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委員会会議録

質問文書

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平成24年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 一 議員
質疑・質問日:07/04/2012
会派名:自民改革会議


○天野(一)委員
 数点お伺いしたいと思います。
 静岡県経済産業ビジョン進捗評価書の162ページにある農業の構造というところで、金額によって出てるわけですけれども、10年前から比べて大規模化になってきた農家がかなり減少したりしているわけですね。ビジネス経営体という形の中で推進して、規模が大きくなった農家がやめている原因と、それからこの数字は何を意味しているのか、そのことについて教えてもらいたいなと思っております。
 私は、農業のお金のことだけじゃなくて、豊かな農山村の地域づくりがこの経済産業部の視点からだと見えない。どういう地域づくりを考えているのかなと。6次産業という理念はよくわかるんです。しかし一番初めに1次産業が栄えなきゃならないわけですけれども、6次産業という言葉の中で酔って、本当の意味で農山村の第1次産業のところが、今の施策のやり方で本当に地域が残るのかと。

 次に、林業の問題です。25万立方メートルを45万立方メートルにするというこの数字の根拠を伺います。人口がますます減ってきて、住宅建築戸数だって減ってくるわけです。しかも規模の拡大ばかりをねらっていて、山村の木を切る技術者、昔で言えばきこりさん、その技術者がほとんどいなくなり、山村が疲弊をしている。今25万立方メートルを45万立方メートル、川上から川下とよく口では言ってるけど、川上がもう壊れてきている状況の中で、今のコスト縮減というコストだけ安くするという形の中で、山に住む人に若者が来るのか、そのことについて伺いたいと思います。

 次に、放棄茶園と放棄農地の問題について。放棄農地は本当にどうするか。例えばもっと具体的に薬草をつくるだとか、新しい形、例えば今薬草でいけばクヌギで樹皮を薬草で使うとか、ミカン園芸でミカンの皮が薬草に使えるとか、そういった形の発想がないのかどうなのか。その点について伺いたいと思います。

 次に、お茶の問題です。お茶の問題は、これは単純な流通じゃないわけですね。産地でとれたものをそのままじゃなくて、ブレンドするわけですね。鹿児島県のお茶も静岡県のお茶の中でブレンドとして売れば売れるわけですね。宇治茶も静岡県のお茶が行ってるんです。ですから複雑なお茶の業界であるということを認識しないと、この問題は間違えるわけです。静岡県の生産したものは静岡県だけで使ってない。宇治茶へも行っている。鹿児島茶も静岡県へ来る。そういった中で、お茶の産業を静岡県で育てるにはどうするか。
 先ほど、5番委員が八十八夜のお茶のキャンペーンを質問しました。しかし私は結果として、この八十八夜キャンペーンは失敗したと思うんです。なぜか。それは5月1日の前後1週間はお茶がおいしい、だからお茶を飲もう。そのことは間違いではない。だけれども鹿児島県の3月から4月にかけて早場で出るお茶に対して、静岡県のお茶は中山間地から山間地が多く、5月の連休後にできるお茶、八十八夜で摘んだお茶を熟成して加工したお茶は百八夜ぐらいに店頭に並ぶはずです。ところが八十八夜キャンペーンをやったおかげで、結果として静岡県のお茶は売れなくなったということもあったと思うんです。そういう意味で、八十八夜キャンペーン、来年度はそういった反省も含めて新しいやり方でやるか、お伺いしたいと思います。

 次に、卸売市場。浜松市から静岡市は卸売市場があるんです。ピーク時から比べると、魚、野菜、果物は6割ぐらいしか流通しなくなりました。スーパーとかコンビニは、自分たちで直接買う。こういう形の中で、卸売市場のあり方についてどう考えているか、お伺いしたいと思います。

 次に、魚のことについて伺いたい。いとう漁協の直接スーパーへの直送の取り組みのその後の状況はどうなのか。いとう漁協のこの成果を踏まえて、ほかの漁協はどういう動きがあるのか。その点についてお伺いしたい。

 最後にものづくり。浜松の文化芸術大学を含めてデザインをそこで振興する形になってきたんですけれども、鴨志田所長が亡くなった後デザインセンターがなくなって、本当に静岡県のデザインセンターをやめて、静岡県のものづくりの一番の原点のデザインが振興しているのか。ある意味で私は、先端産業のデザインは脚光を浴びているけれども、伝統的なものづくりの工芸品のデザインのこととその人材育成についてどう取り組んでいるか、お伺いしたいと思います。以上です。

○大谷農林業局長
 162ページの規模別農家数の大規模農家が減ったり、あるいはビジネス経営体が上下しているというその辺のことと、もう1つは今の農業振興の方向で地域が残るのかという御質問についてお答えをいたします。
 まず、大規模農家の数でございますけれども、これは産出額のベースでございますので、当然その年によって販売単価が減ったりする、あるいは利用が出なかったりすると、それは減るということで変動がございますし、さらには加えて申し上げますと、最近の大規模農家というのは、加工とか直売とかいろいろな分野へ、付加価値の高い分野へ出ていると。そういう部分についてはなかなかここの中に反映されていないということで、実際のところは農家ベースで考えるともっと販売額というのは多いというのが実態かと思っております。これが1つです。
 もう1つ、今のやり方でということでございますが、県ではビジネス経営体の育成について、もう10年ぐらい前から進めているところでございます。雇用ができる経営とかあるいは一定規模の販売、5000万円以上の販売額を持つとかあるいは永続的な法人経営という、そういうことでずっと進めているところでございますけれども、ビジネス経営体と言えども、1人の、1戸の農家がそこで農作業をやっているわけではなくて、地域の農家と一緒になって、地域からの農産物を一緒になって売ったりという、そういう地域を取り込んだ形でもございます。あるいは地域の農家と一緒になって法人を形成して、それでビジネス経営体という形になっているとか、さまざまな形で地域の普通の一般農家の方々も一緒の中で取り組んでいるというのが、ビジネス経営体の中でも数多く見られます。
 こういう取り組みによって1戸だけが伸びるというのではなくて、その地域全体もビジネス経営体の育成によって活性化していく、伸びていくということで考えておりますので、引き続きビジネス経営体の育成については取り組んでいきたいと思っております。以上でございます。

○吉田農業振興課長
 まず、茶園の耕作放棄地に、例えば薬草等をつくってみたらどうだろうかというようなお話でございます。
 茶園につきましては、耕作放棄されたところが何年もたちますと、上を刈り取るだけでもとの茶園に戻すのはなかなか難しいというところがございます。といって、もう一度そこを茶園にしてまた植えるかということになりますと、また同じことが起こってしまうということが考えられます。
 委員御指摘のような薬草そのものを茶園の後にという事例はつかんでおりませんが、最近では、茶園以外のところで耕作放棄地の対策として、例えばミシマサイコといったような薬草を取り入れようというような事例も見られておりまして、それはその薬草を使う大手のメーカーと組んでの話でございます。
 それから、茶園をほかのものにという意味では、野菜をつくったらどうだろうかということで、野菜に転換する際の土壌条件ですとか、茶の木をこいだ後の処理をどうするかといったようなことで、それなりのノウハウが必要だということで、これについては研究所とも連携しながら研究をしようと今進めているところでございます。

 それから、卸売市場のあり方についてでございます。委員御指摘のとおり、卸売市場を通る流通につきましては、年々減少しているというのは事実でございます。実は昨年度第9次静岡県卸売市場整備計画というのを策定いたしました。国全体の第9次の卸売市場の整備の方針では、中央拠点、つまり東京等の大都市の大きな拠点市場、それから各県の中央卸売市場というようなところに、つまり大きなところに集中しようという方向が見えているところでございます。
 基本的に卸売市場の整備計画というのは、大きな流れの中では今までもそのように進んでまいりましたが、この現状を見ますと、静岡県内にある各地方卸売市場は、今までのようにただどこかとくっついて大きくなろうというだけではやっていけないのではないかというふうに考えておるところでございます。
 昨年度のこの整備計画を策定した際にも、産地にあるという強みをもっと生かすべき、すなわち産地とよく結びついて、例えば伝統野菜あるいは古くからある野菜の産地化を市場が仕掛けたり、学校給食での地場産物の利用の仕掛け役になる。これは実際、富士市の卸売市場ではそういうことをやっておられると聞いております。農薬の安全・安心につきましては、JAの系統等におきましては非常によくやっておりますが、地方の卸売市場に個別に持ってこられる生産者につきましては、その農薬の安全・安心の情報あるいは講習を受けるルートがなかなかないので、これについて市場が主催して安全・安心を担保する。これにつきましては、本年度から実際に各地区で農林事務所の職員が出向きまして、市場主催の農薬安全使用講習会等にも出ておるところでございます。
 このようなことを進めて、卸売市場が地産地消を進める1つのキーに、新たな産物づくりのキーになろうということで考えているところでございます。以上です。

○西島林業振興課長
 林業関係の御質問にお答えをいたします。
 まず、45万立方メートルの根拠でございます。この45万立方メートルは、県産材の供給と需要を調和させつつ、人工林資源を持続的かつ循環的に利用するために必要な木材生産量として、総合計画と経済産業ビジョンで設定したものでございます。通常持続可能な森林管理のためには、成長量の7割程度を伐採することが望ましいと言われております。そのことから、平成21年3月末の民有林の杉・ヒノキ人工林の成長量をもとに、その7割相当を木材生産するとして、平成25年度の木材生産量の目標45万立方メートルを算定しております。言いかえますと、その森林の適正な管理と森林資源の活用を通じた林業、木材産業の活性化を図るために、森林の成長に見合った木材生産量ということで設定しているものです。
 次に、人材の関係、人口が減って山村が疲弊する中で、技術者がほとんどいなくなるということで、これに対してどのように考えるかという御質問です。林業への新規参入という観点でお答えをさせていただきます。
 林業への新規就業者の確保育成についてであります。
 就業相談会の開催、短期の林業体験、緊急雇用対策事業でのOJTの実施、新規の就業者を雇った事業体に指導者を派遣する、こういったものを組み合わせて、新規就労者の確保育成を図っているところでございます。以上です。

○白井茶業農産課長
 八十八夜のキャンペーンについてお答えします。
 静岡八十八夜新茶の推進キャンペーンでございますが、早葉の摘採時期が大きくおくれ、山が不利をこうむっていること、また九州が非常に有利で、走りのお茶が非常に高価だという、この価格形成のあり方を見直す1つの運動ということで取り組まれたところでございます。また県内には多くの産地がございまして、オール静岡で静岡茶を発信していく1つの流れをつくろうということもありました。
 この八十八夜新茶キャンペーンは、しゅんのお茶の楽しみ方を提案するもので、5月1日の前後2週間程度、1カ月ぐらいを想定して、できるだけ幅広にとって、委員御指摘のとおり、九十九夜とか百八夜も飲み込んで、しゅんのお茶をPRしようということで宣伝してきたところでございます。
 ただし、ことしは摘採時期が非常におくれたこともあったり、その広報の仕方がなかなかうまく伝わらなかったこともあって、その説明方法とか表記の仕方とか、少し工夫が必要かなと思う点もございました。ただ八十八夜の新茶ということよりも、静岡のお茶の形成のあり方、山のお茶をいかに不利にさせないかというねらいは大事にしながら、この趣旨をうまく伝える運動はやはり展開していく必要があろうと考えており、そういう中で、茶業界の人たちとも少し相談させていただきながら、運動の方法を少し検討する必要があろうかと思います。
 ただ、今までの山のお茶の不利な価格形成とか、静岡のお茶の優位性を保つという運動を展開していくことはやはり必要であろうというふうに考えておりますので、引き続き運動は展開する方向ではありますが、その説明方法とかやり方については少し工夫をする必要があろうかと考えており、今後検討させていただきたいと思います。以上です。

○日向水産業局長
 私からは、いとう漁協のスーパーへの直送の取り組みと直営食堂のほかの漁協への波及について、簡単に御説明いたします。
 魚の流通については、静岡県で揚がったものが一たん築地に行って、それからまた静岡県に戻ってくるだとか、それから最終消費地が定まらないまま日本各地を転々流出するといった摩訶不思議な実態がございます。そういった実態を変えたいと思って、流通を少し変えないといけないなと思って、3年前にいとう漁協が静鉄と直接取引をさせていただいたわけです。
 やはり、スーパーは消費者の安全・安心、魚の世界についてはどういうことかというと、だれが、いつ、どこでとった魚なのかという情報を消費者に知らせるという、その基本的なことだけです。それをしっかりやればいいだけです。
 そういう意味で、静鉄とやった話が少し波及してきました。例えば伊豆漁協、昼に彼らはイカをとるわけですけれども、それをマックスバリュの6店舗で、その日の夕方に置くことをおととしから始めています。もう毎回毎回完売になっています。
 それから、網代漁業株式会社が、東京都の東急ストアというスーパーに、おととしの春から毎週1回――たかが300キロぐらいですけれども――出して好評を博していて、もうずっと続いております。
それから、これは魚市場のあり方ともかかわるんですけれども、埼玉県を拠点とするスーパーのヤオコーというところが、定置漁業協会の人たちと、これは伊東市の魚市場を通じて、産地の仲買業者を通じて直送するということもこの夏から始まろうとしております。
 もう1つ、食堂ですけれども、これも自分たちがとった魚を消費者にそのまま伝えたいという極めて真っ当な取り組みだと私は思って応援しているわけですけれども、いとう漁協が直営食堂をおととしの9月に始めました。去年から田子の浦漁協がシラスの食堂を出したり、それからこの7月の頭に――3日ぐらい前ですか――伊豆漁協の仁科支所がイカ食堂をつくりまして、微々たるものですけれども始めました。
 いずれにしても、そういう漁協の新しい取り組み、チャレンジする取り組みを支援していきたいなと思っております。以上です。

○浅山地域産業課長兼商業まちづくり室長
 デザインの振興についてお答えいたします。
 最近のデザインに対する企業ニーズや、一昨年行われました事業仕分けの結果を受けまして、これまで産業振興財団が担っておりましたデザインの初期段階の支援体制について見直しを行いまして、工業技術研究所の設備との効率的な運用を図ることによって製品化に結びつけやすい支援が行われるよう、昨年度からデザインの振興体制と言いますか、振興について工業技術研究所に一元化したところでございます。
 現在、工業技術研究所を中心といたしまして、企業の新商品開発におけるデザイン活用等、時宜に合った支援に取り組んでいるところでございますけれども、平成23年度の工業技術研究所でのデザイン相談件数は約1,900件ございまして、これは先ほどのデザインセンターの廃止時――平成12年ごろ――の約4倍ぐらいになっております。また産業振興財団が行っております専門家派遣事業の中のデザインに関する派遣につきましては、平成23年度は120回ということで、これも前年に比べましても2倍以上行っているような状況でございます。
 このようなことから、県の中小企業に対します産業デザイン活用に向けた支援につきましては広く浸透して活用されている、そして一定の効果を上げているというような感じをしております。
 なお、先ほど委員のほうから、工芸品のことにつきましてもお話がございましたけれども、工芸品産業の振興のために、業種組合に今事業費助成を行っておりますけれども、その中で、そのメニューの1つとしてデザイナーの採用と言いますか、デザイナーに委託するような業務についても補助事業の対象としておりまして、それにつきましても駿河漆器組合とか、そのようなところでは活用されております。このように、引き続き企業内にデザイナーを確保できない中小企業や工芸品事業者に対しましても、各種の支援策を積極的に活用してもらえるように、今後とも働きかけていきたいと考えております。以上です。

○天野(一)委員
 先ほどの林業の45万立方メートル、これは森林の面から見て適正な立米かもしれませんけれども、実際の木材需給それから木材業界の一番末端のところまで含めると、これはかなり難しい数字だと思います。この数字を達成しようとして無理な形で進めるのではなく、本当に適正な形でこの45万立方メートルというものを考えて進めてほしいと思います。そういった点で部長に一言お伺いしたいと思います。

○吉林経済産業部長
 木材関係についてお答えいたします。
 静岡県には、先人が資源として植林等いたしました木材という大変貴重な資源があるわけでございますので、やはりこれをどうやってうまく使っていきながら、かつ再生をしていくかということが一番基本にあると思いますので、そういった意味では、45万立方メートルの目標値はぜひ達成をしたいというふうに考えております。
 ただ、それをどのように具体化していくかにつきましては、おっしゃるように川上から川中、川下と非常に複雑な体制になっておりまして、それぞれが努力していかないと全体を達成することはできないと思いますし、かつ急激にそれをやりますと、いいときもありますけれども、一方でやはり地域の産業にとってどうかということもございます。そこにつきましては十分関係者の方々と議論をしながら、県としても考えながら、45万立方メートルを達成できるように努力をしてまいりたいと考えております。以上でございます。

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