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委員会会議録

質問文書

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平成19年12月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:千石 貞幸 議員
質疑・質問日:12/14/2007
会派名:無所属


○千石委員
 まず二、三点伺いたいんですが、最初にちょっと静岡がんセンターの経営的な側面について幾つかお伺いしたいと思います。
 がんセンター局の平成18年度の決算でもこの起債の償還金が36億3700万円あります。そしてまた、この起債残高の表を見ますと、おそらく平成19年度においても、20年度においても相当な額の償還をしていかなくちゃいけないということになるわけですけれども、毎年毎年これから先も、数年先といいますか、5年でも10年でもいいんですけれども、償還額あるいはそれと同時にこの利息の支払い、これをちゃんとつかんで管理をされているのかどうかということを伺いたいと思います。

 それから今、資本的収入及び支出で見ますと、さっき言いましたように償還額の方は36億数千万円ということで、これの返済原資といいますか、この収入の方を見ますと出資金というのが23億7300万円ですね。起債もあるんですけれども、まずこの出資金というのはどういうお金なのかを――決算特別委員会の質問みたいな話になっちゃいますが――お願いをしたいと思います。

 そしてその最後の注のところに、この収支のアンバランスの部分が18億1800万円ぐらいあるわけですけれども、それは主に過年度損益勘定の留保資金で補てんをしたというわけでありますけれども、損益勘定の過年度留保資金というものは、ずっとあるということでしょうか。要するに私が心配していますのは、そういう起債の償還あるいは利息の返済、そういったものについての原資というものはずっとその数年先まできちんと見通しが立っているのかどうかというその辺について、まず1つお伺いしたいと思うんですね。

 それから本会議の一般質問でちょっと触れましたけれども、一般会計からの繰入金が59億円あって、運転資金といいますか、毎年の必要な経費の30%ぐらいをそれで賄っている。そういう状態がいつまでも続くということが必ずしも言えないんではないかと。つまり県の財政の問題もありますし、現に県立3病院の場合はそういう県からの繰り入れが、例えば18年度は10億円ぐらい減らされたんですよね。そういう可能性が十分あり得るわけですから、それを見越した経営の改善といいますか、収支改善といいますか、そういった対策が必要なわけですけれども、それに関して主にどういう方法でその改善を図っていこうとされているのか。
 きのうのお話ですと、やっぱり全床615床の開棟は平成20年度も難しいと。今の557床体制で行かざるを得ないというお話もありましたけれども、その辺。
 それともう1つ、これは前回9月の委員会で私の質問に対してお答えがあったんですが、要するに全床利用が可能になった場合に期待できる経営改善、要するに利益の上昇分というのは9000万円ぐらいだと。ということは、つまり全床で稼働する状態になっても、その分だけとって言えば9000万円とか1億円とか、今より年間でそれぐらいしか収益の改善ができないということになるわけですけれども、そうすると余儀なく本当に厳しいものになると。その原因がどこにあるのかと。もちろん償却負担が非常に高い割合を占めていますね、全体の費用の中で15.数%を占めていると。あるいはそういう起債の利息の支払いというものも平成18年は8億8000万円ありましたけれども、かなり今のこの財務処理を見る限りにおいてはこれからも厳しい経営状態が予想されるわけですけれども、全体的に今言ったようなことの観点からどういうふうに見積もっていらっしゃるのかと。根本的に経営改善をするような何か方策があるのかどうかということ。

 いろいろとありますけれども、と同時にちょっと私、実は驚いたんですけれども、この静岡がんセンターは地方公営企業法の全部適用ですから、当然総長が経営に関しても全体的な責任を負っていらっしゃると思っていたんですけれども、そうではなくてがんセンター局長が経営に関する責任者であると書かれていました。それはどうしてそうなっているのかと。そうすると総長の責任というのはどうなっているのか、院長もまだいらっしゃるわけですね。その辺ちょっと仕分けをしていただければありがたいと思います。

