本会議会議録
質問文書
令和4年12月定例会文化観光委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 土屋 源由 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 12/14/2022 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○土屋委員
それでは、一問一答方式で聞きます。
後で説明してもらった文化観光委員会説明資料(追加配付)の3ページに、地域観光支援事業費として76億7900万円の国補正予算が計上され、旅行代金の20%、地域クーポン最大2,000円を支援するとしています。この事業については、国のほうで1月10日から始めるという話が昨日あたりに出ていました。始めるのはいいんですが、このお金が終わり次第終わるのか、それともいつまでと決めてやっていくのか、県がどのように予想しているのかお聞きしたいと思います。
○花田観光振興課長
今回の補正予算は、年明け以降引き続き観光促進事業「今こそ しずおか 元気旅」全国旅行支援を実施するために必要な経費を計上するものでございます。
5番委員からもお話がありましたとおり、昨日観光庁より、年明け以降の全国旅行支援については新たな行動制限が必要な事態が生じないことを前提に令和5年1月10日より実施すると公表されました。また対象期間につきましては各都道府県において設定すること、予算がなくなり次第順次終了となることが併せて公表されております。
なお、先ほどお話がありましたとおり新たな旅行支援制度では割引率や地域クーポンの金額が下がります。こうしたことを考慮して、10月から始めましたこれまでの全国旅行支援の実績などを基に試算しますと、現在のところおおむね開始から1か月半程度事業が可能と試算しております。
本県といたしましては、国の制度改正の詳細を速やかに確認し本県の事業内容を定めた上で、準備が整い次第公表できるよう対応してまいりたいと考えております。
○土屋委員
1か月半だから2月半ば頃まではやれるのかな。なるべく長くやってもらえるとありがたいと思っています。
それに関係して、私は一般質問で観光について質問させていただきました。知事から県の事業も一生懸命頑張ってやっていきますよと話があり、1月10日ならその前は正月なので間を空けずに済むかなと思っています。国の元気旅でやってもらうのはいいんですが、県としてすき間なくというかソフトランディングできるようにいろいろと事業の名前を言ってもらったんですが、この元気旅との絡みも兼ねて少し説明していただけるとありがたいです。
○花田観光振興課長
本会議で知事から答弁を差し上げました県単独の観光需要喚起策を3つ挙げさせていただいております。
1つは食をテーマとした宿泊割引事業、もう1つが体験型アクティビティー割引事業、そして海外を対象にした訪日外国人観光客向けの宿泊割引事業の3つの実施を予定しております。
なお、年明けも全国旅行支援が継続されることが国から公表されましたが、今申し上げました食をテーマとした宿泊割引事業及び体験型アクティビティー割引事業は、全国旅行支援との併用も可能とする予定であります。
なお、実施期間は今後、年末年始の感染状況等の状況を踏まえ決定してまいりたいと現在考えております。
○土屋委員
さっき1か月半とありましたけど、今行おうとしている事業はどのぐらいの予算を想定して計画しているのか、もう少し説明をもらえたらと思います。
○花田観光振興課長
食をテーマにした宿泊割引事業につきましては、事業費としておおむね2億円程度を予定しております。また体験型アクティビティー割引事業につきましては全体でおおむね1400万〜1500万円程度の規模を想定しております。
○土屋委員
頑張ってやってくださいとしか言いようがないぐらい金額が寂しいなという思いがあるんです。
国がいつまでやってくれるか。先ほどの大きな金額でも年度内で事業を終わらせにかかる。2月半ば頃とさっき自分で勝手に言いましたけど、その後切れ目なく行うならば国の支援がなくなった時点から県で少し支援する事業をやってもらってもいいのかなという思いがあったので、これから検討していただきたいと思います。これは意見で終わります。
次の質問に入ります。
説明資料(追加配付)4ページ、ヴァンジ彫刻庭園美術館の譲渡申出に対する検討状況についてです。
