委員会会議録

質問文書

令和３年２月定例会建設委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	03/08/2021
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○山﨑委員
　それでは、一問一答方式でお願いいたします。
　まず、建設委員会説明資料20ページの令和３年度交通基盤部執行体制についてお伺いしたいと思います。
　冒頭の長繩交通基盤部長の説明でもありましたように、今回建築管理局を新設し、また建設経済局と名前を変えたとのことでしたが、改めて建築管理局を新設された狙い、見込まれる効果等について教えていただくのと、長繩交通基盤部長が建設経済局に関しては経済の拡大を図っていきたいという力のこもった説明をされたのですが、課の数も減らしてスリム化した中でどのような方策を持って経済の拡大を図っていかれるのか教えてください。

○三沢総務課長
　県有施設の老朽化により、今後30年で208棟の公共建築物の建て替えが計画されております。うちその半分の107棟が今後10年間に集中しており、執行体制の整備が急務となっているところです。他部局が発注する５億円以上の新築建て替え工事においては、計画段階での予算や工事の精度が不足しており不調、不落が発生しております。
　このような課題の解決を図るために、建築職と設備職を集約して県有施設を企画構想、計画策定の段階から建設、維持保全に至るまでトータルにマネジメントする建築管理部を新設します。
　改称した理由でございますが、本県の事業所数の約１割を占める建設産業を取り巻く環境は非常に厳しく、職場環境等が起因する魅力の低下、就業者の高齢化、担い手不足が喫緊の課題となっております。
　これらの課題に対し、交通基盤部ではＩＣＴの活用による生産性の向上を令和３年度に部局長方針書の重点施策に掲げ、建設産業を夢や誇りの持てる魅力ある産業へと転換し経済の拡大を図ることを施策目標としております。
　これまでの建設産業の下支えを意味する支援から、効果的な施策の推進による生産性の向上に軸足を置き建設産業をさらに活性化することにより本県の経済の拡大を図っていくため、その施策の所管局である建設支援局を建設経済局に名称変更するものであります。

○山﨑委員
　御答弁ありがとうございました。
特に後段の建設経済局に関しましては、そのような課題が確かに山積している中で力強いお答えだったと思います。ぜひ改称されて積極的な政策の推進を期待しておきたいと思います。

　それと、もう１つ説明資料20ページの下段でスマートシティー施策の推進のために未来まちづくり室長を設置となっているのですが、まず交通基盤部としてスマートシティー関連施策を推進するとはどういったところを意味しているのか。それから未来まちづくり室長とイノベーション推進班が担う役割と今後の取組の方向性について教えてください。

○三沢総務課長
　ＩＣＴなどの新技術を活用し社会的課題の解決、あるいは新たな価値の創造を図るスマートシティーは、本県のデジタル戦略の重点施策として取組の推進が急務となっております。
　そのため、本県のスマートシティーに関する施策の司令塔を明確にして推進体制を確立するとともに、民間団体との連携により実効性の高い施策展開を図るため交通基盤部政策管理局建設政策課に推進組織となるイノベーション推進班を設置し、施策の責任者である未来まちづくり室長を配置するものです。
　未来まちづくり室長の設置した理由については、これまで建設技術企画課建設イノベーション推進班において取り組んできたスマートガーデンカントリーモデル事業、自動運転技術の導入などの事業は建設政策課に移管、設置されるイノベーション推進班が担い次年度から拡充を図っていきたいと考えております。
　スマートシティー関連施策の推進に加えて、既存事業の拡充により地域が抱える社会的課題の解決と新たな価値の創造を図り内外から憧れを抱く未来のまちをつくる責任者として、イノベーション推進室が設置される建築政策課に未来まちづくり室長を設置するものです。

○山﨑委員
　スマートシティー関連施策について総論的なお話は分かりましたが、例えば来年度スマートガーデンシティー以外に関連する具体的な施策があったりするのでしょうか。

○髙梨建設政策課長
　スマートシティー関連に係るこれからの交通基盤部としての取組の考え方についてお答えします。
　現在取り組んでおりますのは、先ほど来申し上げましたＩＣＴなどの新技術の活用――アイ・コンストラクションの取組を一層推し進めることに加え、人口減少や少子高齢化、地球温暖化など日常生活における様々な将来的、社会的な課題の解決につながるのがスマートシティーでございます。
　建設政策課内に課内室を設ける点については、部内で一元的に取り扱うことで各局の横串を刺し部として一体的に取り組む心構えです。
　国土交通省においてＤＸの推進に向けた体制づくりの検討を進めていることから、この動きを注視し潮流に遅れることのないように取り組んでまいりたいと考えます。

○山﨑委員
　ありがとうございました。
潮流に遅れることなく取り組んでまいりたいとのことで、交通基盤部はとかく堅いイメージが従来からあるのですが、やはり先端的なものを進めていく心構えでやっていただけると担い手確保や新しい人材の掘り起こし等にもつながりますから、ぜひ旗印は掲げながら常に新しいものを希求する姿勢で取り組んでいただきたいと思います。

　続けて似た観点ですが、説明資料22ページの美しい“ふじのくに”インフラビジョンについて少しだけお伺いしたいと思います。
　ビジョンはおおむね10年間ですと。ただプランに関しては2018年から来年度ぐらいまで期間が定められており、来年度がプランの最終年度になりますが今年はコロナ禍で社会が一変したと思います。
(4)の視点とか重要な取組については、来年度はまだ今年度の延長でいいかもしれませんが、次のプランを描いていく際にはかなり変わってくるんじゃないかと思うので現時点でどう捉えているのか、また次のプランを作成するプロセスに関して教えてください。

○髙梨建設政策課長
　美しい“ふじのくに”インフラビジョンにおけるプランの見直しについてお答えします。
　現在、国土交通省においても次期社会資本整備重点計画の策定作業が進められており、検討の過程では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う人流、物流とライフスタイルの変化、公共交通の在り方など影響と課題が論点として整理がされた上で中長期的な目的、短期的な目標、取組の方向性、重要施策等が案としてまとまりつつあります。
　また、本県においても来年度はインフラビジョンの上位計画となる県の新ビジョンの見直しが予定されております。この１年を振り返っても先の社会情勢を予測するのは大変難しいと考えておりウイズコロナ、アフターコロナ、新しい生活様式といった視点は必ず重要になると想定しております。
　来年度が最終年度となるプランは、おおむね10年間の基本理念と課題、方向性を示したビジョンの下に定められております。見直しに当たっては中長期的なビジョンの取扱いにも当然言及しながら、国の計画と県の総合計画の改定作業を注視してインフラビジョン推進会議における有識者からの御意見、それから県議会や県民の皆様にも御意見を伺いながら新たな計画が来年度中に策定できるように努めてまいります。

○山﨑委員
　ぜひ期待したいと思います。
新型コロナと先ほどから出ているＩＣＴ、ＤＸ、それと脱炭素の部分が非常に大きなキーワードになりインフラビジョンにも当然影響を与えていくと思います。余すところなく取り入れて今後のプランをつくっていただきたいと思います。

　それでは、最後に遠州灘海浜公園篠原地区基本計画の策定に関して幾つか質問させていただきたいと思います。
　本定例会の代表質問で私が質問させていただき、長繩交通基盤部長から丁寧な御答弁を頂きましてありがとうございました。
　まず、頂いた答弁の中で幾つか確認作業をさせていただきたいのですが、今回調査検討の予算の中身に今後の野球場の在り方等についてプロ野球関係者へのヒアリング調査を行っていくとあるですが、これは具体的に何かお答えできるものがありましたら教えてください。

○内山公園緑地課長
　多くの観客を集めるプロ野球ではアフターコロナを見据えた様々な取組が行われており、この取組で蓄積されたノウハウがアマチュア大会などの運営などに生かされていくと考えておりますので、こういったアフターコロナ対応に向けた先進事例は見直しに必要な情報であると考えて調査を予定しております。

○山﨑委員
　国内において恐らく一番進んでいる事例だと思うのでプロ野球関係は評価したいと思いますが、具体的に目星をつけているのでしょうか。
例えば横浜スタジアム、楽天などはいろいろ工夫されているところがありますよね。もしありましたら教えてください。

○内山公園緑地課長
　具体的には、草薙総合運動公園の指定管理者が管理している東京ドームや、できれば近いところで名古屋、バーチャルの取組を行っている横浜が候補と考えております。

○山﨑委員
　ぜひそういったところを参考に意見を聞いていただきたいと思います。

　もうちょっと地に足をつけたところの質問で、今回の予算にも入っている官民連携に関してはサウンディング調査をしていくとのことでした。
やり方もいろいろあると思うのですが、現時点で構想されているサウンディング調査の中身、例えばその時期だとか、お伺いする内容について分かる範囲で教えてください。

○内山公園緑地課長
　予定しておりますサウンディング調査――日本語に直すと対話型市場調査となるようですが――官民連携による整備実現に向け民間が参入しやすい計画の形を模索することを目的としています。
　具体的なサウンディング調査の行い方ですが、県がＰＰＰ、ＰＦＩ事業の創出を目的として静岡県官民連携プラットフォームを開催しておりますので、企業や金融機関と公開の場で同じテーブルに着いていろいろ意見交換して助言や提案を頂けたらと考えております。
　官民連携プラットフォームについては、おおむね東・中・西それぞれ県内全域では９回ぐらい行われていると思いますので、そういった場を捉えて調査していきたいと考えております。

○山﨑委員
　篠原地区の公園基本構想は30ヘクタール近くあり野球場以外のところのほうが面積的には大きいわけで、野球場に関してだけ意見を伺うのかそれとも全体的な面をサウンディング調査にかけるのでしょうか。

○内山公園緑地課長
　一応公園全体で考えておりますが、やはり一番規模の大きな施設は野球場になりますので、野球場についても伺っていくことになると考えております。

○山﨑委員
　本来は全体的にお伺いしたほうがいいのでしょうけれども、サウンディング調査の欠点ではないのですがあまり広過ぎると民間事業者に負担が重過ぎていい意見が集まらない嫌いもあるそうです。確かに野球場はメインの施設になることは間違いありませんから、めり張りをつけた聞き方に注意しながら、ぜひ多くの事業者に参入してもらえる組み立てをしていただきたいと思います。

　それから、代表質問で再質問を長繩交通基盤部長にさせていただいて、浜松市や周辺の市町とある程度心を合わせていく時期に来ていることに関しては当然承知でしょうけれども、県の全体最適という観点から東部、中部、西部――西部には野球場がありませんという中で御回答を頂きました。
　若干すれ違いはありましたけれども、浜松市あるいは自治会や経済界からも大きな球場にしてほしいという要望に応えるために、県としてしっかりとやるべきことをやっていくと私は捉えましたのでそれはぜひ評価したいと思います。
　ただ申し上げましたように、この公園って野球場がメインにしてもそれ以外の面積のほうが大きくて、もっともっとたくさんの方々が利用される公園であることを一番利用される県西部の方々、特に浜松市や周辺の自治体の方と心合わせをしておく必要があると思います。今までやられていることも聞いたことがないし、今後野球場以外のところの費用負担やどのように使っていくのかという役割分担の在り方に関しても話が進んでいないと思いますので、野球場は最優先ではありますけれどもコミュニケーションをもっと活発にしておくべきだと私は思っていますが、最後にそこだけ確認させていただいて質問を終わりたいと思います。

○内山公園緑地課長
　現在基本計画を策定している対象範囲は、御指摘のとおり非常に広く既に浜松市が整備に着手しているエリアもあります。従来も基本計画策定に当たっては浜松市とは連携しながら行ってきておりますので、今後につきましても気を使いながら進めていきたいと考えております。

○和田委員長
　ここでしばらく換気のため５分ほど休憩します。

（　休　憩　）

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