 がんセンター局のことに関してはこれぐらいです。次に――これも前の9月の委員会でちょっと触れましたけれど――盲導犬のことですね。
 8月の厚生委員会の視察で、富士ハーネスというところへ行っていろいろ話を聞いてきて、それをもとにして9月の委員会で質問したんですが、ちょっと気になりまして、また11月に、今度は大石さんと一緒に――彼は委員会の時、途中でどっかへ行かなくちゃいけなくって、富士ハーネスへ行けなかったんで――行ったんです。前の視察の時の話では、盲導犬を育成する資金というのはほとんどが民間の――個人というか企業からの寄附あるいは募金ですね。それで賄っていて、ほとんど公的助成がないということがありました。一方、この盲導犬の供給源としての犬の種類はラブラドールがほとんど9割を占めていて、それの生殖能力やいろんなことが関連してくるわけですけれども、そういう方面からの制約条件もある。
 私が気になったのは、財政的な余裕がもっとできてくれば盲導犬の供給はふやせるのかということがあって、今回確かめに行ったんですね。
 今、盲導犬が欲しいという方が国内に7,800人ぐらいいらっしゃって、しかし現実にこの日本の国内で稼働している盲導犬というのは965頭なんですね。要するに1,000頭を切っているというようにギャップがあるわけですね。しかも盲導犬を一たん使った方には、盲導犬の使用期間が過ぎたときに代替が必要になるので、したがって新規というのは非常に少なく、今の状態では本当に盲導犬が必要だという方の中で実際に盲導犬が入手できる人というのは本当に限られているわけですね。
 ですから私は、これは一種の福祉の盲点のように思っておりまして、民間の募金とか寄附に頼るだけではなくて、要するに福祉――もっと公的な助成をふやしてこの育成を図るということが必要ではないかと。
 静岡県は、盲導犬が欲しいとおっしゃる方の申し込みに応じて、一応1人当たり180万円とか200万円とそういう予算枠はとっていらっしゃると聞きました。ですから実際に盲導犬が与えられれば、その都度、1人当たり180万円とか200万円というお金を出す用意はあると聞いていますけども、盲導犬1頭の育成にかかる費用というのは――ちょっと正確な数字ではないですけどね――600数十万かかるということからいっても、やはりもうちょっと公的な助成があってしかるべきではないかと思うんです。そういう盲導犬を与えられた場合にその補助金を出すだけではなくて、静岡県として育成のためのもっと大きな原資を拠出するというようなところで――もちろん県だけではなくて国も――大いにお金を出してほしいんですけれども。
 いつも僕が引き合いに出してしまうんですが、県民暮らし満足度日本一とか、日本で初めてとか、日本一が好きな県ですから、こういうことにおいても日本で初めてそういう助成をするということになれば非常におもしろいというか、いいことではないかなと思うんですね。もちろんそういう育成に携わっていらっしゃる――これは何か8団体か9団体あるようですけれども――そういったところはもちろん県の助成とかあるいは国の助成を切望しておりますし、当然のことながら視覚障害者の方はそういうことで早く自分のところへめぐってくればいいなと。単純に言えば、今希望してもそういうことで、年間に供給できる頭数が150頭あって、そのうち七、八十頭は代替用で、新規は五、六十頭しかないということですと、10年待っても盲導犬が来ないという状態に置かれているわけですので、ぜひ一度検討していただきたいと思いますけれども、どういう御所見か伺いたいと思います。

 それからもう1つだけお伺いしたいんです。この前、お配りいただいた、僕はちょっと気づかなかったんですけれど、これは11月3日の朝日新聞で――私は朝日新聞をとっているのにここは見てなかった。見逃しちゃっているみたいですけれども――研修医マッチングということで出ておりまして、県内のいろんな病院が出している研修医の募集人員というか募集希望に対して、実際の研修医の希望がどうかと、充足率が60.8%と書いてございまして、全国平均が69.4%なのでかなり低いんです。個々の民間病院は別としましても、順天堂大学附属静岡病院とか聖隷浜松病院とかは100%で募集希望分がみんな確保できるということなんですが、私がちょっと気になりましたのは、県立総合病院は20人の募集に対して確保できたのは10人しかないということなんですね。これをどう受けとめていらっしゃるのか、あるいはこれは何年目かの募集ですから、数年前から比べて変化があるのかどうかということなんですね。
 大体この研修医というのはそこの病院にそのまま居ついて勤務を続けるということが多いらしいんで、この数字というのは結構意味がある数字だと思うんですね。どういう理由で募集に対して半分しか研修医が得られないのかと、それをどう理解されているかということについてお伺いをいたします。以上3点です。

○小野寺がんセンター局長
 静岡がんセンターの経営的側面のうち、管理者の権限に関する点と、それから全床開棟後の根本的な改善方策について私からお答えをいたします。
 委員御指摘のように、県立静岡がんセンターは地方公営企業法の全部適用の病院でございます。そうすると管理者を置くことになると。法律上の――地方公営企業法上の管理者はがんセンター局長ということになっております。
 総長を置いた目的でございますけども、まず、がんセンターは病院を含む複数の機関からなる複合的な機関である――研究所もありますし疾病管理センターもあります。そうした点から、法律上の事業管理者のほかにがんセンター事業を全体として統括する総長が必要ではないかということで、組織規程の中に総長を位置づけた次第でございます。
 それ以外に病院を管理する病院長――これは医療法に基づく病院長でございますが――を置いたということで、この3者がそれぞれ権限を持ちながら協議をしながら円滑に業務を運営していこうとこういう目的でございます。
 特に総長につきましては、センター全体の事業を医学的また医療的な観点から統括するという視点がどうしても必要でございまして、私のような事務的な人間からするとどうしても限界が生じるという点が大きな理由でございます。

 それから根本的改善方策ということで繰入金60億円もいつまでももらえるわけではないだろうということでございますが、まず繰入金につきましては、60億円というのはいわゆる病院の収支予算上60億円ということにして毎年度60億円の予算を計上させていただいております。これは上限でございまして、各年度、過去もそうですけれども精算を行っております。2月の補正予算に間に合う場合には2月の補正予算で減額を計上いたしますし、間に合わないものは決算後に精算をいたしまして、過年度損益修正損という形で落としております。ちなみに14年度から始りましたが、初め14年度は固定経費が非常に多くて最終額は59億円になりましたが、15年度は当初予算を60億円計上しましたが精算した後の金額は56億5700万円、16年度は55億4200万円、17年度は55億2500万円ということで、5億円近い金額は返してきているということで、60億円は上限という考え方で今までやってきております。
 今後はできるだけこうしたものを、返すべきものは返すというような考え方で経営努力はしなければいけないと思っておりますが、本会議でも御答弁申し上げましたように、高度専門医療機関として負担区分がはっきりしているものについては、いわばいただくべきものはしっかり一般会計から一般会計負担金ということで高度医療を維持するためにいただかないと、根本的な収支改善にも結びつかないであろうと考えております。
 それ以外で根本的な改善をどうするかということでございますが、基本的に長期的な収支のいろんな試算もしてはおります。そうすると委員も先ほどおっしゃいましたが、静岡がんセンターはいわゆる償却負担が非常に大きいんですね。特に高度医療機器を非常に整備しておりますので、そうした減価償却費の負担が大きいものですから、これが5年とか6年たちますと償却済みになると。建物、構築物は建物を建てると30年とか構築物は15年とか期間がありますからちょっと長くなって均等化しますけど、特に負担が大きいのが医療機器と情報システムでございます。こうした償却負担をいかに減らすかということなんですけども、法定の償却期間が例えば5年だとすると、それを何とか維持管理をうまくやって7年、8年と使っていけばかなりのコストダウン効果が出るということで、そうした努力をする必要があると。
 それから、また経営費につきましては、かなり委託に出している経費が多いものですから、そうした委託経費についての厳しい見直しをしていこうと。過去にもしておりますので、これを一層厳しい形でやっていかなきゃならないなと。
 人件費は余り減らすということを今のところ考えておりませんで、優秀な医師に来ていただく、また優秀な看護師に頑張っていただくには、世間並みの相場のしっかりした人件費を確保しなければ優秀な病院としての評価は得られないだろうと思っておりますので、人件費につきましては適正水準でいかなければいけないと思います。
 まず、そうしたことを前提とすると、収入の増を図るということでございますので、これは患者さんを可能な限り、特にほかの病院では難しい患者さんを受け入れ、収入をしっかり確保していくということによって黒字化に向けて頑張っていきたいと思っています。いろんな前提条件を設定した上でですけれども、必ずしも黒字達成が不可能ということではないと考えております。以上です。

○宮城島がんセンターマネジメントセンター長
 まず、借り入れの償還金ですとかの利息の返済についてなんですけれども、借り入れを行うときに総務省に償還計画書というのを出しておりまして、元金それから利息の返済の見通しをつけた上での借り入れを行うようにしております。ですので、当然毎年償還金が幾らになるのか、利息が幾らになるのかということを把握し、あるいはそれに対する手当てをつけております。

 それから出資金なんですけれども、総務省からの出資の基準が示されておりまして、平成14年までの借入金の償還金については3分の2、それ以降につきましては2分の1の償還金について県の方から出資する、それに対する繰り入れをいただくような形になっております。

 それから損益の留保資金の件ですけれども、留保資金については基本的に減価償却費など費用としては計上いたしますけれども、その当年度の現金支出を伴わないもの、こういうお金を積み立てたものが内部留保資金というふうなことで、これが過年度の損益勘定の留保資金でございます。減価償却資金は毎年積み立てていきますので、なくなるようなことはないと考えております。基本的にこういうもののプラスマイナスの範囲内で経営を進めていくということが大事かと考えております。
 それから利息の返済見通しは当然立っておりますし、それから基本的ないろいろなコストダウンにつきましては局長の方から説明がありましたとおり、入札の複数年契約を行うとか、補修委託についてフルメンテナンスから故障対応に切りかえていくという形で毎年毎年コストダウンに取り組んでおります。
 そして基本的にやはり医療費、特にがんなどの高度な医療について、今の診療報酬制度では実際にかかる費用より低く評価されているという問題がありますので、それについては今後、国の方に改善を働きかけていきたいと考えております。以上でございます。

○佐野障害福祉室長
 盲導犬の関係でございますが、現在、静岡県では1頭当たり約200万円ぐらいを育成機関に支払っております。この価格というのは育成施設側と県との話し合いの中で大体決まっておりまして、静岡県の場合、主にアイメイト協会というところから供給を受けておりまして、東京都とか埼玉県とか千葉県などと同じような金額でございます。
 アイメイト協会の18年度の収支を見ますと、大体40頭ぐらい育成しているんですが、事業収入は都道府県からは大体6000万円ぐらい、一方寄附金が1億1000万円ぐらいで、実際にかかる経費が1億5000〜6000万円ぐらいと。そういう中で極めて財政基盤として不安定な部分はあると思います。
 現在、静岡県には約40頭の盲導犬がおりますので、1年当たり5頭ぐらいの供給がないと交代ができないと。今年度について言いますと、1頭の供給を受けて、あと8人の方がその育成機関との面接を終わっている状況でございます。今年度どの程度になるかははっきりしませんが、いずれにしても日本盲導犬協会などは育成についてかなり意欲的ですが、今後ほかの団体が停滞してきますとかなり支障が出る可能性があると考えております。以上でございます。

○松浦病院管理室長
 総合病院の研修医のマッチングの関係でございます。
 この制度が発足しましたのが平成16年度からでございまして、その時から総合病院では10人ということで募集しておりまして16年度、17年度につきましては6人のマッチング結果ですけれども、18年、19年につきましては募集に対して100%マッチングをしていたところでございます。
 過去の経過を見ますと、いわゆる初期研修医 ――2年間ですけれども――研修が終わった後も総合病院の方に定着していただけそうだというような傾向が見られましたことから、今回は20人ということで大幅に増員して医師不足の中で何とか医師確保につなげたいということで目標をかなり高いところに設定したわけです。残念ながら今回御指摘のような10人という平年ベースというような結果になったところです。
 来年度以降は、募集数に合わせたようなマッチング結果を求めていく必要があろうかと思いますけども、そのために病院の方では、研修プログラムを充実させたり、あるいは年収についてもう少し見直しできないか、あるいは研修医の宿舎についてもうちょっと充実させていきたいというようなことを分析しておりまして、病院局としてもそういう方向で、今後研修医のマッチングの確保あるいは医師の確保、こういったものにつなげてまいりたいというふうに考えております。以上です。

○千石委員
 どうもありがとうございました。
 がんセンター局のことに関して、先ほど内部留保資金の話なんですが、要するに減価償却費のように実際に支出を伴わないような勘定用の償還といいますか、積み上げですか。それですと、一方で償却の累計額というのがありますね。今おっしゃったような18億円とか何かって、そこから取り出したというようになりますからね。そうするとその分償却累計額が減っていくわけですね。そういう処理をされているわけですか、ということをひとつ伺いたいと思います。

 それとこの前、ちょっと私も本会議の一般質問で触れましたけれど、地方独立行政法人化という、ただし県立3病院とは別にがんセンターはがんセンターとして独立をした単独の地方独立法人化というものも1つのアイデアではないかということを言ったんですが、それに対してのお答えはその関係施策について検討の必要があるというお話だったんですけれども、つまり県立3病院について言えたことがそのまま静岡がんセンターにも当てはまるんだとすれば、つまり高度・先進医療を提供できると、しかも中ではそういった処遇制度とかいろんなところにおいて非常に弾力的、効率的に運用できると。ですからそのままそれをがんセンターに当てはめるとがんセンターがもっとよくなるんじゃないかというような気もするんですけども、それが地方公営企業法の全部適用でいく方がとりあえずはいいんだという、その辺のことも御説明いただければありがたいと思います。

 それときのうの御答弁の中で、本当は20年度は全床開棟を目指したとおっしゃっていましたけど、やっぱり退職する看護師が多いと、毎年毎年10数%相当の退職者があるというようなお話でした。9月の委員会の時にもお話を伺ったような気がしますけれども、委員からいろいろ質問があって、その理由として結婚だとかいろんな話がありましたけれども、それだけなのかどうかと。つまり余り長いこと定着しないと、それは待遇面のこともあるんじゃないかというようなことも考えてみていただけるかどうか。
 一般質問の御答弁の中では、初任給だけが問題なんではないと。やっぱり年ごとの上昇価格とか、そのほかのいろんなフリンジベネフィットといいますか、そういうものとか、あるいは退職金だとか総合的な処遇というものを考えてというお話がありましたけど、実際、看護師さんたちは1カ所に長期に勤務しない傾向が多いんじゃないかと。ですから余り長い目で見た処遇を比較して就職先を選んでいるんじゃないんじゃないかと思うんですね。やっぱり短期的な実入りの比較をして選んでいるといったようなこともあるんじゃないかと思いますので、その辺どう分析されているかと。
 いずれにしても看護師の確保に関しましては、やっぱりいろんなことをもっともっと対策として考えていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点についてお伺いをいたします。

 あと盲導犬のことに関しましては、今、実態がどうなっているかというお話を伺いました。さっきアイメイト協会は40頭余りで、大体年間の事業費が1億5000〜6000万円とおっしゃいましたね。これはびっくりしたんですが、といいますのは、富士ハーネスがやっています盲導犬総合センターというのは、この事業規模においてはその9倍といいますか大体9億円ぐらいの年間の事業規模なんですけれども、新しく供給する犬の頭数は年間50頭を目標にしているんですね。だけどまだ50頭いかないと。去年は35頭しかいかなかったと。どうしても育成はたくさんするんですけれども、合格する犬よりも合格しない不適格な犬の方が多いんだそうです。だからそういうことで非常に難しいという面もあるんですけれど、いずれにしましてもどこの育成機関も大変な資金難といいますか、非常に厳しい経営で、しかも個人の寄附とか募金とか――最近何か多いのは遺贈が多いんだそうですね、亡くなった方がまとまったお金を残して寄附してくださると――ですがそういう個人に頼っていれば、どうしても毎年毎年の確定的な資金が得られるわけではないと、かなり変動がある。そうすると育成にも変動が出てくるなと思うんですけれども、そういう財源基盤を安定させるためにも私は公的な助成が欠かせないんじゃないかと思っているんですね。その分についてはお答えが得られなかったんですけども、どうお考えになっているか、ちょっとその点をお答えいただければありがたいと思います。以上です。