長泉町がアクセス確保などの財政的負担と書いてあるんですけれども、基本的に駐車場自体が譲渡に入っていません。実際にはアクセスや駐車場がないとこの美術館はうまく使えないかなと思っているので、その辺についてどう考えているのかお聞きしたいと思います。
○田中文化局長
現在の駐車場の賃借関係は今年度をもって解消されます。その後、県が受け入れることになった場合ですけれども、まずクレマチスの丘全体での駐車場の確保といった観点もあると思います。また現在の駐車場の所有者の方に、例えば低料金の使用料金制などを検討していただくことも考えられると思っておりまして、できるだけ費用のかからない方法で関係者の方と今後調整していきたいと考えております。
○土屋委員
まだ譲渡してもらっているわけじゃないので強く言うことはできないんですが、今どき駐車場がない施設にどうやって来るのと言われてしまう可能性があります。話がついたときにはその辺も含めてしっかり対応できようにしておいたほうがいいと思いますので、検討はまたお願いします。
次に、東アジア文化都市2023静岡県の実施コンセプトが「多彩な文化が花開く“オープンガーデンシアター”」となっています。ヴァンジ彫刻庭園美術館の活用コンセプトが“オープン・ガーデン・アートセンター”で、全く違うものなのに同じような名前になっていて、何を言いたいのか分からないです。日本語で言ってもらうほうが何をメインにしていきたいかも分かりやすいと思います。ガーデンと書いてあるので庭園をメインに生かしたいのかなと思える反面、東アジア文化都市のオープンガーデンと書いてあるガーデンのほうが何か庭園に関わりがあるのかなと。変な勘ぐりじゃないけど、両方があまりよく引っ張り合っていないように感じてしまいます。同じ時期にやる事業であればコンセプトを少し変えたほうがいいんじゃないかなと思ったので、どちらか変えるほうを考えてください。
オープン・ガーデンと書いてあると、庭園を全面的に活用する意味合いに取れてしまうんじゃないかな。ヴァンジ彫刻庭園美術館の庭園は本当にきれいですし整備もすばらしいと思う反面、そこを1年間整備するのにどれだけのお金がかかっているのかなと。県が利用しようとしたときにこの庭園をどうするかは運営費というか維持管理費にも関わる話ですが、このコンセプトだと庭を全面的に生かすとしか見えないんですよね。
県がこう考えていると、話合いの部分がここに載っていてそっちの方面に行きたいのかなと取れたので、その辺はどう考えているのかお聞かせ頂きたいと思います。
○田中文化局長
今お話のありました“オープン・ガーデン・アートセンター”ですけれども、県民に開かれたということでオープン、アートを通じて人が集まる施設ということでアートセンター、あとおっしゃるとおり自然環境に恵まれた庭園空間――ガーデンを組み合わせたものとさせていただいております。
ただ、庭園の活用につきましては、自然空間に恵まれた庭園空間をこのアートセンターの特色の1つにしたいとは考えておりますが、現在の庭園のレベルの維持を前提に考えているものではございません。
○土屋委員
なぜ先に言ったかというと、管理運営費を9000万円程度と考えているとうたっていますが、何をメインにお客さんを呼ぶかについては、美術館に展示してあるものなどいろんなものを見てもらう文化の部分と、イベントも含めて庭で何かいろんなことをやりたいみたいなことを書いてある部分と2つあるんですが、管理運営費がそれだけだとなかなか難しいんじゃないかと思いました。県としてなるべく費用がかからずに、なるべく多くの人たちに喜んでもらえる形の受入れでないと、私たちとしてもいろんな意見が出てくるのかな。
先ほど私が言いましたが、駐車場がないならば、失礼な言い方ですけど庭園を潰してでもみんなが来やすい施設に整備することも1つあり得るのかなと思う人たちもいると思うんですよね。欲かいてしまえば、今あるものはいいものですから全部残したいのは分かるんですが、それだけお金をかける余裕があるのかといえばちょっと疑問が残るので、ぜひその辺も含めてしっかりと、どういう方向性でいくのかは検討していただきたいです。
次に、所管事務調査で文化観光委員会説明資料の17ページ、令和4年度の本県観光施策の予算を見ると県の観光事業のメインって何だろうと思います。皆さんから見れば全てメインの事業かもしれませんけど、先ほどの予算の話のように2億円、1500万円ぐらいのお金をかける事業はいろんな項目では確かにばんと出ているんですが、そのお金でどれだけのことができるのかと思うと、この予算額で本当に大丈夫かなと思います。
