本会議会議録
質問文書
平成27年決算特別委員会厚生分科会 質疑・質問
質疑・質問者: | 木内 満 議員 | |
質疑・質問日: | 10/29/2015 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○木内委員
6番、木内です。よろしくお願いします。
決算特別委員会より、会派が自民改革会議に変わりましたことから、席次がこのように変わりましたので、どうぞよろしく引き続き御指導のほうお願いいたします。
それでは、一問一答方式で質問させていただきます。
まずは、全体の決算についてですが、県全体の決算において不用額が207億円余ということで、平成25年度の1.5倍と新聞でも大きく取り上げられております。健康福祉費関係で約37億円の不用額が出ておりますけれども、その不用額についてどのようにお考えか、まず全体的なお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○山内経理監
健康福祉部の平成26年度の不用額についてお答えいたします。
不用額のうち、健康福祉部の不用額につきましては、医療費の助成、手当、措置費等の義務的経費がその主な内訳となってございます。このような義務的な経費につきましては、年度によって所要額に変動がございますため、予算不足にならないように予算を確保していることから、見込みを下回ることにより不用額となってしまう場合がございます。今後とも所要額の算定精度を高め、適切な予算執行に努めてまいりたいと考えております。
○木内委員
ありがとうございます。
平成26年度主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書の最後の決算の内訳を拝見して、不用額が出る要因として今御説明があったように義務的経費の見込み差によるものが1つと、もう1つは行政費の節減等によるものと要因が何点か書かれておりますけれども、削減努力によって不用額が生じたものと、もう1点、そもそもニーズに合っていないものと、大きく分ければ要因は3点あるのかなと思います。今御説明があったように、健康福祉部に関しては金額の桁は大きいものの、義務的経費によるものが多いということで、やむを得ないものが多いという理解でよろしいのでしょうか。確認をお願いします。
○山内経理監
6番委員がおっしゃられました節約によるもの、ニーズに合っていないもの、義務的なものという形で整理したものはございません。節約によるものとニーズに合っていないものは、特に把握してございませんけれども、節約によるものと義務的なものと考えております。
○木内委員
これは提言としてですけれども、山内経理監がおっしゃられたように、見通しの精度を高めていただくことは、ぜひとも第一に取り組んでいただくものとして、不用額が出る、予算が余ること自体全てが悪いことではないと思っています。削減努力をすべきものもあると思いますし、削減によって少ない費用で、同じくまた大きな成果が上げられたのであれば、それは大いに誇っていただきたいことだと思っています。
今後、行政運営に当たって、見通しを高めることの目標を立てていただきたいのと同時に、削減すべき項目、努力すべき項目も目標を立てていただいて、不用額がうまく出せたというほうに胸を張っていただけるような行政運営をしていただけたらと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
続きまして、静岡がんセンター事業決算についてお伺いしたいと思います。
がんセンターの事業損益の中で、いわゆる本業の医業損失については、昨年比で約9億円ほど損失がふえている格好になっていると理解しています。
先ほど、要因については会計基準の変更や消費税の増などを挙げておられましたが、会計基準の変更であれば、一過性で今期だけ出てくるものになると思います。今期だけ出てくる損失が幾らぐらいで、継続的に発生する損失が今後幾らぐらいか、その内訳などがわかりましたらお教え願いたいと思います。よろしくお願いします。
○内田マネジメントセンター長兼経営努力室長
昨年度――平成26年度から公営企業に関する会計基準が変更になりまして、特に引当金制度、賞与引当金あるいは貸倒引当金が義務化されております。これらに関しまして、会計制度の変更に伴う単年度に影響します金額が約4億円程度と考えております。それから平成26年度に消費税の増税がございましたので、これが約3億円程度の支出の増になっているところです。これは平成28年度以降も続いていくと考えております。
平成26年度は、前年度までの黒字基調から一転赤字となっておりますけれども、これらの会計制度の変更に伴う一過性の影響を除いても、若干赤字になってしまったのかなと考えております。これは当センターは開院からまだ日が浅いものですから、初期投資の減価償却費の山がちょうど5年、6年ぐらいでやってまいります。その時期については多少、収支が苦しい状況になることがございます。年を重ねるごとにだんだんこの山が平準化されてまいると考えておりますので、時々その山が来たときに、収支が厳しくなることはあるとは思いますけれども、今後、収支は徐々に改善していくものと考えております。
○木内委員
ありがとうございます。
一過性と定期的に波のようにある損失を除くと実際の損失増加は3億円程度ということで、それも消費税増税に伴うものでやむを得ないのかなと思いますが、今後、できれば県費からの繰り入れを幾ら程度に抑えるのか。また全体の損益が黒になることは公立病院である限り難しいとは思いますけれども、医業損失の上限というか医業損失の発生を幾ら以内に抑えるといった数値的な目標をぜひとも――これはがんセンターに限らず県立病院機構も同じだと思いますけれども――持っていただきたいなと思います。その分について、万が一損失が膨れていけば、また県費で賄えばいいということでは、長期的、継続的な病院運営は難しくなってくると思います。ぜひとも医業損失の削減も1つ大きな視野に入れていただければと思っていますので、よろしくお願いします。
それでは、個別の項目についてお伺いさせていただきます。
ふじのくに少子化対策特別推進事業費は国からの交付金の事業かと思いますけれども、その中で目玉の事業は金額的に見ると、やはり「子育ては尊い仕事」を未来につなぐプロジェクト推進事業で、短歌の募集かと思います。内閣府の事業の例などを見て、この事業は全国的にも相当ユニークというか、ある面では本当にこれで政策目標や何らかの成果が出せるのかなというところについては、なかなか疑問が残る事業ではないかと思っています。この点についてどのような政策目標を立てられて、どのような成果が出ているとお考えなのか、御説明をお願いします。
○鈴木こども未来課長
平成27年2月に策定いたしましたふじさんっこ応援プランでは、社会全体で未来を担う子供と子育て家庭を応援し、子育てはとうとい仕事という基本理念を掲げまして取り組んでいるところでございます。
あいのうた短歌コンテストは、出会いから子育てまでを詠んだ短歌を広く県民から募集いたしまして、その応募された作品を活用して、意識啓発、広報を行うことによって、県民一人一人が子供や親、配偶者や恋人との信頼関係を築くことの喜びやそのかけがえのなさに気づいて、それを大切にする機運を醸成し、子育てはとうとい仕事の理念の浸透を図っているところでございます。当初は目標の応募総数を1,000首程度と思っておりましたが、約3倍となる2,764首もの応募をいただきました。
本県以外の全国43の都道府県からも635首もの応募をいただきまして、全国的な広がりを見せたことに手応えを感じているところでございます。今年度は、昨年度を大きく上回ります5,000首を超える応募がありました。特に高校生から、前年の3倍以上の応募をいただいているところでございます。この子育てはとうとい仕事という基本理念を、あいのうた短歌コンテストを通じて、多くの方に浸透させたいという事業なのですけれども、この応募件数がふえていることからも、浸透してきているのではないかなと実感しているところでございます。
○河森こども未来局長
平成26年度に担当しておりましたので、私のほうから補足で説明をさせていただきます。
子供と子育て中の方を応援することを社会全体でやりたいという、静岡県として子育てに優しい県となりたいということが大きな目標であるわけですけれども、どうしても子育て期間というのが、ある一定の限られた期間になるものですから、子育て中の方たちだけに限定されてしまうといいますか、閉じてしまいがちなところがございまして、どのようにしたら幅広く県民の方々に共感を持っていただけるかということで考えたのが、この事業でございました。
この事業をやるに当たりまして、成果をきちんと把握することが、国の交付金採択の1つの条件でございましたので、応募された方、そして表彰式に来られた方々にアンケートを実施いたしました。この事業としましては大きく2つ目的がございまして、1つは短歌を詠むときに例えば家族のことを思ったり子供のことを思ったり、あるいは恋人のことを思ったりすることで、詠む人が思いをはせるということ。例えばもう子育てが終わっていても、自分が子供のときにどうだったかなとか、夫と出会ったときにどうだったかなと思うことによって、思いを新たにしてもらいたいというのが1点。もう1つは、その作品を鑑賞した方々に共感を持って広げていきたいという、その2点がございました。
応募された方たちからのアンケートの結果ですけれども、一般の部とジュニアの部がございまして、一般の方々にこの短歌の創作を通じてどんな気持ちを持ったかを聞きましたところ、家族を大切にする気持ちを思い起こした、あるいは子育て中や妊娠している人たちを応援する気持ちを持てたということが1位、2位の結果でございました。
それから、このコンテストが子育てのとうとさを社会全体で共有するために役立つかという質問につきましては、98%の方が役立つと答えていただきました。また高校生以下の部でありますジュニアの部につきまして、同じ質問をしましたところ、高校生の場合には家族を大切にする気持ちと同時にパートナー、恋人を大事にする気持ちを非常に感じたという回答がございました。そして表彰式に来られた一般の方々に、この作品を鑑賞してどんな気持ちを持たれたかを聞きましたところ、やはり家族に対する思いを新たにしたとか、地域の子供、それから子育て中の方を応援しようという気持ちになりましたというお答えをいただいております。
この事業は、平成26年度に上限額を超えて大臣が認めるものという形で、追加で内閣府に採択していただいた事業でありますけれども、この事業の結果をもちまして、内閣府からはさらにモデル事業として進めていったらどうかという御助言もいただいて、平成27年度も継続しているところでございます。
○木内委員
大変大きな反響があるという答弁だったと思います。
ただ、短歌を詠むこと自体、私たちの世代――私自身が子育て世代ですけれども――大変なじみがなく、私たち世代からは認知が薄い事業なのではないかなという印象を受けます。大賞作を私も読みましたけれども、なるほどなと、さすがにすばらしいものだったなと感じましたけれども、ぜひとも短歌を詠まない世代の人たちにもこの事業自体をもっと知っていただくこと、そしてその後社会全体のアクションにつなげていっていただくことを意識して、この事業を無駄にしないように、ぜひとも今後ともよろしくお願いいたします。
続きまして、自殺総合対策の推進についてなんですが、自殺による死亡者数が――速報値ですけれども――平成26年度は前年比で大幅に減っていることについて、前回の厚生委員会でもなぜでしょうねということを問いかけいたしました。
説明書131ページの同じ表の中で、精神医療相談窓口の相談件数が平成25年度2,462件、平成26年度7,206件と、目標の2,650件を大幅に超えてふえているという顕著な変化があるのですけれども、これはどのようにこうした成果が得られたのか。どうお考えなのか教えていただければと思います。
○土屋精神保健福祉室長
精神医療相談窓口の相談件数の増加につきましては、平成26年度に休日・夜間精神科医療相談窓口を新たに病院に4カ所設置したことにより相談件数が増加したものです。総合計画の後期アクションプランの工程表の中で目標を設定しておりまして、目標値を既に超えていますことから、こちらの工程表を上方修正することを考えております。
○山口健康福祉部長
この相談件数が多いか少ないかというのはいろいろ見方があると思いますが、この精神医療相談窓口の相談件数が目標値を大幅に上回ったというのは、ゲートキーパーの養成というのがございまして、このゲートキーパーが障害者のすぐそばについて、いろんな相談に乗ってくれていることもございます。また相談件数が非常に多くあるということは、まず悩みを電話等で解決していただいて、それで自殺者も非常に減ったという意味で、非常にいい方向に動いていると見ております。きめ細やかな自殺対策があり、ゲートキーパーの養成も順調にいっていますし、またこの相談件数もふえていると、いいほうに来ていると思っております。
