委員会会議録

質問文書

令和３年６月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	08/10/2021
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○山﨑委員
　分割質問方式で、２つほどお伺いさせていただきたいと思います。
　まず建設委員会説明資料15ページの熱海市の災害に関わりますけれども、スマートガーデンカントリー“ふじのくに”モデル事業につきまして数点お伺いさせてください。
　こちらに書かれておりますように、県は令和元年からスマートガーデンカントリーふじのくにの形成を目指し３次元点群データを取得しておられます。私も何回か建設委員会にいましたので、その都度発言して応援させていただいております。
　このたび、熱海市の土石流災害におきまして盛土の存在とか崩落した土砂の量といったものが迅速かつ正確に判明したのはこれができていたからだということで大変全国的にも評価されていたと思います。
　まずはその中で、静岡点群サポートチームが活躍したとヤフーニュースでも載っていたんですけれども――こういったものを予想していたのか、そういう先見性があったのか分かりませんが――どのようにしてチームが成り立って、どのようにして盛土の存在を突き止めて対策を行うことができたのか教えてください。

○増田未来まちづくり室長
　静岡点群サポートチームについて御説明します。
　今般の土石流災害の際、３次元点群データが発災箇所や状況の把握などに活用されることを想定して、発災直後にインターネット上でデータの取扱いや地質学に関する専門知識を有する産学のメンバーに事前に呼びかけ緊急的にチームを編成しました。
　このチームが、国の2009年の現地のデータと県が2019年に取得しオープンデータ化した３次元点群データを比較、差分を出しまして、この10年間で約５万4000立方メートルの土量増加を認め、形状からこれは盛土であることを発災日深夜には現地入りする前のスタッフに報告して、それを前提に見てもらうことができております。
　その後、崩落した土砂量をこのチームで算出して残留している不安定土砂を推定するなど、速やかな２次災害の危険性の把握であったり対応策の検討に寄与したと考えております。

○山﨑委員
　ありがとうございます。
　すぐに難波副知事が会見されて、あそこまで詳細にお話ができたのはすごかったと思いますし、そういった姿勢は大変私も評価しております。
　ぜひ引き続き、今後も起こり得るでしょうから危機感を持って同様に対応していただきたいと思います。

　説明資料15ページです。冒頭和田交通基盤部長からお話がありましたのは、データ取得を今年度もやっていく、950キロ平米は富士山周辺だという話だったんですが、うちの会派の佐野愛子議員の代表質問の答弁で、今年度中に県内のデータ公開が完了します、させますといったことがあったと思います。
　西部地域とかを含め、このデータ取得は今年度終わるというか、公開できる見込みでよろしいでしょうか。

○増田未来まちづくり室長
　３次元点群データの取得状況について、整理してお話しさせていただきます。
　まず、スマートガーデンカントリー“ふじのくに”モデル事業は初年度――令和元年度に今回の熱海市の土石流の現場を含む伊豆東部地区の約1,050平方キロメートルの３次元点群データを、令和２年度には伊豆西部地区の700平方キロメートルを取得しております。このデータは自由に扱えるオープンデータとしてインターネット上で既に公開しております。
　そして、今年度はモデル事業として富士山を含む富士地区の約950平方キロメートルを取得します。そこでモデル事業は完了するんですけれども、静岡市から湖西市までのいわゆる中西部地域は砂防基礎調査で県中西部地区の約4,000平方キロメートルの取得を実施することになっています。
　これらの事業によって、今年度末には静岡県内の居住地域のほぼ全域のデータ取得及びデータ公開が可能となる段取りになっております。
　
○山﨑委員
　ありがとうございました。
　ここに書かれているのはあくまでもモデル事業であって、富士以西に関しましてもしっかりと今年度中に取得し、また公開されると聞きまして安心いたしました。
　とにかく、行政の持つ情報を広くオープンにする姿勢がとても大切で、国民の知見を受け入れる、専門家の知見を取り入れるということでぜひこれからもやっていただきたいので、その姿勢を貫いていただきます。

　次に、17ページになりますが、自動運転の実証実験につきまして数点お伺いさせていただきたいと思います。
　平成30年度から実証実験を進めておられまして、これまでに課題や成果が生まれてきていると思います。
　そこで、まず一番下辺りになってくると思うんですが、昨年度の実証実験がそれ以前に比べどのように進化してきたのか。また昨年度の実験結果を踏まえた上で出てきた課題とか、今後の展開につきまして簡単に御説明をしてください。

○増田未来まちづくり室長
　自動運転実証実験についてお答えいたします。
　令和２年度は、元年度に引き続き道路環境や交通状況が異なる公道での走行実験として、まず松崎町では車両の擦れ違いシステム、下田市では車両に電光掲示板を設置して歩行者や通行車両などの外部とのコミュニケーション、沼津市では見えない死角となる情報を車両に伝達する仕組みなど様々な自動化に向けた技術の検証を行ってまいりました。
　これら検証を通じて、現状の技術では完全自動化はまだ困難な部分があり人間が介入できる環境を整えておく必要があることから、令和３年度からは遠隔監視の技術を用いて複数台の自動運転車両を監視、操舵する実証について進めていきたいと考えております。また県内では新たな展開として掛川市においても実験を行います。掛川市では、夜間公道での走行など全国でも新しい取組や市が目指す、町なかを車中心から人中心の空間へ転換するとしたウオーカブルなまちづくりを進めておりますが、そこの自動運転車の位置づけなどについても検討を進めていこうと考えております。
　県としましては、地域公共交通の運転手不足や路線維持などの課題解決として、より現実を見据えた知見をこの実証実験によって確認して、速やかに地域への実装を目指していこうと考えております。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　遠隔監視や夜間など、いろいろ新しい取組が今後進んでいくということで大変関係者も期待していますので、ぜひいい結果が出ますように、もちろん課題が出たっていいんですけれども進めていただきたいと思います。

　昨年と大分環境が変わってきたと思うんです。昨年度県もカーボンゼロ宣言をしましたし、カーボンニュートラルは全世界的な要請です。それから県知事選のさなかに知事がレイクハマナ未来都市という構想を打ち上げて電池産業だったりＭａａＳとか自動運転とか、そういったことを包括した構想だと思うんです。
　もちろん交通基盤部だけの話ではないんですけれども、そういった構想とこういったものをうまく掛け合わせて内在させてさらに進めていただきたいという気持ちがありますけれども、増田未来まちづくり室長はその辺りのことをどのようにお考えでしょうか。

○増田未来まちづくり室長
　７番委員がおっしゃられたことは、いわゆるムードがだんだん醸成されてきたと。オープンデータであったり３次元点群データであったり、これの中に新たな技術をどんどん実証していくチームワークが整ってきたと、私個人的には考えています。
　ですので、それを含めてできるところまでやっていこうと考えております。
　
○山﨑委員
　最後に御意見だけ申し上げておきますが、静岡県は本当に東・中・西、伊豆、組織も環境も違って可能性もあると思いますので、ぜひそのムードをうまく利用して先進的なことをやっていることを対外的にも示せるように、これからも御尽力していただきたいと思います。以上で終わります。

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