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委員会会議録

質問文書

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平成27年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:平賀 高成 議員
質疑・質問日:12/14/2015
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○平賀委員
 日本共産党の平賀高成です。
 私は、一問一答方式でお願いします。
 最初は、議案第163号の静岡県水産技術研究所浜名湖分場体験学習施設の指定管理者が、日本海洋調査株式会社から環浜名湖の地域活性を考える会に変更されたということですが、どういう理由でこの変更がなされたのか、何か問題があったのか。
 最近、指定管理者が辞退をする事例があるわけですが、私が住んでいる浜松市では、学校給食の指定管理者をされていた方が、今年3月末に従業員が集まらないことで辞退をすることがありましたし、それから、藤枝市では市民会館を管理運営している指定管理者が、事業がうまくいかないことで辞退をすることがありました。
 ですから、一体どういう理由で交代することになったのか。またこれは制度に問題があるのかどうなのか。それから県としてどんな対応を考えていこうとしているのか、この辺について伺います。

○三須研究調整課長
 県の水産技術研究所浜名湖分場体験学習施設の指定管理者の件につきましては、これまで過去5年間、日本海洋調査株式会社が指定管理者として指定管理を行ってまいりました。
 このたび、来年度から5年間の新たな指定管理ということで一般公募をいたしました。結果的に現指定管理者からは応募がございませんでした。かわりに今回候補者として提案をさせていただいております環浜名湖の地域活性を考える会が唯一1件でございますが、応募してきたという経緯で今回案件として提案をさせていただいています。

○平賀委員
 特に、問題となるようなことは見られなかったということですね。了解しました。

 それでは、次に今TPPが大筋合意という状況になって、新聞各社でもいろんな報道がされております。
 特に、この問題で言いますと、中小企業とか、農業とか、それから雇用の問題。中小企業などでいいますと、安い商品がどんどん入ってくることになりますし、それから農業の問題からも関税が撤廃されていくわけですから、そういうものと競争する上で日本の農業が大丈夫なのかどうなのか。
 新聞報道などでも、これを契機にしてもう離農をするニュースなどもあるわけで、この辺について、どうなっていくのか。
 それから、雇用問題でいえば、非正規の拡大といいますか、全従業員に対する割合でいいましても4割になっておりまして、ですからこういう問題に対して、篠原経済産業部長はどういうふうに状況を受けとめていて、どう打開をされて対処されていこうとしているのか。今説明はありましたけれど、その辺について見解を伺いたいと思います。

○長田政策監
 県として、TPPの大筋合意の後、中小企業や農業、農家の方、海外からの安い商品が入ってくることについて、どのように受けとめ、対策を講じていくのかという質問にお答えいたします。
 TPP協定の参加にかかわらず、貿易の自由化の流れの中で国際競争力を強化していくことは不可欠であると考えられます。TPP協定という新しい貿易ルールの発効により、これまで以上に開かれた市場の中で競争していくことになりますので、1つには県内産業界の主体的な取り組みが求められると考えております。
 また、県としましても、これまでも産業の競争力強化のための政策を打ち出して、具体的な施策に取り組んできたところですけれども、不足する施策が出てくるのでありましたら、国の対策も取り込みながら、引き続き県内産業の競争力強化のための取り組みを進めてまいりたいと思います。

○平賀委員
 全体は、そういう方向でということですので、もうちょっと踏み込んで伺いたいと思います。このTPPが大筋合意になって、例えば県内で言いますと、米だとか麦だとか牛だとか豚だとか、それから甘味資材作物などがいろんな影響を受けるわけですけれども、どういう影響が出てくるのか。その辺をどう考えていて、その対策はどうしていこうとしているのか、この辺についてはどうでしょうか。

