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委員会会議録

質問文書

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平成24年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:遠藤 榮 議員
質疑・質問日:03/08/2012
会派名:自民改革会議


○遠藤(榮)委員
 いよいよ、どうもアンカーのようでございまして、本会議も同じような形でやらせていただいたものですから、アンカーっていうのは大体強いやつが行くのが本来なんですが、私は余り強くありませんので、ありのままのことを少し言わせていただきたいと思います。
 福祉の関係、健康の関係。この問題につきましては、やはり非常に地味な、しかしながら大切な仕事だと思っています。そういう中におきまして、皆様方それぞれの形の中で一生懸命に歯を食いしばりながらやられたこともあると思うし、それからつらい思いをしながらやったこともたくさんあると思うんですよ。特に、三・一一のときのことから始まりまして、我々も何回か視察等、また応援等に行った中で、本当にああいう姿を見たときに、人間が生きるということの大切さと偉大さ、そして人間が自然の中にいて、そしていかに人間の力が小さいかということをしみじみ感じてきたところであります。特に、あすは我が身ということも考えなければならない、非常につらい大きな経験を私たちはしたわけであります。
 その中で、健康福祉部の関係を見ますと、1兆1306億円の中で、教育委員会は別として、一番予算の多いのはここなんですよね。私の算出でちょっと見たから間違っているかもしれませんが、教育委員会が3000億円、健康福祉部が2000億円ぐらいだと思うんですよね。両方を合わせれば半分ですよ。そういう中において、非常に大きな仕事を皆さんやられているっていうことで本当に感謝しているんですが、残念ながらこの福祉関係の仕事、いわば厚生関係の仕事というのは、国の関係がほとんどでありまして、法律のもと我々はその枠の中で仕事をしなければならない。
 私もこの委員会でも言ったことがあるかもしれませんが、地方議員と国会議員との違いは何かということなんですが、バッチの色が違うとか何かあるかもしれませんが、彼らは参議院でも衆議院でも法律をつくることができるんですね。我々は、僕だって30年県議会議員やっていたって法律をつくることができないんですよ。法律を侵さない中において条例しかできないんですよ。その枠の中で皆さんはそれぞれの形の中でお仕事をやられてきた。そういうことに対しまして、いろんな形の苦しみもあると思うんですが、やっぱりそういう中で、皆さんは歯を食いしばりながら今日までやってきたということを非常に高く評価したいと思います。
 そこで、今度はぐっと落ちるかもしれませんが、病院の問題で、私も県立総合病院にかかっています。というのは、かつて飲み過ぎて肝臓をやられたわけじゃないんですが、心臓がもともと余りよくないものですから、心臓の関係で県立総合病院に10数年かかっておりますが、その中でやっぱりいろいろ感じていることはすごい病院だなということです。それと同時に、3つの県立の病院の中で、例の独立行政法人化をしたのが3年ぐらい前だと思うんですよ。このときに当時の石川知事ともいろいろ論議したんですが、何でこういう法人化するんだということの中で、1つのきっかけになったことは、お医者さんの獲得が非常にやりやすいと。今の県の条例の中じゃなくて、法人になった場合には医者の獲得がやりやすいという話で我々も納得したわけであります。しかしながら、麻酔医とか、いろいろの神経の関係とかなんかの医者に関しては、これは森課長から文句が出るかもしれないけれど、僕は医師の数が十分じゃないと思うんですよね。
 そういうことで、その辺のいわば法人化した中において、医者の配置といいましょうか、県立総合病院、こども病院等々におきましては、我々からよく見えるんですが、こころの医療センターに対しては非常に何といいましょうか、日が当たらないという言い方するとあれになるかもしれませんが、非常におとなしい存在になっている病院でもあるわけであります。しかしながら、非常に心の病といいましょうか、そういう病院というのは、私はこういう行政がしっかりとやっていかなければならない問題であろうかと思います。
 私もこんなでかいことを言っても、視察に行ったことがあるのはたった1回ですよ。去年行ったっていう話も聞いたんですが、こころの医療センターとかこども病院。こども病院はもう世界一だと言われているんです。県立総合病院も、いわば循環器を初めとして、かなりいろんないいお医者さんもいるし施設も持っているということで、この法人化した後において、どんなふうに変わったかということを、ひとつお教えいただきたいと思います。

 それから、私の与えられた時間は余りありませんので、本会議の延長で大変申しわけございません。先ほど3番委員が、いろんな行政はスピードだと言ったんですが、吉原林間学園の問題に対して、やはりかつてのひきこもりとか登校拒否の子供たちから、虐待の子供たちとか発達障害の子供たちに、ほとんどそういうことで変わっているんですよね。そういう形の中で、やはり時間をかければいいということじゃないと思うんですよ。そういうことでぜひ早くといいましょうか、やはりこれはおくらせたために何か得があるかって、そうないと思いますので、ぜひスピード感をもってこの問題に取り組んでもらいたい。できれば部長に簡単でいいですから答弁をしていただきたい。

 それから、がんセンターの問題で、新聞の記事で見たんですが、静岡がんセンターとカイオムという会社が、抗体医薬品開発で提携をして云々って書いてあって、これはかなり大きなことだと思うんですが、この内容についてお教えいただきたいと思います。
 私は、がんセンターも県立3病院に匹敵するあるいはそれ以上のもので、特に抗がん剤の治療に対しましては非常に大きな力を持っていて、すばらしいことだと思うんですが、こういうことによって、よりがんセンターの医療の幅が広がってくると思いますが、この辺についての見解を教えていただきたいと思います。
 とりあえず、まず1回目は、以上のことでお願い申し上げたいと思います。

○森医務課長
 御質問は、県立3病院が独立行政法人化した後、どのような効果があったのかということでございます。
 設立に関しては先生御存じということでございまして、もともと法人化の効果とすれば、これまで、人員で言えば定数、それから予算で言えば予算の縛りというのが、どうしても県の中の管理のほうで行われたものを、それを解除して非常にフレキシブルな病院経営をするという目的で行われました。その結果でございますけども、黒字がすべてではありませんけれども、今年度も経営上の収支もよろしく、それから評価委員会の評価も高いということです。
 評価委員会の評価を例にとりますと、その評価としてのもともとの基本的な考え方が、独法化して自主性が発揮されているかということ、それから効率的な運営がされているかということと、それから高度医療、地域医療の支援が行われているか、そういう観点で見て、独法化した県立病院がどうなのかということでございますけれども、今回の評価で見ますと、自主的な運営ということでは、経営的に経常収支比率100%を確保する、自主性を持った運営ができているということ。それから、先ほど医師の確保についてもありましたけれども、看護師確保それから普通の一般医療事務の確保につきましても、これまでの県の規制にとらわれずフレキシブルに採用できているということで、一定の成果が上がっていると思っております。それから、実際の3病院共通の管理部門の体制化とか、委託業務の一元化など、非常にその効率化が行えているということで、独法化の利点が出ているというふうに思っております。
 結果でございますが、地域医療の支援ということであれば、基本的には救急医療はほぼ100%受け入れる態勢ということを行っておりますし、脳卒中患者のための専用治療病室を備えるなど、高度医療も備えられているということでございますので、当初、独法化の最初の目的については、この3年間で達成されているというように思っております。
 そのうちの先生の御指摘の中で、医師の確保の問題ですが、医師の確保というのは独立行政法人化した病院機構にかかわらず、いろいろな病院でそれらが課題になっていると思います。実質的な話で申し上げますと、病院自体が必要な医師、看護師数についてはもともと問題ないわけですが、その病院が理想とするような形の医師の確保についてでございます。医師の確保につきましては平成22年度が平均212人体制で、23年度で1名増加しています。看護師についても22年度は1,123人体制で1,127人と、少しでございますけれども、着実に医師、看護師の確保はできていますということです。
 じゃあ、実際に病院の理想とするような必要数に対してはどうかといいますと、看護師については基本的に今、1,067人というカウントの中では、産休、育休の看護師さんがいるので若干の変化はありますけども、看護師さんの確保というのはそれなりにできていると。医師につきましては、やはり高度医療を県立総合病院の理想のもとに行うためには若干の人数が、もともと求める人数に対して足りないということでございますので、病院機構といたしましても医師確保の充実のために、研修医の受け入れを充実させるというようなことの試みを行うなど工夫をしているというところでございます。
 ちょっと最後の言葉は取りとめがなくなりましたけども、話はもとに戻りまして、独法化しての効果というのは、先ほど申し上げました経営面のこと、それから効率的な事務運営ができていること、それから高度医療を確保して、地域貢献しているという3点があると思います。この3年間を見る限りは独法化については適正な評価ができているんじゃないかというように考えております。以上でございます。

○池谷健康福祉部長
 吉原林間学園の改修、機能強化について、お答えします。
 本会議でもお答えさせていただきましたように、委員のおっしゃったとおり、今、吉原林間学園の被措置児童といいます入所している子供は、もう被虐待の子供が8割を超えているというような状況でありまして、県下の平均の養護施設では約4割から5割なので、相当難しい子供さんたちを吉原林間学園では預かっているということもございます。そこの機能強化は大至急、部としてやりたいと思っていますし、もう既に中身を検討してもらっていますので、あとは財源措置がとれるかという非常に大きい問題がありますのと、あともう少し地元の富士市なり教育委員会とお話をさせていただいて、地元の大淵小学校、中学校に大変お世話になっているものですから、今の場所は少し水が出て水の通り道になっているというところもございまして、その辺も含めてどうするかというのはひとつ課題です。
 あともう1つ、県全体を見ますと、県立の磐田学園という、これも強度行動障害の子供たちを支援している施設ですが、そこも相当老朽化が進んでおりますので、その2つを健康福祉部では抱えています。本当に早いうちに、吉原林間学校の方向性、磐田学園の方向性を出して、財源措置を考えながら進めていきたいと思いますので、また御支援をいただければというように思っております。以上です。

○増田がんセンター事務局長
 カイオム・バイオサイエンス社との包括的な共同研究協定の内容でございます。
 がんセンター研究所では、がん治療に臨床応用できる抗体医薬の製造を目指しまして、これまでさまざまな試料から抗体の標的となるたんぱく質を発見してまいりました。しかしながら、発見した標的たんぱく質に対する抗体のすべてを迅速に作製する技術が十分ではなく、研究を進めていきますのに大変時間がかかるという状況でございました。
 一方、カイオム・バイオサイエンス社は、幅広い抗体を短期間に製造する技術を持っております。両者が包括的な共同研究協定を結ぶことによりまして、抗体医薬の創薬研究の早期プロセスを極めて効率的に進めることが可能となります。将来、臨床応用の可能な、有用なCG抗体を数多く発見することができるようになることを期待しております。
 また、研究所のほうではこれとは別に、ヒト型のモノクローナル抗体を短期間に、また安価に作製する技術を開発しておりまして、今回の共同研究によりまして、がん治療に有効な抗体を発見できれば、それを応用した抗体医薬品を容易に作製できるようになることが期待されております。以上でございます。

○遠藤(榮)委員
 言いたいことはいっぱいありますが、それぞれ県立病院の問題、それからこども病院の問題、こころの医療センターの問題、がんセンターの問題等々におきまして、皆様方、大変御苦労されている。だけれど、もっとよりすばらしい病院にするためにも、私も行っているんですが、長時間お待ちの皆さんへということで、本当に待つんですよね。それは、特に有名な先生のところは物すごく患者が多いんですよね。だから、やっぱりそういうことも含めて、予約制度の問題に関しましても、若干工夫する必要があるかなということを1つ申し上げておきます。
 がんセンターにおきましては、ぜひそういう形で、世界に誇る静岡県のがんセンターでありますので、ぜひいい方向に進めていっていただきたいと思います。

 ここで、本会議と全く同じようなことになってしまったわけでありますが、きょう、この説明者の中で、3人の方が、めでたくと言ったらいいかどうかわかりませんが、県を退職される方がおられるわけでありますので、たまたま私も長くおつき合いをいただいたものですから、一言だけ、いわば送別の言葉じゃございませんが、言葉を贈らせていただきたいと思います。
 佐野行英障害者支援局長、それから野田哲郎生活衛生局長、それから西澤雅彦薬事課長、それぞれ昭和26年、27年にお生まれになって、それから昭和50年、それから昭和49年にそれぞれ県庁に就職されたという形で、38年、37年間にわたり県政のために大変頑張ってきていただいたことに対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 佐野さんは、熱海の財務事務所に入られて、そして空港部で苦労しているんですね。それからずっと、いわば福祉、厚生関係、そしてまた富士見学園にも来ていただいて頑張っていただいたということで、大変御苦労さまでございました。
 それから、野田さんは一貫して獣医という立場で、まさに静岡県のそういう関係の専門職として大変御苦労をかけて、そして一番初めは下田から始まっているんですね。そういうことで本当に、いわば東部とか西部、中部とか、健康福祉センター等々も回られて、獣医という仕事で大変御苦労された。
 それから、西澤さんの場合は薬剤師という立場で、やはり専門職でございまして、沼津保健所からスタートして、それぞれ今日まで、いわば薬剤師という立場の中で専門職で大変御苦労をかけ、そして今日まで来たわけでありまして、それぞれにお3人とも本当に、技術屋って言っては悪いけど、私も技術屋でございますので、あるときは本当に日の当たらないときもあったと思うんですが、歯を食いしばりながら今日まで来られて、そして立派な形で退職されていくわけでありまして、これからそれぞれの道で、またここで培ったものを、やっぱり地域発展のため、また県政の発展のためにお力添えをいただきたいと思います。
 それから、さっき、みんな結婚しているんだなということの話をさせてもらったんですが、やはり一番苦労をかけたのは奥さんだと思うんですよね。家族だと思います。そういうことで、これから奥さん孝行って言い方はどうか知りませんが、私たち、特に政治をやっている人間は、女房に頭が上がんないという方がほとんどでありまして、私は特に上がりませんが、やっぱりそういうことで、家庭があって初めて仕事が成り立ってくるということであろうかと思います。そういうことでお支えをいただいた奥様、そして御家族の方々に心から感謝申し上げまして、送別の言葉になりませんが、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。大変ありがとうございました。
 できれば一人一人、一言ずつ言ってください。お願いします。

○佐野障害者支援局長
 どうもありがとうございました。
 私、37年間のうち15年間、健康福祉部に勤務しまして、昭和56年に最初に健康福祉部へ来たとき担当したのが吉原林間学園の建設です。退職するときに、手がけた建物が残っているというのは、いいことか悪いことかわかりませんけど、その当時一生懸命努力した結果だと思っています。
 その後、いろんなところを回りまして、7年前に希望して障害者支援局に来ています。その後、ずっと7年間いるわけなんですが、ちょうど障害者自立支援法の改正の時期でありまして、小泉内閣の時代に選挙の結果としてでき上がって、その4年後に政権交代でいろんな変動があって、また今回国会に改正法案が出されると聞いています。そういう中で、障害者の方々はかなり戸惑いがある中で進んできていますが、現状はある程度の安定状況にあると思っています。そういう中で、今後とも財政的な安定とか制度の安定が図られればと思っています。
 また、我々が就職した昭和50年ごろというのは、ちょうど東海地震がいつ起きてもおかしくないと言われる中でずっと来まして、あと3週間ほどありますけども、東北の方々に聞きますと退職間際のときに地震が発生して、その後ずっと何カ月間も残って、最後の御奉公といいますか、頑張ったと聞いています。我々も、あと最後まで気を緩めることなく頑張りたいと思っていますので、また退職後も引き続き障害関係の仕事につく予定でおります。また、いろいろお世話になりますがよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。(拍手)

○野田生活衛生局長
 ただいま遠藤委員のほうから大変身に余るお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。また、このような発言の機会をいただきまして感謝申し上げます。
 先ほど委員のほうからお話がありましたように、私は技術職ということで、獣医ということで昭和49年から静岡県の職員として、通算で38年間、勤めさせていただきました。先ほどもお話がありましたように、最初は下田保健所ということで、延べでいきますと12事務所といいますか、1つの事務所で2回、3回と行ったところがございますので、延べで12カ所を経験しているということでございます。仕事的には技術職ということで、食品衛生あるいは食肉衛生、こういうような衛生業務の行政を担当してきたということでございます。
 ちょうど今回退職ということで、昭和49年の部分をちょっと考えてみました。先ほども佐野局長のほうから地震のお話があったわけでございますけど、今回も東日本大震災があり、大きな災害になっているわけですけど、静岡県に入った昭和49年に私は下田に配属されたわけでございますけど、5月9日に伊豆半島沖地震というのがございました。これがマグニチュード6.9ということで、南伊豆町の中木であるとか入間、石廊崎、こういうところが相当つぶれまして、全体で30名ぐらいの死亡者が出たということでございます。ちょっと考えたんですけども、地震で始まって地震で終わるというような自分の部分かなというふうに思います。
 特に49年のとき、5月9日は新規採用職員の研修ということで、たまたま私は静岡の自治研修所、今の消防学校のほうにおりまして、昼の食事のため、食堂のテレビでその情報を初めて知ったということでございます。後でそのときの状況を聞いてみますと、私が座っていた机の後ろの鉄庫が倒れて、おまえがそこにいたら大けがしていたよというような話を聞いたことを思い出します。
 私は、先ほど言いましたように衛生行政を担当しているということでございまして、仕事の中で若干自分自身、記憶に残る部分、あるいはこれから記憶に残るだろうなという部分を2つほど紹介させていただいて、話を終わりたいと思います。
 特に、前副知事の大村副知事がこういうようなことをちょっと言っておりまして、行政を担当する者としては、現場から主張した理屈が制度等に反映されていく過程が最も仕事をしてよかったという場面のように感じると。まさに、そのとおりかなというふうに思っておりまして、そういう意味において、私が38年間の中で体験した内容を2つほど紹介させていただくということです。
 まず、その1つは、あくまでも食の安全確保という立場でお話をさせていただきますけど、平成13年9月10日に、皆さん方もまだ御記憶にあると思いますけど、千葉県で国内最初のBSEが発生したという事例がございました。この事例を受けまして、国においては30カ月齢の牛についてBSEの検査をするという方針がいち早く打ち出されたわけですけど、静岡県はそういうことではなく全頭検査をするんだということで、全国に先駆けて全頭検査の実施の意思表示をして始めるというふうな対応をとらせていただきました。こういうような地方の動きが全国的に波及いたしまして、国は当初の方針を変えて同年の10月18日から全国一律で全頭検査を実施すると、そういうような対応がとられたということが私自身の衛生行政の中で記憶に残るということでございます。
 特にこの平成十二、三年という時期は、食品にかかわる事件、事故等が多発した時期でございまして、県民の意識調査はその当時もやっておりますけど、私の記憶では県民の98%が食の安全に対して不安を感じると、もうほとんどの方が不安だと、そういうような状況下にあったということでございまして、そういう中で今でもアクションプランというのはありますけど、そういうものを受けまして、副知事を代表とする全庁的な組織ということで、しずおか食の安全推進委員会というものを立ち上げまして、その中でしずおか食の安全確保のためのアクションプランというものを策定したと。これは現在にもきょうの資料の中にも言葉として出ていますけど、引き継がれているということで、そういう意味でいい部分ができたのかなと。とりわけ牛のBSEにかかわる全頭検査におきましては、当時の衛生部長ということだと思いますけど、部長の英断というものについては非常に頭が下がるというふうに考えております。
 また、もう1つが、今回の福島原発にかかわる放射能汚染問題でございます。これは静岡県でもお茶とか干しシイタケとか、いろいろ問題等がございました。当初の暫定規制値では一律に全部の規制をかける、原料から製品まで同じ基準値を当てはめるということでございましたけど、そういう中で本県では、お茶でありますとかあるいは干しシイタケについて基準値オーバーという物が出てきたという部分で、静岡県は、とりわけそういうような乾燥あるいは濃縮される加工食品においては、最終的に県民の口に入る段階での規制値の適用が正しいのではなかろうかということで、再三国のほうに公開質問状、あるいは申し入れ書を送ったということを覚えております。
 そういう中においても、きょうも前のほうの席に部長代理の石野がおりますけど、国への要請行動に伴って新幹線に行く中で、公開質問書をとめてなかったということで、新幹線の車中で車掌さんにホチキスを借りてホチキスどめをしたと、汗をかきながらホチキスをしたというようなことがございました。そういうようなものを受けまして、今回新たな規制値というのが出ております。これは皆さん方も十分御存じだと思いますけど、静岡県の主張していた、最終的に口に入る段階での規制値の適用というのが認められる方向で今、進んでいるという意味において、冒頭大村副知事が言っておった、やはり自分たちの主張しているものが最終的に、そういう制度とか形になる、自分がやっていてよかったという部分におきますと、この2点が非常に私の記憶に残っているところでございます。
 衛生行政というのは、何か問題が起こらないとなかなか脚光を浴びないというような地道な仕事でございます。何も問題が起こらないような日々において、各保健所とか健康福祉センターの中での職員の日ごろの絶え間ない御努力、それがすべてではございませんけど、そういうものがあって問題の発生が抑えられているということを、ぜひ委員の皆さん方にも御理解いただければ非常にありがたいと考えております。
 また、最後になりますけど、今、議会のほうで食の安全・安心の条例の議員提案による制定というのが進められているわけでございまして、先日、それの協議に入ることが議決されたところでございます。委員の皆さん方には、ぜひ県民にとってよい条例制定になりますように、御理解と御協力をお願い申し上げます。
 私は今後、これまでの県職員の経験等を生かしまして、これから地域社会に貢献していきたいと考えております。ぜひ今後とも皆さん方の温かい御支援等いただければありがたいなと思っております。
 以上をもちまして、甚だ簡単ではございますけど、私の感謝の言葉とさせていただきます。どうも本当にありがとうございました。(拍手)

○西澤薬事課長
 まず初めに、遠藤委員から心温まるお言葉をいただきまして、本当にありがとうございました。それから、このような発言の場をいただきまして感謝申し上げます。私、業務を通じて感じたことを少しお話しさせていただきます。
 委員からの御紹介にありましたように、私は薬剤師という技術職で、産業廃棄物とか高圧ガス、水利用、薬品関係の許認可や調査、指導業務に長年携わってまいりました。これらの関係する業界では、製品の品質保障や、それに伴います危機管理につきましては、事業者の自主管理のもとで行われております。このため、法を踏まえて安全性の確保の見地から業界への指導、育成を重点に業務を今までずっとやってまいりました。このことは今も全く同じでございます。
 しかしながら、この指導する内容が、この10年ほど前から、関係する業界の製品の安全性を保つ品質保障の体制がEU、米国、アジアの国々の制度との整合性を非常に強く求められてきておりまして、業界への指導、育成する内容も、国際基準などを踏まえた非常にグローバルな内容となってきております。
 それから、この2年、薬事課に所属し薬物乱用対策に携わらせていただいたわけですが、この問題では関係団体とか機関、そういうところばかりでなくて、民間で自主的な活動を行っている方々と積極的に情報を共有して、連携して対応していくことがますます必要になってきております。
 このようなことも踏まえまして、業務に取り組まなければなりませんので、職員には変化に応じ、幅広い視点から見ることが非常に求められております。職員の質を上げなければならないというようなことを、常に考えておりました。そして、業界や消費者というか県民の方々と一緒になって行うという姿勢をもって対応していくことが、問題解決の最も大切なことであると思っております。これは、この4月から一県民となって民間人として働かせていただきますけど、その気持ちは4月も持ってやっていきたいと思います。
 この厚生委員会では、県民の視点に立った御質問をいただきまして勉強になりましたし、記憶に残る年でございました。どうも御指導ありがとうございました。以上でございます。(拍手)

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