• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和4年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鳥澤 由克 議員
質疑・質問日:03/10/2022
会派名:自民改革会議


○鳥澤委員
 一問一答方式で、まずはこのたびの原油・飼料の価格高騰緊急対策についてお伺いいたします。
 昨日、農業関係団体の皆様にお会いする機会がございましたが、この緊急対策についてはある意味驚きぐらいの受け止め方をしていただきました。そこまで県民や農業分野に寄り添った形の施策実現をこの短期間で実現したことに対する驚きです。何といっても静岡県農業を支えている今、農業を担う経営体あるいは農業者に対する大変インパクトのある支援策であり、将来的には静岡県が直面する農業の諸課題についても前向きに考えていく1つの切り口、ひいては静岡県農業を守り、また静岡県の自給率を高めていく上でも大変重要な緊急対策だと思っております。
 ただ、昨日5番委員、6番委員からお話がございまして、特に5番委員からは国のセーフティーネット加入を要件とすることに懸念がある、心配があるとのお話がございました。私も同じ思いをしているところです。
 例を挙げますと、施設園芸等燃油高騰対策事業については昨日遠藤農業局長からもお話がございましたように同事業に加入するには15%の省エネ目標の達成があるとのことです。またヒートポンプの導入についても言及されました。確かにその要件は、各農業分野の皆さんに聞くところによると――若い経営体やこれから意欲を持って継続している方たちは別として――目標達成とヒートポンプ導入については困難さが伴っている話を伺っております。確かに、ハウス内環境をよくするために各経営者は二重被覆をしたり、環境制御をしたりと個々に御努力頂いています。価格転嫁ができればいいのですが、なかなか諸設備を整えるのに困難を極めているとのことです。
 特に、収入保険の加入については御存じのように青色申告であることが前提条件であり、今先進的な農業経営体は青色申告が伴っておりますけれども白色申告の比率も多く、加入には掛金が高いとのことであります。
 農業共済組合が行っている補償制度ですが、ハウスは外用物災害被害の保険掛金自体が安いので入りやすいですが、イチゴや花卉などの内容物まで含めますと、その掛金は高いことがございます。
 誰しも安全性を取って入っておくべきだと思ってはいるけれども入れない要因があるわけで、実は農業系の皆様からはそういったセーフティーネットに対し、逆に掛金自体を補助してほしいという声が上がっております。
 産業委員会追加提出案件の概要及び報告事項の8ページに、原油・飼料価格高騰緊急対策の3分野の業態が明示されておりますけれども、セーフティーネットの加入状況を見ると各分野が持つ背景がさまざま浮き彫りになっていると思います。
 そのことを前提に質問に移らさせていただきますけれども、まず緊急対策の想定件数の根拠をそれぞれ伺いたいと思います。

○乾農芸振興課長
 施設園芸――加温ハウスの栽培農家から算定しております。

○吉田畜産振興課長
 業として畜産を営んでいる方を対象としております。

○萩原水産振興課長
 漁船漁業で未加入の漁業者を今後取り組むとして想定しております。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 今回は、四半期――1月、2月、3月分を5月、6月頃に申請を受けるとのことでありますので、全てを拾い上げていけるかどうか分かりませんけれども、なるべく個々の経営体まできめ細かい拾い方をしていただければなと思っております。

 今回、セーフティーネットと一口にくくられておりますけれども、それぞれの分野での事業名をお答え頂きたいと思います。

○乾農芸振興課長
 施設園芸の国の事業名は、施設園芸等燃油高騰対策の中の施設園芸セーフティーネット構築事業となります。

○吉田畜産振興課長
 餌に関しましては、配合飼料価格安定制度です。

○萩原水産振興課長
 漁業分野におきましては、漁業経営セーフティーネット構築事業です。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 今回の緊急対策については、それぞれ御回答を頂いた事業の加入が前提条件であるとのことですが、明確に制度設計されている、あるいは事務処理要領の中にうたわれるということでよろしいでしょうか。

○遠藤農業局長
 国のセーフティーネットに入ることを要件とすることを考えておりますので、そのとおりでございます。

○鳥澤委員
 分かりました。
 今回この短期間の中で制度設計をする上で、明確な基準と道筋の振り分け方が大変重要だと思っております。
 先ほど言ったように、セーフティーネットと一口で言っていますが3つの機関――静岡県農業協同組合中央会、静岡県配合飼料価格安定基金協会、静岡県漁業協同組合連合会に対し、その基準でいくことの明確な説明はどのようにされていくのでしょうか。

