本会議会議録


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平成27年6月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:池谷 晴一 議員
質疑・質問日:07/06/2015
会派名:ふじのくに県議団


○東堂委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 質疑等を継続します。
 発言を願います。

○池谷委員
 では、分割質問方式でお願いします。
 まず、議案第94号ですけれども、この基金の創設によりまして社会福祉施設等の耐震化がどの程度進んだのかということをお聞きいたします。
 そして、基金の剰余金が発生したのかどうか。この基金はなくなるわけですけれども、廃止後に耐震化をどのように進めるのかということについてお聞きをいたします。

 次に、委員会資料に沿っていきますけれども、4ページに今年度予算の新規事業で、子ども・子育て支援給付費負担金があります。
 これは、来年度からというのは、多分今年度の表記間違いだと思うんですけれども、今年度スタートをしましたこの歳出額70億円のうち、一般財源は70億円、全額県の一般財源ですけれども、こういう制度なんですか。制度をやるのに、国じゃなくて県が全部出せというような制度なのかどうか。ちょっと確認をさせていただきます。

 それと、子ども・子育て支援新制度が施行されました。これは事業が大変多いもので全部については聞きませんけれども、県はスタート直後の様子と、これからの見通しを総体としてどのように感じられているのかお聞きいたします。

 次に、9ページですけれども、2020東京パラリンピック等「ふじのくに」スポーツ推進事業費で、パラリンピックに出場が見込まれる選手に対しまして、大会出場経費を助成するということになっていますが、教育委員会でも同じような事業が昨年度スタートしたと承知をしております。
 教育委員会の制度は、こういう大会出場経費だけじゃなくて、いろんな合宿とかにもオーケーだったような気がするんですけれども、このパラリンピックの出場が見込まれる選手に対し、教育委員会と同じような支援にはならないのかということをお聞きいたします。
 この補助対象選手ですね。予算がありますので、何人かというのは多分想定があると思うんですけれども、対象選手を何人見込んでいるのか。そして、種目について、どんな種目なのかということをお聞きいたします。有力な選手が静岡県にいれば、教えていただきたいと思います。

 それと、補助限度額が国内大会3万円、海外大会10万円ということですけれども、これは必要経費の10分の10という考え方でいいのか。これも教育委員会が当初3割くらいだったのですけど、それは今年度変更をしていると思いますので、そこら辺をお聞きしたいと思います。

 次に、13ページです。
 肝炎対策関連事業費ですけれども、肝臓がん、肝硬変に移行する新型肝炎につきましては、もう十分皆さんも御存じのとおり、インターフェロンを使わない新たな治療法が大変有効だと聞いているわけですけれども、新たな肝炎患者医療費助成とは、新薬に対する助成ということで理解してよろしいでしょうか、お聞きいたします。とりあえずお答えをお願いいたします。

○山口障害者政策課長
 まず議案第94号でございます。
 県では、平成21年度から、社会福祉施設等の入所者の安全・安心を確保するために、国の交付金を原資として造成しました社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金を使いまして、耐震性に課題のある障害児・者の入所施設及びスプリンクラーの整備に対して助成してまいりました。
 平成21年度の国からの交付金は約55億円でございまして、平成21年度当時、対象となる耐震化等に課題のある施設は、入所施設全体の90カ所のうち14カ所でございました。これにつきましては、全て平成24年度までに整備を終了いたしました。
 また、この事業ではスプリンクラーの整備と耐震化を合わせまして、合計で44件、約48億円の基金を使ったものでございます。残りの約8億円の基金につきましては、国庫へ返還するものでございます。
 また、耐震化基金の廃止後のことでございますが、県ではこれまでも社会福祉施設等の施設整備につきましては、耐震化以外の目的での新設または改修につきまして、国庫補助事業を活用し施設整備を行ってまいりました。
 今後は、これまでの基金と同じ基準額、またスキームをそのまま使いまして、既存の社会福祉施設等施設整備事業の中で耐震化等を行っていくという考え方でございます。