○平松農林業局技監
 TPPにおけます農業分野関係の対策について、お答えいたします。
 国では、先ごろ総合的なTPP関連政策大綱を決定しまして、TPPの影響によります国民の懸念ですとか不安を払しょくするような最大限の努力をすることで大綱を発表しております。
 特に、農林水産分野につきましては、重要5品目の経営安定対策、それから攻めの農林水産業に転換する体質強化対策の2つを講じると発表しております。
 県におきましては、本県の農産物の競争力強化を図るために、ミカンの機能性表示の活用による輸入品との差別化ですとか、優良品種への転換による高品質化、農地の集積、お米で言えば直播栽培といった形の生産コストの低減。それから県産品のフェアですとか食育、そういったもので地産地消を進めることで、これまでも取り組んだことをさらに一層進めてまいりたいと思います。
 さらに、海外の輸出に対応したグローバルGAPの取得ですとか、残留農薬基準に適合した生産の拡大、牛肉のブランド化、そういったもので輸出の拡大を図ってまいりたいと思っています。

○平賀委員
 大体、全体像がそういうことで対応されていくということなんですけれども、今、規模拡大とブランド化ということがいろいろ県内の農政でも言われているわけです。しかし実際に規模を拡大すればするほど、例えば米価でもほんのちょっと下がっただけで大きな被害が出てくるわけですから、本当に今の政策を進めていって、これで実際には大きなところほど、いざ米価の市場価格が変動したりすることがあったりしたら、直ちに窮地に陥ることにもなりかねないわけです。今国としても、さまざまな保険制度などを考えているみたいですが、規模拡大とかブランド化に対して、本当にそういう心配がないのか、この辺についてはどうなんでしょうか。

○平松農林業局技監
 所得収入が下がった場合、どういう形で対策を講じるかという御質問についてお答えいたします。
 まず、国の話からさせてもらいます。国では意欲ある農家が安心して経営に取り組めるということで、今回のTPPでもセーフガードみたいな措置も講じております。そういったものとあわせて、経営安定に備えた措置が、先ほどもお話しました大綱の中にもお示ししております。
 国で考えている経営安定措置については、農業収入を補塡する制度を検討されておりますけれども、コストの低減ですとか、収益性の向上といった農家独自の意欲を減退させることはまずいということで、そういうことに配慮しながら仕組みを考えていくと聞いております。
 こうした補塡制度ですけれども、農業収入の減少ですとか、農業災害等も含めて、いわゆる保険制度という形で考えていると聞いておりますので、ある程度生産者の自己負担はやむを得ないかなと思っています。
 ただ、今回TPP関連政策大綱で、ある程度収入の補塡の話が出てきておりまして、例えば牛や豚の価格安定制度については、農家への補塡率を従来8割のものを9割にするとか、豚の価格安定制度においては、農家の負担を軽減して、半分から4分の1に減らそうといった話をしておりますので、農家の負担が軽減されて、経営安定対策が図られるものと考えております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 収入保険の問題などについては、私は政府の方針によってTPPに参加することになって、これで実際にはいろいろ市場価格の問題などで被害を受けるわけですよね。被害を受けた農家の方たちに、新たに保険料を払って保険制度をつくりましょうという、これは本当に理不尽な話だと私は思うんですよ。それで、実際に今県内の農政について、私も新人議員として県内のさまざまな積極的な取り組みをやっているイチゴだとか、トマトだとか、そういったところに視察に行きました。
 それで、結構一生懸命努力をして、何とか利益が上がるような農業をということでやっておりまして、やっぱりこれは静岡県の農政の特徴といいますか、施設園芸とか、第6次産業などに積極的に取り組んでいるところがあるわけです。
 私は今問題といいますか、素朴な思いがあるのは、やっぱり主食である米づくりに対して、真面目に生産をして、当たり前に頑張っていたら、ちゃんと暮らしが成り立っていくような農政になるのが必要ではないのかなと思っているわけです。ただこの点では、静岡県の米づくりの全体像がなかなか見えないと思っていまして、ですから米はもっと米専門にやっている県に依存をすればいいと。それから安い外国からの米があるから、そういったものでいいと考えられているのか、この辺についてはどうなんでしょうか。

