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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成29年決算特別委員会産業分科会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:10/31/2017
会派名:ふじのくに県民クラブ


○野崎委員長
 それでは、休憩前に引き続いて分科会を再開します。
 質疑を継続します。
 では、発言を願います。

○阿部委員
 それでは、分割質問方式で質問をさせていただきます。
 なるべく局ごとにまとめていきたいと思いますが、まず管理局からお聞きをしたいと思います。
 平成28年度主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書の11ページ、組合検査課の所管業務の中で、水産業協同組合の検査のうち、政令19条自己資本基準以上を達成できてない一部組合という解説文がありますが、この一部組合とはどこか。
また、それらの組合に対してどのような指導をしたのかお聞きをします。

○大石組合検査課長
 政令では、自己資本の額は組合が持っている固定資産の価額と系統以外への出資金の価額の合計額以上と定められております。平成28年度は県内の29の検査対象組合のうち4組合が未達成となっております。この組合名ですけれども、組合員に提供する総会資料では公開されておりますが、漁協の場合財務内容はディスクローズされておりませんので、ここでは種別についてお答えしたいと思いますが、沿海地区漁協で1つ、業種別漁協で1つ、内水面関連で2つの計4つになっております。
どのような指導を行っているかですけれども、組合検査課におきましては、次回の検査で、改善報告どおりの改善が適切に実施されているかどうかの確認を行っておりまして、改善がされていない場合には再度の指摘をすることになっております。

○阿部委員
 わかりました。
 平成28年度の決算ですので、28年度を総括して、平成29年度に向けて指導をしただけではなくて、組合検査課としてはどういう施策展開を望むという総括をしたのか確認をしておきます。

○大石組合検査課長
 どうしても全体の2割程度は改善されていないことになっております。
その理由としましては、水産業協同組合は小規模で経営基盤が非常に脆弱だということがあります。理事会等が機能していないこと、役員による管理者への指導、そして管理者による担当者への指導ができてなくて内部統制が働いておりませんので、このようなガバナンスの不備とか欠陥、リスク管理上の問題点について、組合に対して指摘することによって改善につながるように努めているところです。

○阿部委員
 明快な答弁ありがとうございました。
 この後水産業局に聞きますが、非常に的を得た総括をされていると思いますので、これが新年度に生きていることを望みますし、また本年度もぜひ平成28年度の指摘事項がどのように改善されていて、また改善されていなければその原因が何なのか徹底的に究明をしていく、また改善を求めていく強い姿勢で臨んでいただくよう要望します。
 関連して、今大石組合検査課長から答弁のあったとおり、組合検査課においては水産業について大変厳しい見方をしていると思います。これは正しいことであり、かつ重いことだと思っています。
本来であれば、水産業局が厳しく指導をするところもあるのでしょうが、担当課ではなくてこうして経済産業部が組織として問題を指摘し、また指導していくのはとてもよいことだと思いますので、新年度以降もそういう経済産業部であっていただきたいと望んでおきます。

 その上で質問をいたしますが、この説明書の11ページから12ページに今私が申し上げた一連の解説がされていますが、その中で非違事実という言葉が出てきます。具体的に平成28年度の非違事実の数と事案、またその背景となった問題点について開示を求めます。答弁を求めます。

○大石組合検査課長
 大まかに水産業協同組合の場合、説明書の10ページに組織制度と財務管理、業務会計で、組織制度が57件、財務管理が40件、業務会計が31件となっております。もう少し細かく申し上げますと、総会とか総代会の運営、あと付議事項など18件ありました。
 執行体制が、内部牽制などの指摘が25件、職制規程等の諸規程に関するものが8件ございます。
 財務管理に関しましては、先ほどお話に出ました政令基準の誤りは4つの組合が該当しますが、全ての組合では検査は行っておりませんので、2つ指摘がございました。あと固定化等不良債権化しているものの指摘が14件、退職給付引当金の不足、業務報告書などに記載する注記表の誤りなどを含めて14件ございました。
 事業運営につきましては、主な販売事業、購買事業などの事業の規程と実態が相違しているものがございまして、これを含めて全部で128件の指摘になっております。

○阿部委員
 ぼろぼろですね。非常にひどいと感じます。その件に関しては、この後また水産業局の中でも質問しますが、組合検査課に対して最後の質問は、今のぼろぼろの問題点に対して指摘をして、問題があった内容をちゃんと理解し、平成28年度中に改善への取り組みのアクションを起こした組合がどの程度あったのか確認をしたいと思います。細かな数字じゃなくていいです。何割ぐらいはアクションを起こせていて、何割が起こせていませんという答弁で結構です。

○大石組合検査課長
 これにつきましては、検査の指摘をした後に検査書と一緒に改善報告書を指導部局であります水産振興課が出しております。これによって指摘の起きた事実認識ですとか、その誤りが起きた原因、背景、あと改善策について記載して水産業局に提出することになりますので、それによって改善は把握しておりますが、組合検査課としては特にどのぐらいが改善されているかまでは把握しておりません。

○阿部委員
 はい、ありがとうございました。
 それでは、関連して水産業局に移ります。
早速、今の大石組合検査課長の答弁に関して、水産業局として所管課がまたがるかもしれませんが、平成28年度中の組合検査課の指導に対しての改善のアクションがあったかどうかお聞きをします。

○中平水産業局長
 この128件の具体的な個々の取り組みについて、それぞれどのような改善があったのかを私は一つ一つ把握をしておりませんけれども、当局内、水産振興課金融班が組合検査課と連携をとりながら、それぞれ指摘のあった事項について、今大石組合検査課長からも答弁ございましたように、一つ一つ改善に向けて当該組合と調整を図りながら改善を行っていきたいと認識しております。

○阿部委員
 わかりました。中平水産業局長は昨年も水産業局長です。また水産業局に関して、瀬水産振興課長、森水産資源課長、それぞれ異動されておられません。なので、これもちろん全庁に言えることですが、決算の大切なことは決算をして指摘、問題点が浮き彫りになった、それに対して新年度どういう対策をとっているかが非常に重要になります。これもまた常任委員会の中でお聞きをしたいと思いますが、しっかりと対応をしていただきたい、決算を生かしていただきたいと思います。意見として申し上げます。

 それでは、今から水産業局への質問を重ねてします。
質問の趣旨の共通認識を持つのに少しだけ所見を述べさせていただきますが、日本の漁業を見渡したときに、もう日本の漁業は世界の中で漁業後進国になり下がっていると認識をしています。これ原因は明確で、1つはよくいう資源の減少で、もう1つは魚をとる力、船が老朽化したとか、船が小さいとか、漁業者が高齢化をしているというようなことで魚をとる力が衰退してる。この2つだと認識をしています。
 例えば、わかりやすく言うと、ことしサンマが不漁でありますが、他国に公海上でとられちゃってるもんだから、これは公海上での漁業に日本国の漁業全体が出おくれたせいだと。日本近海へ寄ってくるサンマが少なくなってしまっていることに象徴されていると私は思っています。
 ここから質問の趣旨に入るための現状認識ですが、県の施策全体が――国の施策全体かもしれませんが――漁師の皆さんの目先の生活の保護に走り過ぎていて、資源保護を置き去りにしていないか、それが1つ。
 もう1つは、国際情勢を含めて船のあり方とか経営規模の見直しとか、先ほどの組合検査課の指摘があったようにガバナンスの問題、それから資源保護、そういう中長期戦略が立てられてこなかったことにあると思います。
 そういう認識の中で今から質問させていただきますので、よろしくお願いします。
 まず、この説明書の139ページ、魅力ある漁業を営む経営体の育成、漁協の組織強化について関連してお聞きをしたいと思うんですが、今漁協を再編しようとされていますけれど、漁協を再編して何をしようとしたのかお伺いをしたいと思います。
 あわせて、再編するだけじゃなくて、経営合理化が目に見えるものでないとだめだと感じていますが、それに関して平成28年度どのような施策を講じたかお聞きをします。

○瀬水産振興課長
 漁協の組織強化についてお答えをいたします。
 漁協は、資源管理、市場運営を通じまして漁業者の収入確保のかなめとなっております。合併等により、これらの取り組みを強化することを現在推進しているところでございます。先ほどもお話がありましたけれども、余り経営のよくない要改善漁協等に対しましては、県域の再編協議会が指導に当たりまして、現在改善をしているところでございます。

○阿部委員
 わかりました。ぜひ新年度の施策でそこをチェックしたいと思います。

 次の質問に入ります。
 説明書141ページに、本県の漁業生産量は20万トン前後で推移、シェアは4.5%と記載されていますが、私が問題にしているのはこの量ではなくて内容。本来ならばとるべきでないサイズの魚までとってしまって、それがこの20トン前後に入ってしまっていることに関して危惧をしています。県庁の中にいて数字だけ追っていると20万トン前後で変わってない認識でいるかもしれませんが、現場で実際揚がってくる魚について、昨年度それ以前の話も含めて比較をして、どのような認識でおられるのかお聞きをします。

○瀬水産振興課長
 漁獲量に関しましては、昭和50年代から比べて半減してきたわけです。
8番委員御指摘の魚の内容につきましては、例えばサバで申し上げますと非常に小型化している。マサバの資源はある程度増加をしてまいりましたが、数は多いけれども非常に利用しにくい、30センチくらいの魚が今非常に多くなっている状況でございます。

○阿部委員
 わかりました。
 そこが重要で、そういう数字でこの決算書だと数字だけで変化がないから大丈夫だという判断になってしまったら、冒頭で申し上げたように中長期の計画が全くできてないことになります。
これ今後、来年以降、今指摘したようなことを問題点だと認識するのであれば、決算書での報告の仕方もきちんと変更するべきと考えますが、それに関して所見を伺います。

○中平水産業局長
 今の指摘は、非常に重要だと考えております。例えば漁協経営に関しましては、平成20年から漁協、漁協の連合会の漁連、それから信用事業をやっている信漁連を含めまして、経営改善を10年間かけて長期的な視点、計画を立ててやってまいりました。
 その結果、信漁連については他県に比べて圧倒的に経営改善をしております。漁協についてもこの10年間でかなり改善してきたところです。
 それから、資源管理の部分につきましても、確かに小型化はしていますけれども、全体で資源管理をいかにやっていくのか、資源増殖の部分も含めまして長期計画を立ててやっていますので、まさに8番委員おっしゃるようにしっかり見えていない部分はあると思いますので、来年度以降しっかり見えるような形で、長期的な視点の部分も含めてで改善をしていきたいと考えています。

○阿部委員
 ありがとうございます。
 中平水産業局長の答弁のとおり、改善をしているとすれば、まさにその関連を細かく聞きたいと思ったんですが、説明書143ページ、水産資源対策費ア水産業振興総合推進費Aの中に、資源状態を把握するための市場調査や漁獲量調査等を行い、得られた情報の解析を行ったとありますが、情報の解析によりどのような結論を平成28年度お持ちになったのかお聞きします。

○森水産資源課長
 資源調査につきましては、水産技術研究所を中心に、海面あるいは内水面の調査を行っているところでございます。
 具体的には、キンメダイであるとか資源状態が悪い評価もございますが、資源評価を受けまして、直近ですとウナギが減少しているということで、10月から2月までウナギの禁漁措置をしているところでございます。そういった資源管理に調査をつなげていく形で、これからもやっていきたいと考えております。

○阿部委員
 ありがとうございます。森水産資源課長にお聞きします。
 今の解析結果であるとすれば、平成28年度にそれぞれの漁業者ないしは組合にそれを通達して、具体的な数値も示して協力等求めたのかどうか確認をします。

○森水産資源課長
 県では、漁業者にホームページあるいは説明会を通じて、資源状況を変動も含めて逐一情報を伝えているところでございます。
資源状況に基づき資源管理計画を定めまして、その中で休漁であったり、漁業者が自主的に取り組む形で資源管理を進めているところでございます。

○阿部委員
 わかりました。
 それでは決算なので次の質問に入ります。
 静岡県は、漁業の中で基幹漁業に遠洋漁業と沖合漁業を置いていると思うんですが、この遠洋・沖合漁業に対して平成28年度特に力を入れた支援策について、具体的にお聞きをします。

○瀬水産振興課長
 沿岸・沖合漁業への支援についてお話をいたします。
 沿岸・沖合漁業は、指定漁業と申しまして、国が管理している漁業でございます。したがって国の支援等々はございますけれども、県でもできる限りの支援をしているところでございます。
具体的な例といたしましては、漁業高等学園等々の担い手育成、荷さばき所等々の施設整備について支援をしているところでございます。

○阿部委員
 わかりました。要望を申し上げておきます。
県が基幹漁業と位置づけるのであれば、今の荷さばき所や漁業高等学園の人材育成はとても大切なことでありますが、それ以外にもできる施策が、現場からはニーズとして上がってくるはずです。そういうものにも対応する水産業局であってほしいと要望を申し上げます。

 次の質問に入ります。
遠洋・沖合漁業と沿岸漁業において、さまざまな魚種において資源の食い合いになっていると私は認識しています。これ結局、さっきのサンマのように沖合でとってしまうと沿岸でとれないとか、そういうことでありますが、平成28年度において、特にこの遠洋・沖合漁業と沿岸漁業の食い合いという意味合いで影響のあった魚種があったのかどうか。
あったのであれば、両者の間での話し合いがあったのか。またそれに対して県は何らかの仲立ちをしたのかどうか確認します。

○森水産資源課長
 まき網と沿岸の一本釣りにつきましては、過去から魚種というよりも漁場利用において競合がございました。それで県が仲立ちをする形でずっとやってきたんですが、県内のまき網漁業者の団体と一本釣りの漁業者が平成28年3月に漁場利用に関して協定を結んで漁場利用をお互いに認めてやっていきましょうと、県も積極的に仲立ちする形で協定を締結する形ができました。

○阿部委員
 わかりました。これは大きな問題だと思いますので、ぜひ今後も努力を続けていただきたいと要望します。

 次の質問です。
養殖業に関してですが、養殖業に対する支援策を平成28年度はどのようなものを打ったか。先ほど言うように、漁獲量が減ってしまっている中で魚粉をつくるのとかいろいろ大変になってくると思います。例えばこういうものの技術援助とか、先進事例の紹介等々を行ったのかどうか確認します。

○森水産資源課長
 水産技術研究所が中心になりまして、養殖業者あるいは養殖漁協を対象に疾病対策、あるいは水産医薬品の適正使用について情報提供を行っております。また一方で新しい養殖技術であったり、新疾病に対する情報についても情報提供を行っております。
 8番委員がおっしゃられた餌の関係につきましては、ペルー沖のアンチョビが不漁になったりして魚粉が高騰しているということで、これも水産技術研究所の富士養鱒場で安価な低魚粉を餌として効率的に利用できるニジマスの新品種を作出する研究を現在やっているところで、何年か先には結果が出せるのかなと期待しております。

○阿部委員
 はいわかりました。
 ぜひ、これ多角的にやっていただきたいと思いますので、今後の努力を要望しておきます。

 それから、漁業に関して世界を見ると、最近いわゆるITの参入が非常に進んでいます。これ日本がおくれている部分でありますが、県として昨年度IT産業の巻き込み、また全く違う新しい、いわゆる漁業におけるビジネス経営体を、例えば山口県の萩市などではやっておられる方もいらっしゃいますが、そういう新経営感覚の導入などに関して、県として努力をしたのかどうかお願いします。

○瀬水産振興課長
 8番委員御指摘のとおり、ITの導入は非常に重要だと感じてはおります。しかし今のところ、魚価を上げていく地道な取り組みが重要と考えております。
例を申し上げますと、いとう漁協の定置網で非常にいい魚がとれる。そういう地魚を上手に流通させる筋道、あるいは先ほどお話しした小さなサバを有効活用する技術で支援を差しあげています。
1つつけ足しますと、現在水産技術研究所におきまして、シラスの漁場の共通把握といいますか、どこでどのくらいのシラスがとれたというデータを1つの漁協で共有していただいて、そのデータを見ることによって漁場へ早く行けたり、その日のとり量を決めたり、そういう新しい技術の研究を今進めているところでございます。

○阿部委員
 要望として申し上げます。
 全体を通じてそうですが、ITそれから新経営感覚は先ほどの組合検査課の漁協の実態についても報告があったとおり、今進めざるを得ない状況にあると思いますので、水産業局また経済産業部を挙げて取り組みをお願いしたいと思います。

 最後の水産業局関連の質問にします。
特別会計の沿岸漁業改善資金貸付金について、私は平成20年度以来決算特別委員会でも毎年指摘をしてきていますが、そもそもなぜニーズがないのか、どうすればニーズが生まれるのか。それとも、これは国の法律によってつくっている制度でありますが、もうはっきり言ってただの無駄な制度なのか、明解にお答えをいただきたいと思います。

○瀬水産振興課長
 まず、ニーズが少ない理由でございます。この制度は無利子ですけれども、昨今、金利が非常に低くなってございます。そのために、融資枠ですとか補助残に融資ができる近代化資金に利用が流れていることが1つ。
それから2つ目に、平成28年から国の2分の1補助の制度が実施されまして、そちらに大幅に資金需要が流れている現状がございます。ですので、本資金は需要が少ないと予備費等々にお金が流れまして、利用が低くなるように見えるのが現状でございます。
しかしながら、今後金利の変化とかによって、利用の可能性が十分あると考えております。またセーフティーネット的な考えも持っておりますので、国の指導や制度改正等々を踏まえまして、適正に運営をしてまいりたいと思います。
 今後は、漁協さん、それから漁業種別の会議等にお邪魔して、無利子制度、それから生活改善のメニューもございますとPRして、利用を広めたいと考えております。

○阿部委員
 瀬水産振興課長、苦しい答弁ありがとうございます。8年間同じ答弁を聞いてきた気がしますが、先ほど要望したように、静岡県としてきちんと漁業に関する中長期の計画を立てなきゃだめです。その中にこの特別会計の資金をどう使うか、そういう構想をきちんと入れ込まないと毎年毎年同じ指摘をもらうことになる。
 結論としては、国の法律に決められた制度だからしようがない。それだったらば国にこれは要らないんじゃないですかと、今の日本は財政上困っていますと、そのぐらい意見を申し述べるぐらいの現場感覚がないと静岡県の漁業はいつまでもよくなるとは思えません。そこをきちんと肝に銘じて中長期の計画を立てていただきたい。来年は水産業局よくなったねという決算ができることを期待して水産業局の質問を終わります。

 続いて、農業局の質問に入りますが、畜産に絞ってお聞きをします。
 畜産の関連のうち、説明書195ページ、工事明細の天城育成牧場の部分、これは随意契約で、なおかつ県外企業に随契を出していますが、その理由をお教えいただきたいと思います。

○松永畜産振興課長
 天城育成牧場のバイオマスプラント設備更新工事に係る御質問にお答えいたします。
 このバイオマスプラント設備につきましては、牛の排せつ物に熱を加えまして、急速に堆肥を生産する設備でございます。私どもこの設備更新工事に当たりまして、予定価格を決めるところでこのノウハウを持った県外1社、県内2社の業者から参考見積もりをいただきました。その結果、名古屋市の業者に最低価格の見積もりを提出していただいております。この金額が250万円未満であったことから、地方自治法に基づきまして随意契約をいたしました。

○阿部委員
 わかりました。
 では、次の質問に入ります。
説明書115ページの飼料の生産振興の部分ですが、静岡県内における平成28年度の飼料自給率はどのぐらいあったのでしょうか。
また、具体的に自給率向上のために講じた施策がどのようなものであったのか。
また、耕作放棄地対策や農家に、例えば契約生産をしていただくとか、そのような農家との連携策はあったのかあわせてお聞きをします。

○松永畜産振興課長
 飼料自給率関係の御質問にお答えいたします。
 まず1点目、県内の飼料自給率でございます。飼料自給率といいましてもいろいろな概念がございまして、穀物の飼料はほとんど輸入物でございます。当畜産振興課としましては、国産の牧草の自給率をいかに高めていくかという視点で施策を展開しております。
県内の飼料自給率でございますけれど、牛におけるエネルギー換算での飼料自給率は昨年度28%でございました。
 また、自給率の向上のために講じた施策でございますが、説明書115ページの一番下の表で、できるだけ栄養の高い牧草をつくろうということで、トウモロコシ、ソルガムの不耕起栽培の実証展示、研修会を開催してございます。
 また、県では飼料増産行動会議を畜産関係者とともに年1回開催しておりまして、自給牧草の増産について推進をしているところでございます。
 最後に、耕作放棄地対策の一環として飼料作物をどのように栽培しているかという視点で御説明をしたいと思いますが、耕作放棄地を使った飼料生産につきましては、浜松市の浜名酪農業協同組合が平成19年から近隣の水田あるいは畑であった耕作放棄地を借り受けまして、自給飼料の生産に取り組んでおりまして、例年30ヘクタール前後の飼料作物の作付をいたしております。
 県といたしましては、このような取り組みについて支援をしてまいりたいと考えております。

○阿部委員
 わかりました。
 食料自給率28%ということで、朝霧を中心に大規模な牧場があったり、また牛乳の生産は余り遠いところでやっても流通のこともあるので、小規模な事業者がそれぞれの地域にいていただくことがとても大切だと思います。そういう意味でも、最後に答弁いただいた浜名酪農の例もありますので、自分の課だけではなくて、ほかの課とも連携をして、また県内市町とも連携をして、しっかりとなりわいとしての畜産業が成り立つ形、これも中長期ビジョンをきちんと立てていただきたいと要望して質問を終わります。

