてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 県といたしましては、技術的にどうかをまず第一に考えているのではなくて、まず環境影響評価準備書のときから一貫して全量戻しを求めていて、平成30年10月にJR東海は全量を戻しますよと約束していただいた。その約束に基づいて行ってくださいとお願いしているだけです。
 それで、また技術的な問題についても令和2年6月に知事とJR東海の社長が会談した際、知事の仮に水を戻せない可能性があったときはどうするのかという問いかけに対してまして、JR東海の社長は乗り越える技術があると信じていると言っております。
 そこはやはり、技術の専門家でありますJR東海でしっかりと当初の約束を達成できるよう対応していただきたいと考えております。

○増田委員
 技術はあると信じたいというか、そういう考えという認識を受けました。県としてこういう技術であれば可能かではなくて、JR側の発言を基に可能なはずだという認識ですね。
 全量湧水戻しについて例えばリアルタイムに戻す考え方と、10年、20年計画で戻す考え方がありますが、時間をかける方法は絶対認められないという県の考え方でよろしかったでしょうか。確認させてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 私たちが言っているのは、もともと静岡県内にあった水を大井川流域に入れてくださいという話です。今JR東海から提示されている、5番委員がおっしゃった10年、20年かけてというのは、静岡県内から県外へ流出した水を戻すのではなくて、その水は流しっ放しにすると。その後で山梨県の水を静岡県に入れることになります。
 ですから、これは私たちが求めている静岡県の水を全量戻してくださいということには当たらないと考えております。

○増田委員
 初めて分かりました。水は水でも出どころが違うということですね。この辺にしておきます。
 それで、これから有識者会議は県とJR東海側の議論をまたしてくださいねとボールがこっちへ来ると私は思うんですけれども、今までJR東海さん側も県側もそれぞれの主張があって行き詰まって有識者会議に行ったわけで、そこでもう1回ボールが投げ返されても難波副知事は対話できない感じの発言ももうされているし、JR東海さん側の感覚、感触を見ると、果たして建設的な議論が可能なのかなと不安というか疑問は持ちます。
 なので、この有識者会議の中間報告にいろいろ技術的なことを入れてもらうのが一番いいと普通は思うんですね。県外流出のことに関してはこういう技術で戻しなさいとか、それが一番分かりやすくて手っ取り早いなんて言っちゃいけないですけれども、そこを調整するための会議だと私は思っています。
 オブザーバーだから引いているのではなく、私は逆にこの第13回までに例えば流域の住民、首長さん、技術者にもいっぱい聞いて、中間報告の案が取れちゃう前にかなり県として働きかける残り僅かなチャンスかなと思っているので、ここで具体的な案をいっぱい入れておいたほうがいいと思います。
 確かに、県の専門部会のメンバーさんも有識者会議に入っているので会議の場で訴えていただくこともできますけれども、本来それが俎上にのる前にこの間を使って訴えるというか説明する、お願いする行為が私は必要だと思うんですが、その点について県はどのようにお考えでしょうか。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 今5番委員が御指摘されたとおり、やはり今の案の段階でまだ全ての疑問が解消されているわけではないので、流域の市町、利水団体にも御意見を伺って中間報告に対する県の見解を事務局である国交省に提出したいと考えております。