○木内委員
今、山口健康福祉部長からもありましたとおり、この表を見る限り、施策、政策が正しく機能をしているように読み取れると私も感じています。ただ単年度――1年だけ自殺者数が減ったということであれば、もしかしたら一過性かもしれません。引き続きこれらの政策については、より力を入れていただいて、継続的な成果が出せることを実証する事例となっていただければと思っておりますので、今後ともぜひ力を入れてやっていっていただきたいと思っています。
続きまして、ふじのくにバーチャルメディカルカレッジについてお伺いいたします。
制度について1点確認ですが、平成27年度から勤務を開始する医師54名の勤務先の指定は、どういうプロセスで勤務先を決定しているのか確認させてください。
○酒井医療人材室長
今、御質問のございました新たな勤務医の指定の関係でございます。
医学修学研修資金につきましては、大学との協定の中で特別枠として設けている部分と、一般枠として各個人から応募を受けまして決定している部分の2つに細分されます。
まず最初に、大学特別枠に関しましては、これまで公立病院等に、関東あるいは関西、中京の大きな大学から医師が派遣されてきていたわけでございますけれども、臨床研修制度に伴いこれらがなかなか滞る中、これを固定的にしていただくために、大学特別枠を設け実施したものでございます。したがってこちらに関しましては、大学で配置先を決定していただく中で、県がその報告を受けて指定するのが大学特別枠の指定の方法でございます。
一般枠に関しましては、県では浜松医科大学と県立病院機構に専任担当官を――ドクターでございますけれども――設置いたしまして、そこで個別にヒアリングをする中で、基本的には県の中で持っております専門医研修ネットワークプログラムに参加していただく方向で調整しながら、幾つかの病院を何年かを経て義務年限中に回っていただくという考え方でおります。この配置方針に基づき個別にヒアリングを行いまして、浜松医科大学ないしは県立病院機構で配置案をおつくりいただきまして、それをふじのくに地域医療支援センター理事会で御審議いただきまして県が決定するといったプロセスで配置先を決めてございます。
○木内委員
まとめますと、大学特別枠は出身大学で決めて、一般枠については本人の意向と浜松医科大学と県立病院機構の方針を尊重して決めると理解しました。
静岡県東部の医師不足に関しては、ぜひとも、今後とも意識していただきたいなと思います。私の出身の富士宮市でも、富士宮市立病院等では相変わらず厳しい状況が続いております。ぜひとも市町や関連自治体の意見なども取り入れた上で、本人の意向は第一だとは思いますけれども、そういった事情も考慮していただいたり、伝えていただけるような御努力をしていただけると、大変ありがたいなと思っております。
続きまして、難病対策の推進の特定疾患治療研究事業費で、今回、対象疾患数が110疾患に拡大されたということです。
なかなか実態を把握するのは難しいとは思いますけれども、対象として拡大された疾患をお持ちの方には、本当に一日も早く公費負担を受けていただけたらと思うのですが、現状どのぐらい周知が進んでいるのか等々について、御見識をお持ちであれば、よろしくお願いいたします。
○奈良疾病対策課長
説明書には平成26年度の決算のことが書いてありますので、110疾患のままだと思います。現在は平成27年7月に300を超える疾患が認可されました。その中で、1月から7月までの新規承認件数は1,200件程度で、例年よりもちょっと少な目になっております。その前に、私もいろいろな会で説明を行っておりますが、やはり今回はかなり書式が変わったことなどで皆さんも抵抗があるそうで、今週土曜日か日曜日からですけれど、今後各医療圏を回って勉強会という名で診断書の講習会を行い、各先生方の理解を求めていくつもりでございます。なお迅速な審査に努めていくことには間違いございません。
○木内委員
ぜひ、対象の患者様が一人でも取り残されることがないように、国の制度のすき間をきちんと埋めていくこと。困る人がいないようにしっかりと制度を運営していくことこそ県の行政の本分だと思いますので、ぜひその点しっかりとお願いしたいと思います。以上で質問を終わります。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp