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委員会会議録

質問文書

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令和2年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:山本 隆久 議員
質疑・質問日:03/09/2020
会派名:無所属


○山本委員
 本日は、本当に御多用の中、御出席いただきましてありがとうございます。
 それでは、一問一答方式で質問させていただきます。
 まず確認でございますが、このリニア中央新幹線事業は国策とお考えでしょうか。それともJR東海さんの民間事業と捉えているか、お答えいただきます。

○宇野参考人
 私どもが事業主体として進めておりますけれども、国で整備計画が決定されて、建設主体として国土交通大臣から建設の指示をいただいて進めているプロジェクトでございますので、国家的な大変意義の高いプロジェクトだと考えております。

○山本委員
 ありがとうございます。
それでは、ほぼ国策の位置づけとの前提で質問させていただきます。
 実は午前中に、私は難波副知事に対してJR東海さんと県の専門部会がうまくいってないのは、トンネル工事の湧水量が毎秒約2トンの科学的根拠がないことが一番の大きな問題だと申し上げさせていただきました。
この湧水量を科学的根拠のあるものに近づけるためには、調査ボーリングの数が多ければ多いほどいいでしょうけれども予算もかかります。ですから私は、調査ボーリングを何カ所ぐらい、どの位置にやれば一番科学的根拠に近い数字が得られるのか専門部会の委員とJR東海さんの技術者がしっかりと協議してある程度決めていったらどうかと提案させていただきました。県としては調査ボーリングを行って科学的な根拠のある湧水量を決めるのはあくまでもJR東海さんであるとのお話でございました。
 これを踏まえて質問させていただきます。
JR東海さんは、今後この湧水量を科学的な根拠に基づいたものと言える数値を出すために調査ボーリングを行う用意はおありでしょうか。

○宇野参考人
 私どもは、環境アセスメントを通じて湧水量の予測を公表しているわけでございますが、十分に科学的な根拠を持って出したものだと認識しております。
 これは水収支解析――かなり歴史は長いですが――という最近でも九州新幹線の鹿児島ルート、三遠南信道などでも適用されている実績のある方法です。部会の中でも御説明している内容になりますけれども、初期値として地質のデータをどう入れるかというときに、南アルプス地域のデータをまず初期値として入れて、モデルとして、その現状を再現できることが大変重要です。現状というのは過去――例えば10年の降水量や流量など ――の変動がこのモデルで再現できるかが重要でございまして、初期値として最初にそういったデータを入れますが、結果的に完成した現状再現の高いモデルとしては相関係数も0.92で大変再現性が高いと専門家の方からも言われているところでございます。
 ボーリング調査を仮に追加で実施して違うデータを入れたとしても、現状を再現するということでは、結果的にはモデルとしては余り変わらないと思います。ほかの方法をとったとしても、現状を再現しているのであればこの方法が工学的には最も再現性が高い方法だと認識しております。
 ただ、部会の中で、ぜひボーリングデータをとったほうがいいと意見もいただいています。ただ南アルプス地域は鉛直ボーリングの、こういった長いボーリングを実施するには大変難しい場所ですが、西俣エリアの工事ヤードに予定しているところでは可能なので、今こちらで実施する準備をしております。
 そういったデータを使って、トンネル掘削の施工精度をできるだけ高めていきたいと考えています。

○山本委員
 ありがとうございます。
 今まで専門部会で掘ってみなければわからないという御発言もあったかと思うんですが、これとの整合性はどのようにお考えでしょうか。

○宇野参考人
 掘ってみなければわからないというのは1つの表現だと思いますが、事前の調査をどこまでやったとしても、地中の話はなかなか把握しにくいことはございます。
そういった中で、できるだけ前方の探査をトンネルを掘る前に行うということで、こういった大変難しいトンネル工事に備えて私どもも10年以上前から長距離の先進ボーリングの技術を地質の専門家、トンネルの専門家の方から御助言いただきながら開発を進めてきて今山梨でも使っておりますけれども、これを用いることでできる限り前方の予兆は把握できると考えています。

○山本委員
 ありがとうございます。
 あくまでも湧水としては毎秒約2トン。多少の増減はあるという見解と認識させていただきました。

 そこでこの湧水ですけれども、全量を戻す戻さないのも争点になっていると思うんですが、全量は言葉のあやでして、一滴たりとも戻らないとかって、これはもうやぼな話で、JR東海さんのお考えの全量とは毎秒2トンの湧水に対して、例えば90%、80%ぐらいは何とか戻せるとか、その辺はどのくらいを見積もっていますでしょうか。

○宇野参考人
 こちらの点について申しますと、基本的にはトンネルの中に湧いてくる水は全量お返ししたいと思っていますが、今論点になっています工事中の一時期について言うと安全上の問題との関係で難しいと考えていると話をさせていただいています。

○山本委員
 ありがとうございます。
 専門部会では、安全上の問題で上から掘るか下から掘るかのお話だったと思います。専門部会の委員は危険とされている掘り方も可能だとの見解を示されていると思うんですが、JR東海さんは、人的被害が確実に起こるとのことで今の工法で、下から掘るということでよろしいんですか。

○宇野参考人
 これもいろいろ対話をさせていただいている重要な部分だと思いますが、トンネルを上から掘ると突発した湧水に対するリスク、先進ボーリングで把握しながらやっていくと申し上げているんですが、場所が畑薙山断層という事前調査で本格的な破砕帯が繰り返しあらわれるところなので、思いがけない突発湧水――表現としてはわかりにくいところがあるかもしれませんが――など安全上のリスクを排除することは難しいと考えているので、ぜひ下から掘らせていただきたいと申し上げている次第です。

○山本委員
 実は私もその考えに賛成でして、環境だ水量だといっても、とうとい人命を工事で失うことのほうが明らかに大きいわけでございまして、安全だと言われる工法で進めていただければと思っております。

 次の質問に移らせていただきます。
 先ほど、この工事は国策という位置づけで2016年に政府が3兆円と多額の予算でJR東海さんに貸し付けを決めております。これは無担保で30年間元本は返さなくていい、金利も0.8%と非常に低くお貸ししていると。ゆえに我々一国民としてもこれは国の事業だと認識しておるわけでございますが、国策だからこそ静岡県だけに限らず工事区間の周辺住民や河川の中下流の住民や産業が不安や不満を持たないようにやってほしいんですね。
 そのためには、地下水が今どういう状況になっているかとか、調査ボーリングも3兆円の融資を受けているわけですから、そのお金を流用してできる限りの数の調査ボーリングをして数字を出して科学的根拠に結びつけていただきたいと思っております。
まず、その地下水についてですが、今大井川中下流の地下水がどんな状況になっているか。これは県も調べていきたいとお話をいただいておりますが、JR東海さんとしてはどの程度事前に調べていくかお聞かせください。

○二村参考人
 地下水ですけれども、それぞれ上流域、中流域、下流域とございます。中下流域においては、今静岡県がお持ちの観測データが定期的にとられているので、そのデータをいただきながら地下水がどのような状況になっているのか把握していきます。
 上流域については我々が観測井を設置しており定期的にデータを取得しております。あと中流域――上流域と下流域の間――もデータが不足しているところがあってはならないとのことで、民間の方に今打診してそういったデータをいただけるのか確認しております。そこでなかなか難しければ、中流域においても我々が観測井を独自に設置して定期的に観測していく計画でおります。

○山本委員
 ありがとうございます。
環境問題よりも、特に水問題が県民にとっては大きな関心事でございます。また不安のもとでもありますので、ぜひその辺はしっかりと進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

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