本会議会議録


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平成25年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:池谷 晴一 議員
質疑・質問日:10/08/2013
会派名:民主党・ふじのくに県議団


○池谷委員
 よろしくお願いします。
 全部で、大きい項目で6項目ありますので、分割質問方式ということでお願いします。
 まず、資料5ですけれども、山岳遭難事故の発生状況があります。全国ワースト2位ということでございました。この件数で79件中84%が富士山での発生ということでございまして、山岳遭難事故者は富士山の場合81人と聞いております。ほとんどが富士山の遭難者ということで、それが結果的に全国ワースト2位ということになっているわけでございますけれども、富士山のこの夏の登山者数は増加していないと思います。
 そういう中で、この山岳遭難事故が増加した要因というものを警察といたしますと、どういうふうに捉えているのかということにつきまして、まず1点目に質問させていただきます。

 次に、自動車保管場所証明書、いわゆる車庫証明でございます。車庫証明につきましては、行政書士法によりまして、ユーザー――車を買った本人か、行政書士でなければ書類の作成、申請ができないということになっておりますけれども、ディーラーやセールスマンが作成、申請しているケースが多くあります。これは本当に長い間の懸案事項でございますけれども、この点につきましてお聞きをいたします。
 各警察署窓口の対応の現状につきまして、まずお伺いいたします。
 この窓口で、本人かあるいは行政書士かでなければできませんので、そういう確認をどのように行っておられるのか、お聞きをいたします。そして行政書士法に違反した、要はディーラーが作成したとか、全く別の何の資格もない方が作成して申請したとわかった場合の対応はどのようにされているのかをお聞きいたします。
 また、警察署では車庫証明業務をアウトソーシングされているところもあるようでございますけれども、この受託をされた会社にどのような指導をされているのかという点をお聞きいたします。

 3項目めですけれども、DNAの自動鑑定装置について、新聞報道がありました。警察庁では来年3月までに約80の試料を同時に自動鑑定できる装置を北海道とか埼玉県警等々、6県警に配備するという報道でございました。これは、捜査の迅速化に対応するということでございまして、配備が必要じゃないかなと思うんですけれども、静岡県の名前は出ていませんでした。そこで配備の必要性についてお伺いをいたします。
 以上、とりあえず3項目、よろしくお願いいたします。

○山城地域部参事官兼地域課長
 富士山における遭難者の増大の件について御説明いたします。
 ことしの夏季の富士山での遭難事故は、弾丸登山や装備不足などが原因となる高山病を初めとする発病が全体の半分以上を占めたほか、疲労で動けなくなったり、転倒による負傷も少なくありませんでした。このことから、登山者数が増加していないにもかかわらず、山岳遭難事故件数が増加した要因としては、世界文化遺産の登録により富士山へ観光地を訪れるような軽い感覚で登山した人がふえたからではないかと考えております。以上です。

○中嶋交通規制課長
 自動車保管場所証明書についての御質問にお答えをいたします。
 まず、申請書類の提出につきましては、提出に限って言えば申請者本人でなければならないということはありません。代理による提出の書類も受け付けております。このため申請書類を受理するに当たっては申請者が本人なのか、あるいは代理人かの確認をしております。また作成者につきましては、委員のおっしゃるとおり、本人か行政書士しかできませんので、申請者の名前の欄で作成者を確認しております。
 それから、行政書士法の違反についてでありますが、行政書士法では行政書士以外の者が業として他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することはできないとされております。現在までのところ、車庫証明の申請において申請書類の作成にかかわり行政書士法違反として認知したものはございません。
 それから、受付事務に従事する者につきましては、受託者の契約において指導教養を行って、適正に窓口事務を行うよう取り決めをしております。以上であります。