○岡茶業農産課長
 米については、静岡県で県民に供給できるお米が現在大体35%ぐらいと見ております。ただ県内の方は、割と県内産の米を買おうという意欲といいますか、意思が強いものですから、ほぼ県外に出すことなく県内で比較的有利な価格で販売されております。
 ただ、今後も農地、水田を守っていって、ある程度の生産を確保していくためには、やはり今ある水稲や麦の経営体を何とか育成していくことで、県内ではかなり大規模化も進みまして、しかもそれらの方々には担い手が育っておりますので、今後も農地の集積ですとか、技術の支援、そういったことで米農家を育成していきたいと考えております。

○平賀委員
 9月定例会の産業委員会の中で、3番委員から1俵幾らでやれるのかという質問がありまして、目標数値で大体7,000円ぐらいでやれるんじゃないかという答弁があったと思います。
 今、産業委員会で配付された提出案件の概要及び報告事項の18ページに農地中間管理機構の報告がありまして、2015年10月末で980経営体から2,372ヘクタールの借り受け希望があり、農地中間管理機構から受け手には56経営体、91ヘクタール――これは3.8%ですけれども――貸し付けられました。
 今年度中には500ヘクタール、21%の貸し付けを見込んでいると書かれておりますが、なかなか思うように進んでいないと思うんですけれども、少なくとも希望が980経営体から2,372ヘクタールあるんですが、なかなか貸し付けが思うように進んでいかない、その理由というのは何かあるんでしょうか。

○細谷農業振興課長
 農地中間管理事業のうち、借り受け希望者の要望に比べて、事業がうまく進んでいないのではないかということについて、お答えいたします。
 農地中間管理事業は、今年度2年目になりまして、これまで本県ではJAの円滑化事業、あるいは市町がやっている利用権の設定事業、さらには農業委員会のやる農地法の第3条による権利移動の3つの方法で農地の貸し借りがやられてきました。そこに、昨年度から新しく農地中間管理機構の事業が加わったということでございます。
 これまでも、本県では比較的条件のよいところは既にある程度の集積が進んでおりまして、例えば、先般の農林業センサスによりますと、経営耕地面積が大体4万2000ヘクタールほどありますが、現在、集積しているところが2万7000ヘクタールになっております。約6割は担い手に集積が進んできている中で、新たに1,300ヘクタールの要望があるということでございます。
 この中で、まだまだ進んでいないということですが、農地中間管理機構が昨年度から始まったということで、この制度が担い手を公募することが一番大きな制度になっております。今までの農地の貸し借りにつきましては、比較的1対1で顔が見える関係で進んできたことから、2万7000ヘクタールまで担い手に集積が進んできたと考えております。
 したがいまして、農地中間管理機構も現場に出て、顔が見える形で農地中間管理機構に貸せば安心だと思ってもらうことが大事だと思っていますので、これまで県では78の重点実施区域を定めて、そこに市町、それから農地中間管理機構、県も一緒になって入って集積を進めているところでございます。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 私も知り合いに米農家がいたものですから、いろいろ実態を聞いてみたんです。それで、20ヘクタールから30ヘクタールをやっている方や、大体100ヘクタールぐらいやっている方がいるわけですけれども、大体20ヘクタール、30ヘクタールやっている農家の方は、10アール当たり大体七、八俵ということですから、1俵1万円で計算をして、1000万円売り上げを得ようとすると、大体その8割ぐらいが必要経費であと200万円が自分の収入だと。
 それで、例えば米価が1,000円下がると、200万円の利益が半分の100万円に減っちゃうという実態にあるんですと。
 それで、実際に例えばパートさんなんかを雇っても、賃金は少しでも上がっていくと。それから肥料や農薬も上がるわけですから、経費節減といいましてもなかなかこれは難しいんですと。
 そういう中で、実際に例えば農地を全部自前でというわけにはなかなかいきませんから、大体ほとんど全部借りてやるとした場合、これも10アール当たり年間1万円と、1ヘクタールを10万円で20ヘクタールやるとすると、年間200万円の土地代を払うことになるわけですから、本当に夫婦でやっても、少なくとも500万円ぐらいは所得がないとやっていけない状況にあるんです。
 しかも、水代金――水田に引く水の代金も10アール当たり2,800円の人と3,300円の人がいるんだと。これも20ヘクタールといいますと56万円ぐらいかかるわけですから、規模拡大で20ヘクタール、30ヘクタールといいましても、なかなか経営として成り立たせていくためには、非常に厳しい状況にあるというお話でした。
 それから、100ヘクタールぐらいやっている方でいいますと、この方は毎年8万トンずつお米の消費量が減っていくと。今までは麦や大豆に転作していたんですけれども、今は家畜用の飼料、牛や豚だとか鶏だとか、そういうものにやる餌の米をつくりましょうと。いろんな制度を組み合わせていきますと、例えば10アール当たり主食米は8万円から9万円の売り上げがあって、それで家畜用の飼料米は、いろんな制度を組み合わせますと12万円から13万円ぐらいになるんだと。
 それで、お米の生産費は、今1俵1万6000円ですかね。これが15ヘクタールぐらいになると、大体1俵1万1000円ぐらいになる。アメリカから入ってくるお米は1俵2,100円といいますから、国内の日本産の米の大体5分の1の値段だとお話をされておりました。
 それで、規模を拡大すれば、コストダウンができて、何とか経営が成り立っていくんじゃないのかと思われるかもしれないですけれども、私もそう思っていたわけですけれども、コストダウンができるのは大体20ヘクタールから30ヘクタールぐらいまでが限度で、それ以上になりますと逆にコストがかかっていくというお話でした。
 ですから、9月定例会の産業委員会で1俵7,000円という答弁もありましたけれども、一体これがどういう計算で、どういう対策で1俵7,000円なのか、その根拠を教えてもらえたらありがたいです。

○吉田経済産業部理事(農業担当)
 その1俵7,000円の話は私が答えたものですから、今細かい積み上げが手元にございませんが、もう少し詳しくお話をさせていただきたいと思っております。
 1俵7,000円台、つまり8,000円を切るところに持っていきたいんだということでございます。しかも目標としてとお話したつもりでございます。
 これは、100ヘクタールを超え150ヘクタールといった規模拡大をすると同時に、直まきなどの技術、つまり育苗をしないということを取り入れて、今考えられる最高の技術を組み合わせるとそこら辺までいけるのではないかと考えておりまして、それを規模拡大でコストを最も低減する経営体の目標としたいと我々思ってございます。
 やり方は幾つかあると思います。150ヘクタールもまとめられるところばかりではございませんので、今6番委員のお話にもありましたように、中規模といいましょうか、20ヘクタールあるいは30ヘクタールでも、今度は少し米そのものに付加価値をつけて、高く売るようなやり方、これもおいしい米づくり、あるいはブランド化みたいなことで取り組んでいるところでございます。
 先ほど、6番委員からアメリカからのお米が1俵2,100円程度だというお話がございました。正確な数字は私もちょっと持っておりませんが、今現在、アメリカ及びオーストラリアからミニマムアクセスを使って、つまり関税がかからない状態の米として、主食用として我々が食べる短粒種で入っているものでございますが、60キログラム当たりおおむね1万2000円ぐらいでございます。これが、それより下がると、もう入ってこなくなるというのが実態でございます。したがいまして、さっき目標で7,000円台と言いましたが、6番委員がおっしゃるとおり大きなところでも統計で見れば1万1000円ぐらい、15ヘクタールでも1万1000円ぐらいですから、1万円というのはなかなか競争していくのは難しいところではありますが、それを切るコストを我々が実現できれば、競争力がついてくるのかなと思っております。アメリカから入ってくる、あるいはオーストラリアから入ってくるものについても、無関税で港に入ってくる価格がその程度であると、主食用米同士で競争するのであれば、何とか競争ができる水準まで下げていきたいというのが目標ということで申し上げたところでございます。

○平賀委員
 100ヘクタールを超えるぐらいの規模でやっている方が言っておりましたけれども、例えば1俵60キログラム、1万1000円、労賃3,000円で計算をすると、例えば3000万円の収入を得ようとすると1万俵をつくらないといけないと。面積で言ったら125ヘクタールを耕さないといけないと。
 それを、1人でなんかとてもできませんから、例えば10人でやったとしますと3000万円と言いながら、1人300万円という計算になっちゃうわけですから、本当に今の規模拡大ということで対応していこうとしておりますけれども、なかなかこれは大変なことをやっていこうとしているんだなと思うんですよ。
 それで、やっぱり農家の人たちが願っているのは、価格補償と所得補償ですよね。それで、大体少なくとも先進国の農業というのは、農業者に全部そういう負担をかぶせてやるんじゃなくて、やってもうまくいかないから国が全面的に乗り出していって支援をしていこうという方向になっているんですね。
 ところが、日本は全く逆なんですね。例えば今問題になっている収入保険についても、これもさっきもお話しましたように、なぜTPPで被害を受けている農家が、被害者がなぜ自分で保険を払って、この収入を補償するような制度をやらないといけないのかと。これはやっぱり逆立ちだと思うんですよね。
 ですから、これは今政府で、来年、再来年、通常国会に法案を出していくということが報道されていますけど、この点について、何か要望とかそういったものはやっているんでしょうか。

○内藤組合金融課長
 収入保険について、国への要望の関係についてお答えいたします。
 県では、国要望という形で全体的に出しておるんですけど、その中にこの収入保険についても要望していく形で、内容としては、収入保険が創設された場合については、災害等によって被害をこうむったこと以外に、価格下落等においても対応していただくというような要望とともに、農家負担の軽減とか、加入しやすい制度にしていただきたいという要望をさせていただいております。

○平賀委員
 負担軽減とかじゃなくて、少なくとも被害者に負担をさせることはやるべきではないという要望をしていただきたいと思います。これは要望としてお願いします。

 それからもう1つ、中山間地の農業について伺いたいと思いますが、浜松市北区の引佐町では、中山間地支援事業の特例として補助を受けてきました。これは制度として5年ごとに1つの単位で続けられてきたわけですけれども、来年からはこの制度の更新はできないことになっているそうです。
 それで、実際には急傾斜地とか、そういった農業をやるには非常に不適格なところでも、一生懸命農地を耕し、国土を守り、頑張っている農家の人たちに対して、何とかこの制度を続けてもらえないかという要請があるわけですけど、これについてどういうふうに対応されていこうとしているのか伺いたいと思います。

○繁村農山村共生課長
 中山間地域の直接払いの関係のことでお答えいたします。
 平成22年度から第3期計画が始まりまして、その直前に農林統計上の中山間農業地域から平地農業地域に区分が変更されたことに伴いまして、突如、直接支配の対象地域から外れたところにつきましては、激変緩和措置としまして、人口減少とか、人口密度等の項目を5つ設けまして、そのうち3つ以上不利な地域につきましては、第3期計画で5年間に限り継続して助成をすることになっておりました。
 当初、5年間で終わる予定でしたけども、それでも不利な条件が続いている地域については、引き続き助成をすることで決着いたしたところでございます。
 6番委員がおっしゃったのは、多分、旧井伊谷村のことだと思いますけども、そこについて、今回5項目に当てはめたところ、不利になったところは1項目で、大分改善されたものですから、今年度――平成27年度から始まる第4期計画においては、中山間地域の直接払いの対象から除外になったところでございます。

○平賀委員
 これが除外になったということで、来年からは継続しないということですか。

○繁村農山村共生課長
 第4期計画が平成27年度からの計画になっておりますので、今年度からということになります。

○平賀委員
 これは、今年度から5年間は続くということでいいんですか。

○繁村農山村共生課長
 今年度から対象になってないということです。

○平賀委員
 これは、いろんな基準があって、人口密度とかいろんなことを言っておられましたよね。実態から言えば、高齢化とかいろんな問題があるわけで、条件としては年々厳しくなっていくんじゃないですかね。
 そういう中でも、何とか頑張っている方がいるわけですから、そういうところへはぜひ継続してもらいたいという要請をぜひ国に対してもやっていただきたいと思います。これは要望しておきたいと思います。

 次に、畜産について伺いたいと思います。
 川勝知事は、TPPが導入されたとしても、県内の農業には非常に付加価値があって、競争力があるから、輸出なんかもできるようになって大丈夫だと言われているわけですけれども、実態は果たして大丈夫だという状況にあるんだろうかと思うんです。
 それで、県内に今屠畜場――食肉センターは2カ所あって、1つが浜松市にあります。もう1つは小笠にあるんですが、浜松市のほうは住宅街にあるものですから、これは廃止して県内1カ所に統合してもらいたいという要望があるわけです。小笠の食肉センターは老朽化の問題などがあって、これからいよいよ輸出をしようという状況になるわけですから、新しく建てかえができるのかどうなのか。
 それでお話を伺いますと、これから輸出をしようというときに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどで、日本の和食を提供しようといったときに、食品基準があって、国産食材を使うことができないということも新聞等で報道されているわけですけれども、しかし、こういうときに本当に食肉センターを新しくしなくていいのかと。これについて資料をもらいましたら、運営主体がはっきりしていないと。運営主体は中間取りまとめの中では、そういう資格や能力のあるところは県の経済連しかないということになっているわけですが、なかなか運営主体に決まらないという、この辺はどういう理由があって決まっていかないのか教えていただきたいと思います。

○浅倉畜産課長
 食肉センターの再編整備についての御質問にお答えいたします。
 6番委員の御指摘のとおり、本年3月に食肉センターの再編整備についての中間取りまとめを公表させていただきました。
 この中で、いろんな調査の結果、県内で運営主体となり得るのが経済連しかないという結論になっておりまして、今年度に入りまして、設置運営主体となる経済連を中心として再編整備について検討を進めているところでございます。
 現在、施設整備の内容とか事業費、それから運営方法等について、検討中でございます。

○平賀委員
 なかなか経済連も運営主体になれないと言いますか、なろうとしないと言うんですか、そういう理由の背景には、実際にこれから県内の牛肉や豚肉などを輸出しようとするときに、新しい食肉センターは、大体金額で言いますと100億円ぐらいかかるかもしれないということも聞いているわけです。中間取りまとめでは、人口がこれから県内でもずっと減少していくと、10年、20年、30年、減少していって、食肉の需要についても減少傾向なんです。
 だから、そういうときに大体100億円も使って新しい食肉センターをつくるのに、やっぱりちゅうちょがあるのではないのかなと思うんですけど、この辺はどういうふうに見られているんでしょうか。
 それから、金額の負担を例えば県が大体どのぐらい負担をするのか、経済連がどのぐらい負担をするのか。それから畜産をやっている県内の市や町が一定負担をするとか、その辺のところで答えられる限りで構いませんので、答えていただきたいと思います。

○浅倉畜産課長
 まず、建設費については、現在必要な施設等を精査しながら、どのぐらいの建設費がかかるかについても検討中でございます。
 それから、施設費が大きくて運営の主体の妨げになるんじゃないかという御質問でございました。当然そういうことで、今後の運営のシミュレーションもしながら、どの程度の自己負担が適正であるか、それから今国もTPPも含めて、交付金等の見直し等も考えていることもありますので、国の交付金、県、市町がどういう支援ができるかについても、この中で検討してまいります。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 ただ1点、畜産に未来があると考えているのか、それともそうじゃないのか、この点については、何かあるんですか。

○浅倉畜産課長
 当然、未来があると思って私も仕事をしてございます。特に本県産の牛肉、豚肉、それから鶏卵も含めて、かなり特色ある生産をしておりますし、牛肉については、品質面では全国トップクラスでございます。あとはブランド力が弱いということもございますので、個々については、ブランド力を強化しながら、県内外、できれば海外も含めてそこのところの育成をしていきたいと思っております。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 私は、これは重要な社会資本でもあると思っておりますので、財政的な問題がネックとなっているんでしたら、県がふさわしく負担をしてうまく推進することができるように頑張っていただけたらと思っています。