 そして、もう1つでございますが、9ページの2020東京パラリンピック等「ふじのくに」スポーツ推進事業費についての御質問にお答えしたいと思います。
 本年度から、このパラリンピック出場が見込まれる選手に対しての事業を始めたものでございます。これにつきましては、教育委員会の制度も参考にさせていただいておりますが、本年度新たに始めるということで、私どもも教育委員会と制度の内容のすり合わせを行ったものであります。これまでの健常者のスポーツと違いまして、パラリンピックの選手につきましては、どの程度のものが経費として見込まれるかということも、まだ課題がございまして、本年度につきましてはその大会の出場経費ということで限定させていただきました。
 その関係もございまして、本年度は予算上では海外は10人、国内は40人程度を見込んでおります。また、種目としましても陸上、水泳など55競技が対象になると思います。
 現在もこの募集をしているところでございますが、今後は応募状況を見ながら、来年度必要に応じてその予算要求をふやす、また対象の経費についてもふやしていくというふうに考えております。
 もう1つ、県の見込みといいますか、これまでも静岡県内のゆかりの選手ということで、2014年の仁川アジアパラ競技大会に多くの選手が出場いたしました。県関係でございますと、個人と団体競技含めまして、全体で20個のメダルを獲得されました。これは日本の取得数143個のうちの20個でございますので、県内にはかなり有望な選手がいると考えております。

○鈴木こども未来課長
 資料の4ページの子ども・子育て支援給付負担金の70億2300万円です。
 今年度からこの新制度が始まりまして、補助方式が間接補助から直接補助に変更したということで、これは全て県負担分ということで、全て一般財源という形になっております。
 大都市特例がなくなったということもございまして、新たに政令市分の負担もここに入っているということで、かなり額が大きく見えるのではないかと思われます。

 それから、新制度が始まりまして、県内の状況と課題、今後の対応についてでございます。
 保育所等の利用児童が、保育に欠けるから保育を必要とするということに変わりましたことから、利用児童がふえることが予想されますので、保育所、認定こども園の数をふやしまして、平成26年度は522園だったものが、569園になりました。
 また、小規模保育事業者も58。それから事業所内保育所のうち地域の子供を受け入れる地域枠のあるところが8。そして、保育ママ――新制度では、家庭的保育事業者という言い方をしておりますけれども――が23。居宅訪問型保育事業者、いわゆるベビーシッターなんですけれども、現在市町で認可をしているところはありません。
 これらによりまして、子供の受け入れ枠が5,181人ふえました。課題といたしましては、整備をしたんですけれども、まだ待機児童が発生しておりますゼロ歳から2歳の受け皿を拡大することが1番に挙げられるのではないかなと思われます。
 今後の対策といたしましては、小規模保育事業などの地域型保育の拡大、事業所内保育所の地域枠の設定なども含めまして、ふじさんっこ応援プランに掲げる量の見込みと確保方策を着実に市町と連携をいたしまして進めてまいりたいと思っております。

○奈良疾病対策課長
 肝炎対策関連事業費は、平成26年度当初予算は4億4000万円余でございましたが、ことしは6億9000万円と増額しております。
 これは、もちろん医療費助成も含まれるわけでございますが、ことしから新しく肝炎ウイルス検査陽性者の初回精密検査費用を助成することになりまして、この両方の患者がふえていると思っております。新薬に関しても同じですが、新薬はことし5月に認可されたということで、この新薬に関する予算適用はもともとされていたわけではございません。
 ただし、今までの治療でインターフェロン治療がありまして、それは去年新しく経口2剤という1型に対するインターフェロン治療ができましたので、こういうのは皆さん、各先生方、新しい治療法にずっと移っていくわけでございまして、前の治療法プラスその伸びを見たく、大体予算としてとっていると考えております。
 それで、新しい治療が出ることは、去年いろんな医療情報からわかっておりましたので、その伸びを見つつ、予算を計上してこういう形になったと考えております。
 ことしは、C型から2型ということに関するインターフェロンフリーの治療が間もなく始まりますし、きょう、きのうあたりの新聞で、去年出ました1型のインターフェロンフリー治療のより新しい治療法がまた9月くらいに認可されるということで、それも見越して一応考えておりますが、基本的にはやはり予算適用が必要になるかと思って準備はしておるところでございます。

○山口障害者政策課長
 済みません。私のほうで1つ答弁漏れと、補足をさせていただきたいと思います。
 議案第94号の耐震化の関係でございます。
 県全体で、平成21年度当初対象となる施設が約90カ所ありまして、そのうち耐震化が必要な課題があるものが14カ所。これについては全て終わったということで、耐震化の必要のある整備については終わったという認識でございます。

 そして、障害者スポーツの関係でございます。答弁漏れがございました。済みません。
 補助率の考え方でございます。こちらにつきましては、大会の出場経費ということで10分の10補助するものでございます。

