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委員会会議録

質問文書

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平成30年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:07/03/2018
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 それでは、先ほど天野経済産業部長と芦川農林水産戦略監から53項目につきまして報告、説明していただきましたのでその中からと、説明以外のものについて1つお伺いさせていただきたいと思います。分割質問方式でやらせていただきます。
 まず、主要農作物種子法について伺います。
戦後、1950年以降の日本の食卓を支えてきたといっても過言ではないと言われています主要農作物種子法がことしの4月1日に廃止されました。
 種子法が制定されたのは1952年の5月で今から66年前のことでございまして、米、麦、大豆といった基礎食品について、良質な種子の安定的な生産と普及を国が果たす役割と義務づけたもので、品質向上のための農業試験場の運営など国が責任を持って予算を配分してきたものであります。このことが食料難にあえぐ戦後日本の食料安全保障を支えてきたものだと言われております。この法律が4月1日に廃止されたわけでございまして、これに関しまして今後どのような問題が出てくるかと心配されて懸念されるところがありますので、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、廃止されました主要農産物種子法に基づきまして、これまで静岡県がどのようなことを行ってきたのかお伺いをさせていただきます。

○平松農芸振興課長
 主要農産物種子法について、静岡県が行ってきたことについてお答えいたします。
 この法律の中で県が行ってきたものは、主要農作物の種子の原種の生産、生産する圃場の指定、審査、優良品種を決定するための試験を行ってまいりました。原種の生産につきましては、農林技術研究所が行ってまいりました。種子を生産する圃場の審査につきましては、種子生産組合の所在地を管轄する農林事務所が中心になって行ってきております。優良品種の審査については農林技術研究所が実施しておりました。

○小長井委員
 今おっしゃったように、種子法第3条の圃場の指定、第4条の審査、第7条1項の原種の生産、第8条の承認品種の決定の調査等を行ったということで、非常に重要な役割を担ってきたのではないかなと思います。それが廃止されたということでございますが、廃止の理由として国はどのように説明をしているのかお聞かせください。

○平松農芸振興課長
 種子法の廃止の国の考え方でございますけれども、種子に限らず農業競争力強化支援法という民間の活力を導入した農業の成長産業化についての法律を定めております。その中で種業につきましては、民間事業者の活力を活用した環境整備をしていこうと決めております。それに対しまして、この主要農産物は都道府県、要するに官が中心になって行うということで、農業競争力強化支援法の考え方と矛盾するという考え方から官と民が協力して行うために廃止に踏み切ったと聞いております。

○小長井委員
 今御説明いただきましたように国の説明があったかと思いますが、そのほかに種子の品質が安定してきたこと、全国に通じて優良品種の決定や原種、原原種の生産の義務づけと、法制度としては措置するまでの必要性は乏しくなったこと、あるいは都道府県中心の制度であるので民間事業者が参入しにくいこと、こういったことも言っているんではないかなと思います。例えば奨励品種の民間の参入がしにくいということだったら、奨励品種を選ぶ方法を改善すればいいのではないかと思いますし、また農業競争力強化支援法は高騰している農業生産資材費を下げる意味合いのものだったと思います。後から申し上げますけれど、この種子法を廃止することによって、例えば種子がモンサントのような会社に独占されると。そうなると今度は逆に、資材の価格が上がる可能性もあるという問題点を含んでいるんではないかなと考えます。

 次の質問をさせていただきます。
種子法の廃止によって今後どのような影響が出るとお考えかお聞かせください。

○平松農芸振興課長
 種子法の廃止が4月にされましたが、それに関する影響ということでございます。
 これにつきましては本県もそうですけれども、全国の都道府県から情報を集めますと、種子法廃止後もこれまでと同じような形で主要種子の生産体制を維持していると聞いておりますし、本県もそのように進めております。そういった意味で現状では影響はないと考えております。

○小長井委員
 影響がないとおっしゃいましたがいろんな心配をされておりまして、今後の影響ということでは例えば種子や技術がグローバル企業――先ほど申し上げましたモンサントとかデュポンとか、そういったところに流れていくと。そうなるともうかる品種の栽培だけになってしまって、貴重な種類の種子が栽培されないということにもなるだろうし、あるいは風土に合った品種などの作物の多様性が失われるんじゃないかと。あるいは種子の生産の独占化によって、今度はその企業が価格をつり上げることもできるという問題も起こるのではないか。
また、非常に問題になるのは遺伝子の組み換え作物で、こういったものも選択しないという選択ができなくなることも考えられるんではないかなと言われているようでございますので、非常に問題を含んだことではないかなと思います。

 次に、種子法の廃止と抱き合わせで成立しました先ほども出ました農業競争力強化支援法についてです。
この第8条第2項で都道府県が持つ種苗の生産に関するノウハウを民間事業者に提供することを促すという内容が含まれておりますが、県はこれまでの66年間で貴重な種子、あるいは栽培技術を積み上げてきて、たくさん保有しているんではないかなと思いますが、今後この扱いについてどのようにしていくのかお聞かせください。

○平松農芸振興課長
 県、農業技術研究所といった研究機関等で積み上げていった種苗、栽培技術についての今後の扱いについてお答えいたします。
 本県では種苗、栽培技術については例えば民間事業者から要請があれば、必要に応じて可能な限り情報提供してきております。
 ただ、その場合は本県の農業振興を図る、幅広く産業振興を図る上で弊害を起こすようなことがあれば、そうした要請は断ってきております。例えばですけれども、お米の種で言えば誉富士の酒米でございます。この扱いについては苗の許諾を利用できる範囲を県内の生産者に限定しております。これは誉富士協議会の中で、ブランド化を図っていく上で無秩序に県外に流通してはブランド化が難しくなってくる。農業振興上、産業振興上プラスにならないということもありまして、種苗の許諾については県外には認めておりません。そのほか栽培技術等にしましても特許などの私的財産権をきちっと確保した上で、必要があれば共同研究といった形で無秩序に技術提供されることのないように心がけております。

○小長井委員
 今おっしゃったように栽培技術や貴重な種子が民間に簡単に公開されてしまい、大きな企業がそれを持って特許をとるといったことが出てくると、先ほども申し上げましたけれど価格を左右されてしまうようなことが起こるんではないかなと。
 例えば、日本の野菜も以前はほとんど国産の種でつくっていたものが、今は9割が外国からの種で栽培されている。外国の種を買ったもので栽培されている。アメリカ等では、種子を独占することによってトウモロコシの価格が3倍から4倍に上がったということも聞いております。そういうことでございますので、種子法の廃止は非常に大きな問題を含んでいるのではないかと考えます。

 先ほど他県の状況を見ても余り大きな影響はないだろうというお話があったかと思います。他県ではこれまでこの法律に関する条例の改正あるいは基本綱領、基本要領を制定して、これまでと同様の取り組みをしていく方向で考えているところも数多くあるようでございます。
 静岡県としても先ほどお答えいただきましたように、これまで積み上げてきた技術など貴重なものを守っていく意味でも、あるいは県民の食卓を守っていく意味からもこういった取り組みも必要ではないかなと考えますが、今後の考えをお聞かせください。

○平松農芸振興課長
 種子法廃止後の県の対応ということでございますけれども、県ではこれまで種子法がある中でも、県の主要農作物採取事業実施要綱という、条例まではいきませんけれども、通知の形で県としての考えを示した実施要綱を設けております。それにのっとって、先ほど最初にお話しました県のいろんな審査、品種の確保、品質の確保の取り組みをしてまいりました。
 今回種子法が廃止されまして一部が民間に移ることもありまして、例えば事務手続の一部を経済連が事務局を持っています米麦協会に移すといった見直しもあり、静岡県主要農産物採取事業の実施についてという通知を作成し、関係団体の皆さんにお知らせをしているところです。種子審査の手続、審査の方法についてもきちっと定めて関係する皆さんに通知させていただき、関係者と連携して取り組んでいく形で進めております。

○小長井委員
 先ほどから申し上げていますが、日本の食料安全保障の根幹にかかわることにもなろうかと思いますので、ぜひとも他県の動向も見るということもあろうかと思いますが、しっかりと守っていっていただきますようにお願いを申し上げます。

 それでは、先ほど説明いただきました中から、何点かお伺いをさせていただきます。
まず、委員会説明資料9ページのふじのくにマーケティング戦略の推進についてです。
ここに海外戦略としてお茶の認知度向上がございますが、これまでお茶の販路開拓、需要の拡大、喚起についていろいろやっていただいておりますが、日本茶については海外でも非常に引き合いが多いと聞いております。
そこで、海外での販路開拓についてこれまでどのようなことをやってこられたのかお伺いをさせていただきます。
また、資料には現場の声を聞くと書いておりますが、現場の声といいますと海外の販路拡大と海外市場での声を聞くということも重要ではないかなと思いますが、その辺についてもあわせてお伺いいたします。

○望月お茶振興課長
 海外におけるお茶の販路拡大、認知度向上の関係でございますけれども、県ではアメリカとEUを対象にお茶の輸出戦略を進めております。具体的には県内茶業者のアメリカとEUの主要な商談会への出展を支援してまいりました。
 また、ロサンゼルスとロンドンにサポートデスクを置きまして――サポートデスクは現地で食材の営業にかかわってきた民間の方をお願いしまして、現地の情報収集ですとか商談の支援をしていただいております。
 さらに認知度向上という視点では、静岡茶がどんな環境でつくられて、生産者がどんなことにこだわってつくっているのかを海外の人に知っていただこうということで海外から茶販売業者や飲食店経営者の皆さんを招聘しまして、茶農家の生産現場などを視察していただいております。そういうことを通して認知度向上に努めています。
 現場の声については、サポートデスクで現地情報を収集しており、県内の茶業者の海外との交流を通じて声を聞いております。

○小長井委員
 日本の生産者がどういう気持ちでお茶をつくっているかも広報していく、知られていくというお話だったかと思うんですけれど、やっぱりお茶が売れるか売れないかは、その国の飲む人が好むか好まないか、好きか嫌いか、おいしいかどうかが一番大きな課題になるかと思います。
 日本茶だけじゃなく国産でつくる紅茶とか半発酵茶、こういったものについても非常に興味を持っているという声を聞きます。日本国内の生産者がどういう気持ちでつくるかは後から出てくる物語でありまして、それよりもまず、煎茶なのか紅茶なのか半発酵茶なのか、どういうお茶が好まれるのか、どういう製造のものが好まれるかということが海外で売っていくためには非常に重要なことだと思います。現場の声とはそういう意味で言ったのでありまして、ぜひとも海外にも積極的に出ていって海外での茶商の声を収集していただいて、国内の生産者や輸出しようとする業者にしっかりと伝えていただくことをお願いさせていただきたいと思います。
 それともう1つは、輸出の流通経路についてもしっかりしたものがあれば、より輸出しやすいんじゃないかなと思いますので、ぜひともその辺のところの御準備をお願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。
委員会説明資料18ページ、太陽光発電設備の適正導入に向けた取り組みでございます。
先ほど7番委員からもありました伊東市のメガソーラーにも関係しますが、この中で委員会説明資料18ページの上から3行目に県の関係部局から成る庁内連絡調整会議において導入のあり方等を検討していると。庁内連絡調整会議があるということでございますが、この会議の中で導入だけではなく、耐用年数切れあるいは事業者が倒産してしまって放置された太陽パネルが将来的には発生する可能性があるわけでございますので、今のうちから対処の仕方を考えておかなければいけないと本会議でも質問させていただいたわけでございますが、会議において不法投棄等の予防等についての議論はされているのかどうか、その辺をお聞かせください。

○黒田エネルギー政策課長
 本年3月に実施いたしました市町アンケート調査では、太陽光パネル等が将来的に放置されることへの懸念やメンテナンスから廃棄処分までを見据えた適正管理を促す仕組みを求める声が多数ありました。国におきましても、現在発電事業者による廃棄費用の積み立てを担保するための施策について検討中でありまして、今年度中に結論を目指すとされています。
 また、県といたしましても庁内連絡調整会議あるいは太陽光発電設備の適正導入ガイドラインの策定に向け、県と市町による検討会を今月中にも立ち上げ、課題の共有、対応策の検討等を行うこととしておりまして、この中で廃棄処分までを見据えた検討を進めております。

○小長井委員
 今回の伊東市の問題も、事業者がそこで太陽光発電の事業をやると決めて土地もほぼ手当てした段階で事業を進めていたということかと思うんですけれど、今回のような大きな問題になる前に例えば県の対応の仕方として事業者が計画する前の段階でもう少し地元と話をする機会、特に住民の皆さんとの対話というのは重要ではないかなと思います。そういった体制をつくっていかないと、メガソーラー、太陽光発電に限らず例えば清水のLNGの発電所の問題なんかも、事業者がもうやるという段階、事業が進んだ段階で環境アセスメントが出てくると引くに引けないような状態になってくると思うんですよね。だからその前の企画、計画の段階のもっと前の段階で事業者がもう少ししっかりと地元と協議する場が必要ではないかなと私は思うんですけれど、それについてお考えがあればお聞かせください。

○黒田エネルギー政策課長
 現在、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーについては経済産業省が事業計画の認定等を行っております。それについて情報の開示、自治体へのしっかりとした情報提供を求めていくとともに先ほど申し上げましたガイドラインの策定の中で事業者に対して地元への丁寧な説明を求めるなどの対応策を市町の方々と一緒に具体的に検討してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 こういったものは事業アセスあるいは計画アセスになってくると思いますが、その点につきましてはまた改めてお伺いをさせていただきたいと思います。

 それでは次に、委員会説明資料46ページの新たな静岡茶の振興策についてです。
 これについては先ほど3番委員からもお話がございました。委員会説明資料46ページにあります、検討委員会における主な意見を条例の中に取り込んでいきたいという説明があったかと思うんですけれど、この3項目を条例の中にどのような形で取り入れていこうと考えているのかお聞かせいただきたいと思います。

○望月お茶振興課長
 意見をどのように反映させるかでございますけれども、まず茶業界が主体性を発揮することが重要という御意見をいただきましたが、これは県の役割、業者の役割をそれぞれ位置づけていきたいなと思っております。これを踏まえた表現をしていくということでございます。
 次に国内外の消費者志向に合わせ、新たな商品開発を積極的に進めることが大切ということでございますけれども、現在お茶はただで飲むものという風習がございますが、しかるべき品質のお茶についてはお金を出して飲む仕組みが重要ではないかという御意見がございまして、そういったことを新たな商品開発と表現してございますけれども、そういうものを踏まえた条文にしていきたいと考えております。条文では限界がございますので、具体の施策の中でもしっかりと考えております。

○小長井委員
 このお茶の条例というのはかなり古いですよね。古くて時代に合わないものもあって今回改正ということでございますが、先ほどお話しました種子法のように、古くても変えなくてもいいんじゃないかなというものもあろうかと思います。お茶の条例についてはいろいろ物議を醸しているところでもございますので、どうか慎重に、かつ迅速にやっていただきたいとお願いしたいと思います。

 お茶の振興について要望ですけれど、お茶の実からとる油、これは化粧品として非常にいいということで引き合いがあるんですけれど、静岡県はこのお茶の実の油についてそれほど研究してないんじゃないかなと思います。耕作放棄の茶園なんかもかなり出てきているわけですから、そういったところを使ってお茶の実をとるにはどうすればいいかという実証実験もやっていただければ、将来的にはお茶の実の油の活用は需要が高まる分野だと思いますので、その辺はお願いしたいと思いますが、もし考えがあればお聞かせください。

○望月お茶振興課長
 お茶の実につきましては、お茶の葉の生産からするとお茶の実がなるような茶園はよくないということを農家の皆さんは承知しているんですが、新たな商品として注目されているということでございますので、業者に買ってもらっている農家もいますので、農家の事業収益になるようなことを検討してまいりたいと思います。

○小長井委員
 お茶の実については、牧之原の農協でも、たしかポーラの子会社で、そのお茶の実の油が必要だということで実を集めて油を搾って販売していると話も聞いておりますので、ぜひその辺のところも研究していただければありがたいなと思います。

 次に委員会説明資料47ページになりますが、静岡水わさびの伝統栽培についてです。
これも本会議の質問でさせていただきました。ワサビの栽培を継続してために一番必要なことは苗の手当てだということでございます。その中でも生産者の皆さんは、メリクロン苗の生産を非常に強く希望しております。メリクロンの苗からつくる二次苗については生産するというお答えだったかと思いますが、メリクロン苗は北海道とか他県の民間会社に依頼して生産しているようですけれど、ワサビ生産の75%を占める静岡でワサビのメリクロン苗をつくる設備をぜひつくってほしいという声が強いわけでございます。このメリクロン苗の生産設備の整備についてどのように考えているのか。つくるとしてもいろんな課題があろうかと思いますが、その辺のところをお聞かせいただければと思います。

○平松農芸振興課長
 メリクロン苗の生産設備の整備の考え方についてお答えいたします。
 メリクロン苗に限らず、ワサビの苗は重要だと認識しております。ワサビの育苗施設の整備としましては、静岡市の安倍地区で有志が会社をつくり、共同育苗施設をつくってですね、メリクロン苗という組織培養した病気にかかる割合が低い苗の共同育苗施設をつくっております。それから伊豆市では、ワサビの中心地の伊豆ですけれども、JAが中心になりながらワサビ苗の安定生産に向けた組織を検討する協議会をつくりまして行政、生産者、JAの皆さんで共同育苗施設の整備について検討していると聞いております。
 メリクロン苗の生産設備の関係については昨年来要望がありまして、国に強い農業づくり交付金という農業関連の助成金の対象にならないかと掛け合っています。実はワサビというのは農産物と林産物のはざまにあって、どうもはっきりしないところがあったんですけれども、強い農業づくり交付金を使うことは可能だろうということで検討もしております。地元のJAも整備計画の策定、運営方法が課題になってくるかなと思います。その辺につきましても、県で地元の皆さんと一緒になって相談に乗らせてもらいながら適正な計画づくり、運営方法の策定を進めていきたいと思っております。

○小長井委員
 メリクロン苗については設備ができれば生産者の皆さんも使いたいとおっしゃっておりますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

次に委員会説明資料48ページになりますが、ふじのくに花の都しずおかづくりについてでございます。
私も産業委員会は久しぶりなものですから基本的なことを伺いますが、花卉栽培の現状についてお聞かせをいただきたいと思います。

○平松農芸振興課長
 花の栽培ですけれども、静岡県は全国でも有数の生産県であります。全国で5位の生産額を誇っております。生産者も非常に多く、数年前の農業センサスの数字で2,000戸弱おりまして、全国でも常に上位にいるところであります。その中で認定農業者が約395戸で、そういった皆さんが担い手の中心となって全国有数の花卉生産をしているところであります。

○小長井委員
 ありがとうございます。
茶の都とか森の都はなじみがあるんですけれど、花の都は聞くけれどそれほどなじみはなくてですね。花の都というのはどんなものかイメージがなかなか湧いてこないんですけれど、全国5位だと。県内にも栽培農家が2,000戸弱あって、バラは全国2位だと聞いております。そうすると花を栽培する県として、非常にさかんなところで、花の都づくりはいいことだと思いますけれど、花の都はどうイメージしたらいいのかお聞かせください。

○平松農芸振興課長
 花の都のイメージというお話で、イメージなのではっきりしたものではないですけれども、花の都しずおかを推進するに当たりまして平成26年に基本構想をつくっております。それに基づいて事業展開をしているところですけれども、その中でも花の都という言葉についていろいろディスカッションされてきています。今言いましたように、生産が全国でトップクラスにあるといういわゆる場の力、その場の力を生かして単に生産だけじゃなくて、景観、名所――花にまつわる名所もいろいろあります――そういったいろんな資源を活用して、暮らしの中のいろんな場面に花が生かすことができる。種の生産だけじゃなくて、消費する場も県として提供しながら学校、職場、病院といったところにも花があって潤いがある生活をすることができる静岡県にしたい。そうやって生産から消費まで展開していこうというイメージであります。

○小長井委員
 昔、花いっぱい運動というのがありましたよね。そういったイメージもあるんですけれども、今おっしゃったように生産だけじゃなくて、それを消費すると。そういう文化をつくっていきたいというお話だったと思うんですけれど、消費は何位ぐらいっていうのはありますかね。

○平松農芸振興課長
 今すぐ出てこなくて済みませんけれど、これまでも消費につきましては県ではなく政令指定都市で数字を持っています。静岡県でいえば静岡市が持っていますけれども、上位にいるというわけではありません。そういった背景もあって、花の都づくりも進めていこう、消費も広げていって豊かな生活を実現しようと思っております。

○細谷農業局長
 ただいまの答弁に補足させていただきます。花の消費につきましては総務省の家計調査により調査が行われておりまして、本県の場合は今答弁にありましたように静岡市等で調査も行われておりますが、一世帯当たりの花の購入金額が平成28年度に8,162円で全国第34位となっております。

○大石(哲)委員長
 ここでしばらく休憩します。
再開は午後3時15分でお願いします。
( 休 憩 )

○大石(哲)委員長
 委員会を再開します。
 質問等を継続します。

○小長井委員
 先ほどのお答えで消費は8,162円で34位、生産量は5位にもかかわらずということで驚きましたけれど、消費をふやすというより花をめでる心、そういう文化を育てることも含めてやっていただきたいと思います。平成31年の静岡デスティネーションキャンペーンで終わるようなことではなくて、その後も継続して生産と消費がふえていく。そういった静岡県をつくっていただければ花の都しずおかになるんじゃないかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

次に委員会説明資料53ページになりますが、農業用施設の耐震対策の推進でございます。
県内には農業用のため池を初めとして水利施設、排水機場等々あるわけでございますが、先日テレビのニュースを見ておりましたら、ヌートリアというネズミの大きいやつが農業用ため池に巣をつくって大きな穴をあけて、そこからため池が壊れたと言っておりました。県内の農業用ため池等でヌートリアの生息は確認をされているかどうか。くらし・環境部の関係かと思いますが、ため池を管理する上でそういうのがいるかつかんでらっしゃると思うので、その辺をお聞かせください。

○佐藤農地保全課長
 ため池におけるヌートリアの生息についてお答えいたします。
ただいまのところ、8番委員御指摘のテレビ報道されたようなヌートリアの生息は確認されておりません。ただ、西部方面では生息が確認されているという情報もございましたので、今後ため池等で生息が確認できた場合は専門家の指導も仰ぎながら、適切に対処していきたいと思います。ネズミ科ですので堤体に巣穴をつくって、漏水の原因になるということで、仮に生息が確認された場合は、堤体の脆弱化を招く心配もございますので適切に対処してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 現在のところ生息は確認されていないということなんですけれど、そのニュースを見ていたら静岡県内は生息域ということで色が塗ってありました。今おっしゃったように一度穴を開けると大変なことになりますので、注意を払っていただきたいと思います。

 次に委員会説明資料54ページになりますが、ふじのくに美しく品格のある邑づくりの推進について、農山村が持続可能であるためには過疎化に歯どめをかけると。そこに住んでいる人を減らさないのが持続可能な農山村づくりの基本になろうかと思うんですね。そうすると移住・定住の推進ということになろうかと思いますが、その辺とふじのくに美しい品格のある邑づくりがどう結びつけられていくのか教えてください。

○佐藤農地保全課長
 美しい持続可能な農山村づくりと移住・定住との結びつきについて御回答いたします。
移住者を農山村に呼び込むためには、農山村地域の移住を希望される皆様をひきつける魅力が必要かと思います。地域の自然環境、気候、集落での共同活動などの地域の風土や習慣等を十分理解していただく。そういったことも必要かと思います。
 これまで、静岡県内の農山村づくりにおきましては過疎化農業者の高齢化に伴う地域医療との強化を図るために、しずおか棚田・里地くらぶや一社一村しずおか運動などの共同活動を通じまして、都市住民のボランティア、企業、大学など多様な主体が農山村を訪れて、農地や農業用水、美しい景観の保全などの農村の魅力づくりに参画していただいております。
 こうした活動を通じて継続的に地域を訪れまして、地域のコミュニティーの一員になっている方がいらっしゃるなど地域の場づくりを育んできていると考えております。
 過疎化対策としての移住・定住の推進につきましては、8番委員御指摘のように重要な施策でありますので、これまでの共同活動を農山村、都市住民にとって身近な活動体験として積み重ねていただき、双方にとって満足度の高い交流を継続していくことによって移住・定住につなげ、移住者を呼び込む持続的な移住・定住の推進を支援してまいりたいと思います。

○小長井委員
 ありがとうございます。
移住・定住と美しい品格のある邑づくりは切り離せない問題だろうと思いますので、ぜひとも移住・定住が進むような邑づくりに取り組んでいただきたいと思います。

 次に、委員会説明資料55ページのふじのくに林業成長産業化プロジェクトの推進についてお伺いさせていただきます。
 ふじのくに林業再生プロジェクトの平成24年から29年の取り組みの成果として、需要で50万立米、供給面では46万立米の成果を上げたと報告されておりますが、供給面の46万立米というのはなかなか大変な目標達成だったのではないかなと思います。これは平成29年までの数字ですが、今後の目標、取り組みはどのように考えているのかお聞かせいただきたいと思います。

○清水森林計画課長
 ふじのくに林業成長産業化プロジェクトの目標についてお答えいたします。
 まず、目標につきましては木材生産量50万立米の早期達成と定着に向けた取り組みを進めてまいります。この達成のためにはこれまでの利用間伐に加えまして、主伐と再造林の促進が必要だと感じております。
 目標としましては、平成28年度の再造林面積の実績が88ヘクタールですが2021年には500ヘクタールまで拡大するために取り組みを進めてまいります。

○小長井委員
 それと合わせて県産材の増産と安定供給、県産材の利用拡大があるわけですけれど、供給体制の維持は大変なことだろうと思います。委員会説明資料56、57ページにあるように、低コスト生産システムの定着を図る、生産性の高い苗木、再造林体制を整えていくとのことでありますけれど、これに加えて必要なのはコンテナ苗やエリートツリー苗の確保が十分にできるのかどうか。最近はスギでも花粉が余り飛ばない品種があるとのことでございますが、その辺の品種の苗の確保状況についてお聞かせいただきたいと思います。

○藤田森林整備課長
 エリートツリー、コンテナ苗の確保についてお答えします。
 エリートツリーにつきましては、再造林コストの縮減に必要な成長のすぐれたスギやヒノキの品種の選抜作業を県の森林・林業研究センターで進めています。昨年までの2年間で19種類のスギが都道府県では初めて国から指定されました。最終的には平成31年度までにスギ、ヒノキそれぞれ25品種を選抜する計画でございます。
 さらに、そういった品種の若い母樹から種子を早期に大量に生産する技術に必要な母樹の育成ハウスを本年度末までに西部育種場に整備し、種子の生産体制を整えます。
 また、通年植栽が可能となるコンテナ苗への転換につきましては、従来の県内苗生産者に対する支援に加えまして、既にコンテナ苗の生産に取り組んでいる民間企業とも連携しながら県の計画で目標としている2021年度に500ヘクタールの再造林に必要な約100万本の苗木の生産体制構築に向けて取り組んでまいりたいと思います。
抵抗性のクロマツにつきましても、研究センター、西部育種場で生産体制を整えておりますので、順次供給できるよう進めてまいりたいと思っております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
苗木の選抜も時間がかかって大変な作業かと思いますが、いい苗を生産していただきたいと思います。

 次に委員会説明資料60ページになりますが、県産材の利用拡大ということで非住宅分野への利用の拡大と書かれております。非住宅分野への木材利用の拡大も重要かと思いますが、どのような利用方法があるのか、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。

○伊藤林業振興課長
 非住宅分野への木材の利用拡大についてお答えいたします。
平成27年度時点で非住宅分野の一、二階建ての低層の建築物の木造化率が16%とかなり低い状況でした。このため、低層の建築物に木材の利用を促進していきたいと思います。具体的には、コンビニ、レストラン、ショールーム、福祉施設や幼稚園などの構造を木質化する、中高層建築物については、床、壁、天井、家具、ルーバーなど内装の木質化を進めることで県産材の利用を拡大させていきたいと思っています。

○小長井委員
 住宅分野への利用が木材を一番多く消費すると思いますが、非住宅分野での利用拡大にもこれからしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 最後の質問になりますが、労働委員会事務局にお伺いをさせていただきます。
先ほどの御説明の中で合同労組というのが出てきました。初めて聞くものですから、もう少し詳しく教えていただきたいんですけれど、県内で合同労組の組織体はあるのか、あるいは加入者の数がどのくらいか、そういったことを教えていただきたいと思います。

○田澤労働委員会調整審査課長
 労働組合そのものについては自由設立主義といいまして、いわゆる官庁の許認可のようなものは一切必要ない状態で自由に設立ができることになります。したがいまして、合同労組も含めて労働組合の現状がどうであるかは、なかなかわかりづらいところがございます。合同労組という言い方をしておりますのは、先ほど申し上げました企業内組合に対して、一定の企業あるいは業種という限定をしないで加入できる組合という定義づけでございますので、中には連合系あるいは全労連系といった上部団体を持っている合同労組もありますし、完全に独立している独立系合同労組もございまして、正直申し上げて実数については承知しておりません。
 また、企業内組合と違いまして組合員の異動も非常に激しく、組合員の正確な数についても承知しておりません。

○小長井委員
 ありがとうございました。
先ほど連合系の方に聞いたら合同労組って聞いたことがないと言っていました。私も初めて聞いたので伺いました。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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