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委員会会議録

質問文書

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令和2年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:03/09/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 それでは、私からも何点か一問一答方式で質問させていただきます。
 まず、きょうの午前中の難波副知事、そして午後のJR東海の皆さんのお話を聞いてのことでございます。国土交通省がつくろうという有識者会議について、これまでは国土交通省が交通整理役となっていると思うんですけども、先ほどJR東海の副社長さんのお答えだとこれは国家事業だとおっしゃったものですから国土交通省も推進する立場に入るのかなと、私はそんなふうに伺いました。
したがいまして、有識者会議は中立性を保てるかどうか、先ほどのお答えを聞いて私は非常に疑問に思ったんですけれど、その点についていかがでしょうか。

○織部環境局長
 1月30日に出した文書の中で、この会議の目的は国土交通省によるJR東海への指導とすることを明確にしています。これは県に対する指導ではないですと。委員とか会議の長につきましても、中立公正を求められていますときちんと述べておりますので、そこが確保できないとこの会議は動かない認識でおります。

○小長井委員
 建前上はそうかと思うんですけれど、JR東海の副社長さんのお答えを聞いていると、これはもう国土交通省とJR東海が一体でやるんだと。何が何でもやるんだと、そんなふうに聞こえたもんですから、私はかなり心配しております。

 それから、本坑はポンプアップしないということで、山梨県側から掘っていくと。そうなりますと、JR東海は全量を戻すと言いながら山梨県側へ流れる水が多いと。私は今数字を持っていないですけれど、山梨県側から掘っていった場合に水が向こうへ流出する量は膨大で、とても許容できる量ではなかったとの記憶があります。全量を戻すと言いながら、きょうのお話だと戻さないと言ったと思うんですけれど、その辺についてはいかがでしょうか。

○田島くらし・環境部参事
 本坑につきましては、基本的には先進坑という並行した小規模のトンネルがあるんですが、それが開通した後に本坑自体の掘削を始めるとのことですので、本坑自体の水は先進坑でキャッチして静岡県側に戻すという意味であると解釈しております。

○小長井委員
 畑薙山断層が大量の水を含んでいることはJR東海のボーリング調査でも明らかになっています。それを戻すとなると下りで掘っていかないと――JR東海は作業員の安全にかかわるという言い方をされておりますが――それを進めていくと静岡県側の水はほとんど戻らない状況になってくると思います。その辺のところも専門家会議の中で議論されていくと思いますので、指摘させていただきます。

 それともう1つ、先ほど6番委員からヤマトイワナの移植等についての質問がございました。
私もきょうは時間がなかったものですから、生物多様性までの質問は半分もいかなかったんですけれど、例えばイワナだけを移植すればいいという話ではなくて、それにまつわる食物連鎖がありますから、水生生物、昆虫など一切を含めたものでなければならないと。そうしないと、果たして生態系を維持できるかどうかという問題も残ると思います。蛇抜沢は水が抜けてしまうというお話も先ほどの説明の中でありましたが、非常に大きな影響がある。西俣非常口より上へはポンプアップして水を落とすと環境に大きな影響があるから、それはできないとJR東海は言っているけれども、その辺についてお聞かせください。

○服部自然保護課長
 蛇抜沢につきましては、いわゆる工事ヤードの一番上流部であります西俣ヤードより上流にあります。今JR東海は、西俣ヤードまではポンプを設置するので、そこから下流に関してはポンプアップした水を戻すと言っております。ただし西俣非常口から上流の部分に関しましては、逆に環境負荷がかかるので設備的なものは設置できない中で、先ほど御指摘のあった蛇抜沢の上流部をどう保全していくかというと、今JR東海が表明しているのは、なかなか守り切れないので、先ほどもお話がありましたけれどもヤマトイワナをかわりに増殖する、いわゆる代償行為という形で考えられないかと話をしております。

○小長井委員
 なかなか大変な話だと思いますね。中下流域への影響はないと副社長さんがおっしゃっておりましたが、果たしてそうかどうかと。確かに鉛直構造とかいうんですかね、地質が。そういうことで地下水への影響はないとおっしゃっていると思うんですけれど、考えてみますと今までの議論の中でトンネルを掘っていくと大量の湧水が出て山体の水がなくなるということは、つまり渇水期になって山体に含まれた水が沢へしみ出ることが全くなくなるとは言わないにしても、ほぼなくなる状況になると。そうしますと渇水期に表流水がなくなれば、この表流水は中下流域に行った場合にこれは当然影響があると考えますが、その辺についてはいかがでしょうか。

○前島水利用課長
 トンネル工事と中下流域の地下水利用の関係の御質問だと受けとめてお答えさせていただきたいと思います。
 中下流域の地下水につきましては、トンネル工事をやっている箇所からかなり距離があるという議論もございますけれども、その地下水がどのように流れていてどの時点で中断されてしまうのかはまだはっきり説明されていません。そういうことを地質構造・水資源専門部会の委員とJR東海さんの示す説明資料で対話を進めているので、しっかりと因果関係について説明してもらうように求めたいと考えております。

○小長井委員
 この件に関しましても、先ほど言いました希少動植物の移植の問題につきましても、午前中の難波副知事のお答えの中にもありましたように河川流量が減らない、地下水は低下しないとJR東海は言っていると。それともう1つは、実施した環境影響評価はこれで十分だということとは相入れない話かなと思いますので、その辺についても指摘させていただきます。

 それから、重金属のことについて時間がなくて余り聞けなかったんですけれども、重金属は本当に海底でチムニーみたいなのができて、それが地質の変化でということで、地層になっているわけでも何でもなくて、本当に山の中にぽつぽつとあるものだと聞いております。これを見つけるのはなかなか大変だと思います。
 ただし、チムニーは並んでいることが多いんで、1つ見つければザーッと見つかるともおっしゃっておりますけれど、非常に厳しいというか有毒なものもあると聞いております。これについて先ほど、処分場は井川の村よりもまだ上流部の場所をおっしゃったと思います。確かに15メートルの高さのところにあるということですけれども、その辺のところはこれだけの重金属の処分として果たして適切かどうか。もしものケースですね、十分な管理をしているとおっしゃっているが、管理ができなかった場合には下流域に大きな影響を及ぼすと思いますが、その辺についてはいかがでしょうか。

○鈴木生活環境課長
 重金属の発生土置き場への置き方とかを含めまして、現時点では先ほどJR東海から御説明がありましたが、詳細についてはまだわかっておりません。今後JR東海から発生土置き場管理計画が出てきますので、その段階で詳細の説明を受けて検討していくことになるかと思います。

○小長井委員
 非常に大きな問題にもなるかと思いますので、慎重に対応していただきたいと思います。

 それから、突発湧水と濁水処理施設のことで5番委員へのお答えの中に事前の情報、先進坑を掘っていって、その情報をもとに濁水処理施設を設置していくというお答えをされていたと思うんですけれど、濁水処理施設はそんな簡単に移動できるものかということですね。
 80メートルの長さがあるものをトンネルの中に設置して全部合わせれば3キロ近くの長さになるものをトンネルの中につくっていくんですけれど、そんな簡単に移動できるのかどうか。時間がかかるようなら工期にも大きく影響する話だと思うんですね、どこで水が出るかということで。その辺についてはいかがでしょうか。

○田島くらし・環境部参事
 今8番委員御指摘の点につきましては、専門部会の中でも疑義が投げかけられております。実際、今JR東海さんが計画しているような基数はあくまでも想定どおりに突発湧水がそこで発生した場合という仮定に基づいた計画ですから、要するに例えば10基その施設を並べなければならないというと、1基80メートルありますので800メートルになってしまうんですね。
 例えば、100メートル先でそれが発生した場合には、それだけ並べるスペースがありませんので、そういったことも考慮した対応策を事前に考えてくださいと今投げかけております。

○小長井委員
 もう1つお答えの中に、非常口で掘っていった水を、本坑も含めてですかね、処理すると。処理した水を排出した後のチェックをするとお答えしていたと思うんですね、私の質問に対する答えではないんですけれど。どこにどのような施設をつくってチェックするか、あるいはチェックした結果、例えば有害な重金属が含まれていたらどうするかについての議論はされていますでしょうか。

○田島くらし・環境部参事
 現段階でまず機械、処理施設の出口で1回調査をしますと。そこで重金属などのいろんな物質のチェックを行う。さらにその機械も完璧ではない可能性があるので、実際川でどんな影響があるかはそこの水質調査をやる。また生態系の調査をやると。ただその頻度は、まだ委員が求めている頻度で行われると表明していないものですから、その点についてまた今後議論が必要かと思います。

○小長井委員
 重金属はいつどこに出てくるかわからない面もあろうかと思うんですけれど、そうしますと本当にかなり頻繁にやっていかなきゃならないと思いますし、最下流に来てチェックしたところ重金属が含まれていると。ところがもう川ですよね。それでは手おくれになるわけです。そういったことをしっかり監視できる議論を進めていただきたいと思います
 それから補償についてですけれど、影響を回避することは大前提でありまして、補償についての議論をする段階じゃないと思っています。
 そう思った上で1つ申し上げれば、例えば山梨県の上野原、あるいは大月の例を見ますと、水がなくなって井戸を掘ると、井戸を掘ってその水だけでも足りなくなる状況が現に起こっていると聞いています。
 大井川に関しては62万人の住む地域の水でございますので、規模が全く違うと。しかし例えば井戸を掘ってやると、補償だということは多分JR東海さんもやらないと思いますけれど、井戸を掘ればその井戸から今度は下流に大きな影響が、問題が出てくるので、これは現実的な話ではなく補償の問題もいろいろ議論もあろうかと思いますが、私はそれを回避することは大前提ということで議論を進めていただきたいと思います。以上で終わります。

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