 それから、次に中小企業の関連で質問をいたします。
 本年の10月13日に県庁別館9階第1特別会議室で、第1回静岡県産業成長戦略会議が行われました。
 川勝知事を初め、各部の部長や理事など12人の方が参加をされて、また経済界からは県の経営者協会の会長、それから静岡県の商工会議所連合会の会長など10人が参加をし、さらに浜松市と静岡市と沼津市からもオブザーバーとしての参加がありました。
 文字どおり、行政、経済界の重要メンバーがそろう会議になりまして、その中で産業成長のための規制緩和見直しの状況というまとめの文書がありまして、そこでは工場の新増設のときの立地要件の緑地率――いろんな植栽をやっていくということですが、準工業地域では、緑地面積率20%以上を15%以上に緩和をして、工業専用地域では緑地面積率20%以上を10%以上に緩和をしている。
 また、企業立地補助金申請では、雇用要件を緩和して、初回の交付を投資額5億円以上の場合は雇用を10人以上にふやすところを1人以上でオーケーと。それから、複数回の交付、投資額30億円以上の場合は、雇用増50人以上となっているところを10人以上でオーケーと緩和をしているんです。
 それで、さらに交付額の拡充のところで、新規雇用1人当たり50万円を、今度は2倍の100万円に倍増しています。さらに地下水の採取、それから農地内への用地の取得、土地造成など全部で11のあらゆる分野で規制緩和をしていこうとしております。これは今国の経済財政諮問会議で財界人や官僚が集まってやっているのと大体同じような構図になっていて、流れはもっと規制緩和をして、もっと利益を上げていこうという方向だと思うんですが、これはこれまでの新しい企業を立地して、雇用もちゃんとふやしていきましょうというこの方針とは逆行するんじゃないんですかと私は思うんですけど、この辺についてはどうなんでしょうか。

○杉本産業成長戦略推進室長
 産業成長戦略会議において行われました規制緩和でございます。
 まず、リーマンショック、それから東日本大震災以降、本県の経済状況は、御案内のとおり落ち込みが激しかった中で、海外への生産拠点の移転があったり、それから県外へ移転してしまうということで、本県の生産力が非常に弱まった状況になっております。
 そのような状況の中、6番委員御指摘の産業成長戦略会議の中で、産業成長のための規制緩和ということで規制でございますので――法律に基づいた大きな規制がございますが、その辺はなかなか県では手がつけられませんけれども、あくまでも産業成長の視点で県として行えるような規制11項目について検討してまいりました。
 その中においては、まずは中小零細企業から中堅、大手企業に至るまで、市町あるいは県内に企業がとどまっていただくような活動をやっていくことが何よりも重要であると考えております。
 今回の緑地率や地下水の採取、この辺の規制緩和につきましても、本県に立地している優位性をさらに高めていく必要があるということ、そのようなことによって企業活動を本県に立地してやっていただくという視点で取り組んでまいりました。
 このような取り組みをやることによりまして、企業活動が一層活発化して、サプライチェーンの中で、中堅企業から中小企業への受発注の機会がふえていく。そういうことで、本県経済が回っていくような仕組みをつくるという趣旨で規制緩和については取り組んでまいりました。

○平賀委員
 ありがとうございました。
 この産業成長戦略会議は、やっぱりもっと健全な経済をつくるに当たって、私が一番肝心かなめの問題だと思うのは、勤労者の収入、それから中小零細企業、こういう人たちの収入をいかにふやしていくのかという確度がないと健全な経済にはなっていかないと思うんですよ。
 今、国で問題になっているのは、規制緩和をやって、内部留保はもう300兆円を超えているにもかかわらず、相変わらず従業員の、それから国民の所得はふえていかないと。これが今なかなか難しい経済状況になっている最大の理由だと思うんです。
 この産業成長戦略会議の中で、例えばいかにして賃上げなどを行って、消費を引き上げて、地域の経済を元気にして健全な経済にしていこうというテーマなんかがあるんですか――この産業成長戦略会議の中に――伺います。

○杉本産業成長戦略推進室長
 6番委員にお答えいたします。
 産業成長戦略会議の中においては、賃上げについての戦略は立てておりませんけれども、戦略といたしましては4本の戦略を立てまして、まずは先ほど申し上げましたように、県内に企業が立地、定着していただくことを最優先に考えながら、そこに立地している企業が、企業活動を活発化していくという展開をしていって、さらにそれらの企業が次世代産業に結びついていく、そういったストーリーを描きながら、戦略としては立てております。

