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委員会会議録

質問文書

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令和4年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:03/09/2022
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員
 それでは分割質問方式で、まず南アルプスの環境保全と南アルプス財団の活動内容について提言も含めて質問させていただきます。
 近年の登山ブームと自然保全、環境保全は相反する部分があります。そこは御承知だと思いますが、今後南アルプス、富士山もそうですが、静岡県の所管する山岳部のことを考えていくときには、やっぱり観光振興と保全の観点両方のバランスが非常に重要になると考えます。
 山小屋の所管はスポーツ・文化観光部なのでぜひ連携して考えていかなければと思うのが、登山道整備です。登山道は整備の仕方がまずいと自然破壊に直結するので、この登山道整備と維持管理を特にしっかりやらなきゃいけないと思うんですが、近年登山道整備の工法で山の環境や生態系に配慮した近自然工法――近いという字を書いて近自然工法というやり方が各地で導入され始めています。この工法によって生態系が逆に復元されていくこともあるらしいので、お隣の山梨県では北杜市とノース・フェース――これは民間のアウトドアメーカーですけれども――ノース・フェース社それからボランティアの皆さんとかが協働して近自然工法で登山道整備をやり、自然の理解もしていくこともやっています。
 なので、せっかく設立しようとしている財団ですから、南アルプスみらい財団の事業の1つとしてこういうことを県としても民間との協働の取組として考えていくとか、登山道整備も未整備のままでいきなり多くの登山客が押しかけてしまったらそれこそ自然破壊につながってしまうので、まずはそのあたりの考え方を伺いたいと思います。

○田島くらし・環境部理事
 新しく設置する財団につきましては、なるべく関係人口を増やしたいと考えています。ですからそういった企業でありますとか研究者といった方の知見を活用して、広くいろんな取組につなげたいという趣旨です。御提案頂いたような登山道や環境整備に協働して取り組むことを実際にやっていきたいと考えています。

○阿部委員
 ぜひお願いしたいです。南アルプスの場合は静岡市、川根本町、島田市などの自治体とも連携して最初から両立を目指していくんだという理念で走り出さないと、最初が肝心だと思うのでぜひそこはお願いしたいと思います。いろんな事例も今のうちからしっかり調べていただいて、導入していっていただければと思います。

 それから、関連で環境省が国立公園ごとに保全のために事務所を設けています。南アルプスの場合は山梨県の南アルプス市にしかありません。静岡県には出先事務所があるだけです。そうではなくて現場事務所をこの際きちんと置いていただくこととも同時並行でやっていく必要があると思いますが、所見を伺います。

○田島くらし・環境部理事
 県もそうなんですが、財団にしてもやはりいろんなところと連携しながら進めていくのが基本だと考えていますので、御提案頂いたようなことをこれから環境省にもお願いしてまいりたいと考えています。

○阿部委員
 ぜひお願いしたいと思います。富士・箱根・伊豆は箱根にあって沼津にも伊豆にもあったりするので、しっかりと求めていっていただきたいと思います。

 それでは次の質問に入ります。
 片田環境ふれあい課長にぜひお聞きしたいのですが、南アルプスだけでなく静岡県にはいろいろな自然ふれあい公園等々がございます。ウイズコロナ・アフターコロナにおいて、自然との触れ合いとか野外活動へのニーズは確実に増加しています。自然に対する県民の向き合い方の変化も踏まえて、今後の自然ふれあい施設に在り方について、長年この分野に取り組んでこられた課長でいらっしゃいますので、ぜひ思いのたけ、所見を頂きたいと思います。

○片田環境ふれあい課長
 令和2年度から新型コロナ感染拡大もあり、県立森林公園等では宿泊施設である森の家の利用が大きく落ち込んでおります。一方、森林公園の中でも公園部分の散策利用はむしろ増えております。改めて自然との触れ合いや屋外活動のニーズは根強いものだと思っております。特に最近は学校の部活動やこれまでは少なかった40代の家族連れといった新たな利用が増加しています。
 このように、ニーズが多様化、増加している中で民間のアイデアやスピードをさらに発揮できるよう、令和4年度には指定管理者を一本化したところです。今後は宿泊と企業の健康増進プランを組み合わせた新たな森林空間の利用ニーズにも応えられる森林公園にしていきたいと思っています。
 一方、静岡市井川に設置している県民の森も指定管理施設ですが、市街地から2時間以上かかる亜高山帯に近い高い標高に位置する施設です。こちらは誰もが貴重な自然に触れられる、県内ではまれな施設だと思っています。ここは日常を離れた体験ができることもございまして夏休み、新緑あるいは紅葉の時期にキャンプ等で時間をかけて自然に親しむ施設となっています。
 県が管理する自然ふれあい施設の在り方については、一律に計り切れない多様な価値がある反面、管理する中では費用対効果も常に意識して来場者の増加に向けた取組もやっております。利用者の増加を求めるあまり、手を加え過ぎて本来の豊かな自然が失われることがないように貴重な自然を後世に継承していくことも重要だと思っておりますので、今後も大事に管理していきたいと思っています。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 私の地元でもある浜北の森林公園や静岡市の県民の森のこともおっしゃいましたが、それぞれの地域特性があって、県民の森は遠いことを魅力として売り出すことはとても大切な観点だと思います。
 遠いから行かないじゃなくて遠いからいいんだと民間の観光キャンペーンは非常にうまくPRしています。今の時代の多様化とはそういう部分だと思うので、ぜひこの静岡県の豊かな自然の施設の魅力をこれからもPRしていっていただきたいと思いますし、またそういうものを後輩の皆様にも伝えていただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、藤田くらし・環境部参事にお聞きしたいと思います。
 人との関わり、また人の働きかけによって特有の生態系が維持されてきた里地、里山などの身近な自然保全もとても大切なことだと思います。自然の大切さをこのコロナ禍で世界が認識していると思うのですが、そういう中で静岡県が取り組んできた里地、里山の自然保全活動について、今後どのように保全していったらいいのか、ぜひ御所見があればお伺いしたいと思います。

○藤田くらし・環境部参事(自然共生担当)
 里地、里山の保全につきましては、土地所有者だけではなく県民あるいは団体の皆さんが活動に参加していただくことが重要だと思っています。森づくり活動を支援しておりますが、活動団体の状況を見ますとメンバーの固定化あるいは高齢化、それから一般参加者の減少という課題もあって、今後はさらに参加者の拡大を図る必要があると思っています。
 そのような中、世界では生物多様性枠組みの次期目標――ポスト愛知目標と言っておりますけれども、2030年までに陸域及び海域の30%を自然環境保全していこうと議論されておりまして、昨年G7でも合意されたところです。
 我が国もその目標を達成するために、法規制で保護区として設定されているところがありますが、それだけではまだ目標が達成できそうもないので、法だけではなくて民間が自主的に取り組んでいる自然共生エリアを認定しようと、環境省で新たな制度づくりに取り組んでいると聞いております。
 自然共生エリアのイメージとしては、例えば里山林だとか社寺林、それから企業が持っている緑地だとか森林が例示され、来年度以降に新たなモデル地域として認定制度が動くそうですので、国民の中でも身近な自然の関心が高まっていくのではないかと期待しています。
 こうしたことから里地、里山の保全活動が生物多様性の保全にもつながるとPRして県民の参加を呼びかける契機としていきたいと思っています。保全活動に参加することで自分の暮らしと自然との関わり、あるいはSDGsを自分事として考えて実践活動につなげる機会を提供していきたい。加えて森づくり団体の活動が高く評価されることにつながれば、新たな参加者の増加や里山保全活動の活性化にもつなげていきたいと考えています。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 里地、里山のこと、それからまたSDGsにつなげてのお話を頂いてそのとおりだと思いますので、この考えをぜひ静岡県の里地、里山保全のベースとして残していただけますように、お願いしたいと思います。

 次に、竹内政策管理局長兼総務課長に移住のことでお聞きしたいと思います。
 東京一極集中を見直す動きがテレワークの進展等で進んでいます。静岡県は移住地希望の1位になったのですが、一方で総務省が公表している住民基本台帳人口移動報告によると本県は年間で社会移動が約4,000人の転出超過になっています。
 こういう中で、本県でも人口減少対策待ったなしだと思うのですが、県の移住・定住の担当部のいわゆるヘッドクォーターであった竹内政策管理局長兼総務課長としてこれまでの取組を踏まえて、今後県としてどのように取り組んでいったらいいか御所見を伺いたいと思います。

○竹内政策管理局長兼総務課長
 本県は豊かな自然と温暖な気候に恵まれており、移住した方へのアンケート等では海があるから選んだという意見が一番だったと聞いています。一方で、これまで住んだことのない土地に暮らすことは希望や期待もありますが、不安やストレスもあると思うので、重要なのはやはり移住後にその地域にしっかりと溶け込んで生活していけるかだと思います。
 これまでの本県の移住施策は、移住を希望する方に対して住みたい場所を探す情報発信、それから実際に移住を検討する段に進んだ方に対しては寄り添った相談対応、移住に対する不安を解消するための受入れ態勢の充実・強化という3つの柱で進めてきております。実際には本県に移住した方の体験をベースにした動画配信や移住セミナー、移住相談センターでの相談員の親身な対応によって移住者は現在毎年1,000人を超え相談者も1万件を超えている状況です。
 今後は、豊かな自然に引かれて移住された方が本県の生活で幸せを実感して定住していただけることが重要ですので、そのためにはまずやりがいのある仕事であるとか家族との団らんのための住まいであるとか子育て支援、それから教育環境の充実など豊かな暮らしを世代を超えてつながっていけるよう、県と各市町、地域が力を合わせて県全体の魅力をバージョンアップしていくことが求められてくると思います。
 くらし・環境部としては、移住・定住の県庁全体の窓口でありますので誰もが幸せを実感できるライフスタイルを提供できることを本県の新しい魅力として全国に発信していければよいと考えます。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 この移住・定住の各県や地域間競争は、これからも激しくなると思います。静岡県の立地を生かして、一つ一つの施策を実現していけば静岡県は決して負けるものではないと思いますので、それぞれの施策が具現化していくようぜひお力添えを頂きたいと思います。御礼を申し上げてこの質問を終わります。

