本会議会議録


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令和2年12月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:加藤 元章 議員
質疑・質問日:12/14/2020
会派名:自民改革会議


○加藤委員
 一問一答方式でお願いします。
 何点かお伺いしますが、最初に産業委員会提出案件の概要及び報告事項の27ページです。
 先端産業創出プロジェクトの推進で、今回コロナ禍で大変な状況になっているわけですが、説明資料にあるとおり命を守る産業への転換を図ることは非常に重要なテーマだと思います。
 そこで、現時点での進捗状況及びその成果の認識についてまずお伺いします。

○三田新産業集積課長
 説明資料27ページの3つの事業の進捗状況についてお答えします。
 まず、マスク等生産設備への助成につきましては10件を採択し、うち不織布マスクとフェイスシールドの各1件ずつが既に生産を開始している状況です。不織布マスクは県産品として地元小売店の協力の下、店頭販売されて県民の元にも届いております。
 2つ目の医療機器産業基盤強化推進事業費助成につきましては17件を採択したところです。この中から既に浜松市の企業が空気中の超微細異物の除去装置を製品化しております。また浜松医科大学等と協力して、新型コロナウイルスの抗原検査の新技術に関する実証実験を12月から開始した企業も出ており、検査の精度向上に今後貢献すると考えております。
 3つ目の緊急時医療用ガウン等生産体制構築事業につきましては、富士市の天間特殊製紙株式会社に不織布の生産実施を委託しております。不織布を生産し地域の縫製企業がガウンの加工を行った上で、静岡がんセンターなどの医療機関に着用感などを評価頂き改良していきたいと考えております。

○加藤委員
 どんどん推進していただきたいと思いますけれども、マスク、ガウンは実際県内の医療機関でまだ足りず完全な供給体制になってない。つまり正規の職員にはちゃんと配られるんだけれども、サポート役の方々には純正品といいますかきちっとしたものが届かないこともあるみたいなんですが、県内医療機関とのマッチングの仕組みができているのかお伺いします。

○三田新産業集積課長
 マスクの生産設備の事業では、既に地域の医療機関から求められ供給する計画を盛り込んでいる企業もありました。また健康福祉部がトライアル発注を行っており、できたものを医療機関で仮に使ってもらい試用を経て問題がなければ県の備蓄用として本格的な発注が行われる予定と伺っておりますので、こうした取組を通じ医療機関に提供していくことができると思っております。

○加藤委員
 大分前に川勝知事が国に対して国産でワクチンを製造するようにと主張されていた記憶があるんですけれども、それに附随していわゆる対コロナ上のコアとなる薬や説明資料のファルマバレーにも説明があります抗原検査キットなど直接的なものとして何か取り組まれるものがあるのかとその可能性を教えてください。

○三田新産業集積課長
 薬などのコアな領域についてです。
 医療機器産業基盤強化事業の中でも、新型コロナウイルス治療薬開発の項目で手を挙げて採択された企業も出ております。この企業におきましては、候補となる化合物の薬の効果検証を実施していく計画を出しておりました。
 また、先ほど7番委員からも御指摘がありましたが、ファルマバレープロジェクトにおきましても、ファルマバレーセンターの支援により開発した技術を活用して新型コロナウイルス抗原検査キットを開発し、10月に供用を開始した地域企業もあります。引き続きファルマバレーセンターにおいては企業の支援をしていくと伺っております。

○加藤委員
 よろしくお願いします。
 続きまして、説明資料30ページ新たな広域経済圏の形成についてです。
 さきの9月議会でもいろいろ質問があったかと思いますが、山梨県、長野県及び新潟県との連携によるバイ・山の洲(くに)の取組についてお伺いします。
 縦ラインで長野県、新潟県はかなり距離感もありますし交通アクセスの問題等もあるのでその効果について疑問を呈した経緯があったかと思いますけれども、これまでの進捗状況やそれを踏まえての今後の見通しについてお伺いします。

○土泉マーケティング課長
 バイ・山の洲(くに)の進捗状況と今後の見通しについてお答えします。
 まず、バイ・山の洲(くに)の取組につきましては、11月19日に長野市において川勝知事と3県の副知事が会談した際、川勝知事から趣旨を説明し4県が連携して取り組んでいくことが確認されたところです。また来年1月14日に新潟県で開催されます中央日本四県サミットにおいてバイ・山の洲(くに)共同宣言の採択を目指す予定となっており、実施に向けた調整を進めると伺っています。
 取組のうち、経済産業部が所管する県産品の販路拡大につきまして今年度は9月補正で予算措置を頂きました県産品セット商品の開発やデジタル商談会の開催により、静岡県産品の山の洲(くに)への販路拡大を図っていく所存です。またバイ・ふじのくにで山梨県と連携して取り組んでおります物産展等の取組につきまして、中央日本四県サミットの枠組みにより中部横断自動車道の開通を契機としサービスエリア等で合同開催などの可能性を長野県、新潟県と協議を進めてまいります。

○加藤委員
 取組状況については理解しましたが、現時点で具体的な取組をする上で具体的な成果の見通しについて、経済効果でもいいし数値的なことで何か出てるものがあったら教えていただきたいと思います。

○土泉マーケティング課長
 山の洲(くに)の今後の取組につきまして、実際に各県との打診が幾つかありまして、その中でこういったコロナの時代ですので遠隔、ECやデジタルを使った商談会といった流通の構築を進めていこうと考えております。数値的なものについては今後詰めてまいりたいと思います。

○加藤委員
 いい取組ですのでぜひ効果が上がるようにしていってほしいんですが、私は県民それぞれが認識するとすごく大きな結果が出る気がしています。私は沼津市出身で、たまたま昨日沼津市で多分一番大きいフルーツ屋さんにせっかくこういう企画があるので、山梨県や長野県のフルーツを買いたいと思って行ったんですが、そこには全く置いてなくてお店の方も全然知らないんです。非常にもったいない気がしました。ですのでそういったところまでちゃんと情報が落ちていくマーケティング戦略が必要と思いますけれども、その点について何かお考えがありましたらお願いします。

○土泉マーケティング課長
 特に沼津市におきましては、山梨県知事がいけすやに訪問していただいて民間レベルでも具体的に物産のやり取りや即売会のやり取りが始まっているようです。
 こういった取組につきましては、新聞などのメディアを活用し積極的に広報させていただいており、県政インターネットモニターアンケートでも消費者側からも事業者側からも半分以上の6割近くの方が関心を示されて知っているとのお答えも頂いておりますので、今後ともただ事業を進めるだけでなくきちんとメディア等を活用して情報発信に努めてまいりたいと考えております。

○加藤委員
 ぜひよろしくお願いします。
 次に移りまして、説明資料83ページにあります新型コロナウイルス感染症による県内水産業への影響と支援策の事業についてお伺いします。
 この中で、沼津市も養殖のマダイやマアジが非常に大変で、首都圏や大消費地への出荷がままならないことからコロナ禍になり当初より出荷が滞ってしまって、その結果県でそれを学校給食に提供する事業を立て補正予算でやっていただいた経緯があります。この事業についてその状況と評価をまずお伺いします。

○青木水産振興課長
 7番委員御指摘のとおり、多くの在庫を抱えました養殖魚のマアジ、マダイ、ウナギ、ニジマスを学校給食に提供する事業を6月補正で実施させていただきました。11月までに約26万食を提供しさらに今年度末までに約34万食の受注を受けています。
 提供した学校の栄養士からは、地場水産物の良さを再認識したとの声を頂くと同時に、笑顔で給食を食べる生徒たちの写真が寄せられております。また対象とした養殖魚の滞留在庫の解消にも大きな事業効果があったと認識しております。

○加藤委員
 年度末までかなりの量が出るのでよろしいかと思いますけれども、この間沼津市の学校給食会で私も状況を聞いてきたんですが、おっしゃるとおり非常に好評で、ふだんは使えないような高品質の食材でもあり、魚だけでなく牛肉やメロンも提供していただきました。現場や子供たちにとっても大変好評ではあるんですけれども、御存じのとおり給食は献立が1年前に全部決まっているので来年度の献立も沼津市は全部決まっているんですね。なので極力早く施策として決定していただくことが大事だと思います。
 今年度については今御答弁あったとおりでよろしいかと思うんですけれども、一方でそういう状況も踏まえ、かつ養殖業者も含めて非常にまだ厳しい状況であると私の耳に入っておりますので、来年度以降の展開をどうしていくかお考えがあったらお伺いします。

○青木水産振興課長
 7番委員御指摘のとおり、地元の食材、水産物を学校給食に提供することは食育的にも水産物の消費拡大にも重要であると認識しています。提供先の学校からは好評を頂いていることもありまして、今後も継続して給食で水産物を使っていただけるようにつなげていきたいと考えております。

○加藤委員
 今の御答弁は、来年度に向けても継続的に事業としてやっていくことを考えているとの解釈でいいのか、一応お伺いします。

○青木水産振興課長
 事業という点では、予算のこともあってなかなかお答えしにくいのが実情ですけれども、今年いろいろなノウハウを得て学校にも喜んでもらった事実もありますので、それらを消さないようにしていきたいと考えております。

○加藤委員
 今の件に関して、逆に出荷サイドである養殖業者が現時点で状況も含めてどういう認識でいるのか、何か声を聞かれてますでしょうか。

○青木水産振興課長
 夏に養殖魚が出荷できず、いけすがパンパンな状況で困っていたときに学校給食に使うことができ、大変喜んでいただいたと認識しています。

○加藤委員
 来年度も継続していただけるよう関係者の皆さんの御意見を聞いていただいた上で、ぜひ前向きにまた御検討頂ければと思います。

 続きまして、新ビジョンの中から質問させていただきたいと思います。
 静岡県の新ビジョン評価書案のA3資料3ぺージのフジノミクスによる経済の拡大に記載がありますけれども、コロナ禍で来年国もデジタル庁を創設する動きの中で、これからデジタル化が非常に大きなテーマになっていくと思います。
 そんな中で、このDX――デジタルトランスフォーメーションという言葉が非常に唐突でありますけれども、そういうタイミングでもあるので出てきているわけですが、このデジタルトランスフォーメーションは非常に重要な観点だと思います。今後県政の中、特にこの産業委員会の中で具体的にこれをどう解釈して柱としていくのか、その認識についてお伺いします。

○齊藤産業政策課長
 ただいまのDXに関する質問についてお答えいたします。
 まず、DXにつきましてはAI、IoTなどデジタル技術を活用して既存の枠組みを変革し新しい価値を生み出すといった意味として捉えております。単にアナログからデジタルに移行するだけでなく、デジタル技術を活用し従来のビジネスモデルを変革していくことがポイントと考えています。
 県としましては、こうしたDXの導入により様々な分野において飛躍的な生産性の向上や新たなビジネスチャンスをもたらすことが期待されますので、産業面におきましてもDXの導入支援等を積極的に行い経済成長を牽引するリーディング産業の育成を推進していきたいと考えております。
 取組ですが、説明資料23ページ産業成長戦略の推進の下段に産業成長戦略2021骨子案の主なポイントがあり、今御指摘の点につきましては(5)DXによる行政・産業のイノベーションの3段目にIndustry Innovation×DXなど3つの取組の記載があります。
 順番に簡単に説明しますと、Industry Innovation×DXは、ファルマ、フーズ・ヘルスケア、次世代自動車産業、こういった分野にDXを導入してリーディング産業を育成していく取組であります。Green Innovation×DXにつきましては農林分野、エネルギー分野においてDXを取り込んでいきます。Blue Innovation×DXにつきましては水産・海洋分野においてDXを取り込みリーディング産業の育成等を図っていきたいと考えております。

○加藤委員
 ありがとうございます。
 これをこれからどんどん行政側として政策に取り込みしかけていくことが産業界にも大事だと思うんですけれども、その意味では当局側としてもかなり専門性を持った人材が必要だと思います。その取組方針がありましたらお願いします。

○齊藤産業政策課長
 DXを推進するに当たって大事な点は人材の確保と思っております。例えば来年の4月に開校する県立工科短大において先端の技術者を養成をしていくほか、企業人のITリテラシーを向上させるためにITの専門家派遣事業を拡張していきます。
 それぞれのプロジェクトごとにDXの導入方法があります。例えば次世代自動車産業におきましては3次元のデジタルデータを活用しますので、先ほど言いました県立工科短大の3D設計者養成講座で進めていきたいと思っています。
 また、県内企業にIoTを実装し強靱なサプライチェーンを築いていくため、国の産業技術総合研究所との共同研究やIoTのシステムを構築していくほか、県工業技術研究所にありますIoTの推進ラボを活用しながら企業へのIoT実装を図っていくことも取り組んでいきたいと思っております。

○加藤委員
 ぜひよろしくお願いします。
 次は、評価書案182ページ6の1魅力的なライフスタイルの創出の活動指標に、児童生徒の静岡茶愛飲に取り組んでいる学校の割合があります。お茶関係が今年は特に厳しかった中で非常に本県らしい大事な取組だと思いますが、目標値100%に対して2019年度の現状値が94%でかなり目標値に近づいていると書かれています。しかし中身としてどの程度愛飲されてるかが見えず、それがどういう状況なのかお伺いします。

○小林お茶振興課長
 静岡茶愛飲の取組状況についてお答えします。
 現在、県内には約800の小中学校がありますが、このうち94%約750校で愛飲の取組が行われています。以前から愛飲に取り組んでいる学校は給食の時間にやかんでお茶を出す取組が行われており、新たに愛飲に取り組んだ学校では、手軽にお茶を飲めるように粉末のスティック茶や小中学校に給茶機を設置していつでも手軽に飲める等の取組を行っております。
 また、各家庭にも協力頂きまして、水筒にお茶を入れて持ってきてもらって学校で飲むといった取組も併せ、愛飲を県下で普及しております。

○加藤委員
 これによって具体的なイメージとして生徒1人当たり年間何回どのくらいの量を飲んでる等分かりやすい数値があったら教えてください。

○小林お茶振興課長
 毎年アンケート調査を行って実数を調べておりますが、具体的には1人当たり年間で5日以上の取組を各学校でやってもらうことを最低の基準として設けております。

○加藤委員
 年間5日だけだと、給食が200回ぐらいあると思いますのでなかなか愛飲家の定着まではいかない気もします。
 申し上げたいのは、非常にいい政策なので出口戦略をこれからきちんとしていかなきゃいけないですし、固定ユーザーの子供たちは人生長いので、この頃にお茶の愛飲を生活の中にきちんと取り込んでいただく政策展望がすごく大事だと思うんですね。ですので何となくやっているのではなく、本当に定着させるぐらいのレベルにしかけていってもらいたいのが私の考えですけれども、その点いかがでしょうか。

○小林お茶振興課長
 学校によっていろいろな取組があり、例えばお茶の産地ではこれまでも地元の生産者や農協、茶商と連携して非常に手厚い愛飲の取組をやっております。ただ産地でない学校もたくさんありますので、そういったところには年間でお茶を持ってきて飲んでもらうといった取組の指標を定めてやっております。
 例えば、11月24日に和食給食の日や毎月19日のふるさと給食の日、1月下旬に全国学校給食週間などを設定し推進を図るほか、これから寒くなりインフルエンザもはやってきますので、こういったときにマイボトルでお茶を持ってきて飲むことを幅広く広げていきたいと思っております。

○加藤委員
 今のコロナウイルスが拡大した当初、お茶が抗ウイルス作用があっていいとの報道がありましたけれども、そのときだけで消えちゃった気がするんですが、実際どうなのかと現状の認識をお伺いします。

○小林お茶振興課長
 緑茶については、カテキンがインフルエンザウイルスに対して効能があると研究で明らかになっていますが、新型コロナウイルスに対しましては本県でも現在研究中であります。本県につきましてはしっかり論文として発表し、エビデンスのあるデータとしてこれから情報発信してまいりたいと考えております。

○加藤委員
 ありがとうございます。
 コロナのこともあるし皆さん過敏になっているわけですけれども、インフルエンザも危ないので、子供たちに予防していただきたい意味ではお茶の愛飲を今このタイミングで集中的にやってもらうことはできないですか。

○小林お茶振興課長
 7番委員から御指摘のありましたとおり、冬になりますとインフルエンザ発症の時期になってきますので、県の茶商工業協同組合や茶業会議所、JA経済連とこういった取組を推進していく話はしておりますので、教育委員会と連携しチラシによる周知も併せて図っていきたいと思っております。

○加藤委員
 学校での取組についてお伺いしましたけれども、全県民に対しても周知できることだと思いますし1つのチャンスと見てこのタイミングで茶の拡大を進めていただく点を意識を持って取り組んでいただきたいと思います。

○藤曲委員長
 ここでしばらく休憩といたします。
 再開は15時5分とします。

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