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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和4年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:06/28/2022
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員
 それでは、分割質問方式で3問質問させていただきます。
 まず、お隣の愛知県の明治用水で漏水事故がありました。使用者の皆様、大変御苦労されておられるようで、お見舞いを申し上げたいと思います。全容は原因究明が進まないと何とも言えないと思うんですが、頭首工というところでの漏水事故でありましたが、まず県内の企業局所管の用水の中で構造上同じものがあるのかないのか確認したいと思います。あわせて、現状専門家から御覧になっていて予想される漏水事故に対する静岡県としての対策、どのようなものがされているのか確認したいと思います。

○青山水道企画課長
 まず、愛知県の明治用水と同形式の頭首工については2か所ございまして、いずれも企業局が直接設置して管理しているわけではございません。まず大野頭首工という豊川用水から湖西工水に取水しているんですけども、これは独立行政法人水資源機構が管理しております。それから遠州水道を都田川から水を取るために使います須部の取水場がございまして、そこの頭首工は浜松市が管理しておりますけれども、その2か所ございます。
 構造上、似てはおるんですけれども、最初に言った大野頭首工につきましては、基礎が岩盤でございまして、土の中に穴が開いて水が通ってしまったという現象をパイピング現象というんですけれども、それはまず起こり得ないかなと考えております。それから須部の取水場についてでございますけれども、基本的に頭首工を設計する場合には、パイピング現象が起こることを見込んで通常はある程度の長さと計算して矢板というものを打ってその水が通らないようにする設計をいたします。須部の取水場につきましても、その構造になっておりますので、調査結果を見ないと分からないんですけれども現状ではパイピング現象はないのかなと考えております。
 ちょっと前後しますけれども、明治用水の事故が発生した直後に、いずれも緊急の点検を水資源機構、あともう1つの浜松市も含め――正確に言いますと農林水産省が点検をいたしまして、急激な水位の低下でありますとかひび割れ等がないことを確認しております。

○阿部委員
 ありがとうございます。今3番委員もおっしゃいましたけど、水のことは非常に重要ですので、この明治用水の原因究明を待って、またその中で懸念されることがあれば、ぜひ県内のそれぞれの用水も点検をしていただきたいと思います。今後とも注視していただきますようお願い申し上げます。

 次の質問に入りますが、水道管の老朽化対策について何点かお伺いしたいと思います。
 水道管は法定耐用年数が40年と聞いてますけれど、地質等の条件によって一概に40年と言えないんではないかなと思っています。県下のそれぞれの所管の水道の状況がどうか、まずお聞きしたいと思います。さらにその状況に応じて、大体法定年数でっていうのが下敷きになると、ここは傷みが激しいけど、ちょっと年数がまだ浅いからっていう機械的なことになって事故につながるものですから、適切な交換が進んでるかどうか確認したいと思います。
 それから、管の材質についてです。いわゆる一番頑丈で良いものとされているのは、ダクタイル鋳鉄管だと思うんですが、ポリエチレン管とか、新しい素材での開発が進んでいるのかいないのか。併せて確認したいと思います。

○青山水道企画課長
 水道管の老朽化の状況についてお答えいたします。
 まず、全体の話なんですけども、令和3年度末現在で企業局の水道事業で約37%、工業用水道では70%が法定耐用年数の40年を超えている状況でございます。
 それから、土壌によって損傷というか劣化の状況が違うのではというお話でしたけれども、それにつきましては平成22年から平成25年にかけて、企業局の管路はトータルでおおむね750キロ近くありますけれども、おおむね2キロに1か所を目安として実際に管の周辺を掘り管の状態と土壌の状態を確認する調査を行いました。
 その結果分かったこととしては、やはり場所、土壌によっては悪いところもあるということで、悪いところについては、その段階で補修をかけております。全体的に言えたことは、50年、40年を経過したからといってまだ交換する段階ではない状態の管路が非常に多くて、おおむね50年を超えてても状態がよかったということになりますので、企業局では大体60年程度を耐用年数の独自の目標としておりまして、それに基づいて当然40年ぐらいでということも含め優先順位をつけまして現在の管路の更新を計画的に行っている状況です。
 次に、新たな材質についてでございますけれども、企業局では現在ダクタイル鋳鉄管と鋼管を基本的に使っております。企業局の管路は全て重要な管路であると位置づけられておりますので耐震性はレベル1、レベル2とレベル2のほうが高い耐震性を持つ必要があるんですけれども、レベル2に対して安全であることを証明されたダクタイル鋳鉄管と鋼管を使用しております。9番委員から提案がございました例えばポリエチレン管につきましては、現在日本国内で流通している水道用の配水ポリエチレン管は企業局はもうちょっと大きな管を使っているんですけれども最大の管の口径が150ミリメートルということと、もう1点現段階ではレベル1の耐震性しか証明されていないということでございまして、現在は使ってない状況です。
 ただし、メーカーも当然販路を拡大するためにそういった開発をしていることは容易に想像できますので、その製品の開発状況を見据えて、必要であれば経済性を考えた上で使用していきたいと思っております。また補足になりますけども、ダクタイル鋳鉄管につきましてもいろいろ形式がございまして日々変化しております。継ぎ手の種類でありますとか、塗装の種類がおおむね5年ごとにもっといい新たな製品が出ていますので、そういったものも全体的に比較しながら進めていきたいと思っております。