 次に、市川くらし・環境部長にお聞きします。
 大きなテーマなので部長にお伺いしますが、脱炭素社会に向けた取組について県は先日2030年度までの温室効果ガス排出量を2013年度比で46.6%削減する目標を掲げました。この目標の実現に向けてかなり本気を出していかないと、まさに県民一人一人の意識をしっかりと持っていただかないとなかなか実現が不可能なものだと思います。
 また、本県は製造業中心の産業構造で98%は中小企業ですので、県の支援や意識醸成もポイントになると考えます。県やそれぞれの部署がこうした企業支援や脱炭素社会の実現に向けて取り組むことをやっていますが、各部に横串を通しリーダーシップを取るのがくらし・環境部だと思っています。この脱炭素社会の実現に向けてくらし・環境部を率いる部長としてどのように取り組んでいくお考えか、所見を伺いたいと思います。

○市川くらし・環境部長
 昨年の2月議会におきまして、知事が2050年に脱炭素社会を目指すという宣言をしていただきました。今年度この計画をつくるに当たり、庁内としても生半可なことではできないなとずっと考えておりました。
 既に部長をメンバーとして地球温暖化対策推進本部というものがあり、一応私が本部長でした。ただ全庁的に政策を推進するためには、もう一段高い強力な推進力が必要だということで、今年度から環境局の御担当になった難波副知事にぜひ本部長になってくださいとお願いして、全庁で取り組む体制を4月から整えたところです。
 環境関係の表彰や各団体の協議や御挨拶の際に、全ての皆さんに脱炭素についてお話ししてきましたが、建設関係の企業が、企業が取り組むためには県が脱炭素は非常に重要だということを広く強く言い続けてほしいとおっしゃってました。ですから旗を振り続けることも大切だなと改めて認識したところです。
 その強力な推進本部の下に私どもの新年度予算で国が厚く支援するところは国の制度を使えばいいと思っておりましたけれども、やはり46.6%という、そのコンマ6って何だと思われるかもしれませんが、ここは0.1%でも独自施策を上積みしようという私どものやる気の表れです。
 そのためには、先ほど御質問頂いたた中小企業の5億円しかないとおっしゃいましたけれども、私どもにしてみればないところから5億円をつけました。中小企業の相談に乗ることから始まって、設備改修に5億円です。これは単年度ではなく数年かけて使っていただけるように5億円つけました。
 もう1個は住宅です。やはり生活の中心は住宅にあると思います。特に新築については、国交省が見ない分を何とか確保しました。庁内では国が見ないものまで何で県がやるのかみたいな話も当然あったわけですけれども、そこは0.1でも上積みするために住宅の新築・改修に対する助成もつけました。
 もう1つは、6番委員がおっしゃったように、教育が非常に重要だと思います。水の作文コンクールとか、いろいろな作文を年間表彰しているのですが、本当に小中学生が立派なんです。ぜひ御両親にも伝えていただきたいと思っています。そこで教育のデジタル化で1人1台端末が普及するなら、教育委員会とも相談して環境教育のウェブコンテンツをくらし・環境部で作るから、学校で教育に役立ててくださいという予算もあります。
 クルポの話も御質問頂きましたけれども、一緒に行動してくれる県民や企業を一人でも増やしたいという思いで1年間やってまいりました。そのためには脱炭素について正しく理解していただくことはもちろん大切ですが、理解だけでは行動の変容にまでつながり難いんです。2年間部下に言い続けたのが、理解より一歩先の共感まで伝わるようにしないと人の行動は変えられないと広報も工夫してやってきました。2030年度の46.6%の達成は非常に高いハードルだと思いますが、予算に盛り込んだあらゆる事業とくらし・環境部の職員が一人一人が、ことの大切さと共感を得るよう県民の皆様にお伝えすることで目標を達成してまいりたいと考えております。

○阿部委員
 ありがとうございました。
 2030年は8年後でございます。力強いお言葉でありましたので、8年後に市川くらし・環境部長があのときの委員会で言ったことが実現することを祈念して終わりたいと思います。よろしくお願いします。

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