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委員会会議録

質問文書

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平成23年11月エネルギー有効利用推進特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:安間 英雄 議員
質疑・質問日:11/28/2011
会派名:自民改革会議


○安間委員
 いろいろお聞かせをいただきまして、大変参考になりました。ありがとうございました。
 ここの4人は、つい先日、今のこの課題を中心にしてヨーロッパへ行かさせていただいて、先進的な取り組みを見させていただいたわけでありますが、そういうことも踏まえて幾つかお伺いをしたいなというふうに思います。
 まず、基本的に私ども技術的なことはわからないことも結構多いものですから、そこら辺のことも含めてお教え願いたいというところもあるんですが、最初に太陽熱冷房ですね。この仕組みがどういうふうになっているかというのを、しっかり私どもわからないところがちょっとあります。そしてこれをやる場合に、今の日本の現状の技術として、設備費ですか、そういうものが今どのぐらいかかって費用対効果の面で見るとどうか。そこら辺をまず最初に教えていただきたいと思います。

○松尾廣伸氏
 太陽熱冷房につきましては、正直言って理解するのがなかなか難しい面があります。太陽熱だけではなくてガスでも冷房ができます。ガスで冷房するというときには2つあります。ガスヒーポンみたいな形でガスで発電をやってヒートポンプを回すという仕組みが1つなのと、もう1つは、ガスも太陽熱もそうなんですが、熱を使って中の冷媒を蒸発させて蒸発潜熱のところでほかの熱を奪う格好にして回すということで冷房に使うという仕組みがございます。そちらは絵を描いて説明しないとなかなか説明がしづらいところでして、十分な御説明ができません。
 矢崎総業さんは、たしか日本で一番最初に太陽熱冷房機器を開発されております。もう30年以上前になると思いますが、それ以降ずっと生産も続けられてきているということです。機器名が思い出せませんけど、各所に入っております。県内ですと、浜松市の駅前に建っている斜めに上が切れているプレスタワーというビルがあるんですが、そこに入っているのが実は太陽熱の冷暖房機器でして、屋根の上に太陽光発電のパネルみたいなのがいっぱい並んでいるんですが、あれは太陽光発電のパネルではなくて太陽熱のパネルです。もう30年ぐらいたつと思うんですが、当時かなり先進的な機器が導入されたというふうに思っております。コスト面は、正直言って2倍弱ぐらいのコストアップになってしまいまして、費用対効果という意味ではかなり難しいというのが今の現状だと思っております。

○安間委員
 私どものほうからそういうことを推進しなさいと言ってもね、費用対効果の面があると。補助を出すにしても高額では出せないものですから。これからそういう技術は日本ではもっと進みますかね。

○松尾廣伸氏
 進んでほしいと思っていますが、進むかという意味では、個人的な意見としては進まないと思っております。多分太陽熱利用に行くよりは、発電して電気をつくってしまって電気で回したほうが効率もいいですし、効果という意味でも、費用対効果も上がっていくものと思います。

○安間委員
 ありがとうございました。
 次に、資料の16ページの「中小水力発電の利点・問題点」というところに、問題点として「大型ほどではないが環境・生態系への影響」という項目があるんですが、これは具体的にどのような影響ですか。

○松尾廣伸氏
 中小水力ですと、大型ほどのダムではないんですけど、基本的には少し小さなダムをつくってため水をして使う形になります。多分そんなに問題は生じないと思うんですが、場所によっては地下水が下がる場所が出て、今までわいていたはずの地下水がとまってしまうところが出たりとかですね。魚が遡上するところですと、やはり魚の遡上がとめられてしまったりとかということが起こりますので、そういう意味で書かせていただきました。

○安間委員
 次に、20ページの「風力発電の利点と問題点」というところの、よく言われていますが、高周波と低周波の影響ですね。それから日照変動。そこのあたりなんですが、特に低周波等はいろいろ反対運動もあります。携帯電話でもそういう話が出ていますが。今、国のほうも実証実験的にいろいろデータを出しているようでありますが、先生から見て今のところどのように感じられているか、その点をちょっと参考にお伺いしたいんですが。

○松尾廣伸氏
 まずお断りしないといけないんですが、私自身は風力を直接やっておりませんので、非常に伝聞で、正確なことが申し上げられない状況です。その上であえて発言させていただくとすると、低周波振動については、実際、振動は起こっていると思います。風力発電の近くに行きますと、高周波は当然風切り音で気になります。低周波振動は、多分そこに行ってそのときだけであれば大した問題ではないと思うんですが、例えば近くに住まわれている方にとってはやはり深刻な問題だと思います。それを防ぐには、やはり住居がある地域から離して設置するしか方法はないと思います。それ以外の解決策というのは、正直私は見つけられておりません。
 だから洋上風力という話になるんだと思いますが、多分、洋上風力は洋上風力で漁業権の問題が絡んだりとかということで、いろいろ解決するのには幾つかの問題点がまた別に存在してくるのかなと思っております。済みません、余りお答えになっておりませんが。