いつも地元伊豆の国市を例に出して言うんですが、県で言うと人口80分の1、面積80分の1。県で80億円ついたら1億円なんですよ。だから8億円の事業だと1000万円しかない。県の8000万円の事業だとうちの市に100万円が回ってくるかなという数字の見方をしてしまいます。いろんな事業が書いてある中で、大きな事業をやっているようになかなか見えづらいと思ってしまったんです。
県の観光のメインの事業は何なのか教えていただきたいなと思います。
○山田観光政策課長
先ほどから御議論頂いているように、まず当面の緊急の需要喚起策は5番委員御指摘のとおり力を入れてやっています。そのほか県が力を入れていかなければならないと思っているところは、今後の観光においては旅行者におけるSDGsの意識の高まり、いわゆる新しいニーズに対応した本県ならではの観光サービスを創出していかなければならないといった考えの下に施策を展開しております。そのため日々の暮らしや自然環境に配慮しながら本県の美しい自然、多彩で高品質な食、歴史・文化といったものを生かして本物の体験を楽しんでいただけるサービスの創出が非常に重要であると考えております。
説明資料17ページ中段、金額が4000万円と今年度の予算だけ見ますと少ないですけれども、ガストロノミーツーリズム推進事業、あるいは大河ドラマ等でも注目が集まっております歴史・文化資源を活用した広域連携事業などは1億円程度の予算であり、こういったところを県独自の事業の柱と考えております。
また、今後、新型コロナウイルス感染症により深刻なダメージを受けている観光産業の回復を確実にしていくために観光分野のデジタルトランスフォーメーションを進め、その上で生産性向上や高付加価値化をしていくということで、観光デジタル化関連事業も今年度の柱に据えて施策を推進していきます。
○土屋委員
はい、分かりました。
何でこんなことを言ったかというと、県がやっていると言える観光事業の記憶が、失礼ですけれども私はあまりないです。金額の問題ではないんですが、一生懸命頑張っているのがいろんな事業として出てくるぐらいめり張りをつけたほうがいいんじゃないか。この数字だけを見ると、何千万円、1億円、2億円みたいに確かにいろんな事業をやらなきゃならないかもしれないですけれども、ボリュームをつけるところには少しつけてもらいたいと、要望というか意見とします。私たちが、県でこんな観光事業をやっているよと言ったときに、ああそれよく知っていますとなるようにぜひ頑張っていただきたいと応援して終わります。
次に、説明資料19ページ、ふじのくに安全・安心認証(宿泊施設)制度が更新になるんですが、いいところと悪いところが残ってしまう可能性があるんじゃないかと感じました。
これは新型コロナウイルスの感染対策を一生懸命やっている宿泊施設の安全・安心の認証制度ですよね。例えば来年になってコロナウイルス感染症が収束して落ち着いてきたときに、この安全・安心の認証制度がいいほうに生かされるならいいですけど、うちは県から安心・安全のお墨つきをもらっていますと、コロナ関係なく違う方向で言える悪いパターンもあり得るかなというのが1つ心配です。
もう1つは、これだけのところに一生懸命登録をしてもらって、せっかく県の思いに乗ってくれたわけですからこれを活用してプラス何か、例えば認証をもらえるものがあったらこの旅館、ホテル――宿泊施設は大丈夫ですよとコロナ関係なく県から推せる形で使えるかなと。いいところと悪いところが考えられる気がします。この辺について県はどう思っているのか聞きたいので、よろしくお願いいたします。
○山田観光政策課長
5番委員の御質問のうち、まず安全・安心認証を取っている施設だから質は大丈夫だという期待に応えるように担保していく部分でございますけれども、安全・安心認証施設につきましては旅館業法の許可を前提としているため、一定水準はクリアしていると考えています。ただ御指摘のとおり確かに旅行者の方々に満足していただいて繰り返しお泊まり頂くという観点からは、県内宿泊施設がサービスの質を維持あるいはより一層高めていくことが重要でございますので、県といたしましてはこれまでもやっております宿泊施設を対象としたおもてなし研修を継続して実施していくことによって認証施設のサービスの質を担保してまいりたいと考えてございます。
それから、せっかく取った認証についてでございますけれども、令和6年度末までは現行の制度を続けてまいりたいと考えております。その後の制度の継続、あるいは内容につきましてはコロナ収束後の旅行者のニーズ、宿泊事業者様の意見、他県の状況、類似している飲食店に対する認証制度の動向等を踏まえどういった認証があり得るのか、継続も含めて検討してまいりたいと考えてございます。
