委員会会議録

質問文書

平成25年12月定例会厚生委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	12/13/2013
	会派名：	民主党・ふじのくに県議団

○髙田（泰）委員
　それでは、一問一答方式で質問をさせていただきます。
　まず、先ほど６番委員、８番委員からも質問ありました委員会資料９ページの民生委員の関係です。
　民生委員は各地域で非常に重い役割を持って対応していただいているということで非常にありがたい限りでありますけれども、この民生委員を選出していく、お願いをしていくということが非常に大変な状況になっています。
　その選任の仕組みの中で、この資料にもありますように12月１日に一斉改選をしたということで、要するに12月が起点という形になっているわけですけれども、これは法制度上そういう位置づけがあるのか。国が決めているのか、あるいは県が決めているのか、そこをまず伺います。

○勝山地域福祉課長
　民生委員の改選時期についてでございます。
　これはちょっと古い話になりますけれども、経緯は、昭和28年の民生委員法の一部改正によりまして、全ての委員の任期を当時昭和28年の11月30日までとするように統一が図られました。これを受けてそれ以降、民生委員法で規定されております任期が３年ということと補欠の委員の任期は前任者の残任期間とするということで、全国一斉に３年ごとの12月１日に一斉改選が行われております。

○髙田（泰）委員
　地域でいろいろな役を受けている方というのは、大体がこの年度単位――任期が何年になるかは別として――４月からスタートというのが一般的な公的な役職の任期だと思うんですよね。これに対して、民生委員は任期が12月からであると。
　各地域の中で、実際に民生委員をお願いするのは市町の行政がというよりも、町内会長がその地域の中で欠員、あるいは前任者が任期満了になるからということでお願いをしていく、選任をしていくという形が多いと思うんですよね。そういう中では、選任時期がずれているということによって、なかなか人を選びにくいというのが実態だと強く指摘をされています。やはり民生委員として一生懸命活躍していただけるような方は、地域でもいろんな活動に参画をされて、主体的に取り組んでいただいているような方ですから、ほかの役とのバッティングということもあったりして、選任していく時期ということでは問題が多いと伺っています。
　これは、県でその選任の時期を変えることができないのか、ちょっとお伺いいたします。

○勝山地域福祉課長
　委員御指摘のように、民生委員の候補者の選任手続、あるいは各年度の活動計画の策定、実施などを勘案しますと、通常の自治会活動が始まる４月１日に合わせて民生委員・児童委員も一斉改選を行ったほうがいいのではないかという声も一部聞かれます。
　これに対しまして、厚生労働省が見解を示しておりますので、ちょっと御紹介させていただきます。民生委員活動は、福祉事務所を初めとする関係機関と連携を図りながら住民に対する援助を行っているため、民生委員と行政担当者等が同時期に異動することは支援の継続性に支障が生じるおそれがあり、また住民も４月１日に生活環境が変わることが多いため、住民の生活実態を把握するのにも支障が生じることが考えられる、こういった趣旨が示されております。
　そうは言いましても、民生委員が地元で活動しやすい、選出されやすいようにということ、よりよい環境づくりということも含めまして、市町や関係団体の声を聞いた上で、必要であれば国のほうにそうした働きかけといいますか、広く要請していくことも考えておりますけれども、現段階では先ほども申し上げましたとおり、国の民生委員法に基づいたものですので、県独自で時期を変えるということはちょっと難しい状況にございます。

○髙田（泰）委員
　はい、ありがとうございます。
　ぜひ県内の各市町からも意見を聞いて、そういう要望、意見が強いということであれば、国にもしっかりこうあるべきだという意見を出していただきたいなと思います。

　次に、11ページのねんりんピックよさこい高知2013の件ですけれども、静岡県から多くの方が出場されて立派な成績をおさめられてきたことは、非常にすばらしいことだと思いますし、こういう大会に臨むということが高齢者の生きがいにもなっているんではないのかなと思います。また参加されなかった方にあっても、仲間がこういうところに出場し、それなりの成績とか成果をおさめられているということで、自分もという思いにつながっていくのではないのかなと思います。
　結果的に、いつまでも健康でというみずからの取り組みにつながると思うんですが、このねんりんピックに出場する前段階として、県内でのいろいろな大会とか地域の活動との関係、どのようなつながりがあるのか、そこの仕組みをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○尾上長寿政策課長
　委員の御指摘のとおり、こういったスポーツ活動や美術展を含む文化活動というのは、さまざまな機会に社会と接するということで高齢者の生きがいにつながると考えております。
　今回ねんりんピックの全国大会の出場成績ということでお示ししましたが、この全国大会に行く前の段階としましては、他県では各種競技団体からの推薦という形をとっているところもあると聞いておりますが、本県ではしずおか健康長寿財団などと連携しまして、５月から６月にかけて予選を兼ねたスポーツ大会を開催しております。これには約8,600人の方に参加していただいております。
　また美術展につきましても、応募していただいた中から選考するという形をとっておりまして、６部門で348点の出展をいただいた中でねんりんピックに参加して、今回、厚生労働大臣賞をもらった方がいるということでございます。
　先ほど、仲間がこういう全国大会に出るというのが励みになるのではないかというお話もありましたが、こういう県予選みたいな機会を設けることによって、皆さんが張り合いだとか向上心ですね、お幾つになっても向上心というのはあるかと思いますので、切磋琢磨していただく機会をつくっていきたいなと考えております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　いきなり全国大会の結果がこうだったよということで説明がありましたけれども、各地域、また県の中での取り組みがこういう全国大会につながっていく、そのベースになるところの数の多さが高齢者の生きがいにつながるんだろうと思います。当然それぞれの団体等々がＰＲもされているとは思いますけれども、県としてもＰＲしていっていただきたいなと思います。
　この美術展の中で、もう90歳以上の沼田さんという日本画で最高齢者賞の方は、実は私のすぐ近くにお住まいの方で、ねんりんピックよさこいへ行って最高齢者賞をとってきたということについて、非常に生きがいを持ってＰＲしておりますので、ぜひ底辺から高齢者の生きがいづくりにつなげていただきたいなと思います。

　次に移ります。29ページのひきこもり対策です。
　前回も質問させていただきましたけれども、ひきこもり支援センターを設置していただいて、その後も相談の受け付け、関係する団体等との情報交換等を進めていただいて、それなりの成果が得られてきていると思います。しかし県内にひきこもり状態の方がどれだけいるのかを、まだ正確に把握ができていないのではないかと思います。
　ことし４月からこの支援センターをスタートされて、潜在的なひきこもり状態にある方も含めて、現時点でどういう実態を確認されたのかお伺いします。

○小林精神保健福祉室長
　まず、ひきこもりの実態把握ということでございますけれども、昨年10月末までの相談実績は資料にもありますとおり529件で、既に昨年度の344件を大幅に上回っている状況であります。
　これに基づいての実態ということですけれども、これだけの相談件数がありましても、実際にどのくらいのひきこもりの人数や世帯があるかという実態については、まだまだ把握できていないのが現状であります。
　ちなみに、これまでもお話をさせていただいているかもしれませんけれども、推計では県内で7,000世帯ということです。

○髙田（泰）委員
　以前質問した際も、これらのひきこもりの相談に対して、相談内容によって必要な支援をするよという抽象的なお答えであったので、もっと具体的な対応策を考えていただきたいなと思ったところです。
　その症状等、あるいは家庭内での対応策等、相談に応じて具体的な支援策につなげた事例があるのか、ないのか。もしあればどのような支援、対応をされたのか伺います。

○小林精神保健福祉室長
　ひきこもりに関しての支援につきましては、まず電話で相談を受けまして、次に本人や家族の詳しいお話を聞くために来所していただき、その中で相談を重ねていくわけです。本人は引きこもっている状況にありますので、そうした来所を積み重ねながら、最終的には本人の了解を得て、本人のところに訪問をしていきます。そして訪問をした上で本人の状態がどういう状況なのかということについて、コーディネーターや保健所の職員が確認します。例えば精神的な病気にあるのか、あるいは就労をしたいということであるのか、さまざまな本人の考えもありますのでそこを引き出して、その上で必要な支援につなげていくということで、訪問につなげるところまで時間がかかるという状況であります。実際に訪問に至った事例というのがありますけれども、まず電話で相談を受けて、それから来所していただいて、訪問して本人の事情をお聞きした上で、その本人の希望に添うような支援機関、支援団体を紹介しております。

○髙田（泰）委員
　その訪問につなげた件数というのはどのくらいありますか。

○小林精神保健福祉室長
　訪問にまでつなげたものは、ただいまのところでは６件ほどになっております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　親の会といいますか、「いっぷく会」からも、個々の家庭によってもいろいろ状況は違うということはお聞きしています。いろんな課題がある中で、そういう団体との情報交換もやっていただいているということではありますけれども、具体的な支援につなげていくというところでは、直接話を聞き、引きこもっている当事者にも接触をしていただき、的確な支援策をとっていただくことが大切です。当然電話で受け、面談をして訪問をというふうな形でステップアップをされるわけですけれども、ぜひ具体的な支援策につなげていただくようお願いをします。

　次に移ります。
　41ページに医薬品等の品質確保対策という説明資料があります。静岡県は医薬品及び医療機器の合計生産額が全国１位だと、それも近年かなり右肩上がりで伸びているということをいろんなところで説明をいただいていますが、この取り組みは健康福祉部としての取り組みということでいいのかどうか、まず教えてください。

○吉野薬事課長
　この生産金額の集計は、薬事課で県内企業から統計数字をいただいて、それを厚生労働省に報告しております。厚生労働省で調整しますので、そのままが数字になりませんけれども、一応もとは私たちのところを通っております。

○髙田（泰）委員
　静岡県では、重要政策としてこの医薬品・医療機器の生産体制を強化していく、これは東部であれば先端医療総合特区の取り組みでもあるわけであって、医薬品の製造会社はベンチャーも含めてかなり多くなってきていると聞いています。医薬品の品質確保対策についても、その製造体制を含め日本一にできるようにしていくことも必要だと思うので、そのバックアップ体制――健康福祉部がどこまでできるか、何とも言えませんけれども――ぜひ主体的に取り組んでいただきたいと思います。
　メーカーの生産体制のバックアップについて、健康福祉部でどのような取り組みができるのか教えてください。

○吉野薬事課長
　製造、生産体制に対しての支援ですけれども、私ども健康福祉部として取り組んでいるところは、医薬品・医療機器とも高い品質のものをつくれるように工場、製造所に対しての指導、支援――実際に工場へ伺って記録や製造現場を見ながら支援をしておるところです。また講習会を開きまして、最新の情報を提供したり、それから医薬品も医療機器も試験検査と言いまして、実際に分析をしたりするものがあります。それにつきましても、環境衛生科学研究所の職員の協力も得まして、実際に実習をして分析技術の向上を図っております。以上です。

○髙田（泰）委員
　これの経済産業部の取り組みと健康福祉部での取り組みについては、連携も含めてすみ分けというのはどこからどこまでなのか。

○山中生活衛生局長
　経済対策になりますとどうしても経済産業部の所管になりますので、工場立地の補助金とか、ファルマバレープロジェクトも中心的には経済産業部が推しております。薬事課長が答弁したとおり、健康福祉部では品質から支援をしていきたい、世界一優秀な製品をつくってほしいと。それを我々査察が保証をして、世界へ送り出す取り組みを行っております。
　例えばピックスという医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキームに基づく査察体制があります。ヨーロッパを中心に世界各国、今44カ国が参加しているんですけれども、そういった面にも日本は参加しております。それに対して静岡県も体制を整え、我々査察官もその資格認定をして世界でも十分通用するような体制をつくっていくことで健康福祉部として応援しておりますので、委員の皆様もぜひ応援していただきたいなと思います。以上でございます。

○髙田（泰）委員
　医薬品・医療機器ということで、ファルマバレーセンターが進めるファルマバレープロジェクトにも大きく関連してきていると思いますが、ファルマバレーセンターの中で健康福祉部がどういう位置づけで動いているのか、そこの確認をお願いしたいと思います。

○山中生活衛生局長
　先ほどは医薬品の生産のほうで言いましたけれども、ファルマバレープロジェクトの中には先進薬を普及させたい、新しい薬をいち早く県民、国民に提供するということで、治験の体制を私たちのほうで整えております。今18の病院でかなりのベッド数を持って、多くの治験を行えるような体制を県内につくっております。それによって、またある意味では創薬の取り組みを我々のほうで責任を持ってやっております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　健康福祉部が余り表面に出ない、裏方役みたいになっているような感じがします。ファルマバレープロジェクト、あるいは先端医療総合特区という形で今進んでいるわけですから、医薬品も日本一になるように、もっと積極的に表面に出てバックアップをやっていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

　続いて静岡がんセンターの関係です。
　静岡がんセンターの今一番の課題は看護師対策で、いかにがんセンターがフルパワーであの施設を運営できるようにしていくかということが課題だと私は考えます。
　あわせて、静岡県民ががんにかかる比率というのが全国と比較してどういう状況にあるかは把握していませんが、２人に１人ががんにかかる時代になってきて、静岡がんセンターの位置づけというのは、県内にあるがん拠点病院とあわせて非常に重要な位置づけになっていると思います。
　その中で、先ほどいただいた資料で全国のがん診療連携拠点病院で院内がん登録、要はがん患者の登録をしたのが、順位からするとがん検の有明病院が8,174人で、２番目が国立がん研究センター中央で6,471人、３番目がこの静岡がんセンターで6,143人ということで、独法化されたがんセンターも含め全国各都道府県にあるがんの専門拠点病院の中でもトップレベルにあると思います。
　しかし、県民が静岡がんセンターで診てもらいたいと思って静岡がんセンターをお願いしても、順番がいっぱいで診てもらえないということもあるので、さらなる機能の拡大ということも近い将来には必要なのかなと思います。局長として、今の静岡がんセンターの規模等も含めて、近い将来どうあるべきか、その辺の考え方についてお伺いをします。

○石野がんセンター局長
　将来と言われますとなかなか難しい問題でございますけれども、現在10年目を迎えて、今、髙田委員からお話いただいたように、ここまで医療者が一丸になって静岡がんセンターを盛り上げて、今のがんセンターになったんだと思っております。
　静岡がんセンターの大きな理念として、１番はがんを上手に治そうということ、２番目は患者・家族を徹底支援するということ、３番目は成長と進化を継続するという３つがございます。
　がんを上手に治すには、やはり最先端の医療機器等を導入していかなければならないということで、近年ではダビンチを導入することによって患者さんの負担を軽減する、治療を受けやすくするということを図っております。
　また、患者・家族を徹底支援する部分においては、よろず相談で昨年は朝日がん大賞をいただいたということ。
　それから成長と進化を遂げるという意味では、やはり医療者の養成に今、力を入れております。
　こういったものが相まって、今の静岡がんセンターの評価につながっていると思っております。
　現在の希望と言われますと、当初615床で始めようとしたところが、まだ二十何床残っておりますので、まずはこの615床、全床開棟することを目標にしていきたいと思っております。
　機能面で言えば、もう既に10年たった機械等が相当ございます。これらについても相当な金額になりますけれども、やはり最先端の機器を入れていきながら、患者さんの負担軽減――体に負担のかからないような治療方法等を研究しながら、センターの機能強化に努めていきたいと考えております。以上でございます。

○髙田（泰）委員
　現状としては、あの施設のフル活用を目指すことが第一義的な取り組みだと思いますし、一方でさらなる機能アップをしていくということでは、マンパワーとより高度な機材を導入していくということも必要だと思います。マンパワーということは、看護師の確保もそうだし、直接治療、研究に携わっていただく医師も必要だと思うんですね。
　きょう報告をいただいたこの抗がん剤、Ｓ―１の開発というか取り組みが、実際の治療に大いに役立つということになるわけですから、こうした事例を積み重ねていただくということも、機能拡大に大きくつながることだと思います。それにはそれなりのレベルの高い医師、研究者を集めるということも必要だと思うので、そういうこともよろしくお願いしたいと思います。