○池谷委員
 次の質問に参ります。
 お2人から質問がありましたけれども、委員会資料17、18ページの生活保護の状況等です。
 厚生労働省が2014年国民生活基礎調査の結果を発表いたしましたけれども、生活が苦しいと感じている世帯は、前年比2.5%増加、全体では62.4%ということで、高齢者世帯は58.8%と、それぞれ過去一番に悪い、苦しいという状況になっております。
 先日、「のぞみ号」で放火自殺した71歳の男性ですけれども、テレビ報道、新聞によりますと、年金額に不満を持っていたということでございまして、動機はまだ解明をされておりませんけれども、背景にはこういう高齢者の貧困という課題があるんじゃないかと思います。
 全国では、国民年金だけを受給している高齢者が788万人いるということで、平均所得が国民年金だけだと5万5000円程度だそうです。ちょっとこれでは生活できないんじゃないかなと思っておりまして、それでまた団塊の世代が75歳を迎える2025年ですけれども、これはこのままいくと大変なことになるんじゃないかと思います。現状、非正規雇用を受けている若者はもっと大変になるんじゃないかなと思っているんですけれども、この高齢者の貧困という問題は、大変重要な課題だと思います。子供の貧困は話題になるんですけれども、高齢者の貧困というのは子供と同じように全国で考えていかなきゃならない、もちろん県も、市町村もそうですけれども、そういうふうに思います。
 こういう自殺とか、あるいは事件事故を――事故はともかく事件を――起こしたりということについて、やっぱり心のケアも大変重要だと思うんですけれども、こういう高齢者の貧困に対する総合的な対策を、国はどういうことを考えていて、県はどういうふうなことを考えて、対応策はどんなものがあるかということをお聞きをいたします。

 それで、所得がなければ生活保護にいくわけですけれども、所得があるのに苦しいという人が、この生活困窮者じゃないかと思うんですけれども、そもそも生活保護者が受給している保護費と、生活困窮者が生活をしている所得の差はどのくらいあると見ているのか、教えていただきたいと思います。

 県内の生活困窮者というのは、一体何人いると把握されているのか、お聞きをいたします。

 それと前から言われているんですけど、生活保護の不正受給ですね。これも大変な問題でございますので、県内の状況をお聞きいたします。

 次に、23ページですけれども、認知症。
 これも7番委員からありましたけれども、若年の認知症444人ということで、若年じゃない県内全体の認知症全体の患者数を把握されていると思います。教えていただきたいと思います。

 つい二、三日前のテレビでやっていました、認知症に効果のある薬があるそうですね。シロスタゾールとかインスリン点鼻薬という話が出ていましたけれども、あと症状改善のために有効なプログラムもあるということでやっていました。この認知症患者の治療とか病院の受け入れで、通院、入院、認知症専門医療機関というのもあり、そこには治療病棟もあるということですけれども、この認知症の患者とこういう病院の受け入れ体制というのはどうなっているのか。しっかりと受け入れられるのかということについてお聞きをいたします。

 一方、認知症というのは、徘回とか暴力というのもあるんですけれども、徘回については、ホームページで情報を出したら身元が判明したケースもあったという報道もあります。個人情報保護という課題はあるわけですけれども、1つの方法であると思います。
 また、身寄りのない認知症高齢者で、財産を持っているという方がおられます。こういう皆さんで、個人の財産保護という点でも非常に難しいんじゃないかと思いますけれども、こういう認知症患者に対します、社会生活への対応の施策、現状、課題についてお伺いをいたします。

 次に、49ページ、障害者就労施設受注の関係です。
 平成27年度の県の調達方針、調達目標では、平成26年度実績以上となっているんですけれども、実際役務を見ますと、平成25年度よりも減っているわけですね。これが続くと、いつまでたっても上がらないですよね。いいのかなと。
 障害者優先調達推進法が平成25年4月に施行されています。あるいは関係政令等々で、この目標数字、例えば障害者雇用率2%みたいな、そういうものが必要じゃないかと思うんですけれども、その点いかがなんでしょうか。

 そして、この実績額ですけれども、この数値は単にぱっと出ているだけで、いいのか悪いのかわからないんですよね。
 ですから、全国でどうなのか。全国でいいのか悪いのかということを教えていただきたいのと、県としては、この実績をどう評価しているのか教えていただきたいと思います。