○安間委員
 私は磐田市選出ですが、磐田市にも天竜川の河口に5つぐらいあります。設置のときにまだ合併をしてなかったんですが、いろいろ相談も受けました。「騒音とかうるさいや」とか、そういう話をちょっとこのごろ言われているもんですから、推進するについては、県としてもいろいろそういうことも考慮して推進しなきゃいけないかなというふうに思ったものですから、ちょっとお伺いをさせいていただきました。
 次に、28ページの「太陽熱利用の利点と問題点」です。これもちょっと技術的なものですが、「吸収式では冷房も可能」ということでありましたが、ここら辺の技術的なことをちょっと教えていただきたいということ。それとやっぱり設備費的にどうかという点。同じく壁面空気式集熱についても、技術的な点と設備的にどうかということ。そこら辺を参考に教えていただきたいと思います。

○松尾廣伸氏
 吸収式につきましては、先ほど御説明した太陽熱冷房の話と同じ話でございますので、そちらは先ほどと同じお答えということで省略させていただきます。
壁面の空気式の集熱暖房機というのがございます。世界的にはカナダのコンサーバル社のソーラーウォールというパネルがほぼ世界標準といっていいものだと思いますが、それだけでなくて各国、そして国内でもたしか5社から発売されていると思います。非常に効率がいいものでございまして、我々のところの実験でも、2月とかでも陽が照っている日であれば80度ぐらいの空気温度まで容易に上げることができます。実は逆に問題点もありまして、国内の某大手メーカーさんなんですが、温度が上がり過ぎることを十分承知されずに発売されたりしてましたので、裏側の断熱材が溶けるというような事例も起きたりしております。それは具体的には我々の大学で起きたんですが、そういうことを十分知らずに設置されている事例があったりして、問題が起こる可能性もなくはないです。ただ費用対効果では非常にいいものでして、通常の場合は数年でもとがとれるレベルでございます。国内、特にこの地域であればなお一層。特に晴れている日のほうが冷えたりとかしますので、冬場。そういう意味でもプラスに機能するものと思っております。
 
○安間委員
 ありがとうございます。次に36ページの温泉発電といいますか、地熱発電です。あれはドイツだったか、地域を上げてというか、地域、エリアでやってまして大変成果を上げていると。そこはもとの市長さんが、市長のときに国からの補助金を引き出して、今自分が責任者でやっているというところを見させていただいたんです。あれは、地下2,000メートルから3,000メートルだったでしょうか。ということになると、日本でもどこででもでできるじゃないかという話でした。当然、掘削といいますか、それをやるのにお金がかかったけどというようなことなんですが。そういうことで、これはやっぱりこの静岡でも、別に温泉地帯じゃなくても平たんなところでも、どこでもそれだけ掘ればかなりの地熱はあるからできるじゃないかというように私どもは推測されるんですが、先生から見てそれはどうなんでしょうか。

○松尾廣伸氏
 確かにそのとおりだと思いますし、そういう意味でも日本の地中熱利用はおくれていると思います。ただ日本の今までの掘削費とかを見てますと、ヨーロッパとかアメリカとかの事例と比べてはるかに高い金額になっているというのがありまして、それが多分そういう利用を一層妨げてしまっているということなんだろうと思っております。そこら辺が解決されて、安価に深くまで掘れて熱がとれるよというお話になると話は相当変わりまして、もう少しいろいろなものが回っていくような状況ができるのかなというふうには思います。

○安間委員
 ありがとうございます。もう1つ、2つお願いします。
 51ページにある運輸部門の自動車のガソリンの関連になるんですが、私は先日ブラジルも行かさせていただいて、大規模なサトウキビ工場を見させていただいたんです。日本でも菜の花からとか、エタノールをいろいろやってますが、日本の規模じゃやっぱり採算がとれないかなと。ブラジルは、もう80%の自動車がエタノールで走っていますと。もう本当にそれは感心したわけでありますが、日本ですと、もう幾ら実証実験的にやってもやっぱり規模的に私は難しいかなと思いますが、先生から見てどういうふうに思いますかね。

○松尾廣伸氏
 例えばバイオエタノールに完全移行するみたいな話は、正直難しいと思います。ただE3とか混合型で使うのであれば、何も無理はないと思います。ガソリンに対して3%なり10%なり混合するという格好であれば、活路はあるものと思います。ただブラジルのように大量生産にはやはりちょっと向いてないと思いますので、そこはなかなかハードルが高いところだとは思っております。

○安間委員
 最後ですが、私どももそれぞれの研究開発のところの助成といいますか、補助を出してもっとどんどん研究をやってもらいたいなという、そういう思いはあります。ただ一方で、それがどれだけ効果を上げるかということがあるんです。これは私どもからすると、国がもっと積極的にやるべきだというふうに思っていますが、県としてやれるものはやってもらいたいなという思いもあるんです。そこら辺に関しまして、先生の御意見をちょっとひとつお聞かせ願いたいと思います。

○松尾廣伸氏
 言っていいかどうかという問題もあるのかもしれませんけど、やはりそれはもちろん国が率先して進めるべきだと思います。本当の意味で基礎研究や開発というところは、確かにおっしゃられるとおりもっと国が積極的にかかわるところだと思うんですが、県内において、県内の施設やそういう特徴を持った地域で実証的に進める部分への学関係の参画というのを、もう少しうまい格好でされるということは県にとってかなりメリットが出るんではないかなと。ただお金を出して結果を出しなさいというよりは、それぞれの場所に合ったものでうまく連携をして協働で進めるという格好でさせていただくのが、多分利用者にとってプラスになるところではないかなというふうには考えます。

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