○杉山刑事部長
 DNAの自動鑑定装置の配備の必要性について説明いたします。
 今回警察庁が配備の拡大を計画している自動鑑定装置は、装置への鑑定試料のセットから鑑定書の作成までの一連の鑑定業務が一貫してコンピューター管理されているものであります。鑑定途中、人間の手が入らないことから、その鑑定精度は以前より増しているものと思われます。また、鑑定に要する時間も大幅に短縮される上、約80の試料を同時に鑑定可能な一括処理能力を有しております。本県でも引き続き鑑定件数の大幅な増加が想定され、DNA型鑑定が捜査に果たす役割も増しておりますので、さらなる鑑定体制の強化を図るため、警察庁に対しまして、強く配備を要望していく予定でおります。以上です。

○池谷委員
 富士山の遭難事故の関係でございます。
 今の質問は夏山だったのですけれども、閉山しましたので、これから冬山シーズンになっていくわけです。冬山の関係で私も何回か質問いたしまして、その答弁の中でガイドラインが作成されたということでございました。
 県警といたしましては、これから、そのガイドラインをどのように有効に使って冬山登山者への対応をしていくのか、基本的には登ること自体がだめじゃないかと思うんですけれども、冬山で遭難すると、これはもう即、死に至るわけでございますので、そこら辺の考えを聞かせてください。

 次に車庫証明ですけれども、今、業としてということがございました。もちろん業としてやらなければいいということでありますけれども、先ほど申し上げましたように、ずうっとこれ課題なんですよね。何十年も直っていないということを行政書士会の皆様はおっしゃるわけですね。そうすると何かあるわけですよ。例えばディーラーから、中古車でも新車でも車を買ったときに、そういう中に含まれているというケースもあると言っているわけですね。そこまでは警察の窓口ではわからないと思いますけれども、そういうことについての御認識をひとつお聞きしたいということと、この行政書士法に違反しますと、1年間の懲役または100万円以下の罰金に処せられるということになっています。これは告発をすればいいのかもしれませんけれども、警察の窓口で知り得た場合、告発がなくても逮捕することができるのか。ちょっとそれをお聞きします。
 その2点、お聞きをいたします。DNAのほうはしっかりと要望していただければと思います。

○山城地域部参事官兼地域課長
 冬山等の対応について御説明させていただきます。
 富士山における遭難発生件数は圧倒的に夏期が多くなっておりますが、山岳遭難死亡事故の重大事故の発生は雪に閉ざされた11月から5月ごろまでが多く、これからは閉山期間における事故防止対策が重要となっております。
 閉山期間の事故を防止するために、県警では万全な準備をしない登山者の登山禁止等のルールを定めた、富士登山における安全確保のためのガイドラインを県警ホームページにて広報するとともに、事前に警察に提出された登山計画書については、提出者個々に連絡をとり、閉山後の具体的危険性を伝え、登山者の経験や登山スキルから万全な準備がとられないと判断した場合は、登山の中止を含め、計画の変更をお願いしているところであります。
 また、閉山期間の山岳遭難事故に対応するため、山岳遭難救助隊は年4回の全体訓練を通じ、気力、体力の錬成や、救助技術の向上を図り、迅速な出動と厳しい環境下でも的確に救助活動を行えるように心がけております。今後とも県を初めとした関係機関に対し、積極的な広報など、閉山期間の富士山における安全対策へのさらなる取り組みを働きかけてまいります。以上です。

○中嶋交通規制課長
 いわゆる車庫証明につきましては、車のセールスマン等が業務として客から申請書類の作成の対価として報酬を得ていれば違法な行為になるのは委員、御指摘のとおりであります。いわゆる車庫証明の費用につきましては、申請時に支払う申請手数料のほか、警察への書類の提出や受領のために出向く際の実費等も請求している場合もあると聞いております。これに代書料を含んでいれば、当然行政書士法に違反するわけでありまして、これにつきましては個別に判断する必要があろうかと考えております。違反があった場合ということでありますけれども、違反が仮に現場でわかれば、これは捜査の対象となり得ると考えております。以上です。

○池谷委員
 車庫証明につきまして、本当に行政書士会としっかりと協議をしていただきたいということを要望しておきます。

 次の3項目に移ります。
 まず、改正ストーカー規制法についてです。2000年に成立した法律でございますが、今月改正施行されました。これは嫌がる相手に繰り返しメールを発信する行為の規制、そして警察が加害者に警告を出した場合、その事実を速やかに被害者に知らせるというようなことが入った改正ということでございます。
 そこで、この法改正の背景と、その法改正にかかわる県警としての対応をお聞かせください。

 次に、子供たちのネット利用につきましては8番委員からもありましたけれども、子供が他人のIDでメールやオンラインゲームに入っていく不正ログインは犯罪ということでございます。こういう犯罪を子供たちが犯すケースも増加しているということでございます。これについては、多くの子供たちは犯罪行為だという認識を持っていないということがあるようでございます。子供たちが被疑者となる不正ログイン事件、違反につきまして、県内の状況、そして警察の対応状況についてお伺いをいたします。

 最後に、これも子供たちですけれども、子供たちを守る防犯活動についてお聞きいたします。
 基本的には防犯といいますと、知事部局の所管でもあると思うわけでございますけれども、警察としてもできることはあるということでお聞きいたします。全国には子供たちを狙った犯罪とか事件に対応するために、自主的な防犯活動をしてくれているボランティアグループが相当数あるということでございます。その多くは退職した方々、あるいは大学生、新聞に出ていたのは愛犬家ですね、犬を連れて子供たちを守るというような記事がありました。それぞれの皆様が地域の子供は地域が守るんだということで、活動を続けておられるようでございます。今、申し上げましたように、子供たちを守るために自主的な活動を続けているボランティアグループは静岡県内にも相当数おられるんじゃないかと思います。
 そこで、こういう県内のグループについて、警察で把握している団体、どのような団体がどのぐらいあるのか。そして、それぞれがどのような活動をしていただいておられるのかということについてお聞きいたします。よろしくお願いいたします。

○森下生活安全部参事官兼生活安全企画課長
 最初に、ストーカー規制法の改正の背景、そしてその改正に係る警察の対応についてお答えいたします。
 ストーカー規制法改正の背景には、長崎県西海市、あるいは神奈川県逗子市におけるストーカー殺人事件等の発生によりまして、交際相手からの暴力が社会問題化し被害者から法の不備の是正や警察の対応の見直しを求める声が非常に高まっているということがございます。法改正によりまして、先ほど委員御指摘のとおり、連続して電子メールを送信する行為が法の規制対象に追加されたほか、これまで被害者の住所地を管轄する公安委員会等しか発出することのできなかった警告書、あるいは禁止命令を被害者の住所、あるいはつきまとい行為の発生地を管轄する公安委員会等でも発出できるようになりました。また被害者から警告等の申し出を受けた場合、その結果を被害者に通知するということが義務化されているということが改正として挙げられ、行為者に対する規制、それから被害者の保護対策の強化が図られたところであります。
 本県におきましては、既に改正法に係る文書を各署に発出するなどしまして職員への周知を図っておりますけれども、今後の各署への指導、あるいは他県警察との連携を強化し、被害者やその家族等、いわゆる関係者の安全確保を最優先にした対応の徹底を図ってまいりたいと考えています。