○遠藤農業局長
 まず、今この時間に農林事務所に対して説明会をネットで行っております。
 JAグループに対しては、今日理事会があると聞いており、その席上で農協中央会から各農協に説明していただくのが第一段階です。その後は各JAへの説明や品目別のグループごとに説明会を行っていきますので、その都度説明させていただきます。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 セーフティーネットと一口で言っても、それぞれの制度がしっかりと前に行く形で交通整理していただくことが重要です。一部が取り残されることがないように、やっていただきたいです。

 いろいろ制度資金があり、手続に当たってはいろんな提出書類が発生するためなるべく申請書類を分かりやすくしてスムーズな審査が求められますが、書類の簡素化は御検討頂けるのでしょうか。

○遠藤農業局長
 数字をはじかなければいけませんので、使用量は必須になると思いますけれども、その他の部分は最大限簡素化して申請書を作っていきたいと考えております。

○鳥澤委員
 ぜひそうしていただきたいと思います。
 そのことを聞いて安心いたしました。ありがとうございます。
 サポートでJAや漁連の方々が出るかもしれませんけれども、やはり何といっても提出書類が簡略化されてスムーズにいくことが一番です。よろしくお願いしたいと思います。

 今回、突発的な国際状況の変化、またコロナ禍によりウイズコロナ、アフターコロナの線引きがなかなか難しくJAグループの農家の皆さんからは棟数を減らす、経営規模を縮小するといった悲痛な声が聞こえるといった変化があります。
 仮定の話で大変恐縮でございますけれども、来年4月以降にこういった突発的な、あるいは想定外のことが起こったときの支援の道はあるのでしょうか。

○遠藤農業局長
 今回の補正事業においては、国のセーフティーネットに入っていただくことを要件としておりますので、まずその状況を見たいと思います。それをおきましても農家の経営が成り行かないような状況が発生するならば、議会の皆様と意見を合わせながら新たな支援等を考えていく必要があると思っております。

○鳥澤委員
 まさに、その言葉をお待ちしておりました。
 先行きが不透明であり、攻めの農業をする上で不安定感が伴ってくるとなかなか若い人たちが農業に夢を持って参入できませんので、しっかり見定めていただきたいと思っております。

 最終的にこの緊急対策がうまく着地するようにと願っているところですけれども、さっき言ったようにセーフティーネットの加入を要件とした意味はよく分かります。脱炭素社会に向かうとか、経営安定、それぞれの展望を開けて加入率を高めたいとのことです。
 もう一度聞きますけれども、今漁連や農協、畜産関係の協会などにセーフティーネットに入りなさいと説得する、昨日の答弁ではそれぞれの組織と連携しながら加入促進を進めていきたいとのお話だったんですけれども、セーフティーネットの加入を高めるために県としてどのように前向きに行動を取り徹底していくのか教えていただきたいと思います。

○細谷農林水産担当部長
 今回の支援策は、長期的に見ると省エネルギーを進めて原油等の影響を受けにくい経営を将来つくっていくことが大きな政策の視点です。そうしたことも含めて各農林事務所あるいは各指導に当たってくれているJA、漁連の皆さんにも同じ視点を持っていただき、少しでも省エネにつながる取組をお願いする、あわせて足元では県がこういった形で支援することを丁寧に説明しながらやっていきたいと思います。

○鳥澤委員
 細谷農林水産担当部長ありがとうございました。
 確かにおっしゃる意味は十分分かりますし、将来農業を支えていくのは全くそのとおりだと思います。
 ただ、現実的には先ほど申し上げましたようにそれぞれの事業に対するハードルがありますので、加入促進に向け誰もが加入しやすいシステム、制度についての要望をぜひ御検討頂き、静岡県として国の制度設計の中で推し進めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

○細谷農林水産担当部長
 まず、施設園芸セーフティーネット構築事業は3年間で15%の節減計画をつくることが条件になっておりますので、1番委員からお話のあったハードルはこれだと思います。例えば国でもボイラー点検やカーテンの隙間を防ぐといったチェックリストを作っており、それを全部実行すると大体10%ぐらい節減できるマニュアルのようなものを用意して加入促進に当たっていますので、そういった細かいところも含めて進めていきたいと思います。
 それから、冒頭1番委員からお話のあった収入保険もやはりハードルがありますので、こちらについても必要であれば国に要望を上げていきたいと思います。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 伊豆半島の漁協も合併等により統合が進んでおりますけれども、今回の事業において漁業関係の懸念、あるいは意見等がございますか。

○板橋水産・海洋局長
 伊豆半島では、伊豆漁協、伊東漁協の2つが経営統合によって合併いたしました。伊豆半島も含めてセーフティーネットに加入する必要がある、つまり自分の家の目の前で漁業する方々以外については既にそこそこのセーフティーネット加入率を得ておりますが、引き続きこれまで加入していない方に推進していきたいと思っております。
 何がネックになるかについては、例えば省エネ対策についても施設園芸と同様に来年度から国で要件となっていますが、施設園芸と違って15%と厳しいものが課されるところまでは行っておりませんので、ハードルは高くはないのかなと思っております。

○鳥澤委員
 分かりました。
 いずれにしても、それぞれの皆様に御努力頂いた結果今日を迎えておりますので、ぜひこの緊急対策がそれぞれの農業を営む個々の皆さんに寄り添った形で何とか100%近くまで浸透させ、それぞれの事業主体と連携を保ち進めていただきたいと願っておりますのでよろしくお願いいたします。

 次に、こちらも5番委員から話がありましたが繰越明許についてです。産業委員会提出案件及び報告事項の11ページになります。
 農地費は、補正前が49億1300万円、補正後が85億2000万円で、説明に要因が書かれております。確かにコロナウイルスの影響はなかなか判断し切れないところがあります。
 用地補償交渉や関係機関との調整、その他計画、設計に関する諸条件の調整に日時を要したとのことですが、まず農地費は大科目でありますので細目について代表的なものを挙げていただきたいと思います。

○田保農地整備課長
 農地費の繰越事業は、農業水利施設の新設や更新を行う県営基幹農業水利施設機能保全向上対策事業費、農業の生産性や農産物の品質向上を図るため生産基盤の整備を行う県営農業地域生産力強化整備事業費のほか、県営農地・農村防災対策事業費、農村地域整備事業費、東富士演習場地区土地改良事業費など12の事業で構成されており、これらで繰越予算を計上しております。

○鳥澤委員
 御報告ありがとうございました。
 それぞれの事業費の内訳をお伺いしました。
 東富士に係る国庫直轄事業の中には、東富士演習場対策の関係がございますがそれを除き、今申し上げましたコロナの要因以外――用地補償交渉や関係機関との調整、その他例えば個人の所有で相続が絡んで遅れるものはあるのでしょうか。

○田保農地整備課長
 繰越しとなった要因の中で用地補償関係は、1番委員の御指摘のとおり用地買収地の境界確認において未相続等が発生し地権者調整に不測の日数を要したもの、そのほか関係機関の調整では工事に支障となるためNTTや電力会社に移転を要請した電柱施設の工事が遅延したもの、またその他計画、設計に関する諸条件の調整では農道工事などにおいて掘削の結果、当初の想定よりも地盤が軟弱であったため設計変更や対策工事に不測の日数を要したものなどの事例が挙げられます。これらの案件につきましては既に調整が完了しておりますので、早期に完了を見込んでおります。

○鳥澤委員
 御答弁ありがとうございました。
 では、今のを総括すると工事中に分かったことももちろんあるのでしょうけれども、今のところ押しなべて当初計画から大きく逸脱する、あるいは障害が起きていることはないとの御返答でよろしいでしょうか。

○田保農地整備課長
 繰越しとなった予算は早期実行に努め、当初事業計画に影響を与えないよう事業の進捗管理をしてまいります。

○鳥澤委員
 入札不調になった対象事業の内容とその後の経過を教えていただきたいと思います。

○田保農地整備課長
 入札不調に伴う再調整につきましては、地元の合意形成の遅延などにより9月以降の発注になった工事が受注者の業務集中であったり、技術者の確保困難等の理由から契約に至らなかったものです。これらの工事は発注単位を見直すなどの対応をしてきましたけれども、年度内に適正工期確保が困難となった地区については繰越しとしております。
 今後の対策といたしましては、債務負担工事や工事着手日選択型工事の積極的活用により柔軟な工期設定を可能にし、施行時期の平準化に努めてまいりたいと思います。

○鳥澤委員
 特殊な事情による遅延ではないことが分かりましたので細目についてはこれ以上お聞きしませんけれども、執行が極力想定した中で順調に進み、全事業の目標が相関関係の中で達成されますようお願いするところであります。以上であります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp