• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成28年6月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:07/11/2016
会派名:ふじのくに県民クラブ


○相坂委員長
 それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 発言願います。
 
○小長井委員
 分割方式でお伺いいたします。
 先ほど交通基盤部長の説明をいただきました順番に沿って、それを中心にお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほども質問が出ましたけれど、熊本地震の土木職員等の派遣事業、これは新規で事業実施されるわけですけれど、この熊本地震に関係しまして、発災直後に多分職員を、この新規事業とは別に事前に送られているんじゃないかなと思います。その段階で調査を実施したのかどうなのかわかりませんけれど、もう既に数カ月たってるわけでございまして、この熊本地震から得られる教訓や知見、そういったものをどんなふうに捉えられているのか。
 東日本の大震災では、派遣職員から87件の報告点があったと、今、報告されておりますけれど、この熊本の地震に関してはどうかと。この熊本の地震については、発災直後から車は走らない、新幹線、電車はとまる、飛行機は飛ばないと、全く交通網は動かなかったというような状況。しかも内陸の地震で、この静岡県も東海地震を言われているわけでございまして、同じような内陸直下型みたいな地震が起こる可能性が大きいわけでございますので、この熊本地震からも学ぶ点が多いのではないかなと思いますが、その辺について、現時点でどのような教訓や知見等得られているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○大滝土木防災課長
 お答えします。
 交通基盤部では、先ほど8番委員からお話がありましたように、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県及び山田町への復興支援活動を通じて得られた教訓や課題、ノウハウを蓄積、整理し、交通基盤部事前復興行動計画を平成27年3月に策定したところであります。
 今回の4月に発生した熊本地震の災害復旧支援としましては、土木技術職員を延べ4名、6月6日から6月30日までの4週間にわたり派遣し、災害復旧事業の調査や設計に関する技術的支援を行ってまいりました。熊本地震における被害の特徴としましては、断層の変異や液状化に伴い、広範囲にわたり河川堤防が沈下したことによる流下能力不足が発生しました。また熊本県では6月19日から20日にかけて記録的な豪雨に見舞われ、地震で被災した公共の施設で復旧計画を立案済みであったものの中には、大雨による被害を受け被害規模が拡大したことにより、計画の見直しを余儀なくされた施設も多数発生しております。
 このように、東日本のときとまた被災状況も異なる状況が出てきております。自然災害は発生の形態や特色がおのおの異なり、公共土木施設に生ずる被害の状況も一様ではなく、適切な対応策も一律でないと考えております。まだ正式に追加の要請がありませんが、今後また熊本県から要請があれば積極的に支援に行く考えでおりますが、これらも含めまして熊本地震の災害派遣で得られた情報や経験を収集、分析をしまして現在の計画に反映し、より実践的で柔軟性の高い計画にしてまいりたいと考えております。

○内山農地計画課長
 熊本地震への対応につきまして、農業土木職員の派遣についてお答えいたします。
 農業土木職員につきましては、5月9日から7月1日までの8週間にわたり延べ8名を農地・農業用施設災害復旧事業の調査であったり、速やかな営農再開を進めるための応急工事の協議資料の作成、それから復旧優先度を決定するためのため池ハザードマップの作成、こういったものの支援を行ってまいりました。
 今回の熊本地震につきましては、熊本県自体が農業産出額において常に全国上位に位置しておりまして、非常に農業への影響が懸念される状況でありました。今回、また地震の発生が4月ということもありまして、営農再開のために農業用水を確保することが最も大きな課題でもありました。しかしながら、応急工事等の対応によりまして、多くの地域で田植えや作付が可能になったということでございます。これらを支援の中で学ぶことができたことが大きな成果であったのではないかと考えております。また、ため池の復旧に関する技術的な手法であったり、再度災害を受けないための工夫についても業務を行う中で学べたことが成果でございます。これらの手法を学び、今後検証しながら農業用施設の耐震対策などに生かしていきたいと考えております。

○小長井委員
 静岡県の場合は東日本の大震災を受けて事前復興という形で考えていると。ところが、今回予想できなかったような事態もあったということでございますので、こういった熊本の地震等調査をしていただいて、いろんなケースに備えるような方向で取り組んでいただきたいなと思います。新たに土木技術職員とか農業土木技術職員が派遣をされるということでございますので、この方たちも期間としては長期にわたる、結構中長期にわたる期間でございますけれど、熊本の復興のために頑張っていただきたいとお願いをしておきます。

 次に、委員会資料12ページになりますけれど、新幹線の富士山静岡空港への新駅実現に向けた取り組みということでお伺いをさせていただきます。
 この富士山静岡空港への新駅ということでは、JRのほうは駅間距離やダイヤ編成上の理由によって新駅の設置は不可能だというようなことを再三言っているわけでございます。県としては、そこを何とか必要性をということで取り組んでいるわけでございますけれど、確かに空港の利用者、乗客の数をふやすという意味では新幹線の新駅をつくって利便性を高めると、これ非常に有効だと思います。そうあればそれでいいと考えるわけでございますけれど、ただし、新幹線の駅ができることによって一気に静岡から東京へ行ったり京都へ行ったりと、この移動がかなりスムーズにできるようになりますと、静岡県内での滞在とか観光とか、こういうことが非常に少なくなってしまうケースも考えられるんではないかなと思いますけれど、その辺のところをどんなふうに予想されているのか教えていただきたいと思います。

○和田政策監
 富士山静岡空港の新幹線新駅につきましては、具体にはこれからJR東海との合意を得て進めていく検討の中で、どのような形で空港、その新駅が活用されるのかということは考えてまいりたいと思っております。
 しかしながら、先ほどの7番委員からの御指摘がありましたように、新駅の設置が本県の交通ネットワークを飛躍的に高めると。それによって利便性が向上するということもありまして、さらには交流人口の拡大であるとか、もしくは観光産業を初めとした地域の振興に資するものでございますので、県としましては、例えば多くのインバウンドの方に県内になるべくとどまっていただいて、その効果を最大限に享受するというようなものを関係部局と連携して取り組みを推進していきたいと。さらに、その地域の方にも新駅を使っていただけるような形で、新駅周辺のまちづくり等についても関係の市町と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

○小長井委員
 確かに新駅ができればかなり空港を利用する方がふえると思いますのでそれはいいんですけれど、ただし、これも中央新幹線絡みで、リニアが開通したころにそういう実現の可能性があるのではないかなと言われているわけでございます。まだまだ県内のリニアの工事も着工されていない状況の中で、時間もかなりあると。そういった中で、今お答えいただきましたけれど、静岡県内でも、これは交通基盤部の関係ではないと思いますが、県内での観光客、先ほど駿河湾の世界で最も美しい湾クラブ加盟の話もありましたけれど、そういうことを推進することによって、空港から来たお客さんが県内で観光をするようなことも含めてあわせて推進をしていただくようにお願いをいたします。

 次に、委員会資料13ページになりますが、中央新幹線に関する動きとその対応ということで、この中央新幹線につきましても、発生土の処分の問題、あるいは水資源の減少の問題等大変懸念される材料が出てきているわけでございます。発生土の処分地については、何カ所かJRが提示をして、その後変更もされて、つい最近もたしか処分地の変更があったかと思うんですけれど、この発生土の処分について、現在どのような状況になっているのかお聞かせいただきたいと思います。

○和田政策監
 中央新幹線の整備に伴う発生土の処分についてお答えをいたします。
 JR東海は環境影響評価書におきまして、工事の実施による発生土を発生土置き場で処理することとしておりまして、当初候補箇所として7カ所が示されました。その後、ことしの3月に新たに剃石付近を発生土置き場の候補地として検討するということで説明を受けております。なお、現在におきましてJR東海はそのうちの燕沢ついて重点をおきまして、検討を進めると伺っております。

○小長井委員
 そのほか、この中央新幹線につきましては、JRから情報が本当に小出しというか、全く出ていないというのが現状ではないかなと思います。例えば、交通基盤部の関係になるのかどうなのか、井川地区までの資材の搬入ルートとか、あるいはどのような方法か、そういったことも明らかになっていないんですよね。そういったルートが出てくると、今度は道路が大型のトラックが通ると道路がかなり傷むだろうと。そういうようなことも心配されるわけですけれど、そういったことについて、政令市ですから静岡市内は静岡市の道路管理になるわけですけれど、県道ということでは、その辺についてはどんなふうに考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○和田政策監
 工事用の道路に関しましては、7番委員御指摘のとおり、現在県道につきましては政令市静岡市に移管されておりますので、具体の協議につきましては、静岡市とJR東海の間で行われると認識しております。また現場に行くまでは林道がございまして、林道に関しましても静岡市管理ということで、これについても同様に静岡市とJRとの間で協議が行われているという認識であります。県といたしましても、情報収集等に努めてまいりたいと考えております。

○小長井委員
 これももしかしたら、交通基盤部の関係ではないかもしれませんけれども、環境への影響が大きいというのはこの発生土の処分の問題や、水資源の減少が非常に大きな影響を与えるということでございますけれど、それだけで済むのかと。例えば、リニア――中央新幹線につきましては、膨大な量の電気を使う電力を使うと言われておりますが、この電気が必要ということで、例えば途中で南アルプスで掘ったトンネルから高圧線を通して中へ電気を供給するというようなことも――技術的なことはわかりませんけれども――そういったことももしかしたらないとは言えないのかなと思います。そういったような話というのは、例えばJRからあるのか、あるいはそういう可能性があると考えていらっしゃるのか、その辺のところはいかがでしょうか。

○和田政策監
 電力の供給で、現時点で交通基盤部として把握している情報ということでお話をいたします。
 現時点におきまして、JR東海もしくはその電力事業者から送電線の件、電力の送電についての具体的な話というのは受けておりません。これにつきましては、今後所管の部局がどこになるかわかりませんけれども、静岡市ないしは県にいずれお話があるのではないかと思っておりますので、交通基盤部としても情報収集に努めてまいりたいと思います。

○小長井委員
 いずれにしましても、JRが情報をなかなか出さないわけですから、情報収集というのも大変ですけれども、アンテナを高くして情報収集に努めていただいて、対応対処については早目早目ということで、お願いをいたしたいなと思います。

 次に、委員会資料116ページの耕作放棄地対策の推進についてお伺いをさせていただきます。
 耕作放棄地は県の努力で解消される。しかし、また新たに耕作放棄地が出てくるということで、なかなか解消までは至らないというのが現状。そういった中で、新しい事業として農業利用が困難な放棄地の非農地化を進める事業を始めるということでございますので、そうすれば、耕作放棄地の面積は徐々に減っていくんだろうなと思います。そういった中で、交通基盤部と経済産業部と、資料にもありますけれど、それぞれ耕作放棄地に取り組む事業というのがあるわけでございます。交通基盤部も経済産業部もそれぞれの目的は多分同じ方向であろうかと思うんですけれども、これらの事業の違いについて御説明いただきたいと思います。

○内山農地計画課長
 耕作放棄地対策のさまざまな事業の違いについてお答えをいたします。
 交通基盤部それから経済産業部におきましても、この耕作放棄地の解消というその目的自体は全く同じでございます。その手法としまして、交通基盤部におきましては、県単独耕作放棄地解消基盤整備事業など、これまで基盤整備と一体となった解消を進めてまいりました。また、経済産業部で行っている耕作放棄地再生利用緊急対策交付金も、これは担い手への集積というものを目的に、簡易な整備などを実証する中で、耕作放棄地を担い手などに集積するという事業を実施をしております。
 さらに、今年度からの事業といたしまして、経済産業部においては茶園集積推進事業費助成というものがございます。経済産業部が行いますこの事業につきましては、耕作放棄地を再生利用することを目的としまして、農地中間管理機構を通じて借り受けた茶園の簡易な整備に対して助成をしようとするものでございます。
 一方、これも今年度からの新規事業でございますけれども、交通基盤部の耕作放棄地解消保全管理農地等創出モデル事業費につきましては、中山間地域や斜面地等の営農条件が悪い耕作放棄地で借り手がないなど農業利用を前提とすること自体が既に困難になっているところを対象にして行うものでありまして、耕作放棄地周辺の営農されている農地に、病害虫の発生ですとか鳥獣害被害などの支障を及ぼすことが懸念される耕作放棄地を、地域の協働の力で草刈りなどを行い保全管理をすること、また計画的に林地化を進めるなど、適正な管理を進めることを目的とするものであります。これにより、耕作放棄地の拡大を防止しようとするものであります。交通基盤部のこの事業につきましては、今年度モデル地区を設定し、適正管理に係るコストなどを検証した上で次年度以降の制度化に向けて検討していくつもりでございます。

○小長井委員
 耕作放棄地につきましては、今も説明にありましたが、やっぱり条件の悪いところから順番に放棄されていくということでありますけれども、最近は条件がある程度よくても後継者がいないため放棄地がふえていくということで、非常に深刻な問題があります。かなり基盤が整備されていれば、買い手もあるし、農地の流動化が進むと思いますので、そういった面では交通基盤部のこの耕作放棄地対策というのは非常に重要な部分になるのかなと考えますので、ぜひしっかりとした取り組みをお願いしたいなと思います。
 
 次に、委員会資料121ページになりますが、ふじのくに美しく品格のある邑づくりについて伺います。
 静岡県では農地や美しい景観、地域に伝わる文化、伝統などの地域資源を継承する活動を行っている集落等を美しく品格のある邑として登録して支援しているわけですけれど、これが本年度からしずおか農山村サポーターの募集、登録を開始し、農山村と県民、企業をつなぐ新たな地域コミュニティーの構築を支援するということでございます。私の地元の大岡地区や清沢地区、ここもふじのくに美しく品格のある邑に登録されてるわけでありますが、こういった集落、個々の力ではなかなか発信する力も弱いということで、こういった県の取り組みには大いに期待するところであります。このしずおか農山村サポーター「むらサポ」の取り組みとしては、情報発信をすることが中心だと思いますが、情報を発信してもらう側の農山村や受け取る側の県民の立場を考えるとこの情報はタイムリーかつ多様であることが重要であると考えます。そこで、県は具体的にどのような情報を集めてどのように提供していくのかお伺いいたします。

○佐藤農地保全課長
 美しく品格のある邑づくりの推進についてお答えいたします。
 7番委員から情報収集の方法ということで御質問いただきました。農山村に関する情報交流の場として、4月1日より運用を開始いたしました「むらサポ」では、市町、県の農林事務所等を通じまして、美しく品格のある邑づくりなどから棚田保全につながる田植え作業であったり、地域の魅力を再発見しますウオーキングイベント、あるいは旬な農産物が購入できる朝市など、きめ細やかな情報を逐次収集しております。
○小長井委員
 今おっしゃるような情報はどこの村でも最近盛んに行われることでして、その情報がなかなか県民に伝わっていないというのが現状でありましょうから、今のようなことを「むらサポ」の皆さんに情報発信をしていただけることになれば、さらに交流が進むという結果になろうと思います。その後の、今後の展開ということについては、どんなふうに考えていらっしゃるのかお聞かせください。

○佐藤農地保全課長
 こうして収集いたしました情報につきましては、ただいまメールマガジンあるいはフェイスブック等を通じまして、登録いただきました皆様に大体毎週1回程度メルマガ等を通じまして情報発信をさせていただいております。これまで4月から都合13回メルマガ等で情報発信をさせていただいているところでございます。こうして登録をしていただいた県民の皆様、6月末までに520件程度になっております。こういった配信を続けていくことで、まずは農山村に関心とか興味をもっていただくことが大事かなと思っております。
 そして、関心をもっていただいた後に地元の物産を買っていただいたり、農作業に参加していただいたりということで、県民の皆さんに農山村とつながっていただくということが大事かなと思っております。そういった中で、何度も何度もリピートしていただくことによって、ファンになっていただいて、農山村の資源の保全にかかわっていただきたいと思っております。

○小長井委員
 今お答えいただいたようにサポートしていただけるということになると、この美しい邑の皆さんもそのようにやる気を出していくだろうと。やったことが報われるというようなことになろうかと思いますので、ぜひ推進をしていただきたいなと思います。

 次に、説明資料ではありませんけれども、浜岡の原子力災害について浜岡地域原子力災害広域避難計画が3月に策定されたわけでございますけれど、この避難計画については、道路を使って避難する、橋を渡る、トンネルを通ると、交通基盤部については非常に関係の深いことになろうかと思います。危機管理部が策定したものでありますけれど、交通基盤部としてはこの避難計画の策定に当たってどのようなかかわりをしていただいたのか、お聞かせください。

○山本道路企画課長
 浜岡地域原子力災害広域避難計画について交通基盤部のかかわりということで御質問いただきました。
 交通基盤部の道路企画課を含めまして、幾つかの課が作業部会に参加してございます。作業部会は避難ルートの確保あるいは避難待機時検査場所の運営等いろんな部門がございまして、それぞれ各課が別々のところに参加してございます。その作業部会でのいろんな議論を踏まえて、それを取りまとめて危機管理部がこの計画を策定したところでございます。ですから、交通基盤部のかかわりと言いますと、各論の議論に参加するなどして計画策定にかかわっているところでございます。

○小長井委員
 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、熊本の地震は発生して車がとまり、電車がとまり、飛行機も飛ばないというような状況。橋が落ちたのは1つだったと思いますけれど、この高速道路ですね、道路を見ると余り大きな報道をされませんでしたけれど、いろんな写真週刊誌を見ると道路に亀裂が入ったり、波打っていると。とてもすぐには車は走れない。例えば、きょうじゅうに避難をしようというようなことがあった場合でも、なかなかできるような状況ではなかったのかなと思います。
 そういった状況がこの静岡、特に東海地震のように直下型の、ちょうどこの真下が震源になっているようなところで起きると、さらに熊本の地震以上に厳しい状況が現出するのではないかなと思います。それに向けての準備をしていただいていると思いますが、県内の橋梁、トンネルの耐震化の推進をしていると思うんですけれど、その進捗状況はどのようになっているのか。そして、またこの耐震を進めているということだったら、それはどの程度の地震――マグニチュードとか震度とかありますが――そういったものに耐えられるものとして整備をされているのかお聞かせください。

○原道路整備課長
 県内の橋梁の耐震基準についてお答えいたします。
 橋梁の耐震基準につきましては、海洋プレート型の関東大震災あるいは東日本大震災のような地震、あるいは阪神淡路大震災のような内陸直下型の地震を対象として耐震の設計を行っております。従前、関東大震災を対象に行ってきたわけですが、平成7年の阪神大震災におきまして落橋の被害が生じたということもありまして、耐震基準が見直され、新たに内陸直下型、阪神大震災クラスの地震を想定して耐震対策を行うこととしております。
 県内の橋梁の耐震対策の進捗状況でございますけれど、県内、数多く橋がありますけれど、中でも緊急輸送路を構成する橋だとか、鉄道あるいは緊急輸送路をまたぐ橋等重要な橋について、いろいろ基準を設けながらではございますが、重要な橋梁576橋を抽出しまして、それらの耐震対策を順次進めております。平成27年度末におきましては、全体で57%の耐震対策が終了してございます。今後につきましては、地震・津波対策アクションプログラム2013において平成34年度末までに100%とすることを目標として整備を進めてまいりたいと考えています。

○小長井委員
 576の橋が整備済みということですか。

○原道路整備課長
 済みません。
 耐震を行う必要がある橋が576で、そのうち329について平成27年度末までに完了しております。進捗率としては57%です。

○小長井委員
 そうすると43%はまだということですけれど、原子力災害対策重点区域PAZ、UPZが11市町ですけれど、ここの中での、耐震化の進捗状況はどんなふうになっていますか。

○原道路整備課長
 UPZ11市町内の耐震対策の状況です。
 対象としましては、238橋ございます。うち123橋、52%が耐震対策が完了しております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 先ほど阪神淡路の地震に対応できるような耐震化を進めているというお話がありましたけれども、その後の東日本大震災は直下型ではなく海からだったわけです。この静岡の東海地震となると直下型の地震が心配されるわけですから、阪神淡路の震災、それ以上のものが起こる可能性が十分に考えられるんじゃないかなと。そうすると、今進めていただいているものはどのぐらい耐えられるかというようなことも出てくる。耐えて落ちるようなことがなければ本当にいいことなんですけれど、それもわからないような状況でございます。
 橋だけではなく、先ほども申し上げましたけれども、道路も段差ができる、波打つというようなことで、これも当然液状化等が起こるわけでございますので、非常に短期間でこの道路を使って避難するというのは難しいんじゃないかなと思いますが、その辺についてはどんなふうに考えておられるのかお聞かせください。

○大石道路保全課長
 7番委員の御質問にお答えします。
 まず、今橋梁の話がありましたけれども、それ以外にトンネルはどうなのかでございます。
 トンネルにつきましては、そのトンネルという構造物自体が地山の中に組み込まれていまして、特に耐震性というものを考慮して設計しているものではございません。ですから、昔からトンネルは地震には強いと言われているものでございます。ただ、今回の熊本地震の様子を見ていますと、中にはトンネルも地震で損傷したというようなことも報告されているように聞いています。ただ、それがどういうような被災の仕方をしているのかということはこれから研究が進んでいくかと思います。それによって対策をしなければいけないということがあるのかもしれませんが、今現在はトンネルにつきましては、先ほど申しましたように耐震性をもって、あるいは橋梁のように地震過重をかけたりして新たに設計するというようなことは、今は設計の中では行われておりません。
 あとは、のり面とかのり面などをとめている擁壁なんかにつきましても、その地震があったときの挙動について何らか影響はあるだろうということは、道路土工の擁壁工指針――これが擁壁などを設計する場合の指針になるわけなんですが――その中でも何らかの影響があるであろうが、普通の設計あるいは施工がしてあれば影響が少ないだろうというような見解になっております。ただ、8メートルを超えるような大きなものについては耐震、地震過重をかけたり補正したりして設計するようになっています。したがって、今、静岡県では特に擁壁について耐震の設計をして耐震対策をするということについては、擁壁についてはやってございません。
 あと、もう1つ最後のほうのどのように避難するかということでございますが、橋梁の場合には落ちてしまうとそこは渡れなくなってしまって物理的に行けないということがございます。道路だってそうだろうということなんですが、多少の段差であれば1日、あるいは道路啓開の話になってくるんですけれども、土を入れてある程度平らにして車だったら通れるようにするというような対策で対応していこうという考え方で今道路啓開の対策をしているところでございます。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 阪神淡路の地震の強さに合わせてやるというのは、それはそれでいいと思うんです。ただ問題なのは、原発が事故を起こして放射能が出たと、これが問題でございまして、そうなった場合は今のお答えの中では1日もあればならすことができるといったけれど、その1日が非常に厳しいわけでございますので、結局は結論から言えば、現状では94万人の人がこの31キロ圏から脱出することはなかなか難しいんだろうなと思います。

 最後にもう1問お伺いしますけれど、先ほど1日もあれば道路は直せるということでございますが、橋が落ちる、道路に亀裂がでると、こういった場合の緊急的な措置として道路をならすというようなこともおっしゃいましたけれども、緊急な措置はどのように対応していくということを考えているのか、お聞かせください。

○内田技術管理課長
 緊急的な措置というお話をさせていただきます。
 ただいま道路整備課長あるいは道路保全課長から主にハード対策の話をさせていただきました。先ほどの事前復興行動計画、これは実は東日本の岩手に派遣された職員が向こうで経験した知見を本県の防災対策に生かすと、これは主にソフト対策でございます。それで、今まで7番委員の御指摘がありましたように、87件の状況報告から35の項目についてこれまで取り組んできたところでございます。そういう中におきまして、今次の熊本の災害、この道路の面での教訓というのは非常に同時多発的に道路がやられたと。全域震度7の地震が2日おいて2回起きたということで、約2,000カ所を超える箇所の道路が損傷しました。国からプッシュ型ということで、強制的に基礎的な物資を搬入しようとしたんですが、道路が渋滞し、また受け手側の県のほうが十分な受け入れ態勢がなかったということでございました。
 そういう中で、私どもその事前復興行動計画をぜひ熊本の経験を生かして見直さないといけないんじゃないかということで、5月に開催いたしました検討会で新たな事前復興行動計画を考えております。これは、やはり道路がやられますと、非常に広域な災害におきましては、広域受援ということで、県外の警察、消防、自衛隊が速やかに入ってこなければなりません。また初期の発災、初期の人命救助、これにも道路がどうしても必要になります。そういう中で、新たに広域受援計画を危機管理部で、まさに熊本地震の教訓を反映したような計画をたてておりますので、これに基づいて先ほどの35項目の中で9項目を緊急輸送ルートの確保というソフト対策で重点項目にいたしまして、今年度より重点的に対策をとっていこうと考えております。そういう中で、今目標としておりますのは、来年の1月に開催されます図上訓練でその検証を行いたいと考えているところでございます。

○小長井委員
 ありがとうございました。
 この問題は非常に重要な問題、大変な問題だと思います。なかなか避難するにも要援護者がいたり高齢者がいたり病人もいると、31キロメートル圏から出てくるための道路や橋というのはなかなか整備するのはきついのかなと、大変かなと、私はそういうふうに思っています。そのためには官民の連携の中で、非常に地震によっては厳しい状況になるということは率直に交通基盤部からも話をしていただいていると思いますが、ぜひそういった面でも今後しっかりと取り組んでいただくことをお願いしまして質問を終わります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp