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平成31年2月定例会文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:多家 一彦 議員
質疑・質問日:02/28/2019
会派名:自民改革会議


○多家委員
 分割質問方式で2問ほど質問します。
 私からは、ラグビーワールドカップ及びオリンピック・パラリンピックの準備状況について伺いたいと思います。
 一昨日、本庶佑先生のノーベル生理学・医学賞の受賞パーティーに主賓として森喜朗オリンピック・パラリンピック組織委員会会長がお見えになりました。きょうは2月28日でありますが、静岡県のラグビーにとって記念すべき日だったと思います。
 平成26年2月28日、この日は知事の所信表明があった日でありますけれども、朝10時に当時の日本ラグビー協会の会長森喜朗さんから私のところに電話がありまして、3月1日に川勝知事に呼ばれて、日本平ホテルで石川県、富山県、福井県、山梨県、静岡県にまたがっている3つの山――富士山、立山、白山の三霊山のすばらしさ比べをしようとふじのくにのインタビュー、談論風発をするために来ることを9月から頼んできてやっとその日が来る前の日の2月28日に電話がありました。
 電話の内容は、あした間違いなく日本平に川勝知事が首を長くして待っていると思うから約束どおり行く、その約束の3時間前におまえは掛川駅でエコパスタジアムの鍵を持って待っていろとのことでした。
 2月28日に電話があった翌日ですから、とりあえず知事には、多分森会長は掛川に来てエコパを見たいと言っていると思うけれどもどうしようかと。そういう話で終わりました。言われた列車の時刻に掛川駅に行きましたら、知事がエコパの鍵を持って待っていました。そこでエコパに行ってびっくりしましたが、エコパスタジアムには掛川市と磐田市と袋井市の3市長がいて、その3市の商工関係者団体の長、体協の皆さんが全てそろっていました。なおかつ観光協会、まちを代表する方が約100人以上お迎えになって、ゆっくりとエコパを見学させていただいたと。
 これは、ラグビーワールドカップの招致に向けて静岡県は手を挙げていないわけですが挙げさせてくれと、どんなものか見に来られたと思うんですが、そうなる前に静岡県がラグビーを誘致することはラグビー協会の中では許されることではないと。ラグビーを日本に招致したのはトヨタであり日産でありホンダでありキャノンでありパナソニックであり、そうそうたるラグビーチームの所在地、都市と企業がお金を出し合って20年がかりで引っ張ってきたのに何にもしなかった静岡県が手を挙げるのはとんでもないと。だから静岡県なんかにはそういうことを言う価値はないと言われている中で2月28日に電話がありました。
 行ったら、先ほど言った大変な皆さんがお待ちかねで森会長もびっくりして、静岡県はこんなに熱心かと。当時の交通基盤部長は長島部長だったんですがエコパスタジアムの概要を全て説明しながら、恐らく今手を挙げている日本の会場の中で横浜市の日産スタジアムや東京スタジアム、豊田スタジアムには負けるかもしれませんけれども、サッカーワールドカップのレガシーであるエコパスタジアムは絶対負けませんと表現しました。それで3月1日に知事との会談を終えて帰って、まさか静岡県が選ばれるとは思いませんでした。
 まさしくきょうも28日ですから思い出すんですが、平成27年3月1日にワールドラグビー機構から開催都市12が発表されまして、その中に静岡エコパとイングランドから発信された情報がまさしく静岡県に来た日であります。そういった歴史があるラグビーワールドカップですから、どのように準備が進んでいるか。
 私は、この委員会に3年間連続して所属させていただきました。図書室に行って議事録を全部調べてきました。ほとんどラグビーとオリンピックの話ばかりでありました。本当に細かく答えていただいておりますのであえて聞きませんけれども、今日までどんな準備をしてきたのか、そのことを1点お尋ねします。

 もう1つオリンピックについて言いますと、平成26年4月18日にソチ五輪で日本選手団の団長であった橋本聖子団長が静岡に来て、私はたまたま議長に内選されたときでありますのでお祝いをしようと熱海で食事をさせていただきました。そのときに橋本聖子さんがおっしゃるのは、ワールドカップアジア選手権が平成28年1月に開かれるので静岡県は手を挙げていただけませんかと。どこでやるんですかと聞いたら、静岡県にはマレーシアと伊豆市のアジアで2カ所しかないベロドロームという会場があり、これは世界に通用する自転車競技場だから手を挙げてくださいと言われました。
 私自身、その話を聞いたときにベロドロームってどこにあるかも知りませんでした。静岡県庁の中でも知っている人はいませんでした。慌てて翌日車を飛ばして伊豆市に行きましてベロドロームを見ました。びっくりするものがありました。ベロドロームは経済産業省の管轄、競輪です。財団法人JKAの持ち物ですから、当時土屋副知事が経営管理部長から経済産業部長に移った年でありますので、見に行ってくれと言ったらすぐ見に行って、多家さんびっくりした、こんなものが静岡県にあると思わなかったと。そしてもう1人教育長は安倍徹さん――まさしく教育長で正しいかどうかを議会で叩かれていた最中でありますが早速見に行って、こんなにすばらしい競技場があるので、もしアジア選手権が開かれるなら絶対手を挙げましょうと。議長のときに環境が整いましたので川勝知事に伝え、受けるかどうか確認してくれと言ったら受けますとなりましたので、平成26年7月17日に自転車競技連盟会長、オリンピック・パラリンピック組織委員会副会長、JOCの副会長である橋本聖子氏が県庁の知事室に来て、ぜひ静岡県でアジア選手権大会を開いてくださいと話があり、結びに、もし静岡県が手を挙げてくれれば5つの輪がついてきます、しかしやれなかったら八王子市、前橋市、川崎市が絶対手を挙げます、当然そこは強引な手法でオリンピックを招致してきます、静岡県は東京都の都市オリンピックから見ればとてもかなわない環境なんです、しかしベロドロームがある、これからもし八王子市、川崎市、前橋市でやるとすれば100億円のベロドロームをつくらなきゃならない、そういった意味では絶対有利だから手を挙げてくださいと。そこから始まってオリンピックが静岡県に来るわけですが、現実にはそうそう簡単にいかないです。
 結果的に、静岡県にオリンピックの招致が決まったのは平成27年12月9日です。IOCとJOCがローザンヌと東京でテレビ会談をして伊豆ベロドロームとアナウンスされた。ラグビーのときは3月1日に県庁で知事と私とヤマハ発動機ジュビロの清宮克幸監督、静岡新聞の大石会長とで薬玉を割りました。平成27年12月9日は伊豆市で伊豆市長が薬玉を割ったと。こういった経緯がありその間にさまざまなことがあったわけですが、結局これだけのことを引き受けるわけですから何回か質問している中でどの程度準備が進んでいるか、まさしく山本スポーツ局長、広岡スポーツ担当部長初め多くの皆さんが大変御努力されてきたと思います。
 私は、今任期をもって一県民の立場になります。この2つの世界大会が成功して静岡県の取り組みがすばらしいと信じております。
 そこで、ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックの開催に向けた準備状況がどこまで来ているのか、開催に向けた決意をお伺いいたします。

○山本スポーツ局長
 両大会の準備状況でございます。
 現時点で、ラグビーワールドカップまであと半年ちょっと、東京オリンピック・パラリンピックもあっという間に2019年になりましたので、あと1年4カ月くらいと。その中で私どもは今スポーツ局に組織が変わりいろいろな準備をしてまいりました。
 まず、ラグビーワールドカップでございます。
 2番委員御指摘のとおり、静岡県として正式に手を挙げて最終的には15会場のうちの1つに選ばれたと。その後県議会の皆様方にラグビーワールドカップの招致を含めて要望書を出していただきまして、厚くお礼申し上げます。
 最終的に、これまで芝生をどうするかなどいろいろなエコパの改修問題があったんですけれども、今現在残り半年くらいを過ぎまして、開催都市として輸送であるとか警備、危機管理、そのほか開催準備にかかわるいろいろな運営上の問題があります。こちらにつきましては今年3月、4月でほぼ一通り最終案に近い計画をまとめています。本番までは半年でございますので、今度はバスをどう運行するんだ、どう整備するんだと。愛野駅からエコパまでの区間でどうおもてなしをするのか。ファンゾーンを静岡と浜松それぞれ両方に置きますので、そこをどう盛り上げて運営していくのか具体的に4月から実施計画をつくって万全な体制を敷いていくと。
 一昨年6月、皆様方に大変御協力いただきましたアイルランドとのテストマッチがございました。そこで得た課題、その検証結果も踏まえた形で今万全に準備をやっているところでございます。
 幸い私も当時おりました。開催準備をするだけではなくて、当時プラスアルファして公認キャンプもラグビーも少しばかり県内に持ってきたいといった話を開催申請書に提案してございます。今結果としてラグビーについては静岡市、浜松市、掛川市、磐田市、御前崎市で公認のキャンプ地が4カ所あり、大会準備と連動して県内全域を盛り上げる形ができております。
 施設整備につきましても、これから最後の仕上げでピッチの仮設人工芝整備があります。まずは9月のエコパでの日本戦を迎えるに当たってハード面、運営部分の計画面の準備は今現在計画どおりに進んでいると考えてございます。
 その中で、これから私どもも2019年が終わってから、今回予算の中にもございますけれども、じゃあ2019年が終わってからそのままどうなってしまうんだろうかといった御心配もありますので、学校にはラグビーの教本を広めたり、そのほか女子ラグビーとかアザレアスポーツクラブの設置といった2019年の後のことも含めた計画、アイデアを準備して2019年が終わって即、次のステップに移れるように考えてございます。

 続きまして、オリンピック・パラリンピックでございます。
 こちらは招致云々のお話もございましたが、今現在、先ほど2番委員から平成27年12月9日にトラックが伊豆で決定したとのお話がございました。新聞報道にもございますけれども、昨年のロードレースの発表をもってコースや時間など伊豆で行う自転車競技の全貌がようやくかたまったばかりで組織委員会は運営面につきましても静岡県と連携して、1年前に当たる今年の夏までには基本的な輸送、警備――例えばオリンピックにつきましてもラグビーのファンゾーンと同じようにライブサイトといった1つの盛り上げる場所をつくることもございまして、まずは静岡県なりの計画をつくっていく準備をしております。
 その中で最大の課題として考えていますのは、オリンピック競技の1つである欧米の華、自転車のロードレースです。富士スピードウェイではF1はやった経験がございますけれども、実は静岡県は沿道を走るロードレース対応は恐らく経験したことがないと。何が大きな問題かというと、例えばロードレースに至るまでの間にサイクリストも含めいろいろな方が沿道で見たいと言ってわっと湧くように集まった場合に管理をどうするんだといった問題がございます。予想ではマウンテンバイク競技で富士スピードウェイに非常に短時間で1万人くらいの観客が来るんじゃないかと。そのときに伊豆箱根鉄道あるいはJR伊東駅でおりたお客様を短時間に確実に会場に入れて、その後終わってからスムーズに御案内できるかといった課題も抱えてございます。
 したがいまして、今我々が組織委員会と共有している課題につきましては、ロードレースは7月21日、マウンテンバイクは10月6日にテストイベントとして組織委員会が結成イベントをするんですけれども、そこで地域が抱える雑踏警備、輸送、医療もろもろを1年前にお互いテストイベントをすることでいろいろな課題を抽出していくことが一番大事だと思っております。それが終わると1年後ですので、あとはそれに基づき準備に向けて万全な体制をとっていきたいと思ってございます。

○多家委員
 相当入念にやってこられたことはよく承知していますので、ぜひ頑張ってほしいなと思います。

 ラグビーについて、9月28日のアイルランド戦は恐らくチケットが完売されていると思います。
しかし残りの3試合についてチケットの販売状況はどうなっているのか。
 それから、エコパに決めようと言ったときにあれだけの施設は全国にないと森喜朗さんから評価をいただいたので、そういった意味では心配しておりませんけれども、札幌から大分まで12の会場の中で特に一番大きな横浜市の日産スタジアム、それから静岡のエコパスタジアム、3番目が東京スタジアム、4番目が愛知県の豊田スタジアムの順番でいきますと札幌まで含めてあと4万人以上できるわけですが、そういうところと比較して静岡県は決勝トーナメントをやらせてくれと言ったけれども、結果的にスポンサーがいないので無理と断られた経過があります。そのことについてどうお考えになっているのか。

 もう1つオリンピックですが、やはり三島、伊東、修善寺に来るお客様の動線をどう考えているか。今、山本スポーツ局長からお話がありましたけれども、かなり大変だと思うんですね。そんなことも含めてお考えがあれば聞かせてください。

 それと、4月1日に沼津市の「プラサ ヴェルデ」に準備室を開設する予定と言われております。それから小山町と伊豆市の間を通る沼津あたりに組織委員会の橋頭堡をつくったほうがいいのではないかと静岡県は提案していますけれども、その状況についてお考えがあれば聞きます。

○山本スポーツ局長
 まず、ラグビーワールドカップの日本代表戦以外の販売状況についてです。
 日本代表戦は非常に好調で、日本戦以外は現在、全庁、スポーツ局を挙げて企業訪問や団体バス助成等をやっております。まだ4月以降に販売期間がございますが、いろいろなデータを見ましても日本戦ばかりではなくほかの3試合もかなり販売状況は上向いていると考えてございます。まさに静岡県は教育プログラムを組織委員会、全国の自治体の中でエントリーしておりますので、それも含めて確実に5万人に向けて上向いている状況であると思います。

 オリンピックの輸送問題については、県も入って輸送連絡調整会議で相談を受けた問題を今議論しております。
 そこで最終的に場所だけは決まっているんですけれども、県と組織委員会で具体的にどういったオペレーションを組んでいったらいいのか、審議の佳境をこれから迎えるところでして、現時点でこのように解決しましたとお答えすることができませんけれども、もう少ししましたら輸送連絡調整会議等でお話しすることができると思います。
 富士スピードウェイにつきましても、今御殿場とかいろいろな駅を候補に検討しておりますけれども、こちらも少なくともオリンピック開催1年前の今年の夏くらいまでには組織委員会とお話ししていいタイミングで公表できたらと思います。

 最後に準備室の話でございます。
 4月1日付で伊豆と東部の中間に事務所を置くと。いよいよことし伊豆で工事が始まって準備に入ることもあって、組織委員会も大会本番に向けて少なくとも2020年の2月、3月くらいからは各部署から人がたくさん来るよ、その前にも現場に行くことが多いので県と連携して業務を進めたいとの話はございますので、県の連絡調整室も含めて極力、組織委員会と県と一体となって円滑な準備を整えることができるように進めていきたいと。
 実際、組織委員会がいつ県と一緒になるかはまだ組織委員会全体の運営体制のやり方もございますので、今後協議していきたいと思います。

○多家委員
 ラグビーは、静岡県庁は一生に一度の大会だと位置づけています。まさしく一生に一度全ての県民が触れること、それからこれからの歴史の中でオリンピックが伊豆に来ることは恐らくないと思いますね。富士スピードウェイは何かの拍子で何かができるかもしれませんけれども、その意味では大変な経済効果もあるわけでして、まさしく静岡県政が非常に大きくクローズアップされると同時に経済的にも底上げされる――その後の反動も心配ですが――ぜひ両大会ともすばらしいものになると信じておりますので、頑張ってやっていただきたいと申しておきます。

 続きまして、きょうはこの委員会が最後の審査になります。
 私事ですが、私は平成3年から現在まで7期26年にわたって県議会議員として静岡県政にかかわってまいりました。今任期をもって議員の職を退き、一県民の立場となることとなります。この場をおかりしまして、改めて皆さん方にお世話になったと御礼を申し上げるところであります。
 振り返ってみますとこの間、この委員会に関することですが、ふじのくに地球環境史ミュージアム、富士山世界遺産センター、それから日本平夢テラスと多くの方々が訪れるすばらしい施設がつくられました。そして文化・観光部にスポーツ局や総合教育局が加わるなど、まさしく川勝知事の肝いりの事業、県政の花形の事業は全て文化・観光部に集約されていると信じています。
 我々委員も当局の皆さんも新たな文化・観光施策をつくり上げる節目の当事者であったことを誇りに思わなければいけないなと思います。
 さて、そのような文化・観光部の重責を担ってきた当局の説明者の中にも、今年度末をもって定年退職される方がお二人いらっしゃいます。昨日情報交換会の中で委員長からもお話がありました。重ねて申し上げますが、渡邉眞一郎文化・観光部長、彦山明史管理局長のお二人であります。
 渡邉文化・観光部長は、昭和57年に県職員になられ、その後は企画空港部、企画部空港企画室主幹、空港部空港管理室参事、交通基盤部空港経営課長、文化・観光部空港振興局長、交通基盤部部長代理、そして文化・観光部長とまさにミスター空港と呼ぶにふさわしい経歴を歩まれてきたと思います。
 また、空港以外の文化・観光部の職員をまとめ、今ほどお話ししましたラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック自転車競技、デスティネーションキャンペーンなど世界から注目を集める事業を数多く進められてきました。さらに交通基盤部との太いパイプを生かし、駿河湾フェリー運航継続などの難問にも挑戦され取り組んでこられたわけであります。
 次に彦山管理局長ですが、やはり昭和57年に県職員になられ、その後は危機管理部総務課長、企画広報部総務課長、文化・観光部総務企画課長、文化・観光部管理局長等、総務、人事のスペシャリストとして県の重要部局の組織運営に携わってこられました。
 特に、文化・観光部ではスポーツ局の拡充、文化力の拠点推進室の新設、そして今回の文化財保護課の移管など知事の肝いり事業を実現するため組織の見直しに尽力されたと思っております。
 このたび、このお二人が県職員を退職するに当たってこれまで長く携わってきた県行政を振り返り、当局の後輩たちや我々県議会への感想、御所見などがありましたら一言でも結構ではありません。長くなっていいと思いますのでぜひお教えいただきたいと思います。

○渡邉文化・観光部長
 過分なお言葉をいただきましてありがとうございました。
 2番委員におかれましては、文化観光常任委員会を3期お務めいただきました。また長きにわたり私どもにさまざまに御指導賜りましたこと、改めて御礼申し上げます。特にラグビー、それからオリンピックは先生の御尽力なくして本県に誘致できなかったのかなと思いながらお話を伺っておりました。担当の局長からも御説明申し上げましたが、まだ細かな調整事等々が多々ございます。今後とも尽力してまいりますけれども、開催に当たりましては万全な体制をとって成功裏におさめたく今後も尽くしてまいりますので御期待いただければと思います。ありがとうございました。
 さて、私事で短くなくてもいいとのことですので少しお時間をいただけるとのことでした。
 きょうは2月28日で、本県のラグビーにとって大事な日だと2番委員からお話をいただきました。
 実はちょうど私の誕生日でございまして、朝起きましてきょう60歳になったんだと、還暦だと、一つの節目を迎えたことをしみじみ思った次第でございます。
 本庁勤めが長く、これまでも議会、常任委員会等々出席させていただきまして、先輩諸氏が来し方を振り返りながらお話しされている、これまでそんな様子も見ながら過ごしてまいりましたけれども、いよいよ自分の番が回ってきたのだなと考えた次第でございます。
 私は勤務が37年になります。事務屋ではございますが、先ほど2番委員から御紹介いただきましたとおり社会資本関係の仕事にかかわっていることが多うございまして、数えてみましたら26年ほどになります。開発型インターの最初の事例である牧之原のインターチェンジにかかわりまして、新東名の都市計画決定、それから当部の所管でございますけれども有度山の舞台芸術公園の建設整備にかかわりました。それから今お話もいただきました空港でございます。
 特に、空港に関しましては平成15年度から平成27年度までの連続13年間かかわらせていただきまして、ちょうど平成15年度は事業の再評価、公共事業として続けるかどうかを1年かけて御審査いただいた非常に厳しい年であったと記憶してございます。そこでお認めいただき、その後土地収用法の手続を経て空港の開港が決まりました。
 そして、開港の折には全国でもまれな民間の方々に空港の管理をお願いする、その端緒としてまずは指定管理者制度を導入することに取り組みました。これも民間から注目を集め、勉強の方々も多数受け入れたところでございます。
 そして、平成27年度には中国からの新規就航を多々受け入れまして、地方空港であってもインバウンドの窓口たり得ることを全国にお示しできたかなあと思っております。そして運営権制度を導入までもってこられまして、非常にさまざまな経験をさせていただきました。
 着任早々は厳しい時期でございましたので、電話が鳴ると反対派と言われる方々から、何で空港をつくるんだと非常に厳しいお電話が相次ぎまして、正直最初何の知識もない時期は電話を取るのが怖くなってしまう時期もございました。少しずつそういった方々に対しても何のために空港が必要なのかを少しずつお話をさせていただきました。やがて空港の開港時期が明示されたあたりからは、そういったお電話にかわりまして、空港ができるとどこに行けるんですかとか、うちの息子の就職先はありますかなど、電話が開港を期待するお話に変わっていました。やはり一つのことをきちんとお伝えし、継続していくことが大事だと改めて思った次第です。
 地元の方々も、最初は厳しい御意見が非常に多ございました。先輩諸氏も非常に苦労しながら今日まで続けてきたわけでございますけれども、やがて一つ一つお約束し、お約束したことを着実に履行していく中で御理解いただき御信頼いただきました。昨今でございますと運用時間を夜さらに伸ばさせていただきたいですとか、そういったことについてもいろいろと御指摘がございますものの、一定の御理解をお示しいただくようなところまで来られたこと、これも先輩諸氏が一つ一つ汗をかき地道に尽くしてきた結果だと思っているところでもございます。
 私は、最初のころから空港についてはやはり経営体としてやっていくのが一番いいと思っておりました。時間はかかりましたけれども、ここで空港は民営になります。小さく生んで大きく育てる話もしながら続けてきた空港が、民間の企業の方が投資したい、さらに10億円というお金を出してでも権利を欲しいと御評価を賜る空港にまで育ってきたことは望外の喜びでございます。その節目の年に自分がここの責任者として最後を迎えることができるのは非常にタイミングとしてうれしく思っておりまして、私のこの37年のキャリアを閉めるにあたって本当にうれしい出来事かなと思っているところでございます。
 繰り返しになりますけれども、非常に大きな事業にかかわらせていただきました。またこれから当部は大きなイベントを立て続けにやっていきます。大きな仕事には困難なことも多々ございますけれども、それを何のためにやっていくのか自分の言葉で語れるようになるまできちんと理解し、信念を持ってぶれずに進めていくこと、そしてひとりよがりではなく御理解いただくように最善の努力をしていくこと、こういったことが必要であり愚直に続けていくのが大事だと思っている次第でございます。
 まだまだやりたいな、こうしたいなと思ったことは多々ございまして心残りではございますけれども、今申し上げました感想を添えまして、後のことは後輩に託したいと思っております。本当にお世話になりました。ありがとうございました。(拍手)

○彦山管理局長
 先ほど、2番委員から身に余るお言葉をいただきました。ありがとうございます。また今まで県議会の皆様初め上司とか同僚に恵まれまして、本当に幸せでした。
 今回、去るに当たりまして、横綱の稀勢の里みたく一片の悔いもないと言いたいところですけれども、割と気がかりなのは最後に出ました文化力の拠点にあまり貢献できなかったと思います。そのかわりちょっと管理局長の特権としまして人事とか関係部局にお願いしまして、昨日5番委員の鋭い御質問に対してもタフで粘り強く答えられる優秀なスタッフを集めてございます。
 ちょっとスケジュールの面では問題があるかとは思いますけれども、きっとすばらしいものをつくっていただけると思います。
 本音を言いますと、県をやめてから二、三カ月はゆっくりしたいなと思いますが、いろいろ御紹介いただけるところがありますのでそこでお世話になりますけれども、一県民になって県政を見守っていきたいと思います。
 本当に今までありがとうございました。(拍手)

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