委員会会議録

質問文書

平成21年２月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	03/03/2009
	会派名：	平成２１

○髙田（泰）委員
　私のほうから数点質問をさせていただきたいと思います。
　まず、建設部の職員数のことです。
平成10度年から20年度の11年間で1,154人、15.9％の一般行政職員の削減をして、人件費で615億円の縮減効果があったというふうに県のホームページに掲載をされているわけです。
県の行政改革集中プラン等でコスト削減の一端として職員数を削減し業務の効率化を図るということでは、必要な取り組みでありよくわかることですけども、建設部に関しては県内の道路、橋梁、その他農林関係についても技術的な分野を中心として県土保全ということで相当の仕事量を抱えていると思いますし、また予算的には、この十数年の中で予算枠がどんどん減ってきて、仕事量もそれに応じて若干は少なくなっているかもしれない。それとあわせて、浜松、静岡市の政令市化に伴う業務の移管ということもあって、仕事量も少なくなっているというふうな側面もあると思いますけども、建設部の職員数の削減ということをどういうふうに考えるのか、それから確保をどういうふうに考えるのかという基本的な考え方について伺いたいと思います。

　それから、あわせて建設部は、まさに先ほど言わせていただきましたように、県土保全ということの中で、しっかりした技術で仕事をされているというのが業務の中心になろうかと思うのですけども、ここ５年間ぐらいの――いろんな技術職でも職種がありますから、土木に限定をしてとらえてみますと――私の手元にある資料でも、毎年20人前後の退職者が出て、採用は１けたというふうな資料になっています。平成21年度についても、この集計がいつの時点かちょっとわかりませんので、きょう現在どうなっているかわかりませんけども、出先の機関も含めた土木技術職の退職予定者が33人に対して、新規採用が３名だというふうに資料をいただいたわけです。こういう状況がこの数年続いているように見られるわけです。
政令市への業務移管等も含めて業務の総枠が少なくなっているにしても、新人の教育ということも含めて、これからの静岡県のこの建設部が所管している県土保全という観点から、果たして将来、こういう状況で大丈夫なのかなというような感じがしますので、その辺の考え方についてお伺いをしたいと思います。

　あわせて、ＣＤＰ――静岡県キャリア・ディベロップメント・プログラムというので、技術関係職員の教育制度があるわけですけども、これが有効なのかどうなのか。今建設部の中でどういう扱いになっているのかということ、それから若手職員の中で、これが教育資料としてどのように評価されているのかをちょっとお伺いしたいと思います。

　次に、私は環境に関心がありますので、地球温暖化に対応した洪水対策ということで伺いたいと思います。
37ページの緊急豪雨対策事業、35ページの河川整備基本方針等々も関係がありますけども、異常気象、これはＩＰＣＣ等で予測されていて、今後ますますこの異常気象というのは激しくなるというふうな予想もされておりますし、現にこの二、三年を見ても予想以上のゲリラ豪雨等が発生をしているわけです。温暖化による大雨、台風等々というもの、以前も狩野川台風とか、あるいは七夕豪雨等が発生したわけですけども、それ以上のゲリラ豪雨といいますか、局所的な大雨、予想以上の雨というものが発生をして、実際に東部地区でも災害が発生をしてきているわけです。
　この間も視察で箱根山ろくの復旧状態も見させていただきましたけども、まだまだ予想を超える異常気象、豪雨というものが発生するのではないのかと思います。
そこで、地球温暖化というものに対応した治水対策について、今後どういうふうに取り組んでいかれるのか、考え方をお伺いしたいと思います。

　あわせて、具体的な東部地区のことですけども、黄瀬川ということで限定をして今後の取り組みの仕方についてです。
黄瀬川は先ほど５番委員からの質問にもありましたけれども、上流側は県管理、それから長泉町の寿橋から下は国の管理ということで、国土交通省の沼津河川国道事務所長からの話では、下流からの整備をちゃんとやるべきだというようなお話もいただきました。黄瀬川下流の狩野川との合流点、黄瀬川橋周辺の改修が、なかなか地権者の同意が得られなかったけども、やっと方向が出て、黄瀬川橋のところの河川幅の拡幅もできる方向になったというふうに伺いました。そうすると、そこから国管理の寿橋の間についても、ちゃんと整備をしていただく必要があるのではないかと。特に私の住む本宿地先については、一昨年――おととしになりますか、４号、９号台風で避難勧告も出て、地元で大騒ぎをして、実害はなかったけれども、実際に大勢の皆さんが避難をしたというふうな経験をしました。
国では順次整備をしていきたいと言っていますけども、早期にその対策をとってもらう必要があるということで、長泉町長からも国のほうに要望をし、なおかつ黄瀬川の整備改修既成同盟会のほうでも要望を出しているという状況ですけども、県から国に具体的に指示お願いをして、その方向づけをどうしていかれるか見解を伺いたいと思います。