○阿部委員
 ありがとうございます。今多分お持ちでないと思うので、また資料として出せるようであれば平成22年から25年に調査されたもので土壌の違い。やはり土壌によって地域性があると思うので、その一覧を拝見できるといいなと思いますので、また委員長を通じて配付を頂ければと思います。

○青山水道企画課長
 資料を集めまして、委員長を通じて報告させていただきます。

○阿部委員
 急ぎませんが、県内土壌によって、塩が強いところが傷みやすいとかいろんな質があると思いますので、ぜひ参考までに教えていただきたいと思います。

 それから、今、材質のこともお聞きしました。その中でお聞きするんですが、今、世界の物価がロシアのウクライナ侵攻のこともあって、非常に上がっています。当然、鋼管にしろダクタイル管にしろ今年上がっているんじゃないかなと思います。今のお話だと、それぞれ計画を組んで優先順位をつくってやっていただいてるのはよく分かったんですが、新年度、来年に向かってどのような見込みでいるのか。現時点で考えている予算ではなかなか厳しいものなのか。その状況だけ確認をさせていただければと思います。

○青山水道企画課長
 管材料の価格の上昇についてなんですけれども、現時点では昨年度に比べ、ダクタイル鋳鉄管はいろんな口径がございますけれども平均しておおよそ1割ほど価格が上昇している状況でございます。今後につきましてはまだ全体像が把握できておりませんので、何とも言えないところなんですけども、それ以外の点で計画を見直すでありますとか、コスト縮減を別のところでするのかという点をもって、計画ができるだけうまくいくように努力していきたいと思っております。

○阿部委員
 分かりました。
 やはり国もそうですし、我々県もそうですが、物価高対策を経済対策として打っていく、また考えていくということがありますけど、実は目に見える食料品とかガソリンというものだけじゃなくて、我々のライフラインを守る部分に実は影響が来てるんだけど対応がされてなかったがためにライフラインが破綻してしまう事態を招いたら大変ですので、また必要に応じて御教示を賜れればと思っています。

 次、最後の質問に入ります。
 私、平成29年度この産業委員会におりましたが、その折にも質問させていただいたんですが、衛星を利用した漏水検査がイスラエルで開発されていました。この導入を検討したらどうかという提案を当時したんですが、その後愛知県の豊田市が今やっているという報道がありました。それも踏まえて、検討状況を教えていただければと思います。

○青山水道企画課長
 イスラエルが発祥の衛星を利用した漏水検知の方法につきましては、日本のJAXAが打ち上げた「だいち」という人工衛星から電磁波を放射しまして、その反射を基にその画像から漏水を判定する技術でございます。
 昨年、その国内の代理店を県庁に呼びまして、その技術の内容について詳細な説明を受けたところです。そのうたい文句によっては、非常に効果があるのではないかという感触を得たところです。一方、豊田市で実施している実績も聞きましたので、それについても直接豊田市の職員にお話を聞きまして、これが有効であるかどうかという点を確認したところであります。
 それによると、地下水位が高い場所では非常に精度が低下するという話と、200メートル四方に漏水があるかないかという判定をするんですけれども、空振りもあるし、ないところでも漏水だと判定してしまうところもあるということです。現在のところ検知の確率論になりますけれども、おおよそ30%だと聞きました。30%でありますともう少し技術の精度を高めていただきたいところで、現状では採用する段階には至っておりません。ただメーカーも改良を重ねていると聞いておりますので、その状況を注視しながら有効であれば採用していきたいと考えております。

○阿部委員
 よく分かりました。
 豊田市さんがやってくださってたので、ぜひ注視をしながら、今青山水道企画課長がお答えのように精度が上がってきて価格とも見合わせながらですけど、導入する価値が十分にあることになれば、先ほど来話が出ている大切な水ですので、漏水によって失われている水がかなりあることも聞いておりますので、今後これに限らずいろんな形での漏水対策はしていただきたいと思います。また、この技術については、今後も注視をしていただければと思います。以上で質問を終わります。

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