○望月静岡県理事(産業戦略担当)
 我々として、この戦略の中で、当然産業構造を転換して付加価値の高い産業を育てようと。特に非正規を正規化するとか、そういったことも含めてなんですけど、1人当たりの付加価値額を上げていかないと、また生産性を上げないと、やはり高い給料は払えないんで、まずそこのところをしっかり対策として打とうということで、そういった生産性向上も含めてなんですけど対策をやっています。

○平賀委員
 生産がよくなっていかないと高い賃金も払えないと今言われましたけど、じゃあ産業成長戦略会議の中にその賃金を上げるというテーマはあるんですか。

○望月静岡県理事(産業戦略担当)
 国は、経済界に賃上げの要請なんかもやっております。我々も当然、県レベルでも労使の関係でいろんな形で話し合う場を持っています。そういった中で、やはり消費をするのは消費者なんで、そこの賃金が上がるようなことは、当然、我々としても後押ししていきたいと思っています。

○平賀委員
 日本経団連の榊原定征会長は、賃金を上げる、上げないは、その企業の経営判断なんだと言っておりますので、賃金を上げるという点では、産業成長戦略会議の中でもぜひ提起をして頑張っていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。

 それで、最後に産業成長戦略会議で新たな雇用をやった場合に、直接50万円を100万円に上げるとか、いろんな支援があるわけですけど、私が一貫して言ってきた中小零細企業、国では、この中小零細小規模企業の振興のための条例をつくらせていこうという動きがあるわけで、県としても、それに応えた条例をつくろうということを来年度に向けてやっていくことなんですが、こういうところに、ぜひ実際には中小零細企業が直面しているこの自分たちの暮らしの要求とか、もっと地域の中でも仕事を確保していく問題とか、そういうものがちゃんと入っていくように要望しておきたいと思います。

 それからもう1つ、こういう小規模企業の問題で言いますと、私たちもいろいろつき合いがある静岡県商工団体連合会では、篠原経済産業部長には、繰り返し繰り返しいろんな懇談をさせていただいておりまして、温かい対応をしていただいているわけですが、例えば商工会議所に支援ということがあって、相談員の人件費だとか、それから融資の問題でいろいろ便宜を図られているわけですけれども、例えばこういう商工会議所や商工会に配置をされている相談員を静岡県商工団体連合会で講師として呼んで、いろんな相談に乗ってもらうことは可能なんでしょうか。

 それから――もう時間ですので最後に――今問題になってきた農政の問題で、私は大規模化というのを本当に危惧しているわけですけども、この問題や、下請中小企業や働く人たちの収入をふやすことが、やっぱり経済が健全なものになっていく一番の鍵だと思っております。この点についてだけ、最後に篠原経済産業部長のお考えを伺いたいと思います。以上で終わります。

○篠原経済産業部長
 いろいろありがとうございました。
 農業の規模拡大については、我々としては、単なるコスト削減のためだけで規模拡大をしているとは考えておりません。特に本県の農業の特色としまして、多品種で高品質なものをつくっているという現状でございます。自給率の問題もございますけども、やはり生産をもっとふやさないといけないというのは、基本的な認識であります。
 ただ、そのための販路、需要を開拓していくことも含めましてやっておりまして、そういう面もあるということで御理解をしていただければと思っています。
 それから、中小企業への支援について。本会議でも条例の制定について取り組みということで御答弁させていただきましたように、単なる理念に終わらない具体的な支援策等も考えていくような条例にしていきたいと思っておりまして、関係の皆様との意見交換を進めてまいりたいと考えております。
 やはり、経済、それぞれの人のお金が回って豊かになることが必要だと思っておりますので、そういう政策を進めていきたいと思います。

○渡辺商工業局長
 商工会、商工会議所の相談員のことでございますが、相談を受けるのは会員だけではないと我々も受けとめておりまして、6番委員がおっしゃるような形で、他の団体から相談の御依頼があれば、それを受けることも当然できることでございます。

○田形委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時15分とします。

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