 次に、子供たちを守る防犯活動につきましてお答えいたします。
 現在、静岡県内の自主防犯ボランティア団体は、8月末現在で警察が把握している団体と人数につきましては、834団体、5万5000人余を把握しております。これら団体のほとんどが子供たちを守る活動を含めた防犯活動に力を入れていただいているというところであります。
 こうした自主防犯ボランティア団体の構成員につきましては、町内会、自治会役員といった方々が約2万8000人、50%を少し超えるぐらいの数でございます。それから子供の保護者が約8,000人程度、15%弱というところです。それから警察署長、あるいは地区防犯協会から委嘱してそういった活動をしていただいている地域安全推進員が約3,300人、6%というようなことで、このほかにも大学生が中心となって構成されている団体、愛犬家等が集まって活動している団体等も多数ございます。
 防犯ボランティアによる子供を守る活動では、登下校時間帯に通学路周辺における声かけ、見守り活動、学校周辺の青色防犯パトロール車を活用したパトロール活動、子供と一緒に通学路を歩いて調査をした安全マップの作成となっています。愛犬家の皆さんの犬の散歩を利用した見守り活動もやっていただきます。また地域安全推進員の特に女性部等を中心としまして、防犯紙芝居、寸劇等防犯教室を開催していただくなど、非常に多種多様な活動をしていただいております。以上でございます。

○酒井少年課長
 少年によるネット利用と不正ログインの状況と対応についてお答えをいたします。
 少年の不正アクセス禁止法違反については、本県では昨年中の8人を含め、過去10年間で18人を検挙・補導しております。この中には、小学生もおりました。少年の不正アクセス事件のほとんどが、他人のIDとパスワードを使用してその本人になりすましてオンラインゲームや交流サイトを利用するというものです。
 これら不正アクセス行為を防止するため、ネット上で利用するID、パスワードについては、安易に他人に教えないこと、他人のID、パスワードのなりすまし利用は犯罪であること等、ネット利用に関するルールについて、非行防止教室やサイバーセキュリティ・カレッジを開催するなどして、犯罪の発生と被害防止を今後とも強化を図ってまいりたいと思います。以上です。

○池谷委員
 不正ログインの関係ですけど、これは教育委員会とも連携をされているとは思いますけれども、その状況をちょっともう一度質問させていただきたいと思います。

 それと子供たちを守る防犯活動では、ボランティアが非常に大勢いるのでびっくりしたんですけれども、やっぱり地域の子供たちは地域が守るというのは非常に重要なことだと思います。
 そこで、警察としてこういうグループ、あるいはボランティアをしてくれる皆様への何か支援を現状でも何かされているということがあれば、教えてください。あるいはこれからこんなこともいいなというような考えがあれば聞かせていただきたいと思います。以上です。

○酒井少年課長
 教育委員会との連携ということでございましたけど、静岡県ネット安全・安心協議会というのを設置しておりまして、これは県教育委員会の社会教育課が主催をしておるわけですけど、この中でNTT等の携帯電話の会社、それとDeNAマーケティング本部ということで、業者も入ってこの協議会を通じて連携し、対策をとって、児童生徒に非行防止教室等を通じて、ネットの危険性を指導教養していくということでございます。
 もう1点、支援ということになると、今現在、具体的にこういう業界に対して直接的に指導をしているというよりも、私たちのほうでいろんな部門でいろんな問題点があると対策をお願いして、連携をして被害防止対策をとっていくということでございます。以上でございます。

○森下生活安全部参事官兼生活安全企画課長
 ボランティアに対する支援についてお答えをいたします。
 警察として行っている支援としましては、パトロールベスト、あるいは帽子、団体ワッペン、こういった物品の無償貸与を行っております。また活動に必要な物品を支援しているほか、犯罪情報の提供、あるいは防犯活動のノウハウの提供、実際に合同パトロール等で一緒に回るというような支援もしているところであります。また警察以外にも防犯協会、あるいは市町等の支援もいただいて活動しているところでございます。以上でございます。

○守屋生活安全部長
 子供たちのネット利用で1点、補足させていただきます。
 警察のほうから直接子供たちに対して、サイバーセキュリティ・カレッジということで、ネットの危険性等を指導する機会は幾つかございます。例えば、ことしの8月末現在では、既に小学校で106回、中学校へ68回と、警察官が出向きまして、インターネット利用上の注意点、携帯電話やスマートフォンが青少年へ及ぼす有害性、出会い系サイト利用に係る犯罪被害の現状等につきまして、直接指導しているところでございます。

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