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委員会会議録

質問文書

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令和2年9月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:早川 育子 議員
質疑・質問日:10/05/2020
会派名:公明党静岡県議団


○早川委員
 分割質問方式でお願いいたします。
 難波副知事をはじめ県当局の皆様につきましては、リニア中央新幹線の課題について昼夜を問わず取り組んでいただいておりますことに心より感謝申し上げます。
 また、10月2日には東京に出向いて日本記者クラブの皆さんに経緯を報告頂いたことに加えまして、毎回定例会でこの質問が出るんですが、9月定例会は非常に丁寧に分かりやすく御答弁頂いたと思います。県民の皆様からも経緯がよく分かった、何が課題かよく分かったと、関心のある方からはそういったお声を頂いております。
 そうした中で思いますのは、こうしたことをもう少し早く発信できていれば、もう少し違っていたのではなかったかなと思います。昨年の9月に47項目を解決してほしいと県が提言いたしました。7年かかってその結論が出ていない中で、こじれてからといった印象を受けますが、こうした様々な情報発信をされていることをもう少し早く丁寧に説明頂ければとの声もあります。そうした意見に対しての御意見がありましたら伺いたいと思います。

○難波副知事
 そうしたお話があるとのことですので、それは大いに反省してやっていくべきだと思います。先ほどもお話がありましたけれども、ちゃんとやっているつもりといっても、その個人の思い込みだけのこともあり得ますので、そうした声があることをしっかり受け止めるのが非常に大事だと思っています。
 ちょっと遅くなったかもしれませんけれども、今こういうことでやっているわけです。今からでも遅くありませんので、できるだけ分かりやすく皆さんに御理解頂ける説明に努めてまいりたいと思います。

○早川委員
 立ち止まってそこから新たに非を認めて進んでいく姿勢は行政にとってはある意味非常にできにくいことだったと思いますが、そうした英断を評価したいと思います。

 この資料で、なぜ対話が進まないのかは立っている基準の違いと出していただきました。また非常に科学的、工学的根拠が必要で国の有識者会議が間に入って対話を進めていく、そうした国交省の立場を非常に評価したいし、また期待したいとのお話がありました。
 お話を伺っていく中で、影響を受ける側がゼロリスクではないと言いながら、JRはいやいや大丈夫だよと言う何か不思議な構造が問題を非常に複雑にしているのかなと思います。
 そうした中で、昨年JRに対して出した47項目の質問に対して、これが折り合わない限り県としては工事着工を容認できる状況ではないとも明言しておりますが、JRでは環境影響評価が済んでいて、何をそれ以上のことも求めてくるのかと、ここが本当に平行線のままでいろいろな問題を止めてしまっているように素人でも分かる話ではなかろうかと思います。
 日本記者クラブの中でも国交省への期待を語られました。実際に国の有識者会議が5回行われていると思いますが、かなり不規則に行われているように感じます。いついつあるというのは一、二週間ぐらい前に連絡があって、実際に国交省としてはどのくらいのところを目安に考えているのか。また有識者会議の後に県の専門家会議を開いて、それは容認できないといった話が出る中で、国の有識者会議と県の専門家会議の連携あるいは関係性はどう捉えていったらいいのか教えていただきたいと思います。

○難波副知事
 国の有識者会議ですが、確かに不規則といいますか、いついつ会議をやりますよと割合直前になって連絡が来ております。これはどういうことかというと、推測ですけれども、恐らく物すごく真摯に議論されているのではないかなと思います。あらかじめシナリオを初めから決めて、1か月に1回会議を開いて5回で結論を出しましょう、何月何日にセットしてといったやり方をすれば、あらかじめ日にちを決めてできるわけですね。
 ところが、今回もそうですが、第5回の委員会をやられた後、いつ次の会議が開かれるか分からないんです。恐らく物すごく熱心といいますか、本当に分かりやすい説明をしようと、委員の皆様と国土交通省は議論して、あるいはJR東海と本当に議論なり検討をしているんだと思います。だからこそ強引に結論をぽんと持ってくることはなくて、時間がかかっているのではないかと思いますので、我々としてはむしろ不規則にやられていることが健全性を示しているのかなと思っております。
 その一方で、生物多様性については基礎的なところはまだ県とJRの間で詰まっておりません。この状態で国の有識者会議に持っていっても、恐らく議論のしようがないといったことにしかならない状況だと思います。
 したがって、今は水の問題は取りあえず国の有識者会議での進展を期待して、県は生物多様性の問題についてJR東海としっかり対話して論点を詰めて、ある程度詰まって膠着状態になったところで国土交通省が出てきて、いやこういうことかと、裁定ではないと思いますけれどもJR東海への助言となっていますので、国からJR東海に適切に助言していただくのが良いかなと思っております。

○早川委員
 性善説と捉えて丁寧に紳士的に議論を重ねていただいていることに期待したいと思います。
 先ほど来の話の中で、JRという大きなしっかりとした信頼性のある会社だから、そこから発信してくることは間違いないだろうとのことで、恐らく9月に47項目の質問を出した後に2度にわたって再検討を求めることになるとはよもや思っていなかったと思いますし、こんなに長引くとは思っていなかったと思います。そうしたことを考えると、真摯に検討していただいているであろうことがそのとおりであることを願ってやみません。

 生物多様性の問題ですが、6月定例会で8番委員から質問がありました。そのときに松自然保護課長から絶滅危惧T類で310種類、そこまではいかないんですが、大幅に減少している、絶滅の危険は増大しているなど絶滅危惧U類は308種、合計618種が危険と既に県の担当者レベルで予測されている。こうしたことは水の問題が終わってからではなく並行して、もちろん47項目の中に入っているわけですので。
 JRとの協議がまだ国で検討していただくレベルになっていないとのお話でありました。これに関しては、今後どのくらいの検討をJRとしていくのか、そのあたりの方向性ですとか、検討状況を教えてもらいたいと思います。

○難波副知事
 JRとの検討状況については、市川くらし・環境部長からお話をさせていただくかもしれませんけれども、やはり生物多様性について急ぐ必要があるといったことで、最近になってJR東海からも接触があります。専門部会の委員の先生方とも意見交換をしたいとのお話がありますので、積極的に進めていきたいと思っております。

○田島くらし・環境部理事(自然共生担当)
 生物多様性に関しまして、前回生物多様性の専門部会をやって1年近くたつものですから、JRから改めて先生方に前回問われていた内容について確認したいとのことで、各先生に聞き取りを行いました。その際に先生方からこういったところについてもう少し丁寧な説明が必要だといったことが指示されましたので、現在その内容について再検討を行っていて、もう一度確認した上で専門部会を開催する手順で今準備をしている段階であります。

○早川委員
 水の問題はもちろんですが、生物の多様性も失ってからでは二度と取り戻すことができない大きな課題だと思いますので、こちらも丁寧に進めていただきたいと思います。またその進捗状況なども可能な限り開示していただきたいと思います。

 本年2月の常任委員会での集中調査で私どもの会派の田委員より、ほかの関係する省庁に先に関わってもらって各省庁の所管に沿った意見を求めていくべきではないかと。特に環境省との関係を深めなくてはいけないと思います。そのときは今後の国交省の有識者会議の動向、またそこで交通整理が行われていく予定であって、その段階で関係省庁の意見をしっかり入れていただくとの答弁でしたが、その後半年たって実際有識者会議が開かれる中で、どのようにほかの省庁、特に環境省と連携していただいているのか伺います。

○難波副知事
 環境省との件ですけれども、先日国の有識者会議でJR東海が資料を出してきて、特に地下水位の大幅低下の問題が出てきたものですから、それは今まで出てこなかった資料でどのように捉えたらいいのでしょうかと私が環境省に対して問合せをいたしました。文書で質問しましたけれども環境省から回答が来て、このリニアの問題について環境省はずっと関心を持っていると。環境影響評価を見たときから今も見ていますと。国土交通省で今議論されているので――それには環境省はオブザーバーで参加しているわけですけれども――まずはそこでの取組をしっかり見守りたいとのお話がありました。見守りたいとのことですけれども、それはお任せするではなくて、オブザーバーで出て、しっかりいろんな議論がされているか見ていますよとのお答えを環境省から頂いたと思っています。
 まだ環境省に具体的なところで助言を頂く状況でなくて、県とJR東海との間で詰めるべき段階だと思いますが、環境省もそう見てくださっていますので、いずれどこかの段階で助言なり相談に伺う機会もあるかなと思っております。

○早川委員
 環境省も関心を持ってオブザーバーとして関わって注視していくとのお話でありました。県とJR東海の詰めるべき内容を見届けるという意味だと思うんですが、要は立ち位置、基準が違っていて会話がずっと進んでこなかったところで、これから詰めていくべき内容が科学的にきちんと処理されればいいんですが、恐らく今伺っている範囲ではなかなか難しいだろうと思います。早い段階から環境省に入っていただいて、調整していただきたいと思います。

 特にJR東海との認識、見解の違いは一覧表にしていただいて非常に分かりやすく、そのとおりだなと思ったんです。トンネルを掘ってみなければ分からないことが多い、掘りながら考えるとすべき、これは本当にそうかもしれないですけれども、既に予想されることがあって県が懸念を抱いて提案しているわけですから、JR東海には真摯に受け止めて対応していただきたいと思います。
 これができていないということは、JR東海の中にもリスクマネジメント、またリスクコミュニケーションができる人がちゃんといないといけないと思います。これは県から言える話ではないかもしれませんが、こうして整理したことを記者会見で発表される中で難波副知事はそのあたりをどのようにお感じでしょうか。

○難波副知事
 なかなか理解していただけないなというのが実感です。私自身が技術者で、環境影響評価を評価する側ではなくて影響評価を自分で書いていた経験もありますので、自分の目から見てこのぐらいはやらないといけないなというレベルの考えがあるわけです。
 過去にどんなことをやってきたか意外に重なる人たちがおられるわけで、例えばJR東海の宇野副社長は年代的には割合近いですし、土木工学を専攻していた方ですから当然同じような考え方を持っているのではないかなと思うんです。宇野副社長がそう思っているわけではなくて、その方以外にも私と同じようなことを専門とする人たちがいるのに、どうもかみ合わないのがなぜかは理解しにくいところですね。個人の問題ではないのかもしれないといったところでそれ以上は言いにくいんですけれども、私自身も分かりかねている状況であります。

○早川委員
 言いにくいところを御答弁ありがとうございました。でもまさしく私はそこにあるんだと思います。このぐらいは理解していただきたい、分かるでしょうといったところが分からないから話がかみ合わなく進まない。これは本当に理屈から言うとそのとおりなんです。これまでのほかの公共事業を振り返ってみますと、やはり最初の接点、事業を推進する派と懸念する側、その懸念する側がどんなことを危惧しているのかに寄り添って解きほぐしながらやっていかないと膠着状態が長く続くのではなかろうかと思います。
 これまでは、県が歩み寄ろうとしていろんな提案をするわけにはいかないとおっしゃっていましたけれども、こちら側がかなり解きほぐすように努力しているのに、推進する側が行け行けどんどんみたいな昔の体質で来られたら、申し訳ないですが、ついて行けないのが今の時代だと思います。ぜひ中立的な立場に立つ国交省にその使命を果たしていただきたいと思います。
 なぜこんなことを言うかというと、6月定例会でもお話ししましたが、高校生との意見交換をしたときに、早川さんたちはできた頃に使うかどうかも分からないよね、実際に環境に影響を受けて困ったことになるのは自分たちあるいはそれより若い世代の人たちで、僕たちに負の遺産を残さないでほしい、そのために頑張ってほしい、推進するんだったらきちんと責任を持って進めてほしい、こんな意見を伺いました。全くそのとおりだし、まさしく非常に責任が重たい選択をしていかなくてはいけないなと感じておりますので、引き続き難波副知事はじめ当局の皆様には大変御苦労が多いと思いますが、きめ細かな対応を、また国に対しても譲れないところはきちんと守りながら、分かりやすく県民にも情報発信していただきたいと思います。

○四本委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時30分とします。

( 休 憩 )

○四本委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
 質問を継続します。
 では、発言願います。

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