委員会会議録

質問文書

令和２年９月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	10/02/2020
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○山﨑委員
　それでは一問一答方式でお願いいたします。
　幾つかあるのですが、まず遠州灘海浜公園篠原地区基本計画の策定につきまして、お伺いしていきたいと思います。
まず、見直しの方向性案のスケジュールについて再度確認させていただきたいと思いますが、コロナ禍を受けて基本計画の策定が先に延びることはやむを得ないと思っていますし、また本会議でも知事が答弁をされたように、ある意味絶好の見直し期間ということでしっかりと練り込んでいただければと思っていますが、ただそれがいつまでなのかしっかりさせていただきたいと思います。
　６番委員の質問に対して、内山公園緑地課長から来年に向けて取組を進めていきたいというニュアンスの答弁がありましたけれども、令和３年度にいま一度基本計画策定予算を上げていくことでよろしいでしょうか。

○勝又都市局長
　午前中の回答の中で、来年度という意見が内山公園緑地課長から出ました。私どもは令和２年度に基本計画を策定する予定でした。それがこのような状況で延びてしまった中で、令和３年度に向けて改めて基本計画をつくる予定です。
　予算につきましては、まだ現在頂いている予算がありますので、今後情報収集等の作業、事例調査等いろいろな形で予算を使う状況になりますので、進捗と予算の使い方により検討していきたいと思います。

○山﨑委員
　予算につきましては、財政や議会側とのキャッチボールがありますから確定的なことはもちろん言えないでしょうけれども、来年度策定に向けて歩んでいきたいという心意気だけは感じられた気がしました。
　ただ、時間をかければいいアイデアが生まれるわけでは決してないと思っているんです。今日の答弁でもありましたし、本会議場でも知事から国の新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性、論点整理、国土交通省都市局が出しているものの御紹介がありましたけれども、この辺を見てもほぼありきたりのことしか書いていない感が否めないと思います。幾らこれを待っていてもなかなか前に進まないなと。
　午前中の答弁で内山公園緑地課長が何回も注視するとおっしゃっていて、あまり自分たちのこととして受け止めていないと感じたのですけれども、そんなことないですか。

○戸塚交通基盤部理事（高次都市機能担当）
　まず、スポーツはいろんな方面で人々を元気にして経済的にも大きな影響を与えるので、非常に重要なものだと認識しております。中でも野球につきましてはサッカーと並んだ２大スポーツだと思っています。スポーツをやるには場所がなければならず、県西部には県営の野球場がまだありませんので今後浜松地域に野球場を造っていきたいという強い意志を持っています。
　ただ今回新型コロナがあり、これまで働き方改革が全然進んでいなかったのが一気に進みました。その余波でもないのですが、通信で言えば５Ｇという新しい技術も入り始めた中で、スポーツを見る方法には若干新しい動きが出ています。例えばネットを使ってアバターを現場に置く、あるいはリモートで視聴するといった新たな試みが始まっています。
　ちょうど我々は、新しい時代に向けての曲がり角に立っていると認識しています。その曲がり角を曲がった先にどのような世界が待っているかは、正直言ってよく見えておりません。いろいろな試みが定着していくのか、あるいは一過性の現象として消滅してしまうのか分からないですけれども、とにかく野球場は５番委員もおっしゃったようにこれから50年、100年と使っていく施設ですので、長期的な視点を持って計画をつくって整備していくのが本来あるべき姿だと思っています。将来の姿がどうなるかをしっかりと見た上で計画を立てていきたいと考えております。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　確かに曲がり角の先がどうなっているか分かっていたら本当に苦労のない話であって、皆さんで知恵を絞ってやっていかなきゃいけないと思っているんですけれども、長期的にはそのとおりだと思います。
　ただ、短期的には足下をしっかり見詰めてやるべきことをやっていただきたいと思うんです。午前中の答弁で野球関係団体から意見を聞いて参考にしていきたいとありましたけれども、当然もうやっているものだと思っていました。僕自身も野球関係団体――ソフト、軟式、公式、高野連、その辺の草野球の皆さんといろんな話を聞かせてもらっています。そんなこと当然やっていなきゃいけないのではないのですか。将来のことは分かりませんけれども、目の前のことは分かるんじゃないのですか。そういったことを含めて他人事に聞こえるんです。その姿勢は本当に改めていただきたいと思います。

　観点を変えたいと思いますが、建設委員会説明資料にアフターコロナに対応した次世代型野球場と書かれています。私も足下の声を聞くと同時に先進的な建築物やスタジアムを手がけてきた建築会社の声、あるいはいろいろなデザインについてヒアリングさせてもらったのですけれども、やはり出てくるのはカメラスペースの拡張、映像配信、チケットレス、体温の感知、モバイルオーダー、キャッシュレス、ロボットフリーな施設対応、換気や消毒と大抵これまで聞いたようなことであって、どちらかというとハードじゃなくてソフト対策です。だから規模や形状よりも機能に関してどのようにアフターコロナ対策をとっていくかが中心だと思っています。
　そのような中で少しお伺いしたいのですが、説明資料によると県民の意見を再び聞くとのことですけれども、確かに形状、規模といった駆体をこれまで皆さんに説明してきたものから大きく変えるのであれば、県民の意見を再度聴取すべきで、機能的な面――コロナ対策、換気、ソーシャルディスタンスを意識することなどはわざわざ県民に聞くものではなく、違う段階で聞けばいいと思っています。
県民意見の聴取をどのようにされていくのかもう一度お示しください。

○内山公園緑地課長
　意見聴取の仕方ですけれども、施設の大きさ等が変わる可能性がありますので、コロナ対応の視点や検討した結果で工夫したものを示しつつ御意見を伺いたいと考えています。

○山﨑委員
　確かに、配置計画などが大きく変わるのであればそうだと思います。そもそも基本計画は配置計画や規模を決める計画です。その次の基本設計にいくときにもう少し具体的なことを決めて、さらに実施設計で機能面について聞いていくとのことですから、逆にコロナ対応によるソフト的な対策は実施設計とかで幾らでも変えればいい。
　ところが、私たちは今基本計画に向かって歩んでいる段階であって、重要な配置とか規模に関してもし変わるのであれば聞き直さなきゃいけないけれども、今のお話だと案を県でつくって大きな配置の変更とかがなければ、これまでやってきたかなり大がかりなアンケート等での県民意見の聴取はない。そのイメージでよろしいですか。

○内山公園緑地課長
　今お示ししている、昨年度意見聴取に基づきつくった配置計画案をベースにして改定、見直していくことを考えています。

○山﨑委員
　見直した上で大げさな変更であれば県民にしっかりと聞くべきだし、そうでない軽微な変更であるならば違った方策をとるでいいのですか。

○内山公園緑地課長
　これまでも、県民の皆様には機会あるごとに情報提供し御意見を伺っておりますので、今回の見直しにつきましても変わることになれば同じように情報提供して御意見を伺いたいと考えています。

○山﨑委員
　情報提供するのは当たり前で、聞いているのは取り方です。アンケートなのか、パブコメみたいに開示するのかを聞いているんです。

○内山公園緑地課長
　最終的な意見の伺い方につきましては現時点でまだ決まったものはございませんので、改めて検討したいと考えています。

○山﨑委員
　まだいろいろ決まっていない中、たらればの話をして恐縮でしたけれども、今まで県民、市民、自治体、関係団体、議会と意見交換させてもらいましたので、現在できている比較検討プラン原案が大きく変わるのかによって再び県民に大きくお諮りするのかを１つの基準として判断していただきたいと要望させていただきます。

　それから最後の観点にはなりますが、財政的な要請にどう応えるか、午前中６番委員からもありました。これも少しがっかりしたというか驚いたのですけれども、予算規模が増えるか減るかは今後の見直しの行方次第といった答弁だったと思います。こんなの減らすに決まっているじゃないですか。コロナ禍で財政需要が逼迫していて、主要６施設――特に箱物と呼ばれるものを並べてどうするかとやっているのに、予算を増やしますなんてゆめゆめ財政が納得するとは思えないです。減らすに決まっているんです。
　ところが、直結して規模縮小ではないと僕は思っています。減らし方はいろいろあります。例えば年次を後ろにずらして工期を長くとれば、当然予算は平準化されますからそれも減らす解釈の１つにもとれますし、あと説明資料80ページに、民間資金の活用も検討とちゃんと書いてあるじゃないですか。官民連携して民間の投資を呼び込むと何で答弁してくれないんですか。そのような工夫をするのがアイドリングの期間なんじゃないんですか。それでちょっとでも県財政に貢献して、アフターコロナに対応した夢のある施設を造ると言ってくれなければ駄目だと思います。６番委員の時に紹介した知事の突き抜けた夢の話じゃなくて、しっかりと希望を持った話を財政的にも施設の内容的にもやっていくのが当課としての役割ではないのですか。
　もしよかったら長繩交通基盤部長、そこの胸の内を発信していただけますか。

○戸塚交通基盤部理事（高次都市機能担当）
　午前中の答弁で、民間活用の話等が抜けていましたことは大変申し訳ございません。決して忘れているわけではなく、公共施設の整備に当たって民間資金の活用は非常に不可欠な要素だと思っています。
　全国の事例を見ますと、野球場を含めた公園全体をＰＦＩを使って整備している事例もあり、計画によって、どのような民間資金が使えるのか少しずつではありますけれども調査しています。
　ただ、民間とのやりとりの中ではもう少し計画をブレイクダウンして具体にしてくれなければ、果たして本当に入っていけるのか企業としての判断ができないという声も頂いておりますので、今後計画づくりを進めていく中で併せて実施していきます。

○山﨑委員
　戸塚交通基盤部理事が力強くお答え頂いたのでこれで終わりにしたいと思いますが、野球場に関しましては最も注目している案件です。全国的にもこの時期にこういった規模の施設をどのように対応していくのか注目されると思います。オートイノベーションでいろんな知見、足下の意見も取り入れて少しでも早く方向性が見出せますように期待していますので、ぜひ力を合わせて努力していただきたいと思います。よろしくお願いします。

　それでは冷静になりまして、しずおか自動運転Show CASEプロジェクトについてお伺いします。
　昨年度、過疎エリアと都市エリアで実施しまして、たまたまだと聞いているのですが、企業等もそれぞれ散らばって参画されて、１年だけでしたけれど比較検証できる材料が得られたのではないかなと思います。
　そこで、昨年度の実証実験の総括的なコメントを頂ければと思います。

○仲野地域交通課長
　昨年度の自動運転の成果等についてお答えします。
　令和元年度につきましては松崎町、下田市、沼津市及びエコパにおいて過疎地域や市街地などの道路環境や交通状況が異なる公道での走行実験を行いました。
　松崎町では、超小型車両を用いて狭隘な道路での自動運転技術の検証を行うとともに、過疎地域における移動サービス導入の可能性を探る実証実験を行いました。
　また下田市では、カート型車両を用いて鉄道駅と病院、道の駅を結んだ区間で、日常生活と観光を兼ねた新たな公共交通の可能性について検証を行いました。
　さらに沼津市では、バス型車両を用いて沼津駅と沼津港を結ぶ区間でＧＰＳによる車両の位置情報を利用した自動運転バスを優先させる日本初の信号制御の検証を行いました。
　その結果、県が取得している３次元点群データを基に作成した高精度３次元地図は、自動運転に利用が可能という成果が得られました。
　一方、沼津市では商店街区間における路上駐車車両の追越し、下田市では市街地に多く見られる歩行者への対応、さらに松崎町では道路狭隘部での擦れ違いなど、実施箇所によりそれぞれ特徴的な課題が明らかになりましたので、今年度の実験において高度化していくことを考えています。

○山﨑委員
　御説明ありがとうございました。
成果、課題等が散見されて、説明資料73ページの下段にもありますように、11月から実験が始まっていくとのことですが、いろいろ特徴的なポイントをかいつまんで御説明頂ければと思います。

○仲野地域交通課長
　今年度の事業内容、試験内容についてお答えします。
　11月以降に、昨年度明らかになった課題を解決する技術の検証などより高度な実証実験を行い、小笠山総合運動公園では引き続き技術開発促進につながる実証実験の場の提供を行っていきます。
　まず、沼津市では交差点付近の駐車車両や人の位置情報を車両にリアルタイムで提供するローカル５Ｇ技術の検証、下田市で遠隔地から駐車車両の追越し等の判断を行う遠隔監視技術の検証、松崎町では狭隘道路における対向車の擦れ違いを回避する技術の検証等を行う予定です。

○山﨑委員
　非常に野心的なミッションがあるなと感じましたけれども、今年度実験計画を行ったとしてあとどれぐらい実験、検証を続けていくのでしょうか。

○仲野地域交通課長
　県が現在行っているプロジェクトは、国の地方創生推進交付金――ソサエティ5.0の採択事業として2024年度まで認められておりますので、数年先をめどに自動運転の技術を活用した移動サービスの実走化を県内のどこかで実現できるように取り組んでいきたいと考えています。

○山﨑委員
　2024年までとのことです。御承知のように2025年には団塊の世代が全員75歳以上になる時代、つまり誰でも自分で運転できる時代から公共交通をうまく活用していかなければならない時代に入っていきますので、2024年までにある程度何か大きな成果が導き出せれば、今やっていることが実を結ぶのだろうなと思いますので、ぜひこれからも積極的に実験フィールドを県として展開して、多くの民間の方々が挑戦できる場づくりに取り組み続けていただきたいなと思います。

　続きまして、建設業の担い手確保につきましてお伺いさせていただきたいと思います。
　県では、これまで静岡どぼくらぶであったり、あるいは高校生、女性向けのアクションなどいろいろやられていまして私もかなり評価しています。
　ただ、新たな担い手を増やすことはもちろん大切ですけれども、一方で既に働いていらっしゃる方々にできるだけ長く離職せず、退職せずに従事していただく視点も大切と思っています。
　２つの視点から質問したいんですが、まず１つ目は事故や労働災害の防止についてです。きつい、汚い、危険の３Ｋと言われてきた建設業ですが、近年における労働災害の発生状況、それから事故を防ぐために県として行っていることについて教えてください。

○良知工事検査課長
　まず、近年の現場事故の状況です。県が発注する工事におきましては、昨年度28件程度の現場事故が発生しています。県全体では労働局のデータによると、令和元年の死亡事故は４件、建設業全般では400件を超える何らかの事故が発生しているところです。
　特に県が発注する土木工事におきましては、平成30年に工事事故防止行動計画を立てそれぞれの現場で危険箇所をリストアップし、ハザードマップを作って現場に掲示し作業者全員が確認しながら事故防止に努める取組をしています。

○山﨑委員
　直近の県管理の事故数と民間を含めた全体の事故数は分かったのですけれど、傾向として対策を打って減ってきているのか、それともまだいまいち効果が上がっていないのか、いかがですか。

○良知工事検査課長
　平成30年の工事事故防止行動計画作成前は、事故が増える傾向でございましたが、計画を策定してからは減少傾向になっています。当然注意喚起が広がってきていることもあろうかと思いますし、静岡労働局も含めて事故防止に非常に熱心に取り組んでいますのでその効果もあるのではないかと考えております。

○山﨑委員
　今のは、どちらかというと県発注工事のことだと思うのですが、民間も直近で400件あるとのことで、県がそういった姿勢で臨み安全管理に徹底してやっていくことで民間でもいい効果が現れるものでしょうか。全体として事故を減らさなければ意味がないと思いますので、もう少し手だてが必要なのか見解を教えてください。

○良知工事検査課長
　民間を含めた工事事故につきましては、なかなか我々だけで推進していくのは非常に難しいところですが、静岡労働局でも事故対策を進めておりまして、例えば近年ですと転落・墜落事故防止のためにこれまでは腰ひも的な安全帯で高所作業をしていたものが、令和４年度からフルハーネス型といいましてパラシュートで使うようながっちりした安全ベルトをつけて、なおかつ転落防止のフックをするなどの取組を行い安全教育をしていきましょうと建設業協会に対して言っておりますし、実際県内でもそれぞれ地区ごとの建設業協会が安全教育をしております。当然県の建設技術管理センターも県、市町の技術職員を対象としたフルハーネス型の安全ベルトの研修をスタートしましたので、積極的に進めていきたいと考えています。

○山﨑委員
　数百人事故になりますと現場で働くことは難しいでしょうから、少しでも事故件数が減らせれば建設従事者、担い手の確保につながると思いますので、ぜひ研修を徹底してやっていただきたいと思います。

　もう１つの視点として、どうしても加齢による身体能力の低下が起こってくると思うのですけれど、ただそれを過剰に受け取ってしまって、例えばとびのように高いところに乗るなど少しリスクが高い仕事の場合、建設事業所が何歳以上になったら駄目と判断されていると聞きました。でも人によって全然違うんですよね。元気でできる人もいれば不安な人もいる。
　例えば健康チェック、筋力チェック、何がしのチェックをして大丈夫ですよと何かお墨付きを与えられれば２年、３年その現場で働けることになるので担い手不足の解消にもつながると思うのですが、その辺に関して何か具体的な方策があるか分かりませんけど、もし見解があれば教えてください。

○良知工事検査課長
　厚生労働省や建設業協会では、何歳をもって高齢者とするかいろいろ議論がありまして、厚生労働省はエイジアクションという計画を出していますが、高年齢労働者というラインは50歳で私も含めてかなりの方がラインに入ります。工事現場自体は高齢者に向けた安全対策をというより、バリアフリーとユニバーサルデザインの関係と同じで、そこに働く者全員の安全を目指して作業していくものなので、高齢者だからと特出しするものはないと思います。
　ただ、お話もありましたが高齢労働者の特徴、例えば自分の心身の機能低下を自覚することが難しく、つい自分のピーク時のイメージで仕事してしまって事故を起こしてしまう。あるいは現役ばりばりの世代であれば捻挫で済むことが、骨折につながってしまうこともございますので厚生労働省などでエイジアクション、あるいは建設業協会、とび職といった専門の協会が出しているチェックシートに情報を入れながら、協会や作業される方と意見交換をして安全な現場を進めなければいけないと考えています。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
　ぜひエイジアクション等のいろんな方策を事あるごとに民間の方々にも提供していただいて、健康で長く働ける現場を創出する後押しをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

　次に、説明資料69ページのクルーズ船誘致等に向けた取組に関してお伺いします。
　このグラフにありますように、県内港湾へのクルーズ船の寄港は近年順調に増えていたのですけれども、このコロナ禍で一変をしてしまったと。それどころか日本人は横浜クルーズ船のイメージが相当目に焼きつきまして、回復するにはかなりの時間が必要ではないかと危惧しています。
　そんな中、令和２年度の寄港数は大幅減少と書いてありますが、それでも若干寄られる予定があるとのことです。詳しいことを教えていただけますでしょうか。

○吉村港湾振興課長
　クルーズ船の寄港状況について、11隻と書いてありますけれども港に仮予約が入っているものでございます。９月18日に国のホームページ等で関係団体からクルーズ船の誘致に関するガイドラインが出され、それに基づき再開に向けて調整していきましょうとなり、ようやくクルーズ業界の方々、行政も含めてスタートラインに立ち、準備をしていくことになっています。
　その中で、ツアー販売につきましてはまだ条件付きで中止になったり変更になったりすることもある等の前提ですけれども、ツアー会社がガイドラインを守って対応できることを条件にツアーの販売を開始し、全国の港にも予約が入ってきている状況です。

○山﨑委員
　大変厳しい状況の中でも、意欲のある船会社を中心に動きがあるとのことで頑張ってほしいです。
　ガイドラインとおっしゃいましたけれども、具体的に港湾管理者側はどのようなことをする決まりとなっているんでしょうか。

○吉村港湾振興課長
　今回出されたガイドラインにつきましては、船会社側が守るべきガイドラインと港湾管理者側が守るべきガイドラインの２種類が出されました。我々は港の岸壁側のガイドラインで、船が入港してきたときに埠頭の中の従業者に対して新型コロナが感染拡大しないようにソーシャルディスタンスを取るとか、乗船客と従事者との動線を分けるなどもろもろのことを守っていくことになっています。ただ港湾管理者だけではできないところがあるため、地元の保健所、自治体、港で働いている方々と調整、連携して合意を得ながら進めていくことになっております。

○山﨑委員
　答弁を聞く限りでは、ソフト対策的なことを徹底しようとしていて特別な予算措置は必要ないのかなと思うのですが、小さな船であっても日本国船であってもまた感染が起きますとさらに長期的な悪影響につながりますので、しっかりとガイドラインを徹底していただきますようお願いします。

　あわせて大きな話になるのですが、今まで日本全体としてクオンティティ・ツーリズム――量の観光をやってきたんですけど、このコロナ禍でやっぱりこれからクオリティ・ツーリズム――質の観光へとシフトしていくいい時期かなと思います。
　そんな中で交通基盤部だけじゃないですが、観光担当部局等とアフターコロナを見据えた将来のクルーズ船誘致のあるべき姿を考えておく時期に来ているのかなと思います。政策的な話ですが見解がありましたら教えてください。

○吉村港湾振興課長
　クルーズ船の誘致につきましては、今までは県内の港湾に来てくださいとセールス活動していたところですけれども、この新型コロナウィルス感染症が出たタイミングで誘致活動が難しくなったことから、受け入れる側が中心となって寄港地観光の力をつけていきましょうと。寄港地にお客さんが来たときのケアやツアーの紹介ができる人材を育成していく動きが、各地元の各自治体が中心となる組織の中で出てきていますので、これからは単に来てくださいと言うだけではなく、来たらこのようなことができますよという動きになっています。

○山﨑委員
　ありがとうございます。
　ぜひ、そういった議論をもっと巻き起こして、単に大勢の人が来て大量に買物してくれればいいという時代ではないと思いますので、次なる姿に挑戦していただきたいと思います。

　それでは、次に道路関係で説明資料にはないのですが、歩道上のオープンカフェ等の道路占用許可についてお伺いしたいと思います。
　新型コロナの影響により、飲食店の経営は大変厳しいものがあります。私は浜松駅の比較的近くに住んでいるものですから、特にクラスター発生以降は悲鳴に似た声を毎日のように聞きまして対策に奔走していたわけですけれども、飲食店も相当頑張ってくださっています。３密を回避するために店内の座席数を減らしたりとか、テイクアウトを始めたりとか、あるいは新商品を開発したりとか涙ぐましい努力をされているのですけれども、そんな中で国や県において飲食店の支援のために歩道上にテラス席や売場を設置するための道路占用許可の基準を緩和したと聞いています。実際浜松でも目にしました。
　これは、フィールドをさらに外に出せるので飲食店にとっては大変ありがたいことだと思うのですけれども、この制度を活用した現在の道路占用許可の状況と今後の県の方針について教えていただきたいなと思います。

○榊原道路保全課長
　占用許可の状況と県の方針についてお答えいたします。
　歩道上のオープンカフェなど道路占用の許可状況は、10月１日現在、県管理道路を活用した占用許可が５件あり、制度を活用している市は沼津市、富士市、藤枝市、掛川市の４市になります。この制度は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店を支援する緊急措置として、路上利用の占用許可基準を緩和したものです。飲食店が付近の清掃を行うなど周辺環境に配慮した場合については占用料を免除しており、占用期間は今年11月30日までとなっています。
　県としては、感染拡大の状況を注視するとともにアンケートを実施するなど地元商店街の意向を尊重しながら、地域における３密を回避するための環境づくりへの取組を支援していきたいと考えています。

○山﨑委員
　お金をかけずにできるいい取組だと思います。まだ県内で５件とのことですから、この好例をもうちょっと広めていただいてより多くの県道、あるいは市道等でもやっていただけるよう促しをお願いしたいと思います。

　では最後に、説明資料40ページになりますが、無電柱化の推進についてお伺いしたいと思います。
　２(5)の推進に向けた取組の３つ目ですけれども、関係者間の連携の強化とあり必要なことだと思うのですが、市町との関係はどのようにして進めていくのか、それから３つ目に他事業との連携と書かれていますけれども、どういったことを意味されているのか少し説明願えますでしょうか。

○羽田道路企画課長
　無電柱化の推進の関係で、関係者間の連携の強化についてお答えします。
　市町との関係につきましては、市町が進めるまちづくり等の観点から駅前とか中心市街地などで必要な無電柱化対策に対し道路管理者として、より一層の景観形成も含めて対応していきたいと思っています。
　他事業との連携ですが、既存の道路、歩道に無電柱化を推進するとともに、これから改良する事業もあろうかと思いますので無電柱化を取り入れて道路を造っていくという連携もやっていくこともございます。また歴史・文化等の必要な道路につきましては、景観形成も含めた他分野事業との連携を図っていくことも考えております。

○山﨑委員
　他事業との連携についてイメージしたのは、無電柱化は当然地下に電線を通して電気を流動させる仕組みだと思うのですけれども、コロナ禍で本当に社会的な価値観がいろいろ変わって、例えば中央集権から地方分散、地域自立、それからエネルギーとかに関しても地産地消、多産型といった形に変わってくると思います。静岡県だって再生可能エネルギー等を使っていかなきゃいけない。蓄電池だってもっとできるかもしれない。もしかしたらスマートグリッドをつないでエネルギー、電気、熱、あるいはデジタル通信といったものが地中でできるかもしれないなど壮大な連携を少し想定したんです。それはなかなか簡単にはいかないのですけれども、ぜひ県の公共事業の在り方、インフラビジョンの在り方といった観点で進めていく。単に道路を架ける、橋を架けることが公共事業じゃないでしょうと。
　エネルギーを通じてまちをつくっていくことがこれからのインフラづくりにつながっていくと思うのですけれども、コロナ禍ですからぜひ前向きな展望があれば聞かせてほしいと思います。

○森本道路局長
　インフラの１つとして、道づくりの在り方もコロナ禍を踏まえて転換期に来ていると思っています。道路局として道づくりのビジョンをつくっておりまして、つくる、守る、さらに生かすことが重要だと思っており、カフェの活用だとか道路空間を交流の場として使うなどエネルギーとしても活用していくと。ですのでこの道づくりの在り方も広く連携を図ってより効率的に使っていくことを検討してまいりたいと思います。

○山﨑委員
　最後にしたいと思いますが、こういった局面ですので将来展望を持ったいろんないいアイデアを出していただきたいと思います。森本道路局長は一緒にトライアスロンをやった仲ですので、ガッツを信じています。ぜひよろしくお願いします。

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