　次に、資料１の15ページの保育所の入所待機児童の関係で質問をします。
　資料等から、県の状況と全国の状況を比較してみますと、平成25年の４月１日の時点で全国では待機児童が２万2741人、静岡県では４月１日時点では519人だけれども、年末に多くなるということで965人と伺いました。４月１日の時点で全国で12位ということですが、６番委員等からも質問がありました潜在的な待機児童が全国では数十万人いると言われています。本県でも４月の519人とか、10月の965人というような数字で見える待機児童以外にも、潜在的な待機児童がかなりいるんじゃないのかなと思います。待機児童がゼロとされている市町の中からも待機ゼロではないよという声も多く聞かれるわけであります。
　改めて、潜在待機児童というのはどういう状況にあるか、どのように認識されているのか、そこをまず伺います。

○望月こども未来課長
　委員御指摘の潜在需要ということでございますが、今、保育所に入所するお子さんたちというのは、御承知のとおり御両親が働きに出ているとか、病気中だとか、祖父母が保育できないという状況のお子さんたちで、法律上は保育に欠ける子と申しています。そういう子供たちに対して、市町のほうで申込書に従って入所措置をするというところで、そこの子たちが入れない状況を待機児童というようにしております。
　待機児童の概念というか、待機児童とするところには幾つかカウントの仕方がございまして、実はフルタイムで働いてなくて、パートの２時間とか３時間なんだけれども預けたいという方だとか、御自宅の近いところにある保育所を特定して入りたいという特定保育所希望とか、あと求職中も当然カウントに入ります。例えばインターネット上でただ１週間に１度見ているような求職の状況だとか、いろんな意味で欠けるというところの判断というのがございまして、そういうのを含めて希望する方という意味で言いますと、ここの潜在需要ということになろうかという認識を持っております。以上です。

○髙田（泰）委員
　はい、ありがとうございます。
　全国でも数十万人いる潜在の待機児童対策も含めて、安倍政権になって、この待機児童を解消していくということで待機児童解消加速化プランが出されました。特に平成25、26年度で20万人の保育を集中的に整備していくよというこのプランの取り組みの中で、静岡県も各市町に案内をし、呼びかけをして各市町からの計画が出されてきていると思いますが、その状況はどうなんでしょうか。

○望月こども未来課長
　国では、今お話のあった待機児童解消加速化プランというのを平成29年度までの５カ年計画で推進しているところでございます。特にプラン前半の緊急集中取り組み期間としまして、平成25年度、平成26年度の２年間について保育所の施設整備等に取り組むということで、市町に対して希望をとって、本県では待機児童がいる10市を中心に全部で13市町が手を挙げて採択されたところでございます。以上です。

○髙田（泰）委員
　待機児童がいるのが10市で、一応数字的には待機児童はないよとなっているところが３市町含まれると、そういうことでよろしいでしょうか。

○望月こども未来課長
　はい、そうでございます。

○髙田（泰）委員
　新しい制度ができたわけですので、ぜひその潜在的な待機児童も含めて改善を進めていただくようにお願いをします。
　横浜市が非常に話題になりました。潜在も含めて待機児童が非常に多く、全国でもワースト何位であったのが、いろんな改善策をとって待機児童ゼロにした。だけれども、しばらくすると市外から横浜市はそういう施策が進んでいるからということで転入があったり、あるいは潜在的な需要が表面に出てきたりということで待機児童の数がふえてきたという事例もありますので、静岡県でこれから取り組む事業が、そういう先まで見た事業になり得るかどうなのか。
　実態と先を見た計画ということが必要だと思うので、これは直接事業を行う市町としっかり連携した情報交換もしながらやらなきゃいけないと思いますが、そのあたりをどのように見て取り組もうとされているのか、改めて伺います。

○望月こども未来課長
　委員御指摘のとおり、私どももこの潜在的な保育ニーズも含めた将来予測を把握するということが大変重要であり、当然それに合わせた計画をやっていかなければいけないと思っております。
　この潜在需要を把握するということにつきまして、県、市町とも子ども・子育て支援法に伴う平成27年度からの５カ年計画を今つくろうとしております。平成27年度から５カ年の保育ニーズ等に対応する計画を今つくろうとしていまして、それに先立って、平成27年度施行に合わせた平成26年度の計画策定のための需要調査というのを今、各市町でやっております。その中で委員御指摘の潜在需要を把握するように市町にお願いしています。
　その市町の需要状況が県に上がってきますので、県ではそこをいろいろ分析、勘案して、市町と調整しながら需要量というのを把握していきたいと思っております。以上です。

○髙田（泰）委員
　箱物整備については、先を見た取り組みということが必要だと思うので、ぜひ潜在的なところまで見込んでお願いをしたいと思います。
　あわせてこの加速化プランの中では、人の整備、保育士の確保ということが支援策としてうたわれていますけれども、厚生労働省が調査をした結果では、平成29年には７万4000人の保育士不足が生じると予測しているということです。
　本県での保育士の確保ということに関しては、どのような取り組みをされるのか伺います。

○望月こども未来課長
　保育士の確保につきましては、先ほどのプランにより箱物の整備を促進しておりますので、御指摘のとおり、受け入れ児童数とあわせた保育士数が必要――人員配置基準というのがございまして、入所させるお子さんの年齢別の数もありますので――それに応じて保育士が必要になります。
　今、3,000人を超える新規の定員増を計画しておりますので、その配置基準にもよりますけれども500人以上が不足する見込みであり、その確保が必要であるという認識を持っております。
　このため、先ほども説明いたしましたが潜在的な保育士――要するに資格を持っていて働いていない方々が２万人ぐらいいらっしゃいますので、その中でアンケートをとりながら掘り起こしを行い、積極的にアプローチをかけながら、将来的な需要を賄うようにしていきたいと思っております。以上です。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　保育士確保では、一方で施設の中の保育士数の要件緩和ということもうたわれています。施設の中の保育士の数が少なくなっていくと、それでなくても発達障害児とかいろいろ問題を抱えた子供さんを保育所で預かるような状況になってきており、現状でも保育士の仕事の幅というのが非常に広くなって大変な仕事をされていると伺っています。保育の質を高めることと、ゆとりある保育を行っていくということも必要だと思うので、保育士数の確保ということは、ある面非常に重要な課題だと思います。
　潜在的な保育士の確保ということだけじゃなくて、新規の新人確保という面ではいかがでしょうか。

○望月こども未来課長
　新規という意味では、保育士の養成校が県内にありまして、養成校の卒業生が870人ほどおります。それからもう１つ、年に１度開催しております試験による保育士資格の取得という方法がありますので、その２方面で新人保育士の確保を今、図っているところでございます。以上です。

○髙田（泰）委員
　保育士確保も非常に重要なことですので、箱物整備とあわせて人の確保についても、ぜひ先を見据えて、５年先にはどういう状況になっているか、そのためには今こうやっていくんだということを明確にした取り組みをお願いします。

　次に、説明資料の15ページに待機児童解消のための取り組みとして利用者支援事業（保育コンシェルジュ）の実施とありますけれども、その内容についてお伺いをします。

○櫻町委員長
　ここでしばらく休憩いたします。
　再開は午後３時５分といたします。

（　休　憩　）

○櫻町委員長
　それでは、休憩前に引き続いて、委員会を再開いたします。
　冒頭、当局より発言を求められております。

○山中生活衛生局長
　先ほど、医薬品等の品質確保の説明の中で、静岡県治験ネットワークの病院数を18と説明いたしましたが、28病院の約１万4000床です。日本でも最大級の治験ネットワークを抱えております。以上でございます。よろしくお願いいたします。

○望月こども未来課長
　保育コンシェルジュ事業の実施状況についてでございます。
　この事業は横浜市が先駆的に単独で実施した事業で、この取り組みを参考にしながら、現在、本県におきましては６市町が保育コンシェルジュとして専任の相談員を配置して実施しているところでございます。保育サービスの利用を希望する保護者に対しての相談、支援が中心になろうかと思います。
　保育コンシェルジュを配置している状況を市町に聞いたところ、相談員たちが保護者に対して時間をかけて丁寧に説明をしたり、相談に応じている。それから施設を紹介するに当たっては、相談員みずからが施設を訪問して具体的な情報をきめ細やかに収集するなど、利用者の立場に立った情報の提供に努めてくれているということで、大変好評であります。
　これに先立って、国においても子ども・子育て支援法に基づき、地域子ども・子育て支援事業の利用者支援事業に該当することから、今、前倒しで市町に説明しており、複数の市町で導入に向けた検討を行っているということでございます。以上でございます。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　ぜひ待機児童ゼロに向けた取り組みをしっかりやっていただくことをお願いして、次の質問に移ります。

　高齢化がどんどん進む中で、施設や病院等に入所したり入院して介護、看護されている方と並行して、自立を求めて家庭内で家族が介護や看護をしているケースがかなりあろうかと思います。
　高齢化が進む中では老老介護ということで、日常時は比較的安定されていても、急変されたりすると看護や介護する側が急には対応し切れなくなるという事情も多々聞いております。
　家庭内での看護、介護の取り組みに対して、制度も含めて県としてどのような支援策、対応策が考えられているのかお伺いします。

○田光介護保険課長
　介護保険制度が施行されましてから、県では保険者である市町への支援とか、介護サービス提供体制の整備、制度の円滑な施行、それから県内への定着に努めてきているところでございます。
　そうした中で、ことしの３月末現在、要介護認定者は14万7000人を超え、このうちサービスを利用されている方が約13万人ということで、非常に多くの方がサービスを利用されている状況になってございます。在宅サービスの利用状況で見ますと、ホームヘルプサービスが制度施行時の約2.5倍、デイサービスが約4.5倍、それからショートステイが約４倍ということで大幅にサービス量が増加している状況でございます。
　多くの県民の方が、介護保険制度が定着する中でサービスを利用して、在宅で生活を続けることができる体制が整備されてきていると考えてございます。
　県としましては、引き続き在宅サービスの拡充を進めるとともに、介護ニーズが増加、多様化する中では、例えば小規模多機能型居宅介護支援事業所とか、24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスとか新しいサービスが追加されてきております。県としましては、さらにそうしたサービスの充実、拡充を進めて、サービスを必要とする方が在宅におきましても必要なサービスが利用できる状況の整備を進めていきたいと考えてございます。そうしたところで、家族の支援についても行っていくと考えております。以上でございます。

○髙田（泰）委員
　時間があまりないですね。
　やっぱりいろいろなサービスを幅広くしていただくことが必要だと思いますが、以前伺った子育て支援の中で、一部の市町ではファミリー・サポート・センターを高齢者にも活用しているということを伺いました。家庭内での課題、高齢者の課題について、ファミリー・サポート・センターをもっと活用できるような形にしてもらったほうがいいんじゃないかと思います。
　この後期アクションプラン（仮称）の中にもファミリー・サポート・センターの拡大ということが189ページにありますが、高齢者への対応に幅を広げるということではいかがでしょうか。

○望月こども未来課長
　委員御指摘のとおり、ファミリー・サポート・センター事業で介護サービスを実施しているところがございまして、袋井市と湖西市の２市がやっております。会員数ですが、平成25年度９月末現在で663人おりまして、そのうち依頼会員が414人、協力会員が293人、依頼・協力の合わさった会員が11人ということで、活動件数としましては1,393件という状況でございます。

○髙田（泰）委員
　じゃあ時間がありませんので要望だけ。
　そうした幅の広い高齢者への支援体制、特に今、家庭内で介護、看護されている高齢者の方、またその家族の大変な思いというところに対して支援を拡大していただくことと、今ある支援策の一つ一つについて、支援を受ける方がこういうものがあるんだよということがわかるような情報提供の徹底をお願いしたいと思いますし、ファミリー・サポート・センターにおける高齢者の支援事業も県内全域につながる取り組みをぜひお願いをして、質問を終わりにいたします。

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