○増田委員
 ありがとうございます。ぜひそれはお願いしたいと思います。

 それに関連して、最後地元の皆さんとのことに関して確認させてもらいますが、JR東海さんと流域の市町長さんが会議、意見交換をされました。今後この会議は県は入らずに各流域自治体の皆さんとJR東海さんに任せると思っていいのか。この会議自体がどのように今後なっていくのかも私は分からないんですけれども、もしかしたら今度個々の基礎自治体でJR東海さんが話し始めるかもしれないしいろんなことが考えられるんですが、この流域首長さんの方々、自治体とJR東海さん側との対話、意見交換に関して県はどのような想定されているのか。また関わり方がもしあれば考えを教えていただければと思います。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 科学的、工学的な議論につきましては、流域市町が利水者の要望を受けて県が窓口となって議論していくので今までどおり県でやってまいります。
 一方、先日の意見交換会は初めて行われたんですけれども、これについては新聞報道等によれば流域市町の首長さんは思いを十分に伝えていただいたということですので、JR東海はこの思いを受けて県との対話をやっていただきたいと考えております。
 また、意見交換会の今後についてなんですけれども、これらの対話の状況を踏まえて流域の市町で意見交換会を継続するかどうかは判断していただければよいと考えております。

○増田委員
 ありがとうございました。
 最後は市長さん、町長さんの納得じゃなくて流域住民の理解が絶対条件です。私の個人的な経験を言うと、私は掛川市で表流水を頂いているエリアですので基本的にその話をしていますけれども、何回皆さんに説明してもやっぱりこの話って非常に分かりにくい。47項目なんて言われちゃった瞬間にもうお手上げみたいになりますので、これはもう私の主観ですけれども、私は地元で話すときは表流水と地下水と残土の3つに分けて言ってます。そうすると、こんなこと言ったらもう本当に焼津市とか島田市の皆さんに申し訳ないけれども、掛川市も地下水が出るところはありますが基本的に近隣に降った雨とか違う山、川から来た地下水で生活しているエリアなので掛川市民は表流水がなくなっちゃうのか、減るのか、あとは水質が担保できるのかに非常に関心がある。
 ただ、この有識者会議の資料を見ていくとだんだんこの表流水に関する懸念が、言葉がどんどんどんどん弱くなっているというか、ある一定の量に対しては減るという要素が、単語がだんだん少なくなってきてますよね。そういうことも含めて、流域の皆さんに例えば県のホームページなどで分かりやすく説明していくことは非常に大事だと思いますし、これから生物多様性のほうがもっとすごいというか、どうするのかなと私は思っていますけれども、まず、ことお水に関しては私はその3つに分けて、その不安がどうなるのか。
 掛川市の場合はあとは恒久的にということだけです。量が減らないのであれば、例えば導水路トンネルのポンプアップの機械が恒久的にちゃんともつのか含めて担保はあるのかという話だと私は皆さんから伺っています。これは要望も込めて、分かりやすく県民の皆さんに状況とか今後の可能性も含めて伝えてそれで意見をもらうことを私はしていったらいいかなと思うんですが、その点について県の考え方、今後の方針とかあれば教えていただければと思います。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 このリニア問題については、5番委員がおっしゃるとおり内容が非常に分かりにくいと御指摘は多々頂いているところでございます。くらし・環境部におきましても実はウェブサイトを開設しておりますが、既に今年に入って2回ほどリニューアルを行い分かりやすくしております。
 これからも議論の経過等も踏まえてウェブサイトのリニューアルを継続していくことと、それから出前講座を開始しておりまして――これまでコロナの問題があったので中止していましたが――緊急事態宣言の解除を受けまして10月に入って既に2回ほど行っております。そういう場も積極的に活用して県民、市民の方に分かりやすく課題等を伝えてまいりたいと考えております。

○増田委員
 ぜひ、本当に子供たちや御年配の方でも分かるように、言葉はあんまり長くなく端的に分かりやすく今がどういう状況なんだということ。地下水はまだ本当に分からないと私は思っていますし、残土のことはもっと分からないと思っていますが、表流水に関しては量や期間は別にして担保は何とかという感じ。ただ、質が大丈夫ですかとか、農業生産者の皆さんからは担保できますかと。だから残土が関係しちゃうんですけれども、やっぱりそういうことを分かりやすく区分分けでもしていただいて、県民に伝えていただきますように要望させていただいて質問を終わります。ありがとうございました。

○四本委員長
 ここで休憩します。
 再開は13時30分とします。

( 休 憩 )

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