本会議会議録
質問文書
令和6年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 蓮池 章平 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/04/2024 |
![]() | 会派名: | 公明党静岡県議団 |
○蓮池委員
分割質問方式でお願いします。
今年も大変暑い日が続きました。昨日も暑かったですが、まだしばらく暑い日が続くようです。
警察官は暑いからといって涼しいところにずっといるわけにもいきませんから、真夏にはどのような対応を取られているのか。新聞報道ではコンビニで水分を取るための水等の購入は認められているとありましたが、それ以外のことも含めて真夏の猛暑対策の取組について伺いたいと思います。
○戸塚警務課長
警察官の暑熱対策についてお答えいたします。
夏季における猛暑日が増加している中、警察活動における暑熱対策を適切に講じることは職員の命や健康を守る観点のほか、警察活動の能率的な遂行を確保する観点からも極めて重要であります。
このため、暑熱環境下においても警察活動に支障が生じないように必要な各種暑熱対策を講じ、職員の体調管理に万全を期しているところであります。
具体的な対策といたしましては、勤務中における定期的な身体冷却や水分補給、制服警察官による店舗等での飲料水の購入などを可能にする、各種冷却グッズを活用する、業務内容や気象等の状況を踏まえ所属長が相当と認めるときはサングラスの着用を可能にする、暑さ指数――WBGTなどの熱中症発症リスクを考慮して業務付与内容を変更するなどの対策を本年6月から実施しております。
○蓮池委員
外で作業される建設産業の皆さんや道路工事の誘導の皆さんには、最近服にクーラーじゃないですが風を送るようなものをつけていらっしゃる方が多いですが、なかなか警察官がそれをつけるわけにはいかないと思います。これからはこの暑さが普通になってくると思いますので、ぜひ様々な工夫をして警察活動をお願いしたいと思います。
続きまして、捜査技能の継承についてです。
ちょうど団塊の世代が大量退職するときに、私もこの文教警察委員会や本会議で取り上げました。今いろいろな捜査技術も進んでいるのでそういったもので代えられるものもあるかもしれませんが、例えば職質などのように、どういう対応をしたら相手がどう答えて、やはりちょっとおかしいぞといった長年積み重ねた経験から来る捜査技能もあるかと思います。そういう個人が積み重ねた経験をどうやって若い人たちに継承していくかは非常に重要だと思っています。
県警察には伝承官制度があって退職されたOBの皆さんが若い人たちに伝えていくと以前お聞きしましたが、これは今でも行われているのか。それから今まで培ってきた個人に蓄えられた捜査技能はきちっと継承されているのか、そこら辺の状況はどうですか。
○戸塚警務課長
県警察では、平成20年代前半まで毎年約300人のベテラン警察官が大量退職していく中において、長年にわたり培ってきた捜査技術等を後継者に伝承し職務執行力の維持向上を図ることを目的に、技能指導官及び伝承指導官制度を創設し現在まで運用しているところでございます。団塊の世代が退職していたいわゆる大量退職時代――前回8番委員が御質問したとき――から相当年数が経過しているものの、近年でも毎年約250人前後の職員が退職しているのが実情であり、また15年前と比較すると治安を取り巻く環境が大きく変わっておりますが、これも8番委員御指摘のとおり基本的捜査技術等の必要性に変わりなく、後継者への捜査技術等の伝承の重要性も何ら変わっておりません。
現在、現職職員の中で卓越した技能知識を有し本部長から指定された技能指導官は26人、再任用の中で卓越した技能知識を有し本部長から指定された伝承指導官は2人おり、警察学校や各種所属に赴き捜査技術等の伝承を行っております。
具体的には、採用間もない職員には基礎知識や技能の教育実践を想定したロールプレイング訓練など、その他の職員には現場においての同行指導などを通じ疑律判断や捜査技術等の習得ができるよう繰り返し教養を行っているところです。
参加した職員からも非常に勉強になったという声もありますので、効果を上げているものと思います。社会情勢の変容に伴って複雑化する治安課題に的確に対処するため、新たな捜査技術等の習得はもとより、長年培われた捜査技術等を着実に伝承し、県民の期待と信頼に応える警察官の育成に今後とも努めてまいります。
○蓮池委員
犯罪の質も変わってきています。最近ではSNSやITを使った今までになかった犯罪が主流になってきていますが、捜査、犯罪を犯そうとする人を未然に防止することなども含めて引き続ききちっと継承されるようにお願いしたいと思います。
次に、11月1日からいよいよ道路交通法の改正がございまして、特に自転車に対する規制が厳しくなるとのことです。例えば自転車のながら運転、酒気帯び運転にも新たに罰則が強化されるとのことですが、県民への周知はどのようにされているでしょうか。
○鈴木交通企画課長
自転車に関する改正道路交通法の周知方策についてお答えいたします。
全国の交通事故発生状況を見ると、近年人身事故件数が減少傾向にある中、自転車が関連する交通事故の占める割合は増加傾向にあり、悪質な自転車の違反が重大事故につながるケースが相次いでおります。そこで良好な自転車交通秩序を実現するため、改正道路交通法の一部が11月1日に施行されることとなり、スマートフォンなどを手で保持して自転車に乗りながら通話する行為のほか、画面を注視する行為が新たに禁止されて罰則の対象となります。また自転車の酒気帯び運転、酒類提供や同乗、自転車の提供に関しましても新たに罰則が規定されることとなります。
県警察といたしましては、今回の改正道路交通法の内容が広く県民に周知されるように9月中旬から各種警察活動の機会において警察庁が作成したポスター、リーフレットを活用した広報啓発活動を実施しているほか、県警ホームページや公式SNSを活用した情報発信等を推進しております。
具体的に申し上げますと、交通指導取締りや交通安全教室での周知のほか、居酒屋をはじめとした飲食店や自転車販売店、学校などに対しポスター等を配付しながら広報啓発活動を行っております。また若年層の利用が多い公式SNS、Xやインスタグラムを活用した情報発信を行っております。引き続き改正道路交通法が円滑、適切に施行されるよう関係機関、団体と連携を図りつつ実効性のある取組に努めてまいります。
○蓮池委員
私の地元沼津市でも特に高校生が通学に自転車を使うことが多いです。見ていますとスマホを操作しながらの自転車運転もありますが、教育委員会との連携はどのようにされているのでしょうか。
○鈴木交通企画課長
高校生に対する交通安全教育、交通指導取締りについては県教育委員会健康体育課と密接に連携し情報交換をしながら進めております。具体的には自転車の指導警告件数が多い高校に私どもが直接赴いて、自転車事故の危険性や高校生がどんな事故を起こしているかを実際に紹介したり、今回の法改正で反則通告制度に関しては2年以内に施行でまだ先ですが、そういったこともありますと伝えています。高校1年生につきましては高校生のうちに反則告知の対象になりますので、そういったことも学校の教職員方と連携を取って、ヘルメットの着用促進と併せて対応しております。
○蓮池委員
これは取締りがメインじゃなくてこのことによって事故が多くなるのを防ぐことがメインだと思いますので、教育委員会、それから私学についてはスポーツ・文化観光部、こういった部局間とよく連携しながら対応していただくことをお願いしたいと思います。
続きまして、昨日からも質問が出ておりますが特殊詐欺被害の防止についてです。
これまでいろいろな対応を取ってこられたと思いますが、特に高齢者に対する特殊詐欺の被害防止については現状どのような施策を進めているのか伺います。
○松本生活安全企画課長
高齢者に対する特殊詐欺被害の防止策についてお答えいたします。
特殊詐欺被害の特徴としては、電話がきっかけとなります。詐欺電話も多発しており、これに出ることによって被害に遭う、いわゆるかけ子の誘惑、いろいろな甘言に誘われてだまされてしまう状況がありますので、まず電話に出させないために電話機対策を推進しております。
この電話機対策については、例えば留守番電話にする、あるいは最近は国際電話を利用した詐欺電話もかかってきますので、そういった国際電話に出させない手続がございますので、そういったことを広報啓発しております。それ以外にもいろいろな機会を通じて高齢者の被害防止について呼びかけをしております。
○蓮池委員
電話機の対応については警察だけじゃなくて、所管で言うとくらし・環境部になるのかな。実際に高齢者世帯での電話機対策の普及率は把握していますか。
○松本生活安全企画課長
高齢者世帯での電話機対策の普及率については手持ちの資料がございません。
○蓮池委員
今こういった特殊詐欺については警察庁が重点取組として進めているわけですよね。電話機を交換するにはお金がかかったりしますが、ぜひほかの部局とも連携しながらなるべく普及するようお願いしたいと思います。
また、県警察に特殊詐欺被害のやり取りの音声がありますよね。静岡県だけじゃなくてほかの県警察の音声も警察庁のホームページに出ているので聞きましたが、電話に出た瞬間に自分もだまされてしまう感じがしました。電話に出て、例えば市役所の介護保険課ですと言われ、それを信用してしまうとその先はどんどん信用してしまい、相手の電話番号が出ていなくても相手もそこはうまくかいくぐって、とにかくお金を振り込ませようと話を持っていく。これは自分自身も聞いていて不安になりました。
実際に詐欺に遭った電話のやり取りを各地域の自治会などで聞いていただくような取組はされているのでしょうか。
○松本生活安全企画課長
実際のやり取りについて、過去にホームページにその音声が公開されたことがございます。8番委員御指摘のとおりそのようなやり取りを聞くことは非常に効果的だと思いますので、今後何らかの形でできるよう対応を考えていきたいと思います。
○蓮池委員
この特殊詐欺被害はなかなか収まらなくて、相手も次から次へ知恵を使っていかにしたらだませるかということをやってくるので非常に難しい対応かと思いますが、ぜひあらゆる手段を使って対応頂くようお願いしたいと思います。
次に、公安委員会・所管事項等説明資料の資料3犯罪の起きにくい社会づくり(1)のうち、子供女性安全対策の推進で不審者事案認知件数は令和元年の年間約2,000件から少しずつ減ってきています。私にも地元のどこどこで不審者が出ましたというメールが配信されます。
例えば、子供や女性を狙ったもので、特にこれからだんだん暗くなる時期になると下校時間、部活を終えて帰る時間に不審者が出るなど場所、曜日、時間などに恐らく傾向があると思います。例えばAIを使ってこの時期のこの時間帯はこの地域で今までも出たからパトロールを行うなど警察も新しい技術を使った防犯対策も考えられるかと思いますが、こういったことは既に行われていますか。
○松本生活安全企画課長
AI、いわゆる人工知能技術は業務の効率化や生産性の向上のほか、将来の労働力不足の解消にも期待されていることから幅広い業界、分野において活用が図られているものと承知しております。
県警察といたしましても、こうした先端技術を日々発生する犯罪リスクの分析に応用し、効果的なパトロールに活用すべく昨年から今年にかけて2つの警察署において実証実験を行ったところであります。結果は残念ながら実用化に足る精度の高いデータを得ることができなかったものの、今なお進化を続けるAI技術の防犯対策への活用については引き続き全国警察の動向を把握しつつ、調査研究を重ねてまいりたいと思います。
○蓮池委員
今後進んでいけば、防犯対策だけじゃなくて捜査にも活用できるかと思いますので、静岡県警だけでやるというよりも警察庁全体で取り組んで何に活用したら一番効果的なのかが研究されると思いますが、ぜひ防犯対策についても強化をお願いしたいと思います。
最後に、6月定例会の委員会でも山岳遭難救助隊のお話を聞かせていただきました。今年も大変厳しい環境での山岳遭難救助隊の活動があり、突風で静岡県警の山岳遭難救助隊が風に飛ばされそうになりながら救助に向かうSNSが全国にもマスコミにも配信されたわけです。
富士登山については山梨県との連携が今回の入山規制の対応で話題になったところですが、静岡県の山岳遭難救助隊と山梨県の山岳遭難救助隊に何か違いがあるのでしょうか。
○酒井地域課長
現在把握しているところでは、山梨県、静岡県の山岳遭難救助隊につきましては大きな違いはないと承知しております。
○蓮池委員
本県警察の山岳遭難救助隊は富士山9合目に駐在しているとのことですが、山梨県も同じような対応ですか。
○酒井地域課長
山梨県はそのようなものはないと把握しております。
○蓮池委員
そうすると、要するに8合目よりも上で救助要請があった場合――山梨県のことを聞いても難しいかもしれませんが――例えば山梨県側も静岡県が救助に行くことがあるのか。県警同士の山岳救助に対する連携強化はどのような形でしょうか。
○酒井地域課長
今年度の状況を見ますと、例えば富士吉田口から登った登山者が道に迷って須走口に下りてくるような状況は確認されました。そのような場合には県警同士が連絡を取り合って最適な方法で救助に向かっております。
○蓮池委員
私が以前聞いたところによると、山梨県には民間の山岳救助隊があって、上のほうの救助については民間が救助を行う。その場合は民間救助なので有料です。ところが静岡県は県警察がお金を取るわけにはいかないので、そこら辺の違いもあろうかと思いますが、今後本県も民間の救助隊等の採用は考えますか。
○酒井地域課長
遭難者の救助をいかに短時間でできるかが重要ですので、今後その辺の課題について担当する部局、関係機関と連携しながら最善の方法を取り入れていきたいと考えております。
○蓮池委員
私は、本会議でも安全な富士登山について取り上げました。今後静岡県の対応については検討されるかと思いますが、ほんの少しの体調不良での救助要請は有料化も含めて検討しなくちゃいけないんじゃないかと思います。3,000メートル級の山に登ることの認識があまりにも低過ぎる。もちろんしっかり装備して登山される方もいますが、中には外国から来て軽装で何も持たずに登れるんだという感覚を持っている方もいる。そういう方が装備をしないで登ったことによって具合が悪くなった場合については少し考えなくてはいけない。本県警察の山岳遭難救助隊が命を賭して行くことがどうなのかなと。事前にきちっと装備をした人についてはもちろんいろんな状況があるのでこれは救助しなくちゃいけないことはあるでしょうけれども、指導しても駄目で自分の不用意で具合が悪くなり救助が必要になった場合には有料になりますよと。そこを了解してなおかつ登るなら仕方ないでしょう。山岳遭難救助隊の命を守る対応も含めて検討していただきたいと思いますし、山梨、静岡の県警同士で今後の対応も含めて連携を密にしていただくことをお願いしたいと思います。
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