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委員会会議録

質問文書

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令和4年6月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:宮沢 正美 議員
質疑・質問日:06/28/2022
会派名:自民改革会議


○宮沢委員
 一問一答方式で一問で、リニアの問題についてお聞きします。
 いろいろ聞きたいことがあるんですけれども、リニアの問題については議論を重ねておりますがいまだにいろいろな見通しがなかなか立っておらず、難波前副知事がずっと担当していたためこの問題の解決までは理事としてお残り頂いたと私は理解しております。
 そうした中、議会答弁、あるいは記者会見での知事の発言を聞き、専門的なことは分からないんですが、確認しておきたいことがあります。
 まず、よく出てくる全量戻しとはどういうことを指しているのか県の認識をお聞きしたいと思います。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 トンネル湧水の全量戻しにつきましては、まずトンネル湧水とはトンネルから出た水の全量であり、戻しとは大井川水系に戻すことです。静岡県境の大井川水系の中で出たトンネル湧水の全量を大井川水系に戻すことが全量戻しになります。トンネル湧水の全量戻しですので田代ダムで調整するとトンネル湧水の全量を戻したことにはなりません。トンネル湧水そのものを全量戻すわけではなく流れ出る水と相殺して取水しないことですから、正確にはトンネル湧水の全量戻しにならないわけです。ただ疑似的に大井川の流量面では同じ効果がありますので全量戻しと言えなくもありません。したがって御指摘のとおり全量戻しの定義をしっかりしていかないといけないと思っております。
 また、JR東海は工事中に出た水を一時は全量戻しする必要はないと言っていましたが、国の有識者会議では工事中に出た水の全量も大井川水系に戻さないと県が言ってる全量戻しにはならないと国の中間報告にはっきり書かれておりますので、工事中に出た水も含めて全量と理解しております。

○宮沢委員
 答弁頂いたように、捉え方、定義が発言する人によっていろいろと違うのでなかなか議論が分かりにくいと常々感じておりました。難波県理事からも説明を頂きましたが、これに関連して知事は一滴も水を漏らさないと度々発言するわけですけれども、一滴も水を漏らさないことと全量戻しをどう考えたらいいのか、見解があれば教えてください。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 一滴でも減ると全量戻しにはならないことは、科学的にはそうだと思います。計算上と言ったほうがいいかもしれません。一滴たりともという話になってくると事実上一滴の計測は不可能ですから、現実的にはあり得ないわけです。ですので一滴もというのは全量戻しの裏返しの表現だと私は理解しております。

○宮沢委員
 工事中の水を一滴もとなると恐らく不可能だと思います。例えが悪いかもしれませんが、水道工事でバルブを外すときには漏れるわけですから、それが生活に支障があるなら大きな問題ですけれども、もっと柔軟な解釈や考え方に立っていかないとこの問題の議論はなかなか進んでいかないと思います。
 県は専門部会をつくっていろんな議論をしているのですが、県と専門部会の関係をどう考えたらいいでしょうか。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 専門部会は2018年にJR東海が全量戻しを表明したことを受け、対話の共通認識ができたということで、水資源と生物多様性の専門部会を設けて対話を進めたております。
一方有識者会議は、専門部会の対話がなかなか進まなかったためうまく進むようにと、あくまでJR東海を指導する目的で国が設置したものです。

○宮沢委員
 県と専門部会の関係ですけれども、専門部会は県の考え方を追認して議論するのか、あるいは専門部会の考え方を参考にして県が方向性を決めていくのか、どちらなんでしょうか。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 専門部会は県が設置しておりますが、議論の内容は独立していると思っております。専門部会の委員の先生方が審議した考え方を踏まえますが、専門部会は国やJR東海に対して何かを言う立場にはないため、県が文書をつくって専門部会でこうした議論がされたので、国やJR東海に検討していただきたいとお願いする形を取っております。

○宮沢委員
 先日JR東海が全量戻しに関わる2案を出したと先ほどの議論にもあったとおりですが、その発表を受けて知事は痛烈にこの案を批判しました。この問題は専門部会にお諮りし、皆さんの意見を聞いて県の方針を決めていくことが当然の議論の進め方だと私は思いますが、その点についてはどうお考えでしょうか。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 その点については、知事は県政のトップであり政治家でもありますから、ある種の価値判断が可能だと思っております。通常の行政対応ではなく、私はこう思いますとはっきり言っていい立場だと思います。我々事務方は行政、公務員として事実に基づいて行政判断をしっかりしていくことが大事ですので、知事の価値判断と一般職員としての行政判断には時間的な差や内容に微妙なずれが出ることはあり得ると思っております。

○宮沢委員
 大変無理のある答弁だと思います。せっかく専門部会をつくって議論していただいているので、その議論を踏まえて県の方針を決めていくのはトップの在り方や県庁の在り方だと思っておりますので、そういうつまらないところで議論がかみ合わなくなるわけです。だからつまらないことはもうやめて、真摯にこの問題に向き合って県庁全体の文化をつくっていくことが解決に向かう1つの方法だと思っております。
 田代ダムの問題について先ほど意見が出ましたけれど、もう4年前、5年前でしょうか、大井川用水の皆さんと話し合いをしたことがございまして、そこの事務所に行くと田代ダムのいろいろなことが載っております。私も初めて田代ダムの存在を知ったわけですが、当時から田代ダムを使ってくれとおっしゃっている方々もおりました。だから唐突にこの案が出てきたのはちょっと理解できないんですけれど、県としてそういった情報は十分につかんでいたと思いますので、本当に水問題の解決策になるかどうかはまた今後の議論にお任せしますが、もう少し柔軟に考えていくべきかと思っております。

 それからもう1つ、難波県理事は専門家ですからお聞きしたいと思いますけれど、議会の中で科学的根拠という言葉も出てきます。
 自然現象を科学的に100%証明することはできるのでしょうか。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 自然現象には必ずと言っていいほど不確実性があります。とりわけ南アルプスのような調査がしっかりされていないところは山の中がどういう状態になっているのか分かりません。したがって不確実性があることを認識すること自体が科学的な考え方だと思っております。

○宮沢委員
 さっきの水の問題に戻りますけれど、私は100%科学的に証明する方法はないと思っています。幾ら科学的な根拠に基づいたとしても100%を保証できるものではないと思っておりますので、それについても議論の1つとして考え方の根底に置いていただくとありがたいなと思っております。

 もう1つ、水問題と環境問題のお話が出ており、環境保全有識者会議を設置していろいろな議論を進めるようですが、この会議の議論もリニアの問題に大きく関わってくるとお考えでしょうか。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 国の有識者会議の議論ですけれども、水資源問題のときは県とJR東海で議論や対話が膠着し進まない状況を見かねて国交省が有識者会議を設置しました。これはリニアの議論を進めるために重要な対応であると思います。生物多様性や生態系についても同様で、これまでJR東海と対話をしてきましたけれど今回環境への影響が回避、低減できないことが明らかになってきましたので、これからどうするかしっかりと対話していかないといけません。これを県の専門部会に委ねるのか、国が取り上げて県も国も総力を挙げる形でやるかという選択だと思います。県も依頼しましたが、この段階になると国はしっかりと科学的、客観的な観点から議論を詰めていかないといけないと認識を持っていると思いますので、リニア問題の進展にとって大変重要な取組だと認識しております。

○宮沢委員
 大変重要なテーマになるかと思うんですけれど、私の感覚ではこれは恐らく相当な時間がかかると思っております。そうしたことを合わせるとリニアはなかなか難しいのかなという印象を持っていますが、難波県理事としてはリニアはあと何年ぐらいかかりそうですか。答えられたらお願いしたいと思います。

○難波県理事(リニア中央新幹線・熱海土石流災害担当)
 先に申し上げますと、何年くらいかかるのかは本当に分かりません。先ほどもお話があったように、分からないことを明らかにし、どうしても分からないことをどのように判断するかがこれから求められます。まだ分かっていないことも多いですから、これを詰めていく必要があると思っています。
午前中の議論にも関係しますが、もともと南アルプスルートの問題は認識されていたがここはいけるだろうと十分な議論がされずルートが選ばれたのが実態だと思います。これが山梨県側と違うところで、巨摩山地は回避できるので回避して、南アルプスは回避できないので通すしかなかったと。多分いけるだろうという考えから始まっていますので、その段階で十分に詰めていなかったツケが今回ってきているんだと思います。したがって静岡県がいたずらに議論を引き延ばしているわけではなく、もともと検討が不十分だったことが今ここに来て表に出てきていますので、しっかりと検討を進めていく必要があり、かなりの時間がかかると思っております。

○宮沢委員
 状況を見ると相当の年月がかかる認識を持っておりますが、ならばなぜここでリニア中央新幹線建設促進期成同盟会に入るなんて言い出すんですかね。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 リニア中央新幹線建設促進期成同盟会への加盟の意義については先ほどお答えしたとおりですが、本件はリニア中央新幹線ができることによって新幹線に新たな利便性が生まれるということで促進に賛同し、同盟会の申請をしたところでございます。同盟会の決議において影響への回避、低減と中央新幹線の両立の必要性があるとし、有識者会議での積極的な議論の推進とともに地元自治体の理解を得て進めるとしていることは、まさに本県の言っていることと同じであると思っております。
 また、生態系の議論におきましても、12月19日の中間報告が出た後に1月に国に求めていた有識者会議の早期開催が6月までかかったのは本県が止めていたからではありません。しかも本県だけでなく他府県における発生土問題などの共通課題は同じ立場である沿線都府県として一緒に考え、要望していくべきではないかと思っております。

○宮沢委員
 そういうお考えのようですけれど、私はそうは思いませんね。ある程度見通しが立ってからやるべきだと思っております。環境保全有識者会議なんて、これから論点を整理してやっていくとなると何年かかる仕事か分からないじゃないですか。見通しが立ってある程度いけるとなれば同盟会に入ることも必要なんでしょうけれど、その辺は見解の相違ということで終わります。以上です。

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