○土屋委員
うまく使えたらいいなと感じますので、ぜひ検討をよろしくお願いいたします。
最後に、説明資料21ページの歴史・文化資源を活用した周遊促進の取組です。
コロナ禍でなかなか動けない状況があったのは承知しているんですが、旅行商品造成事業を利用したバスはどの程度あったのか、もし数字が分かればお願いします。
○花田観光振興課長
簡単に制度内容を御説明いたしますと、本県の歴史・文化資源を旅行商品に組み込んで県内に宿泊または県内の観光施設を1か所以上利用した場合に、バス1台当たり宿泊の場合は2万円、日帰りの場合は1万円を支援する制度となっております。この制度は11月から2月末までの期間で支援していますが、今後の利用見込みを含めた11月末時点の補助金の申請状況は、県外の旅行会社から608件、県内の旅行会社から130件の計738件であります。
○土屋委員
始まったばかりですね。前からやっていたイメージがありました。それだけ申請があるならば、ぜひ有効に使ってもらいたいと思います。
「鎌倉殿の13人」と「どうする家康」に関し、県から単独の市への支援がなかなか難しい中、昨年からなるべく広域で支援をしてくれたことは承知しています。もう「鎌倉殿の13人」は終わるので、これから「どうする家康」が広いエリアになっていく中で県がどう関わっていこうとしているのか教えていただきたいと思います。
○花田観光振興課長
5番委員から御紹介がございましたが、2年続けて本県ゆかりの大河ドラマが放送されます。
今、ゆかりの地など県内各地域の歴史・文化資源を発掘したり磨き上げ、その価値の県民への啓発を進めているところです。さらにこうした資源を活用した観光誘客、あるいは全県での広域周遊の促進を図っていくことが県の役割だと考えております。
今年度につきましては、県の観光協会に設置しております大型観光キャンペーン推進協議会では歴史・文化資源をメインのテーマとして「鎌倉殿の13人」及び「どうする家康」についてのプロモーションとか首都圏、中京圏での商談会を開催しております。さらに昨年度立ち上げました静岡市、浜松市、各地域のDMOが参加する歴史・文化資源を活用した広域連絡会において、「どうする家康」でメインになります中部地域、西部地域に加えて東部地域も含めた全県の誘客に年明け以降取り組んでまいりたいと考えております。
○土屋委員
大河ドラマ館が静岡市と浜松市で設置されるということですが、伊豆の国市の場合入館者数が18万人になるかならないかという感じできたのに、両方とも50万人、100万人をドラマ館に呼ぼうとしています。これは市がやる話なので県は関係ないんですけど、100万人も呼べるぐらいのことをやるのが市でいいのかという思いがあります。さっき事業の話をしてくれましたけれども、目標値50万人ずつ呼べるような事業をドラマ館だけでやるわけではないので、全体事業の外側にある部分をしっかりと県がうまく誘導というかまとめて進めていかないと100万人なんて簡単じゃないと思います。県は多分ドラマ館には関わらないと思うけど、やはり本来であればドラマ館が「どうする家康」を一番発信する場所になるので、その活用や県との関わり方についてどう考えているか最後にお聞きします。
○花田観光振興課長
5番委員からお話がございましたとおり、静岡市と浜松市の大河ドラマ館の入館者数の目標はそれぞれの市で設定したものでございます。
まず、県といたしましては大河ドラマの放送をきっかけに静岡市、浜松市だけでなく県の東部地域も含めた全県での観光誘客及び広域の周遊を図って、今後は外国人観光客の誘客にも結びつけてまいりたいと考えております。静岡市、浜松市の大河ドラマ館の入館者数の拡大に加え、全県において観光需要の拡大が図れるよう取り組んでまいりたいと思います。
今実施している県の取組を若干御紹介いたしますと、家康ゆかりの地など地域の歴史・文化資源を旅行商品づくりに生かしたり特設ウェブサイトによる地域の歴史ストーリーの情報発信、先ほど申し上げました歴史・文化資源を活用したバス支援など様々なイベント、事業に取り組み、県内の周遊の促進を図っております。来年以降も機運醸成に取り組み、全県の周遊促進を図ってまいりたいと考えております。
○土屋委員
ぜひ頑張ってください。終わります。
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