委員会会議録

質問文書

平成22年２月定例会文教警察委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	奥之山　隆議員
	質疑・質問日：	03/11/2010
	会派名：	自由民主党県議団

○奥之山委員
　時間があればと思いましたが、簡単にさせてもらいたいと思います。
　よく職業に貴賤はないと言いますが、私は学校の先生というのは本当にとうとい職業だと思います。自分が今日振り返ってみても、いい先生に恵まれたなといつもそう思います。
　例えば話のわかる先生、私が小学校５年のときだったかな。あした参観日がある。それで担任の先生は、あした参観日があるよ、後ろにお父さん、お母さんが来るよと。先生は質問するから、本当にわかる人は右手を挙げなさい。わからない人はお父さん、お母さんの手前、手を挙げたい人は左手を挙げなさい。僕は左手を挙げてるんですよ。先生は指してくれないから、帰ったらおふくろが「何で隆はあんなに手を挙げたのに先生は指してくれないんだ」と。指すわけがないですよ。
　ただ、私はこういう先生がいて話のわかる先生だなと。その先生は体育も教えてたんで、今度は放課後に、いたずらでしたし、体育器具室なんかのまあ石灰だらけの小汚いとこをおまえらちょっと掃除しろよと。そういう先生に言われたらしようがないななんて言って掃除をすると、あの当時の食料っていっても余り大したことなくて、今は食育だか何かってしゃらくさいこと言ってますが、学校給食もなければ何もないときです。そういうときに、キャラメル１つだか２つもらっただけでもうれしかったなと思っているわけです。
　遠藤教育長もこれで退職するということですが、私はそういうことで一教師として、それから学校の校長として、そして教育長ということで、ある意味では教員としては上り詰めたというような感じがするわけです。そして、明治５年に学制改革という形の中で――義務化はもっと後なんですが――学校という形で制度として出てきたわけですが、それから比べれば教育条件、環境、施設にしても指導者にしても、いわゆる給食の質も何でもそうだがかなり整ってきて、これだけ整ってますが先進諸国の中を含めて学力が落ちていると。これはどこに原因があるか、今どう考えているかということも含めて。それは後輩の皆さん方も含めて、またある意味で私は教育改革というか、いわゆる教育とは何かという、そういったところへも今踏み込んでやらなきゃいかんのではないかと。条件が整ってるということは満ち足りてるということも言えるわけです。
　昔ＮＨＫの連続ドラマで「おしん」というのがありました。おしんは７歳にして奉公に出され貧乏の中で生活。そして自分は勉強したいけど学校へ行けない。ですから、奉公先の赤ちゃんをおぶって、そこのお嬢様だか何だか忘れましたが、教室で一生懸命勉強しとると。それを窓から子供をしょって見ながら、中にいる生徒よりも外で赤ちゃんを背負って頑張ってたおしんのほうが頭がよくなっちゃう、成功しちゃうと。
　ここに私は向学心というのは、勉強したいというそういう思いがあるからこそ、それを乗り越えて頭がよくなる、勉強するということだと思うんですが、そういう意味で本当に満ち足りた中で果たしてそういう形で頑張るぞということが生まれてくるのかどうなのかということなんかも含めて。いろいろ質問を書いてきましたが、それ１点に絞って教育長が今まで経験されたこと、あるいは今日思ったこと。
　それから富士山の日は、川勝知事にしても遠藤教育長にしてもそうですが、さっき言ったみたいに、本会議、今度の委員会もそうですが、まあぜいたくな議論をしてるなと。富士山をどうするかだなんて、そんなことを言えない県がいっぱいあるわけですよね。そういうことも含めて、休みに至ったことに対して私もそうやみくもに賛成とは思いませんでしたが、本会議の議論でこういうのを決めてると、まあぜいたくな県だなと。ありがたい限りだなということを含めて、これを定着するにはそれをやった当時の教育長として、私は教育長が退職してもライフワークとして富士山をたたえる会の会長として、全県下を歩いてやるぐらいのそういう覚悟でやってもらいたいということも含めて、いろんな意味で今思いのたけを語っていただきたい。そして、頑張られていろんなところで遠藤カラーをつくってきたと私は思いますが、感謝を申し上げまして質問とねぎらいの言葉にしたいとそう思います。以上です。

○遠藤教育長
　本当にどうもいろいろありがとうございました。
　教職40年間、教育界でお世話になりました。16年間数学の教師として教壇に立ちましたが、教師にとって宝物は生徒であるなということを行政に移ったときに本当に感じました。そういう意味においては24年間が教育行政とか管理職という仕事だったわけですけど、宝物を失ったなという気持ちは正直あります。ですが、きょうここにいらっしゃる議員の皆様を初め、うちの幹部もここにそろってますけれども、新しい出会いがあって多くの人たちと知り合えたと。だから新たな宝をまたそこで得られたんだなという意味において、静岡県というのは私みたいな新参者といいますか、よそから来た者をよく教育長までしてくれたなと。そういう意味において静岡県の懐の深さにまた感謝したいなというふうに思います。
　それで学力の低下云々でありますけれども、私はやはり一つ寂しいなと思うのは、皆さんの学歴が大変上がりましたね。社会がやっぱり成熟してきた中で、社会風潮として先生を尊敬するという気持ちがだんだん薄れてきてるんじゃないかなと思うんですね。
　先ほど奥之山委員がおっしゃった当時は、やっぱり先生の言うことならおまわりさんの言うことよりも恐いよっていう感じだったと思うんですね。ところが、そういう機運がだんだんなくなってきてしまったというのは、教師自身の努力不足のところもあるかもわかりませんが、これだけいろんなことの責任が教育界にすべて押しつけられてきていると。そういう中で先生の人数等が十分でない中、やはり多忙化といいますか、自分でまだ磨きたいよ、もっと成長したいよと言っても、なかなかそういう余裕がないということが実態としてあるのかなという気持ちがあります。
　ですので、私自身は教育委員会というのは、先ほど総務課長のほうでも答えましたけれども、やっぱり現場を支えるからこそ教育委員会が意味があるわけですね。教育委員会がああだこうだやれと言うのは、私は全く主客転倒だなというふうに思ってます。私自身やっぱり現場を支えるという強い気持ちで教育行政に取り組んでまいりました。
言いたいことはたくさんありますけど、本当にありがとうございました。

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