○小野寺がんセンター局長
 まず地方独立行政法人化についてですけれども、静岡がんセンターのスタートは平成14年9月ですが、平成14年度はまだ地方独立行政法人の制度がなくて、そうした中でがんセンターを新たにつくるということで効率的な病院をつくるにはどうするかと。それには地方公営企業法の全部適用だということで、単独の病院がスタートしたわけでございます。やはり地方公営企業法の目的である経営責任を明確化したり、機動性を発揮する、経済性を発揮するという観点から取り組んできたわけでございます。またスタートの組織に当たってもマネジメントセンター、経営努力室というものを設けて経営管理、危機管理、医療の質の向上に機動的に取り組むような方策もとってきたわけでございます。その後、地方独立行政法人の制度ができたわけでございますけれども、スタートしてみて、依然として繰入金はいただいておりますけども病院全体としての評価は高いものをいただいてきているかなと。当面、地方独立行政法人にいかなくても地方公営企業法の全部適用によって、新たにつくったがんセンターの期待された機能を果たせているのではないかというふうに、今のところ私どもとしては考えております。
 当面の一番の課題というのは、やはり全床開棟であろうということでございまして、それに全力を挙げて取り組んできたわけでございますので、まず全床開棟をするのが第1、それから後は県立3病院が独立行政法人化をする、それから国立がんセンターとかそうしたところも独立行政法人化をするということがありますので、そうした状況を見きわめた上で――比較して言っては失礼ですけども――より独立行政法人に乗りかえた方がいいということがわかれば、その時点で改めて検討をするということが適当ではないかというふうに考えております。
 今の時点で、財務適用を地方公営企業法の全部適用に持っていくべきか独立行政法人化すべきかということを考えれば、やはり独立行政法人という選択肢になるのかなとは思いますけども、既に地方公営企業法の全部適用になっている、それもまだ全床開棟していないという状況で独立行政法人に移るのもどうかなというふうに考えていると、そういうことでございます。

 それから退職ナースの問題ですけども、もうナースというのは長い目で見た処遇というのを望んではいないんじゃないかというふうなお話でございますけども、そういう面もあるかもしれませんが、がんセンターは高度専門医療機関でありまして、先ほども別の議論がありましたけど、専門看護師とか認定看護師とかそうした看護師を多く抱えておりますし、また養成もしております。チーム医療というものを実践しておりまして、チーム医療のリーダーは看護師だということまで看護師に向かって言っているわけでございまして、短期的に業務が厳しくてもたなくてやめられる看護師さんも確かにいますけども、質の高い人材を求めた病院である以上は、退職率がある程度高くてもいたし方ない面があるのかなと思っておりまして、短期的な面だけに着目して処遇改善を図るという発想は今まで持ってこなかったところでございます。以上です。

○宮城島がんセンターマネジメントセンター長
 減価償却についてでございますけれども、減価償却費につきましては毎年、当然減価償却費という形で内部留保の方に積み立て、また減価償却累計ということで資産の方から減らしていくような経理処理をしております。以上でございます。

○佐野障害福祉室長
 盲導犬育成機関への県の補助金の関係でございますが、障害者自立支援法の中で昨年10月から都道府県が行う地域生活支援事業と位置づけになりまして、都道府県の裁量権の範囲ということもあって全国的に育成単価をどのくらいにするのかというような調査も行われております、そういう中で各県の状況も見ながら今後検討していきたいと思っております。以上でございます。

○千石委員
 ありがとうございました。
 がんセンターのことで看護師さんの方が余り長期に1カ所にとどまるのを望まないということではなくて、条件がすべて整っておればなるべく1カ所に長くいて、長くいればいるほどそれだけ処遇制度の恩恵に預かるわけですから、それは私がそう言っているのではなくて、現実に就職してみるといろんな問題があって、そういう長期の待遇、処遇とかそういったことよりも、もっと優先することがあって退職してしまうとかあるんだと思うんですけれども、いずれにしましてもやはり退職が多いと、率が高い、定着度は低いというのは、やはりある程度どういう状況なのか。
 要するに今のお話を伺っていると、高度な医療施設の良質の看護師ではない人がやめていくような感じになっておりますので、その辺も今度は採用の時にどうされているのかというようなこともありますね。採用の時から、やめるような人をなるべくとらないようにしていかないといけませんしということで、これは質問ではありませんけれどもそういうことでお断りをしておきますので。

○岡本(信)委員長
 ここでしばらく休憩をいたします。
 再開は13時15分とします。

( 休 憩 )

○岡本(信)委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○千石委員
 さっきの盲導犬センターの話で、「現地に行って確かめたかった」という話をしたのですが、結局、盲導犬の供給について、ああいう限定された特殊なルールというわけなので、犬の供給力からくる制約があるかと思って行ったんですが、それはないと。いろんな方法があって、もし財政的にバックアップがあって養成施設ができ、そして訓練士がそれだけふえれば、犬の供給は追いつきます、そういう話だったんですね。そのことをちょっと言い漏らしたんではないかと思いまして、いずれにしても財政的な基盤がしっかりすることが一番大事であるということです。

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