 次の質問に入ります。
 森林・林業局は、治山についてだけ絞ってお伺いします。
 御承知のように、近年の気候変動で集中豪雨とか台風の襲来も増加している中で、治山事業の必要性は増していると感じています。
 そこでお聞きをするんですが、まず説明書の136ページ、危険地区未整備箇所の早期かつ効率的な整備のためにほかの所管事業との連携が重要だと考えますけれど、平成28年度は具体的にどのような事業の連携をしたのかお聞きをします。

○尾森林保全課長
 他所管との連携でございます。
特に、所管といいますと、砂防事業との連携が欠かせないと考えております。身近なところでは先週、今週と台風が直撃しておりますけれども、土砂災害の報告が土木事務所、農林事務所から我々のところに上がってまいります。この情報をすぐに共有するところから始めまして、実際ことし4月に下田市高馬で土砂災害がございましたが、いち早く砂防と治山が連携をして、治山が応急対策、砂防が災害関連事業をやる実績も出ております。
 また、毎年、砂防・治山連絡調整会議を開催しておりまして、県の担当部局だけでなく国の河川事務所、森林管理署も参加をしまして、特に住民の視点に立った最適な調整ができるよう努力をしています。

○阿部委員
 わかりました。
事業連携をすることによって、事業がまた早期に進むと思いますので、新年度以降もぜひ心がけていただきたいと思います。

 次の質問です。
治山事業にかかわらず、土木管理関連はそうなんですが、毎年繰り越しが多く見受けられます。原因としては地権者協議と、その原因が明確なものが多いと思うんですが、原因が明確だからこそ、平成28年度はこういう対策を事前に打っておきましょうと講じたのかお聞きしたいと思います。
少し絞って言うと、例えば残土を置くところがないからとまってしまった。それから地権者がわからないからとまってしまったという例がよくあります。それに関して具体的に対策を講じたかどうか確認をします。

○尾森林保全課長
 繰り越しにつきましては、説明書135ページの下段にございますけれども、昨年も事業費20%の繰り越し33カ所しております。この内容につきましては、今8番委員から御説明もありましたが、国の補正であるとか、災害関連事業が5件あって、やむを得ない事情によるものもございます。
 また、県単治山につきましては、当年度における災害対応や緊急対応のために2割程度を10月まで執行留保していることで、発注が2割分は遅くなる事情もございます。
 また、御説明がありましたとおり、用地事業等で繰り越しになる場合が多うございますけれども、これについて治山事業特有の事情もございます。本工事の用地については、工事発注前に用地交渉を終えているわけですけれども、資材搬入路あるいはケーブルクレーンのサイトについては、最適なルートを選定するように、工事発注者と発注後に調整をするのが常でございまして、その際に用地問題が発生する場合が往々にして出てきてしまいます。
 このために、とにかく早期発注に心がけ、発注後は受注者とともに工事の計画を早急に立てる対策をとってまいりたいと思います。

○阿部委員
 今の答弁の中で、発注後に調整するのが慣例   ということでありましたが、そこに工夫ができる余地があるんではないかなと感じました。そういうところを、事前に地籍調査などを進めていれば、地権者がわからなくてかなり苦慮するだろうなという予測はできると思います。また今特にありませんでしたが、残土の処分等々も事前に考えていく準備が必要だと思いますので、それは要望とします。

 最後の質問です。
 この治山工事の中で、先ほど申し上げた工事明細表をチェックしますと、地方自治法施行令の第167条2の1項の8号に該当する不調で随意契約にしたものが5件あります。この原因について最後にお聞きをします。

○尾森林保全課長
 8号不調随契でございますけれども、地方自治法によりまして、最初の入札において最低価格が予定価格を上回っている場合には早急に2回目の入札を行います。この2回目の入札でもまだ最低価格が予定価格を上回っていて、なおかつその差額が予定価格の5%以下である場合は、不調随契、その最低価格者と随意契約できることになっておりまして、その不調随契で契約した案件が5件あります。
 不調になった原因は、それぞれの事情があろうかと思いますけれども、治山事業の現場条件が非常に厳しいといったこともその1つではないかと考えております。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 今まさに尾森林保全課長がおっしゃったように、治山事業においては現場条件に左右されることがかなりあると思います。予定価格を設定するときに事前にきちんと現場を見ていれば、ある程度そういう設定ができると思いますので、不調で工事がずるずるとおくれていくことがないように、ぜひ平成28年度の知見を生かして、新年度以降不調になるものが1件でも少ないように努力をしていただきたいと要望して質問を終わります。産業革新局と商工業局ができなかったのは非常に残念ですが、また個別でします。以上で終わります。

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