 県では、1所属1発注という取り組みを行っていると書いてありますけれども、これは全ての所属で達成されているんですか。もし未達成の部局があれば、どこか。そして、何で未達成なのか。今後、健康福祉部としては、どういう指導といいますか、どういうふうにしていくのかをお聞きしたいと思います。お願いします。

○勝山地域福祉課長
 まず、高齢者の貧困について御質問をいただきましたので、それについてお答えをします。
 生活困窮者のうち、高齢者の方がどれくらいいるか具体的な把握はちょっと難しいところがありますけれども、例えば、委員会資料の17ページにございますとおり、生活保護世帯の方の約半数であります48%が高齢者世帯ということから、生活困窮者の半数近い方がやはり高齢者ではないかと思います。
 こうした状況の中で、平成27年度から開始されました生活困窮者自立支援制度の中で、生活困窮者からの相談に対応する窓口を各福祉事務所等に設置をしました。配置されたこの支援員が生活困窮者の抱える課題――具体的には、高齢者の場合、先ほどもお話がありましたような年金の問題とか、あるいは病気の問題、障害の問題で健康などいろいろさまざまな課題を抱えている方がいらっしゃいますので、そうした個別の課題に応じた支援プランを作成するということで、今年度から開始をしたところでございます。
 こうした課題につきましては、やはり早期の段階で、支援の必要な方をいち早く発見することが大事だと思っております。
 先ほども答弁の中で申し上げましたけれども、例えば、民生委員とか、そうした関係の方々と連携を密にしまして、そうした情報を把握することが必要ではないかと思っています。
 先ほどお話がありました、先日「のぞみ号」で焼身自殺された方は、報道によりますと、区会議員の方も相談を受けて、生活保護を受けるようにということでアドバイスをされたようですけれども、結果的にはそういった相談も行かなかったということが報じられておりました。
 こうした、みずからSOSを発することができない方々に対して、いかにして支援していくか、この辺は特に高齢者の方に対して支援が重要になってくると考えております。

 それから2点目の、そもそも生活困窮者の方の所得と生活保護費との所得の差がどのくらいあるかということです。
 生活困窮者の世帯という明確な定義がなかなかないものですから、こうした差額については難しいんですけれども、1つの目安として、例えば静岡市内の単身高齢者の場合、生活保護費を幾らもらえるかですけれども、生活保護基準額が6万7460円で、それに住宅扶助の3万9000円を合わせますと、月当たり10万6000円ほどがもらえるという形になります。
 生活困窮者の方は、それを超えるいうことで、生活保護を受けられないという方があるんですけれども、そうしたことを1つの目安として御紹介をさせていただきます。

 それから、3点目ですけれども、生活困窮者の方の人数ということでございます。
 これは自立支援法の中でも、生活困窮者について明確な定義、具体的な定義がありませんので、現に経済的に困窮し、最低限の生活を維持することができないおそれのある方というふうにされております。
 したがいまして、具体的な年間の収入額が幾らとか、そういったものの定義はございません。ただ、実態を正確に把握することは難しいんですけれども、国では、福祉事務所に生活保護の相談に訪れた方のうち、生活保護に至らなかった方を全国で40万人と推計しておりまして、これと同様の手法で県の人数を把握しますと、県では約7,000人前後と見込んでおります。
 本年4月から、生活困窮者に対する自立相談支援が始まったわけですけれども、きょうの冒頭のほうにお話ししましたけれども、一月平均で約650人の相談がありました。この650人を単純に12倍すると7,800人ですので、先ほどの7,000人という数字はそれ相応の数字かなと考えております。
 ただ、ニートやひきこもりといった地域社会から見えにくくなっていたり、窓口に相談に訪れることができないような方も含みますと、潜在的に生活に困窮されている方は、この7,000人にさらに上乗せするものと推測をしているところでございます。

 それから4点目ですけれども、生活保護における不正受給の状況でございます。
 こちらは、まだ平成26年度の数字がまとまっておりませんで、現段階では平成25年度の数字が最新の数字ということでございますけれども、平成25年度の生活保護不正受給につきましては、前年818万円を下回る、総額で2億9929万円、件数は39件減の840件でございました。
 この生活保護制度につきましては、やはり本当に生活保護が必要な人は確実に保護し、またそうではない方は認定しないということで、公平公正な制度の運用によりまして、国民の信頼に応えるような制度にしたいと考えております。

○桑原長寿政策課長
 認知症対策につきまして、3点御質問がございましたのでお答えいたします。
 まず第1に、県内で何人くらいの認知症の方がいらっしゃるのかという推計でございます。
 県では今、要介護認定者のうち大体6割くらいが認知症の方であろうという想定をしておりまして、今要介護認定者が16万人ほどいらっしゃいますので、そのうちの6割といいますと、大体10万人くらいと考えております。
 ただ、先般新オレンジプラン等が国で公表されまして、その中では、今後2025年までには、高齢者全体の5人に1人は認知症の疑いがあるということも言われておりますので、今後も増加に対しては、十分な対応を図ってまいりたいと考えております。

 それから2番目の、治療薬等がいろいろ出て、有効なプログラムもあるとテレビで御紹介があったということで、認知症の方に対する対策等についてです。
 これまでも認知症の方につきましては、地域で、例えば、まずはかかりつけ医の先生でありますとか、地域包括支援センターで気づいていただいて、それを医療につなげ、医療のほうでは、専門的な医療機関として認知症疾患医療センターを、県では今5カ所指定しているところでございます。
 そういったところの医療の対応、それから必要に応じた施設のサービス等の介護保険サービス等にまたさらにつなげるということで、在宅も含めて医療・福祉・介護が連携をして、認知症の方、あるいはその御家族が仮に認知症になっても住みなれた地域で、安心して暮らしていけるような体制の構築を今図っているところでございます。今後も市町、その他関係機関と医師会等とも連携をとりながら、総合的に対応してまいりたいと考えております。
 今年度からは、委員会資料の22ページの地域包括ケアシステムの中の新たな地域支援事業として、認知症施策の推進が挙げられておりまして、例えば、認知症の初期集中支援チームは、医療の部門と介護であるとか、福祉の部門と多職種の連携を図ることをテーマとして、できるだけ早期発見、早期対応につなげる体制づくりを市町で取り組んでいただくものとなります。
 それから、それに向けて地域支援推進員という、コーディネートしていただく方の体制整備も進めてまいりますので、そういったことも含めて認知症対策を進めてまいりたいと考えております。

 それから3番目の身寄りのない高齢者、あるいは徘回等の対策、社会生活の対応ということです。
 徘回等で行方不明、身元不明のまま入所施設で預かっていらっしゃる方の対応につきましては、8番委員御指摘のとおり、昨年度それに対するガイドラインを策定いたしまして、県といたしましては、身元の判明につながることが、御本人あるいは探していらっしゃる家族の利益につながるということで、幅広くホームページ等で情報公開をして身元の判明につなげるように働きかけているところでございます。今後もこの制度につきましては、推進を図ってまいります。
 それから、社会的な、例えば生活の対応につきましては、身寄りのない方につきましては、成年後見制度等の対応も市町等公共の機関で図ってまいります。いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、医療・介護・福祉、それから在宅の方、市町等多くの職種が連携をして、認知症対策を図ってまいりたいと考えております。

○山口障害者政策課長
 障害者就労施設等への発注増加を目指した取り組みについての御質問でございます。3つほど質問があったかと思います。
 まずは、障害者優先調達推進法や関係政令では、障害者雇用推進法の雇用率2%等と同様の数値はないのかという質問でございます。
 この法律では、地方公共団体は障害者就労施設等の受注増大を図るための措置を講ずるように努めなければならないとされておりまして、まず地方公共団体では、調達方針の策定、そして公表、実施、実績の取りまとめということになっております。目標数値については、特段定められておりません。

 2番目でございます。この数値をどう評価するかということでございます。
 平成25年度の実績は、平成24年度の実績と比べまして40%ほど増加しました。しかしながら、平成26年度の役務では、平成25年度の実績に伸びないなど、全体では約1%の増加にとどまったということで、私どもまだちょっと平成26年度は努力が足りなかったと認識しております。
 また、全国的な集計結果は、厚生労働省からいただいた資料によりますと、平成25年度の実績ということで出ております。それによりますと全国的には1位は東京都、2位は神奈川県で、本県は6位となっております。こういった点を含めますと、平成25年度についてはそれなりに頑張ったのではないかと思っております。しかし、いずれにしましても平成26年度は少し伸び悩んだという認識でございます。

 もう1つの3番目の質問でございます。県においては、1所属1発注の取り組みを行っておりますが、未達成の部局はあるのかということでございます。部局別では、全ての部局でやっていただいております。
 ただ、くらし・環境部の出先機関、また経済産業部、交通基盤部の出先機関、また教育委員会の県立高校等におきましては、全てではございませんが、そういった出先の事務所、学校等におきまして発注が行われなかったところもございます。
 県といたしましては、6月10日に健康福祉部部長代理をトップとします調達推進本部を開催いたしました。その席上でも、教育委員会、警察本部の方々にも、今後は全ての出先も含めまして発注が行われるよう、その徹底をお願いしたところでございます。

○橋福祉長寿局長
 高齢者の貧困等への県の対応について、補足して説明をさせていただきます。
 地域福祉課長が御説明いたしましたとおり、生活保護制度、あるいは生活困窮者自立支援制度の活用とともに、生活福祉資金等の制度融資の活用もしていただいておるところでございます。
 また、生活困窮等経済的な課題以外に、高齢者の方が抱えていらっしゃるさまざまな課題がございます。県といたしましては、これらについて、地域で支え合う体制づくりといたしまして、ふじのくに安心地域支え合い体制づくりというものを進めております。これは、県、行政機関だけではなくて、民生委員・児童委員協議会や社会福祉協議会等の福祉団体とともに、例えば、牛乳販売であるとか、新聞販売等、個別に高齢者の自宅に訪問される事業者の皆様にも入っていただきまして、合わせて46団体で、地域で安心して暮らしていただける体制づくりを構築しておるところでございます。
 また、ふじのくに型サービスの推進の一環といたしまして、居場所づくりを進めておりまして、高齢者の方が孤立しないように、地域でつながりを持つようにということもあわせて進めているところでございます。

 もう1点、認知症の方の財産保護の観点でございますけれども、これは、御本人にかわって権利をお守りするという立場で、成年後見制度の推進についても県として進めているところでございます。

○池谷委員
 次の質問に移ります。
 まち・ひと・しごと創生総合戦略の素案ですけれども、この戦略を見ますと、何か総合計画の補足をしているようなイメージ、感覚を持っちゃうんですね。戦略ですから、もうちょっと違うものをつくらないと、実効性が上がらないんじゃないかなと思います。これは、全体的な印象ですけれども。
 この健康福祉部関係で、総合計画と今回の総合戦略の関係、位置づけというものをちょっと聞かせていただきたいと思います。

 総合戦略素案の55ページに、退職後の高齢者について終末期の継続ケアを受けながら老後を過ごすため、本県への移住を検討するとあります。
 これは、考え方によります。というのは、東京の高齢化対策として、地方への移住を進めるという施策に読めないことはないですね。特に報道によれば、医療・介護施設の余裕のあるところへ、東京の高齢者は移れよと言っているわけで、稼げるときに、現役時代は税金を東京に納めておいて、稼げなくなったら地方に移り住めと、ちょっとこれはおかしいなと思います。東京のツケを地方に回すような、大変虫のいい話じゃないかなと思います。
 実際に、高齢者の移住につきましては、介護費とか医療費、国保、こういう社会保障費等々から自治体負担が増加して、結果一般の住民の皆様の負担がふえるといういうリスクもあると思うんですね。これについて、健康福祉部としては、どのように考えているのかお聞きをいたします。

 そして、本県ですね。長期人口ビジョンを見ましても、東京圏への転出、そして若者、女性の転出が特に多いと掲載されていますけれども、これは言いかえますと出生率の低下にもつながると思います。
 健康福祉部としましてこの社会減に対応する施策もしっかりと考えていかなければならないと思うんですけれども、健康福祉部として、この社会減に対する具体的な施策をお聞きをいたします。以上、お願いします。

○福島政策監
 総合計画と地方創生の総合戦略についての違いでございますが、総合計画が本県におきまして一番上位の計画になります。
 今回のこの地方創生の戦略につきましては、人口減少を克服、それから地方創生を実現するために講ずるべき施策の基本方向とか、それから、具体的な施策に取り組むということになります。ですから、総合計画の分野別計画の1つであるという位置づけとなります。
 もう1つ違いとしましては、総合計画が平成26年度から29年度までの計画であるのに対しまして、この地方創生総合戦略は、平成27年度から31年度までの計画となっております。
 ですから、今回は総合計画にない指標等につきましては、分野別計画のふじさんっこ応援プランだとか、ふじのくに長寿社会安心プランとかいろいろな関係の計画を組み合わせて、この地方創生総合戦略をつくっておりますので、形としては、総合計画と方向性としては、大きなもので間違ってはいないかと思っています。
 今後の、より具体的な施策と内容につきましては、この戦略を組み立てて、今後の国の交付金とかその辺の関係の事業で、新規の事業もしくは各自すべき事業については今後の課題になるかなと思っております。

 それから続きまして、地方への移住の関係で、日本版CCRCと言われております。確かに、東京の方が年をとって医療や介護で行き先がないから、困ったから地方に移住すればいい。単純に、地方からすれば虫のいい話という形になります。
 先日テレビで、この日本創成会議の代表の増田さんという方がお話ししておりましたが、東京圏において、医療と介護の関係の今の状態を放っておきますと、ますます医療難民、介護難民が発生することとなります。このまま日本を放っておきますと、この医療・介護難民のために東京圏では、人を集めて仕事をすることになります。
 ですから、医療人材や介護人材が東京に集中し、また吸い寄せられてしまうということが起きかねない。ですから、これが日本としての課題であるということで、今回、日本創成会議で提案されたということでございます。
 東京圏の問題でありますが、ひいては地方の問題でもあるということでございます。ですが、今後この移住・定住を進めるに当たりまして、まず地元――そもそもが静岡県の計画とするのは、今現在住んでいる方たちのための、高齢者が何人いて、医療需要がどれだけあるかという形でつくられている計画でございますので、そもそもこのCCRCという移住・定住を前提とした計画になっておりません。
 ただ、これからの課題といたしましては、このお互いの受け入れる際についての政策的課題、医療や介護の負担をどうやって出すのか、単に困ったから押しつければいいという形ではなくて、今後国の検討内容を踏まえて、お互いの受け入れ先と受け入れ元のそれぞれの地方自治体が、相互に十分調整、連携、協議した上で初めて実現するものと思っております。

 それから、社会減に対する施策でございます。
 この社会減については、一義的には、大学の進学とか就職で東京圏に吸い寄せられるということでございますが、本県における社会減という観点でいけば、やはり何といっても魅力ある地域づくりであるということに尽きるかと思います。
 その魅力ある地域づくりの最たるものといたしましては、健康長寿日本一の環境にあるということでございます。静岡県は、豊かな自然と食べ物と川勝知事もおっしゃっていますが、非常に健康長寿の環境が整っている。
 ですから、この魅力のある地域をさらに魅力を高めていけば、ますます人がこっちのほうに誘引されていくことになるかと思います。
 それからあわせて、今後、先ほどの地域医療構想、それから地域包括ケアシステムを進めて、この静岡県が医療と介護、安心して暮らすことができる社会をつくっていけば、結果的に魅力ある、また医療面、それから介護の面でも安心して住める社会をつくっていけば、結果的に社会減をとめる一因になると思っています。

○池谷委員
 まず再質問といいますか、要望ですけれども、やはり総合戦略ですから、もうちょっと具体的なものじゃないと。プランじゃないですから。計画じゃなくて戦略ですから、国の交付金をもらって、どこに重点的に投資をして、人口をふやして地方の活性化を図るかと。これが見えるようなものじゃなきゃおかしいと思うんですよね。国がこれでいいと言ったかどうかはわかりませんけれどもね。そういう戦略にしてほしいなと、これは無理でしょうけれども、という要望です。

 それと、地方創生総合戦略の素案と基本構想は平成31年までですよね。だから、基本構想と合っているんですよね、終わりが。ですから、この総合計画の基本構想とこの戦略との相違が、対比が一目でわかるような表というのはできないんですか。それをちょっとお聞きいたします。

 それと、移住の関係ですけれども、東京から地方で受け入れる人数に応じて負担金をよこせみたいな話はできないんですか。お聞きします。

○福島政策監
 8番委員御指摘のように、先ほどの一目でわかる資料が要るかどうかということについては、またこれは企画広報部と調整して、委員からそのような御要望があったという形で提言していきます。

 それから、移住・定住についての負担金については、まだ国のほうで移住・定住に関する検討が今始まったばかりと考えております。
 ですから、具体的にどのような負担をして、地方がどのような負担をするのか。もしくは、国がどこまで補填するのか。今後の仕組みづくりは、これからの検討なども十分に見据えて対応する必要があるかと考えております。

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