　それから次に、森林吸収源対策、85ページになろうかと思いますけども、本県の2010年における森林吸収量の目標が110万二酸化炭素トンということで、そのために森の力再生事業を初めとして吸収源対策、要は森林整備を実施していくということです。
本会議の一般質問でも質問させていただきましたけども、木質バイオマスの利用ということからして、家屋の解体廃材とか木材の集材後の廃材ということでは利用促進をするというような答弁もいただきました。
昨日までの質問の中でも、山の切り捨て間伐、それから利用間伐等を促進していくよということですけども、まだまだ山に切り捨てられた林地散材の利用がほとんどされていない。産業部からいただいた数字だと、３％以下の利用率しかないわけですね。ほとんどが山に放置されており、その搬出コストが高いから出せないということなんだけども、やっぱり、山に切り捨てられて残された木質バイオマスというものの活用を図るべきではないのかなというふうに考えるんですけどね。
　今、全国各県の森林組合等が、カーボンオフセットの活用というのをしきりに唱えているんですね。この間の新聞では、兵庫県の森林組合連合会が、森林の二酸化炭素吸収量とか環境価値を算出・認証して、企業へとその環境価値を売るということで、カーボンオフセットのモデル事業に取り組み出したというふうな報道もありました。企業とか実際の環境対策を行うところへと、この森林の吸収量というものを、ある面では環境価値を売ることによって、森林整備に係る費用を捻出をする仕組みづくりというものをつくっていくことが必要だと思うのですね。建設部だけではなかなかできないかもしれないけども、環境局、あるいは産業部と連携をした体制づくりというものをする必要があると思いますけども、その辺の考え方について伺いたいと思います。

　次に、農村環境対策指針、75ページですけども、特に山間部の農村、過疎とか高齢化の進展によって非常に活力が低下して、耕作放棄地とか里山の荒廃というものが進んでいるわけです。それから市街地であっても、なかなかやっぱり農業継承ができないで小規模農地というものが荒れているというふうな状況があります。こうした中で県内各地で農地・水・環境保全向上対策というものが展開されて、地域ぐるみで遊休農地とか水路、農道の保全活動というものが行われているわけです。
いろいろ説明をいただいた農村環境対策指針というものを作成中ということですけども、この指針というものを、その農地・水・環境保全向上対策の取り組みとどういうふうに連携をさせていくのか、またその活用の仕方というものをどうしていくのかをちょっとお伺いしたいと思います。

　５番目として、都市計画道路の見直しについてということで、都市計画決定がされてから相当の期間が経過したにもかかわらず、まだ整備されてない都市計画道路等の存在が非常に多くあるということで、県では平成19年３月に静岡県都市計画道路の必要性再検証ガイドラインの作成をして、各市町村に対して早期見直しを実施するように指導したということです。このガイドラインの具体的な内容と未着手の道路に対する今後の展開について伺いたいと思います。

　最後に、ちょっとローカルな地元の道路整備、橋梁整備について伺いたいと思います。
長泉町元長窪地先の大岡元長窪線で、これ、新東名のアクセス道路になるわけですけども、用地取得が難航しているというふうに伺っています。その進捗状況とどういう課題があるのか、収用計画があるというふうに伺っていますけども、収用委員会事務局長にその辺の状況を伺いたいと思います。

　あわせて、この道路は新東名の供用開始と合わせた供用開始ができないと、いろいろ支障を来すと思いますけども、その辺の見通しを伺いたいと思います。

　清水町地先の件ですけども、西間門新谷線の第４工区は――柿田川橋周辺になりますけども――調査費をつけていただいて、測量発注をされたというふうに伺っています。
調査費をつけていただいた、これも地元の強い切望があって、そういう方向を出していただいて非常にありがたいんですが、町道３号線ということになりますけども、国道１号の渋滞解消、バイパス効果があるということで第３工区を県事業でやっていただいて、第４工区についても何とか県事業でお願いをしたいよという地元のほうの強い要望があるわけです。調査費をつけていただいて県が進めていくということは、方向性としては県事業としてやっていただけるということでいいのか、その辺の判断を伺いたいと思います。

　同様に、柿田川の改修工事は今河川の水害対策を進めてもらっていますけども、５月には完了するというふうに聞いています。三島市側は神社地があって、その神社地に係る道路部分、国道136号までの供用開始がどうなのか、その辺の見通しについて伺います。

　それから最後に、徳倉橋の件、12月の委員会のときにもお伺いしましたけども、徳倉橋は橋脚の耐震化と、それから側道橋の設置ということで方向づけを大分具体化していただきました。
12月の委員会の答弁として、既存の上流側の側道橋――徳倉側の道路整備、下流側の道路整備が今進んでおりますが、3.5メートルの歩道がつくと。既存の上流側の側道橋は1.5メートル幅しかない。そこで、幅が絞られてしまうということで、地元では道路整備に合わせた3.5メートル幅の側道橋にしてほしいよという要望が強いわけですね。
その質問を私は12月にさせていただきましたけども、地元とよく協議をしてというふうな回答でした。その後、私は清水町の関係者にもよく話を聞き、町長、副町長とも協議をして、清水町としては県のほうに強く要望を出しているというふうな回答を得ました。清水町からも何回か陳情をしているということで、沼津土木事務所のほうにも確認をしたところ、そういう要望を強く受けていると。ぜひ3.5メートル幅でしたいというふうな沼津土木事務所の回答も得ているわけですけども、建設部としてのその辺の見解を伺います。以上です。

○岩崎総務監
　私のほうからは、職員の削減と職員の確保の基本的な考え方並びに新人教育の考え方、あわせてＣＤＰ――キャリア・ディベロップメント・プログラムの評価について説明いたします。
　まず、職員の確保についてでございますが、委員御指摘のとおり、県におきましては集中改革プランの中で平成22年４月までに500人の削減と、技術職員も厳しい定数管理が実施されております。
建設部において管理していく技術職員でございますが、土木、農業土木、林業の３職種が主になっております。委員御指摘の平成17年から21年までの退職者は３職種合わせて175人、採用者は55人。土木職は118人がやめ、採用は17人と徐々に職員数を減らしております。これが実態でございます。
しかしながら、技術職員の仕事におきまして、社会や暮らしを支える社会資本整備というものは、県民にとって生活における重要な要素であります。またその維持管理についても必要不可欠なものと考えております。
　これらを担う建設部の技術職員数については、今後の事業量と技術職員の定年退職者数、さらに太田川ダム建設や空港関連工事の進捗状況、政令市への技術支援、派遣等も行っておりますので、その成熟度を勘案しながら適正配置に努めるとともに、業務に必要な定数を確保してまいります。

　続きまして、新人の教育の考え方でございますが、県の若手技術職員についても、技術力の継承というものが課題となっております。
県におきましては現場の上司、先輩からのＯＪＴによる技術研修に加え、今年度、退職した職員を再任用職員として活用し、土木事務所等において現場管理、道路パトロールを現役若手職員とともに実施する体制をとっております。これにより現場職員の負担、仕事量を軽くするとともに、ベテラン職員の長い経験によって培われた技術力、そういうものを技能も含め、若手職員に確実に伝えていくように今進めております。

　キャリア・ディベロップメント・プログラムでございますが、効率的な業務執行というのは当然なんですけれど、限られた人的資源を有効に活用するため、業務の事業分担の見直し、いろいろ工夫を組み合わせながら、業務を進めながらＣＤＰ教育を進めてまいりました。
　今後は、去年設置しました建設技術監理センターが中心となり、いろいろな研修プログラムをつくることによってキャリア・ディベロップメント・プログラム、それがどういうふうに浸透していくか研究しながら、その辺を進めてまいりたいと考えております。

○今井河川砂防局長
　私からは、２点ほど説明をさせていただきます。
　まず１点目は、地球温暖化に対応した治水対策についてでございますが、豪雨に起因します洪水対策としまして、河川改修などの河川整備を着実に進めるとともに、被害の最小化を目指し、地形的な要因等から浸水被害が多発している地域では、豪雨災害対策アクションプランなどに基づきまして、下水道整備や適切な土地利用の誘導などの流域対策に努めるほか、被災前に速やかに避難するための的確な防災情報の提供などを進めているところでございますが、委員からもお話がありましたように、ＩＰＣＣの指摘によりますと、今後は大雨の増加により、堤防の溢水、破堤などの危険性が増大し、これまで整備してきた河川管理施設の安全度が総体的に低下することなどが予想されることから、今後は長期的な視点での気候変動に適応した治水施設の整備も必要であると考えております。
　こうした中、昨年６月に国の社会資本整備審議会におきまして、地球温暖化に伴う気候変化への適応策のあり方について答申されまして、激化する水害のすべてを完全に施設で防御することは難しいことから、犠牲者ゼロなど被害の最小化を目標とし、これまでの河道改修やダム等の整備に加え、増加する降雨に対しましては、雨水貯留浸透施設などの整備など、流域における対策で安全を確保することの重要性が示されたところでございます。
　県といたしましては、国においてこの答申に沿った対策の検討が進められていることから、これらの動向を注視しながら、本県の状況に即し、事業の重点化やハード、ソフトが一体となった対策及び流域での対策を含むような治水方法を重層的に実施するとともに、緊急時の危機管理体制の強化にも努めてまいります。

　次に、黄瀬川の国の管理する区間の整備についてでございますが、黄瀬川は狩野川の合流点から寿橋までが国の管理区間になってございます。
その区間についての具体的な河川工事や河川の維持等を定める河川整備計画というものが平成17年に定めてございまして、その計画に基づきまして、現在国のほうにおいて狩野川の合流点の部分の工事をやっておるわけでございますが、それが終わり次第、またその上流のほうへ進んでいくと思いますし、また促進するように国へ働きかけてまいりたいと思っております。

○増田森林計画室長
　森林整備とカーボンオフセットの取り組みについて、県はどのように考えているかということですけれども、現在森林整備によるＣＯ₂の吸収量の認定をしている自治体は県では13県ございます。そのうちカーボンオフセットまで踏み込んでいるところは、高知県、岐阜県、新潟県の３県にとどまっております。
　また、市の段階でも、静岡市では今年度、低炭素地域・国土形成推進調査ということで、ＣＯ₂の地産地消モデルの取り組みについて検討しております。
　県では、県民部の環境局が中心にやっておりますが、今年度事業でもって環境局の外部団体の緑化推進協会のほうが、カーボンオフセットについての調査を実施しております。平成21年３月にその結果が出てきますけども、先ほど言った各県の実態等の取り組み状況、それから環境省が昨年11月にＪ－ＶＥＲというカーボンオフセットの制度をつくりましたけども、それの状況、それから静岡県が取り組む場合にどんな問題点があるかということの整理をやることになっております。
いずれにしても、企業が受け入れやすい格好での制度設計をしなければなりませんので、県民部を中心に産業部とともに検討していきたいと考えています。
　それから、先ほど林地残材の利用率が３％以下、2.6％という数字が産業部の資料にあると思うのですけども、これはチップとして利用しているのが2.6％で、間伐材の利用としてうちのほうで把握しているところでは、昨年だと20万4000本くらい木を切ってて、そのうち利用しているのが７万4000本ありますので、間伐材としての利用率は36％でございます。

○小松農地計画室長
　静岡県農村環境対策指針と農地・水・環境保全向上対策との連携、そして本指針の活用の今後についてお答えいたします。
　従来、本指針は整備に視点を置いていましたが、管理の視点を追加してございます。農村資源であります農地、水辺、そして農村景観、さらには農村コミュニティ、こういった農村資源を今後とも農業生産活動の中で、県民、農業者、そして行政、こういった多様な主体がかかわって、公共財として管理していってほしいと、こういった道筋を示したものでありまして、まさに今取り組まれております農地・水・環境保全向上対策活動の理想的な姿、道筋を示す指針であると考えております。
　こうしたことから、その活動の中には人材が必要であります。また、活動の枠組みといったものも整備していく必要があります。
　さらには、地域の発意、そして新しい資源を発掘するような力、こういったものもこの指針の中でつくっていくことが大事だということをうたってございまして、今後、農地・水・環境保全向上対策がさらに力強く、また新しい活動が生まれてくるよう、この指針を説明会等を利用して皆さんにお示しし、そして今ある活動がどうであるかといった検証をしていただき、さらに力強い活動へ取り組んでいただけるよう、活動の中でこの指針を活用していきたいと考えております。

○牧野都市計画室長
　都市計画道路の見直しについて説明いたします。
　県が策定しました静岡県都市計画道路の必要性再検証ガイドラインでございますが、近年の人口減少や市街地拡大の収束など、社会経済状況の変化に対応しまして、都市計画道路の再検証を行うために必要となります基本的な考え方や手順について、統一したものを取りまとめたものでございます。
　その内容でございますが、都市の将来像を踏まえて、都市全体としての道路等の施設の配置や規模、さらに防災とか観光といった観点からの検討も行って、関係する住民の方々との合意形成を図った上で見直しが行われるように手順を決めたものでございます。
　また、都市計画の案をつくるもとでございます各市町が、この検証作業を行うということを基本としております。そのために市や町が、それぞれの都市の状況に応じまして、検証に関する実施細目を定めた上で進めていくものというふうにしております。
　県といたしましては、特に長期未着手の道路につきましては、計画された時点と現在とで状況の違いがあるであろうその違いをよく検証した上で、現在においてもその道路が必要であるのかどうか、それを明らかにしなければいけないと考えております。
　そうしたことから、早期に都市計画道路の必要性が検証されて、見直しがされるよう、市や町に対して指導助言を行っているところでございます。

○大野収用委員会事務局長
　県道大岡元長窪線の件に関してお答えをいたします。
　私どもの説明資料４ページに、今後裁決申請が見込まれる案件ということで掲載させていただきましたが、これに関しましては所管をいたします沼津土木事務所、それから公共用地室、こちらのほうから早期供用開始に向けて鋭意交渉中であるが、７件の土地について、いろいろ難しい点があるので、事業認定庁であります中部地方整備局と事業認定申請の手続に向けて、いろいろ調整をしているという報告を受けておりますので、掲載をさせていただいた次第でございます。
　対立点といいますか、交渉がうまくいかない理由といたしましては、土地についてそれぞれ異なりますけれども、私ども聞いておりますのは地権者の方に事業反対の御意向があるとか、あるいは、林地のような境界標もないようなところで境界について争いがあって、なかなか交渉が進まないであるとか、あるいは地区の共有地のようなところがございまして、昔何か事業があったところの残地のようなことだというふうに承知をしておりますけれども、その共有地の相続手続がされておりませんので、相続人多数ということで非常にその調整に難しさを生じていると、そんなようなことがなかなか交渉が進まない理由だというふうに聞いておるところでございます。
それ以上のことにつきましては起業者でございます公共用地室、あるいは道路関係室にお尋ねをいただければというふうに思っております。

○巻本公共用地室長
　今、大野事務局長のほうから話があったとおりでございまして、進捗状況について数字として少し話をさせていただきます。
　2,680メートルが全体の区間でございます。全体必要面積といたしましては16.8ヘクタールございます。そのうち96％に当たります16ヘクタール余については、既に用地の取得が済んでおります。残っているものが今もありましたけれども15筆、7,500平方メートルほどございます。件数にしましては先ほど７件という話がありましたけれども、共有地で多少人が変わっている部分があるもので、８件ということで公共用地室としては把握しております。
　契約できないものについては今お話にあったように、その土地の境をめぐるトラブルと、あと相続登記がされていないということでございます。
　33名の共有地なんですけれども、大部分は相続関係人が固まってはきたんですけれども、実は、明治に亡くなられた方、この方の戸籍がもう見えないと。戸籍というか除籍になると思うんですけれども、そういうことで今、その関係人が全部追えないという状況になっております。
　そのほかにも未登記の方がいらっしゃるんですけれども、トータル的に今397名、そこまでは把握できたんだけれども、今言ったように、わからないところにあるもので、非常に困難であろうなというふうに考えております。
　もう１点つけ加えさせていただきますと、境界でのトラブルになっているところ、そこのところの所有者の方が実は病気で入院されております。県としては御家族の方に交渉をやらせてくださいということでお願いしているんですけれども、なかなかそこが難しいという状況でございます。
　あとの手続といたしましては、やはりこういったものについては用地交渉、任意交渉が一番ベストであるんですけれども、非常に難しいであろうということで、事業認定の手続を今進めているという状況でございます。

○鈴木街路整備室長
　都市計画道路の西間門新谷線の整備についてお答えをいたします。
　この路線につきましては香貫大橋側から、県といたしましても順次事業を進めているところでございまして、現在事業中の３工区、これが平成21年度の前半には供用開始ということになりますものですから、これと間を置かずに、お尋ねの次の４工区に着手していきたいということで、本年度調査費をつけ、測量、設計等を今進めているところでございます。そういうことで４工区につきましては県が事業を実施してまいります。平成21年度には事業認可を取るべく関係機関との調整、地元との話し合い等を行っていきたいというふうに考えております。

　それから、もう１つ、三島側までの供用開始の見通しでございますけれども、この路線につきましては、ちょうど中間を交差いたします県道の下土狩徳倉沼津港線、ここまでにつきましては今後、事業の方向づけはできておりますが、しかしここから東、国道136号までの間の1.3キロほどございますが、この間につきましてはまだ事業主体、事業方法等が未整理なところがございますので、今後、清水町それから三島市、県の３者でもって協議の場を設け、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

○谷委員長
　ここでしばらく休憩いたします。
　再開は、午後１時30分とします。
(　休　憩　)
　休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
　質疑等を継続します。
　では、発言願います。

○梅田道路整備室長
　新東名高速道路の仮称長泉―沼津インターチェンジにアクセスいたします大岡元長窪線の整備目標についてでございますけれども、県道足高三枚橋線から国道246号までのバイパスによる整備を進めております約2.7キロメートル区間のうち、インターチェンジから北側の約1.2キロメートルにつきましては、県道側から0.3キロメートルにつきましては既に供用をしておりまして、残る0.9キロメートルにつきましても既に用地の取得を完了いたしまして、現在整備を進めているところでございます。
　南側の約1.5キロメートルにつきましては、用地が取得できた区間のうち国道246号側の0.45キロメートル区間につきまして整備に着手しておりまして、新東名高速道路の供用時期が平成24年度内に完成というふうに公表されておりますが、これに合わせた供用を目指し、整備を進めてまいります。

○日吉道路保全室長
　徳倉橋の側道橋整備についてお答えいたします。
　徳倉橋の側道橋については、河川協議に向けた国土交通省沼津河川国道事務所との事前の協議と、それに必要な調査を行っております。今後、河川協議と徳倉橋北側の自歩道整備事業の進捗状況を見ながら、徳倉橋下流側への幅員約3.5メートルの歩道橋建設について、着手時期を検討していきたいと考えております。また、上流側の既設側道橋の拡幅につきましては、今後検討していきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　少しまだ残っていますので、簡潔に再質問したいと思います。
　建設部の職員数の件ですけれども、特に技術職員に関しては、各土木事務所等出先の職員の関係について、やっぱりかなり遅い時間まで一生懸命仕事をされているという実態がありますし、先ほどの御答弁の中でも、その事業の内容とか退職者数等勘案をして採用を決めていくというような御答弁もいただきました。
私も企業の中で技術側の社員として長年やってきたんだけれども、その企業としても、そのときの景気の状態だとか退職者数だとかということで、年によって大きく採用者数が多くなったり少なくなったりということが、どうしても起こるわけです。そして、その弊害が数年たって、いろいろ出てくるというのが実態であって、これ、どういう職種であっても同じような課題があろうかと思いますが、特に技術職に関しては、例えば今回の空港建設に伴う測量の問題についても、ある面では技術職員がかかわってきたということもあろうかと思います。
やっぱり与えられた仕事をしっかりこなすということ、行政の仕事というのは、この静岡県を抱えているということで非常に重要なことがあるわけですから、余り人数を少なくすることだけを目標として進めて、単なるコストということだけに目を向けてしまうと、結果として、その負担が余りにも大きくなり、いろいろミスも犯しやすくなる可能性もあるので、そこもちゃんと見きわめた中で、若手の職員を教育してもらいながら採用計画を立てていただきたいと思います。これは要望です。ぜひそういう広い目を持って、技術職員を育てていただきたいと思います。

　それから、地球温暖化に対応した治水対策というところで、雨水浸透升を設置するとか面的整備を進めていきたいということです。
そういうことで考えますと、ある面で農地の保全ということも非常に重要なことだと思うんですね。洪水対策に農地が非常に寄与しているということもあろうかと思うんですね。ですから特に、中山間地域の農地とか、あるいは市街地の農地とかというところも、ちゃんと整備をしていくという姿勢やその支援策ということも必要だと思います。これも要望で構いませんけれども、しっかりそこも見きわめて、河川の整備だけじゃなくて上流域、面的な整備計画というものを、しっかり方向づけをお願いしたいと思います。
　あわせて、黄瀬川の寿橋から下流域の整備、国土交通省の30年間の整備計画というのは承知していますけれども、実際に避難勧告をたびたび発生させている地域があるわけですから、早期対策ができるように県のほうからも要請をお願いしたいというふうに思います。
どうしたら整備促進ができるか、もう１度、今井局長にお伺いしたいと思います。

　森林吸収源対策の中で、大きな意味のカーボンオフセットの制度の取り組みについてはわかりました。
けれども、林地残材がかなり山に放置されているというのはやっぱり事実だと思いますので、この林地残材になっている山に放置された木質バイオマスの具体的な活用促進ということで、建設部の中での考え方について伺います。

　それから、都市計画道路の見直しですけれども、いろいろ訴訟問題を起こしたりというふうな事例もありますし、長期未着手の都市計画道路、これに関する早期見直しの体制づくりがどうしたら進められるのか、具体的な見直しの体制づくりということでは、どういう方向で進めていくのか、改めて伺います。

　最後に、道路橋梁整備のところですけれども、まず、西間門新谷線で境川の河川の整備をしているというところを柿田川というふうに言っちゃったようですので、境川の整備のところの状況について、三島市側も含めて改めてちょっと状況をお願いしたいと思います。以上です。

○今井河川砂防局長
　黄瀬川の整備の関係でございますが、黄瀬川は下流から直轄のほうで整備を進めている中で、委員が言われますところの特に、東海道線から御殿場線の間の左岸側に低いところが確かにございます。そういうところの暫定的な整備ということもあり得ると思いますので、国のほうにその旨も伝えて、働きかけてまいりたいと思います。

○増田森林計画室長
　林地残材の利用促進についてですが、建設部森林局では今、その間伐の利用、搬出の促進のために間伐材の搬出奨励事業ということで、１立方メートル当たり2,000円の補助金を出しております。
　もう１つ、林地残材の利用については委員がおっしゃるとおり、その搬出経費の問題がございますので、その辺につきましてはこれから、今やっている列状間伐だとか効率のいい間伐の方法、それから機械を使うこと、高性能機械を使うことによって、今までは河川で運ぶ場合は山のほうで玉切りをして枝を払って材になる部分だけを運び出しをしていたんですけれども、今は高性能のプロセッサとかを使う場合は、全木集材と言いまして上のまで全部、玉切りせずに丸ごと持ってくる方法をとっています。そうすると、いわゆる残材で残る部分も道端まで出てきますので、そういった機械の減価償却を考えた場合も、材として使えるＡ材だとか、曲がり材のあるＢ材だとか、チップに使うＣ材とかありますけれども、Ａ材、Ｂ材、Ｃ材セットで全部回収したほうが搬出経費の削減になることもありますので、そういった機械利用の推進ということも含めて対応していきたいと考えています。

○牧野都市計画室長
　都市計画道路の見直しについてでございます。
　都市計画道路の見直しは先ほども申しましたとおりで、市や町が主体になって進めるということで考えておりますが、県としてもできること、あるいは、やらなければいけないことがあれば、市や町と一緒に県もやっていくというふうな考えでおります。
　何がそういうものに相当するかといいますと、都市計画道路の中には県道としての位置づけのものもございます。県道について、県がその見直しのために必要な基礎データ的な部分、そこの部分での作業をまずやるということが考えられます。
そんなことを県として進めて、市や町が一刻も早く見直しができるようにというふうに考えております。

○鈴木街路整備室長
　西間門新谷線の境川付近の整備についてお答えいたします。
　この境川付近につきましては、ちょうど清水町と三島市の境ということで両市町にまたがっております。清水町側が約220メートル、それから三島市側が220メートル、現在、事業を実施中でございます。
　この部分というのは先ほどちょっと申し上げましたが、県道の下土狩徳倉沼津線とそれから国道136号の間、非常に長い区間がまだ未整備なわけでございますが、その長い区間のちょうど中間に当たります。
全体としては先ほど申し上げましたように、整備の今後の方向がまだ出ていないということではありますが、この境川付近の440メートル区間につきましては県道の三島静浦港線に、この西間門新谷線がちょうどつながるところでありますし、あるいは、この町道の４号線というこの縦線にもつながりますことから非常に、ここだけを整備してもかなり効果があるということで先行して今、市町で整備を進めているところでございます。
　三島市側の国道136号までの区間につきましては、今後まだ整備の方向が定まっておりません。それにつきましては、よく検討してまいりたいと考えております。

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