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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成23年2月定例会総務委員会 質疑・質問
質疑・質問者:花井 征二 議員
質疑・質問日:03/03/2011
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○田(泰)委員長
 それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開をします。
 質疑等を継続します。
 では、発言願いします。

○花井委員
 まず、最初に危機管理部の関係から伺います。
 最近の地震をめぐる知見というものも、だんだん、研究だとかあるいはいろんなデータの蓄積等によって進んでいるかと思うんですけれども。
 そうした中で過日、独立行政法人防災科学技術研究所の調査で、最近の東南海地震の震源域に起きているいろんな事象といいましょうか、マグニチュード3.5以上の地震の発生傾向というんでしょうか、最近の10年間と1944年に東南海地震が起きた直前の10年間というのを比較すると、非常によく似ているということがいわれております。
 この点について、本県は東海地震ということではありますけれども、東海、東南海、南海の3連動地震というふうなことも、国の側は言っているわけですから、この辺については、当然関心を持っておられるかと思います。
 一般的にいうと100年から110年ぐらいのパターンですから、私が生きている間に起きたら遭ってみたいなというぐらいのつもりでいましたけれども、この兆候が似ているとなると、意外と早く来ちゃうのかなという心配にもなってきますので、この辺についてどんなふうにとらえておられるのか、まずお伺いいたします。

 それから、1月に東海地震を想定した大規模な図上訓練、いわゆる地震対策オペレーション2011が行われました。どういうふうにやったかということについては、それなりに承知をしているつもりですけれども、この成果と課題、問題点、そういうものが出てきているのだろうと思いますので、その点をお伺いいたします。

 それから長周期地震です。例の2003年北海道十勝沖地震で震源域から250キロメートル離れた苫小牧市の石油タンクが破損して大火災が発生したということだとか、あるいは、2004年に起きた新潟の中越地震ですね。あのときには200キロメートル離れた東京の六本木ヒルズの森タワーで、エレベーターのワイヤの一部が切れたというようなこともあったりして、長周期地震というものに対する国の取り組みが進んでいるということは承知しておりましたけれども、国土交通省は新たに建てる高さ60メートル以上の超高層ビルやマンションに、長周期の揺れをも考慮した耐震強度を義務づける方針を定めたと、早ければこの春からだというふうにいわれています。
 ただし、東京、大阪、名古屋の三大都市圏を先行的にということですけれども、本県でも天竜区を除く浜松ですね、それから、磐田、袋井、掛川、菊川、御前崎、牧之原の各市と吉田町が県内でこの対策を義務づけるという方針だと報じられておりますけれども、まずこの長周期地震に対する県の基本的な姿勢をお伺いすると同時に、先ほど挙げた以外の他都市はどんなふうになっているのか、その点もあわせてお伺いをいたします。

 それから、東海地震の前兆すべりの検知能力を強化するという上で必要だということだと思うんですけれども、県内3カ所を含む6カ所にひずみ計が新設されて、1月17日から運用が開始されたということのようですけれども、これでたしか今まで県と気象庁で県内に19ありましたから22になったかと思うんですけれども、その効果といいましょうか、どういうふうにとらえておられるのか、その点を伺います。

 それから、「建築物の東海地震対策は今!」と題したシンポジウムが、これも1月に行われました。静岡市内で行われて、県からは営繕企画課技監の柳さんと、それからここにおられる岩田危機報道監が参加されたということであります。そこでは、民間の耐震化が非常におくれているということについて、これを進めなきゃいかんという議論があったということですけれども、パネリストとして参加された報道監のほうから、この点についてはどんな議論があって、また県としてどんなふうに考えているのか、お伺いをいたします。

 それから、ニュージーランドの地震もあり、あるいは中国の四川省地震を初めとした地震もありというようなことで、アジア近隣諸国などで大規模災害が発生した場合に支援するふじのくに国際災害ボランティア支援ネットワークを整備すると。そのための予算が出ているわけですけれども、ここら辺について新聞等では東京あたりのボランティア団体の名前が挙がっておりましたけれども、本県の中でどういう団体があって、どういうふうに進んでいるのか、この辺を伺っておきます。

 それから、災害はないにこしたことはないわけですけれども、特に東海地震、私はできるだけすぐに来ないほうがいいなと思っているひとりですけれども、しかし、災害はいつ起こるかわからないということですから、今起こるかもしれないということになるわけです。
 そうしたときに、特に阪神・淡路大震災がそうですけれども、住居を失う人たちがいる。本県は避難所で暮らさなくても済むように、1軒でも多く耐震補強を進めるということできているわけですけれども、それでもそういう被害がたくさん出てくることは、もう避けられないというふうに思われます。想定東海地震の第3次被害想定では、県内では少なくとも約45万棟の建物が半壊以上の被害を受けるというふうにされております。
 問題は、そうしたときに生活再建支援金を受給するにしろ、住宅の応急修理あるいは仮設住宅への入居など、被災者にとってまさに命綱になる部分では、いずれもこれらのサービスを受けるには被害調査を済ませて、居住地の首長が印を押した罹災証明が必要になるということになるわけですね。阪神・淡路大震災のときは、そのことでかなりの各自治体が御苦労されたというふうに聞くわけです。
 そうした中、本県は2009年から被害認定に自己診断システムを積極的に取り入れるようにということで、県内の各市町に説明会もやっているということのようですけれども、これは実際問題として、どういうふうになっているのか。あらかじめ自分のうちはどういうふうになっているというのをみんなが持ってれば、それとの比較でもって、ここが壊れたんだよということがぱっと図示できるということになれば、これは本当にスムーズにいくのかなというふうに思います。本県が進めているのはどういう内容なのかということを含めて、これがどのように進んでいるのか、この辺をお伺いをいたします。
 答弁を一通り聞いて、そのほかにまだ火山の話、それから原発の話がありますけれども、その話は一応後回しにしておきます。

 それで、せっかく3局がいますので、3局の皆さんにもちょっとお伺いをいたします。
 まず出納局から伺います。
 昨年12月の議会でも言いましたけれども、出納局が監査から指摘を受けるというようなことはよろしくないんじゃないのということを、私は言ったかと思います。今回の報告を見ましても、会計事務指導検査でも455件の文書指示が発生をしたというふうに出ています。
 主な指示事項は、支出負担行為伺の作成遅延、物品借受調書等の未作成等だと。最近になく不親切な、内容があんまりよくわからないような、この実施状況に対する報告ですけれども。まさか、監査に指摘されたから余り細かいことを書いちゃまずいかなと思って、総務委員会に出すのをびびってこんな程度にしたのかもしれませんけれども。そうじゃなくて、やっぱりどういう内容なのか、何が問題なのか、そういう点をもうちょっと明らかにしていただきたいなというのが1点。

 もう1つは、官製ワーキングプアを生み出してはいけないということで、いろんな取り組みがなされています。国のほうからも――例えばきのうも議論の中で申し上げたんですけれども――2月10日には非常勤職員の中でも消費生活相談員について雇いどめをしないようにと、非常勤だからって、任用をするのに回数制限するなんていうようなことをしないようにという通知も出ています。
 そうしたいろんな取り組みの中の1つが、地方では公契約条例ということになるわけです。前回も大繼ヌ長に質問して、お話聞いてる段階では国の動向を見ているというか、地方自治体がやることについて余りよろしくないのかなというふうに思えるような答弁がありましたけれども、それはとんでもない話で、地方自治体が自主性を持って判断をすればいいことで、政令市――川崎市ももう既にそういうふうに対応しているわけですから、この辺について改めて所見を伺うというか、もっと一歩前進をしているのかどうか。
 いつも他の動向を見ながら検討するようなニュアンスとか、話し合いしますけれども、その結果どこまで進んだのか、どうも見えてきませんので、その辺をお伺いいたします。

 それから、人事委員会については、給与の問題をめぐっては知事が自慢げに全国一給与を引き下げたということを言うわけですけれども、もとは人事委員会が出した勧告によっているわけですから、人事委員会も罪なことをしたなという思いがするわけです。そもそもの給与の原則も情勢適応の原則ということが真っ先に言われますけれども、地方公務員法を見ればわかるように、その第24条のこの給与の決め方の1番は何かと、「職員の給与は、生計費」、ここから始まるんですね、「生計費、並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない」と、こうなっているんですね。
 今、世界的な景気後退といわれる中でも他の国は伸びているけれども、日本が賃下げ社会になっているということが原因で、我が国だけが非常に閉塞感に満ちた状況にあるというのが、この十一、二年の間に勤労者の1人当たりの年収で61万円も下がっているということに起因するわけですね。
 これはお互いに民間が下がったから公務員も下げますよと、今度は公務員が下がったから民間も下げますよというようなことで、お金は一体どこに行ったんだと。お金は大企業が内部留保金としてため込んで死に金になっている、生きてない、回ってこないというような状況になってしまっているわけです。そういう意味では、私は人事委員会が果たすべき役割というのをしっかりと果たせば、いい役割を果たせるけども、今のところは逆回りになってやしないかという思いがいたします。
 こんな質問も、私も5番委員と同じで、きょうが最後になりそうなんで、もうちょっと人事委員会しっかりしてもらいたいなという思いを込めて、局長の所見をお伺いをいたします。

 それから、メンタルヘルスの話は人事当局にも話しましたけれども、当然人事委員会としてもつかんでおられるだろうというふうに思います。本年度の上半期の1人当たり時間外勤務平均180時間超所属の一覧というのを、私、今手にしていますけれども、この中で見ますと180時間――国がこれ以上働いたらだめよと言っている――を超えちゃっているところが25の所属もあるんですね。特に健康福祉部の長寿政策局なんていうのは378時間というような数字が出ていますよね。以下健康福祉部が多いですね、336時間、312時間と。交通基盤部公園緑地課が299時間。こういうのが25所属並んでいるんですけれども。
 職員はどんどんどんどん減らされて、仕事を消化しきれなくてこういう結果になっているというようなことについて、人事委員会当局としてはどういうふうにとらえているのか。このこととメンタルヘルスの関係は、果たして本当にないのか。私はあると思うんですね。メンタルヘルスというのは基本的にはストレスですよ。ストレスを生じさせないようにしなきゃいけないのに、こういう状況があるということについてどうお考えか、お伺いをいたします。

 それから、監査について、先ほど9番委員からもいろいろ御質問があったかと思うんですけれども。今回私の見た感じで言いますと、地方独立行政法人だとかいう要するに財政的援助団体にかかわるところに、結構、指摘というものがあるような感じがいたします。
 先ほど9番委員に御説明いただいた部分は結構ですけれども、それ以外のところでこの指摘というのは、一体どういうことで起きているのか、それぞれの内容を御説明いただきたいというふうに思います。とりあえず以上です。

○岩田危機報道監
 私のほうから何点か答弁させていただきます。
 まず、1944年の東南海地震前の10年間の小さな地震活動のパターンと、最近この10年程度の間の地震のパターンが比較的似ているという研究成果が、独立行政法人防災科学技術研究所から出されております。
 これは、いわゆる微小地震といわれる体に感じない程度のかなり小さな地震のパターンが、プレートの境界というよりも、むしろ内陸の地殻の中の地震活動のパターンが、少し高まったり、それから少し平常よりも少なくなったりした時期が交互に繰り返しているというパターンに比較的似ているということで、そういった指摘をされています。これ以外にも、地震活動にかかわるいろんな研究成果が最近いろいろ出されておりまして、これも1つの学説であるというふうにとらえております。ただ、いずれにしても東海地震そのものについて地殻変動といいますか、あるいは地殻のひずみの集積の状況でありますとか、プレート境界を挟んで地面が隆起したり沈降したりという傾向は、これは決して東南海地震だけではなくて、それ以前の安政東海地震の模擬的なシミュレーションの結果を見ても、非常に類似している状況にあるということは事実であります。
 だから35年ほど前に、ここは東海地震があす起きてもおかしくないという、比較的単純な理屈から示されましたけども、その後のいろいろ観測成果の結果から見ても、非常に切迫度が高いということは共通認識であると思います。
 ただその中で、東海、東南海、南海という3つの地震の連動のパターンも、今後は考えなければならないということも御指摘がありまして、来年度、政府のほうでこの3つの連動地震についても、基本的な発生のメカニズム、それから被害の想定、それからそれの成果に基づいての防災対応をどうするかということも、本格的に検討が始まるというふうに伺っております。
 この2つのパターン――東海地震単独、それから3つの地震連動――いずれも本県にとりましては、直下でプレート境界から起きる地震の揺れが最大であり、それから津波もそれによる影響が最大でありますので、本県としては基本的にやっぱり、一番影響の多い東海地震に対して、しかるべき準備を今きちんと完了させておくということが、一番重要じゃないかなと。その上で、3つの地震のパターンについてもいろいろプラスアルファの議論を国とも連動しながら対策の充実を図っていく必要があるというふうに考えています。
 地震そのものについて、本当にいつ起きるか起きないかという議論はこれはもう古くからいろいろ議論をされておりますけれども、我々の認識としては、本当にいつ起きてもおかしくない状態であるという科学的知見も片一方であるという前提で、対策をしっかりしていくということが重要だというふうに思います。

 それから、3つ目の御質問の長周期地震動につきましては、これも実は、東海、東南海、南海地震のいろんなシミュレーションをする中で、単純に周期が0.数秒から1秒程度の揺れ以外に、こういうプレート境界の巨大地震になりますと、堆積層が厚いところ、例えば首都圏でありますと約3,000メートルの堆積層を持っています、そういった大きな堆積層を持つ大きな平野のところで、いわゆる周期が二、三秒から20秒程度の非常に長い揺れが増幅しやすくなるということが、これは東南海・南海地震のシミュレーションをする中で得られてきた知見でございます。
 そういった知見で、いわゆる三大都市圏は、例えば関東平野、濃尾平野、それから大阪平野については堆積層が非常に厚いということで、そういう長い周期の震度を非常に増幅しやすいゾーンである。それから、委員のほうから御指摘ありました県の西部地域――御前崎市から浜松市にかけての地域は、実はその地域の直下にある堆積層は余り厚くはないんですけれども、海に面した遠州灘側にやはり厚い堆積層を持っている。そういったところで長い周期の地震動を増幅するということから、国の今回の長周期地震動に対する基本的な対策において、建築物をどうするかという議論の中でも、その地域を特に選んで長周期地震動の本格的な対策試案というのが示されています。
 現在これについては、パブリックコメントが2月末まで国土交通省のほうでなされておりました。今後、対応策についてどういう最終的な試案にするかということで、国土交通省から示される予定と聞いておりますので、県としては国土交通省から示される最終対策案に基づいて、今後検討していくという形になるかと聞いております。

 それから、ひずみ計の件でございますけれども、ことしの1月から県内で3カ所、それから愛知県――1つは長野県になりますけれども――の東側で3カ所、合わせて6カ所の深い深度のひずみ計が気象庁のほうで増設されました。
 これについては、東海地震の予知というのは1つの大きな対策のポイントでもある。それから、確実に予知をしていただくことによって、人的被害を相当軽減することができるということで、国に対しても、もっともっときちんとした監視体制、それから開設期日の早期化というのを私どもかねてより要望してまいりました。これにこたえていただいた面もあります。
東海地震の震源域でいわゆる前兆があらわれるゾーンというのは、むしろ駿河湾に寄った東側ではなくて、内陸の深いところ――プレート境界の深いところから、その前兆となるプレスリップ、いわゆる大きなずれの前に微小破壊が始まる領域があるんじゃないか、そういったことも最近よく言われております。従来、観測網は比較的静岡県内にたくさんありました。駿河湾に面したところにたくさん観測点が設置されていたんですけれども、むしろ内陸側――愛知県でありますが――は長野県側に観測点を充実させないと小さいずれが監視できないということになりまして、この6カ所の内陸側にむしろ寄ったところにつくられたことによって、プレスリップの検知能力が非常に高まるということを私どもは期待しているところでございます。

 それから、5つ目の御質問にありました先日行われました建築の防災シンポジウムでございます。私もパネルディスカッションのパネラーの1人として出席をさせていただきました。このシンポジウムは、私どもの静岡県の建築の構造設計指針というものを長く御指導をいただいた東京大学名誉教授の岡田先生に座長となっていただきまして、開催をさせていただきました。
 集まった方々は比較的建築のプロといいますか、建築士の資格をお持ちになった方が多く会場に来ていただきまして、これまで静岡県でとり行われてきた、いわゆる建築物の耐震設計の考え方の変遷、それから耐震補強工事でありますとか、耐震化の取り組みについてさまざまな方々から御意見をいただき、それから意見交換をしました。特に、行政側だけではなくて、民間で建築の構造設計指針に立案から携わっていただいた静岡県建築士事務所協会の前会長さんも御出席いただきました。
 主に議論があったのは、こういった構造設計指針をつくる過程にタッチした人たちは、非常にその思想といいますか、考え方をよく理解しながら建築の責務に当たっている。ただ、それからどんどんどんどん若い人たちに今、世代交代をしているんですけれども、世代交代して若い人たちの代になると、書かれた文言でしか理解できなくなっている。そこに書かれた文言の本来持つ意味というものを、ちゃんと伝えていかなければならない。例えば、構造強度が1.2倍というのは単純に1.2を掛ければいいんじゃなくて、1.2倍というのはこういう意味を持って2割増しの強度を持ってるんだということを、しっかり理解してもらいたいという、そういった議論がされました。
 その中で少し課題になったのは、建築確認申請の事務が、いわゆる民間開放――民間でもできるというような形になった中で、例えば静岡県の東海地震に対する構造設計指針の考え方を十分理解しない、例えば県外の確認事務所が、通常の強度で建築確認をしてしまうケースも最近少し出てきている。そういったことは、やはり静岡県の東海地震――震度7を考えた設計思想というものを、やっぱり全国にもっと広めていく必要があるんじゃないかという、そんな議論もございました。

 それから、7番目の被害の自己診断システムにつきまして、これは中越沖地震のときに、新潟県小千谷市でたくさんの被害認定を出すための作業が、なかなか市の職員だけではできないということもありまして、県内の富士常葉大学の環境防災学部の先生方が中心になりまして、まずは市の職員が行かなくても、自分で自分のうちの被害をチェックするシートをつくってやる。そのシートをあらかじめ被害世帯に配って、その上で市の職員が行って確認をする。こういうことをやることによって、被害認定のトラブルというのは非常に軽減できたという、そういった経験をお持ちになった。
 そういった仕組みをぜひ県内でも広めたいということで、今、各市や町に対していろいろ研究会でありますとか説明会の席で、こういった仕組みをぜひ取り入れましょうということで働きかけをしております。
 これについては、富士常葉大学の先生方も初期導入にあたって、いろいろ研修をしながら積極的に関与したいということもありまして、掛川市で少しそういった取り組みが、今、スタートしつつあるということを私ども伺っています。多くの市町にこの仕組みをぜひ広めていって、こういった大規模災害のときに、いわゆる被害認定の非常に煩雑な業務をなるべく軽減する、市の職員の手間も省き、それから受ける市民の側も適正な認定が受けられる体制をつくるということは、非常に重要だと思います。ぜひ多くのところへ普及していきたいというふうに考えております。

○小川危機対策課長
 地震対策オペレーション2011の課題と成果ということでございますが、この訓練は今年度の総合防災訓練、それから医療救護、緊急物資等の特化型実践訓練といった一連の訓練の集大成という位置づけで本年1月17日に東海地震を想定して実施をいたしました。午前中は突発型を想定、それから午後は予知型を想定して実施したということでございます。
 この中で成果として考えておりますのは、情報処理スピードを迅速化するということで、本部の体制の中で情報収集のグループ、それから対策を行うグループ、これらを一元化した対策グループということで訓練を行っておりまして、情報伝達の流れをチェックするとともに、市町、消防、自衛隊などとの連携手順を確認するといったことで、新たな指令部の体制を検証できたということでございます。
 また、現在開発しております広域連携の防災情報システムを使いまして、地図情報――GISのほうへいろんな情報を共有させるということで、情報のメール化を図って意思決定の迅速化を行うことができたというふうに考えております。
 それから、午前中に突発型、午後に予知型という形で行いましたので、その発災初動期の対処の仕方が、それぞれの予知型と突発型でどう違うかということを検証するということができたというふうに考えております。
 一方で課題ということでは、本部の中で司令部を統括する統括班と対策グループとの連携といいますか、情報共有が一部でうまくいかないというようなこともございました。
 また、いろんなスタッフを置いてございます対策グループ内のスタッフ間の連携とか業務対応、こういったところも一部でスムーズにできないようなところがあったということでございます。
 こういった課題を踏まえまして、新年度また新たな本部体制に生かしていくということとともに、訓練とか研修を重ねまして、より災害対応能力の向上ということに努めていきたいというふうに考えております。

○近藤危機情報課長
 アジア近隣での災害発生時の国際ボランティアのうち、特に県内でのボランティア団体の動きについてお答えいたします。
 県内のボランティア団体、特に県ボランティア協会が中心となりまして、今週の末に東海地震を想定した国内の全国的なボランティア団体とのネットワークの訓練が行われます。これは毎年行われていますが、こういった図上訓練で培われております全国の災害ボランティアとのつながりというのがございます。
 これを核としまして国内でのネットワークを立ち上げる。そして、さらに海外でございますので、海外の現地の情報連絡体制、こういったものも構築が必要になってまいります。
 こういった国内、国外のネットワークを、今までネットワークを培ってきたところの県ボランティア協会が中心になりまして、実施をしてまいるということでございます。以上でございます。

○相澤会計指導課長
 会計指導検査の文書指摘の内容についてでございますけれども、そこに書いてございます支出負担行為伺の作成遅延というのが、全体の半分以上を占めるといった状況になっておりまして――そこに例示してございますけれども――それ以外の指摘につきましては、非常に多種多様にわたっておりまして、今回の資料におきましてそれらを例示してたくさん挙げるよりは、以前、委員の御質問にお答えしたことがあったかと思いますけれども、ここに書いてございますような4つの原因の分類、この原因ごとにどれくらいの文書指摘があるかということをお知らせしたかったということでございます。
 それで、例えばこの負担行為伺の作成遅延以外にどのような文書指示が多いかと申しますと、その次に多いのが調定の算定誤り――収入の算定額を誤るといったようなもの。それから支出額の算定誤り、これはほとんどが出先機関における旅費の算定誤りでございます。
 どちらも算定誤りなんですけれども、先に申しました調定誤りのほうは、実はこれは、ここの原因分析でいいますと知識不足に当たります。旅費の算定誤りというのは、この分類で言いますとチェック漏れに当たります。同じ算定誤りでも、この知識不足のものとチェック漏れでは、再発防止に当たっての指導というものが大きく異なりますので、そういう再発防止の観点を踏まえた上で、文書指示の指摘の原因分析を行っているということで御理解いただきたいと思っております。

 それから、公契約条例についてでございますけれども、県からの受注企業とその雇用者それから下請企業、そういったものとの関係は、基本的に国の労働関係法令とか下請代金支払遅延等防止法とか、そういったもので規制され保護されると。それを超えるものについては当事者間の協議で決められるべきだという、このスタンスにつきましては、現在、これは出納局というより県として変わっておりません。
 昨年末に川崎市が条例を制定した後に、全国の各都道府県とも情報交換を行っておりますけれども、その各都道府県での情報交換の中でも、今申し上げました基本的なスタンスを踏み出しているという都道府県は今のところないと考えております。
 やはり、このスタンスから踏み出すためには、国において例えば法改正の議論が始まるとか、あるいはILO条約の批准の議論が始まるとか、そういった国において何らかの議論がありませんとなかなか都道府県としてはこのスタンスを踏み出すことが困難であるというふうに考えております。
 先月、国会において首相も答弁しておりますけれども、首相答弁の中で、国とか地方公共団体の機関においてこの議論がなされるべきだというようなことを、首相も発言されております。
 地方公共団体のほうはともかく、首相が国の機関において議論されるべきだということを発言しておりますので、国においての議論がどのようになるのか、どのように始められるのかというところを注視したいというふうに考えているところでございます。以上でございます。

○氏原用度課長
 物品事務検査におけます指示事項についてでございます。
 物品の管理に関するものの36件の内訳でございますけれども、調書の未作成が26件、現物との不一致が2件、現物が不明が7件、書類が不明1件という内訳でございます。これらの問題でございますけれども、資材支給事務では事業担当と総務との連携不足によるものがあると思います。それと、備品台帳と現物との照合不足、施設統廃合に伴います物品の引き継ぎ事務の不足、あとは書類等の確認、チェック漏れが主な原因になっていると思われます。
 物品の処分に関するものでございますけれども、これは物品の処分に当たりまして不用品の決定とか、そういう調書を作成することになっているわけでございますけれども、それが未作成で処理をしていたというものでございます。
 その他につきましては、前回の注意事項が未是正になっていたというものでございます。以上でございます。

○森下人事委員会事務局長
 人事委員会の給与の関係等についてお答えいたします。
 公務員の給与につきましては、民間企業と異なりまして市場原理による水準の決定が困難でありますことから、労使交渉等によって、その時々の経済・雇用情勢等を反映いたしまして決定される地域の民間企業に準拠して定めることが最も合理的でありまして、職員や県民の理解を得られる方法であると考えております。この方法も、長年定着してきたところでございます。
 人事委員会といたしましては、民間の給与の実態を今後とも正確に把握し、公務員給与の均衡を図ることにより、適正な職員給与の水準を確保していくという基本姿勢に変わりはございません。
 したがいまして、何度も繰り返して恐縮でございますけれども、中立公正な第三者機関として、今後とも引き続き職員の給与、勤務条件等について調査研究を行いますとともに、労働基本権制約の代償措置としての機能を果たしてまいりたいと考えております。

 それから、メンタルヘルス対策の関係でございますけれども、委員御指摘のとおり、確かに依然としてメンタル疾患による長期療養者数というのは高どまりの状況にございます。
 任命権者におかれましても、精神性疾患が大変ふえているということに強い問題意識を持っておられまして、当委員会といたしましても、引き続き対策の充実を図るようにお願いしております。今年度は新たな取り組みといたしまして、早期発見、早期治療を図るためのストレスケアサポート事業により、健康診断の一環として職員の心の状態を把握できるような仕組みを実施していくということでございます。
 委員御指摘のとおり、時間外勤務との因果関係につきましては、あろうかと思います。特に、時間外勤務の多い職場につきましては、ことしの人事委員会の勧告の中でもお話をさせていただきましたけれども、事業内容や人員配置などについてさらなる改善に努める必要がありまして、管理職員にありましてはコストを意識した効率的な業務執行に心がけて、率先して実効性のある時間外勤務縮減策に取り組むとともに、職員におかれましても勤務時間内で計画的、効率的に業務執行できるように、日ごろから仕事の内容や進め方の見直しに努めるなど、全庁を挙げた一層の取り組みが必要である旨を報告しております。
 人事委員会といたしましては、今後ともこれを重要な課題といたしまして取り組んでいただけるように、任命権者にお願いしてまいります。よろしくお願いします。以上です。

○服部監査課長
 財政的援助団体等監査の指摘事項について御説明をします。
 まず、財団法人静岡県舞台芸術センターの指定管理に係る不適切な財産管理についてでございます。
 これは財団が、リース業者とリース期間が終了すると財産の所有権が財団に移るという、いわゆる所有権移転ファイナンスリース契約を締結いたしまして、これにより取得した財産が固定資産台帳や決算書の貸借対照表に記載のない簿外の財産となっていたという事案でございます。財団では、これにつきましては県に寄附する予定だったため、資産に計上していなかったということであります。
 監査といたしましては、寄附を予定している場合であっても、本来、財団の固定資産に計上すべきであったと判断をいたしました。
 次に、財団法人静岡県下水道公社の業務委託における不適切な積算についてであります。
 これは、平成21年度の西遠浄化センターの運転業務委託の精算におきまして、担当者が正規の労務単価を確認しなかったため誤った労務単価で設計額に計上されまして、過大な積算となったものであります。その結果、業務を受注した業者に対し、少なくとも370万円以上の委託費の過払いが生じていたという事案でございます。
 なお、他のセンター分の運転業務委託の積算におきましては、こうした誤りはございませんでした。
 それから、財団法人労働福祉事業協会の労政会館における不適切な管理運営についてでございます。
 この事案は、浜松労政会館におきまして、本来は指定管理業務に係る基本協定書に基づいて、会議室利用の予約があるなしにかかわらず、労政会館設置条例で定められた午後9時という閉館時間まで開館しておくべきでありましたが、平成18年4月以降、利用者の予定がない日や利用が早目に終了した日に午後9時前に閉館していたという事案でございます。これに伴い、一部の職員に対する賃金の過払いも生じていたことが判明しております。
 なお、他の労政会館におきましては、こうした不適切な管理運営はございませんでした。以上でございます。

○花井委員
 まず、3局のほうから再質問させていただきます。
 まず出納局ですけれども、今、会計指導検査でいえば、調定の算定誤りというのは、これは知識不足に該当するんだとか、あるいは旅費の算定誤りについては、これはチェック漏れだと。これは皆さんのほうがわかっているだけの話で、こんなの見てそこまでわかる人なんてほとんどいませんよ。
 まずいことはできるだけみんなにわからないように報告しといたほうがいいという考えでいるとは、まさか思いませんけれども、こういう資料の出し方ではそう思われても仕方がないというように思います。
 やっぱりこういうものはもっと変えて――赤裸々にと言ったからって、やたら細かいのを出しゃいいという意味じゃないですよ――少なくとも、もっとわかるようなものを出さなきゃいかんですよ。この辺についてどうお考えか、お伺いいたします。

 それから公契約条例の話で、先ほどこの労働関係法令以上のことについては当事者間で決められるべきだということで、国において法改正、あるいはILO条約の基準の話等が出てこないとできないと答弁されました。
 しかもわざわざ菅総理の、国及び地方公共団体において議論されるべき、という発言を引用しながら地方公共団体はさておき国だと、これもせっかく引用するんだったら、総理大臣もそう言っているんで、地方としてもこれについては大いに議論をしていくけれども国にもやってもらいたいと、こういう話ならまだわかるけど、地方のほうはさておき国においてやってもらいたいみたいな、こういう自主性のない対応というのはいかがかというふうに思うんですね。
 そもそもこの公契約に基づいていろいろ働いている人たちというのは、全国的に見ると1000万人だと言われているんですね。そういう中に、このワーキングプアが生まれているということから、これもう全国のいろんなとこから公契約法を求める地方議会の意見書というのは出ているわけですね。
 だから、当然国において大いに議論すべきだというのはいいんですよ。だけどそういう中で地方で頑張っているのは、単に野田市、川崎市だけではないんですよね。それ以外のところでも積極的に今、取り組みは始まっているという状況だろうと思うんですね。
 ヨーロッパでも、最初はおくれていったところも90年代以降はその取り組みが、一気に取り戻すような動きになっていると。そうした中で、このILO条約――第94号で公契約における労働条項に関する条約、それから同勧告が第84号――がこういう公契約を各国においてやるべきだと、公契約条例をやるべきだというふうになってきているわけです。
 具体の話として言いますと、ILO条約というのは、ILOの2008年度一般調査報告書でも指摘しているとおり、公契約で働く労働者にも労働法が適用されているということだけでは、条約が求める労働条項、それによる法的効果は期待できないと言ってるわけです。実際、野田市の公契約条例を見ましても――経営管理部の審査の中でも紹介したことですから、委員の皆さんから見たら花井は2回も言ってるのかと言うかもしれないけど、あえて皆さんには紹介したいと思うんです――適用労働者の賃金というのが第6条に出てきますけれども、それは「適用労働者に対し、市長が別に定める1時間当たりの賃金等の最低額以上の賃金等を支払わなければならない」と、こうなっています。「その最低額を定めるときは、次に掲げる額を勘案して定める」と言って、「工事または製造の請負の契約 農林水産省及び国土交通省が公共工事の積算に用いるため毎年度決定する公共工事設計労務単価、基準額」、これで算定しなさいと言ってるんですね。
 それから、皆さんのように物品調達をやっているようなケースも含めての話ですけれども、「工事または製造以外の請負の契約」については「野田市一般職の職員の給与に関する条例別表第1の2の3の項1級の欄に定める額」というふうになっているんですね。
 実際、市の職員の上位20%という言い方をしているところもあるようですよ。そのやり方はともかくとして、要は最低賃金法があるから最低賃金でいいんだなんていう、こんな話じゃないですよ。労働法制を超えてもワーキングプアをつくっちゃいけないということでもって、それぞれが取り組んでいるわけですよね。そういう積極的な姿勢が県に見られないというんでは、これはいけないと思うんですね。
 会計指導課長はもうさっき答弁されたんで、出納局長、前回もあなたと議論した話ですから、あなたのほうでそういうことに対して、本当に前向きにこういう問題についても考える、取り組んでいくという姿勢を示していく必要があるんじゃないかと思いますので、御答弁いただきたいと思います。

 それから森下人事委員会事務局長、残念な答弁ですね。中立公正な第三者機関、労働基本権制約の代償機関としての人事委員会と、おっしゃることは立派ですけれども、やっている中身は国追随のものでしかないと。市場原理は無理だというような。そうじゃなくて、まずは働く職員が働きやすい環境をどのようにしてつくるのか。それが労働条件であり、その中の重要な要素が給料だと。争議権その他労働基本権が制約されているから、それにかわって積極的に、前向きに生活を守っていくんですよと。その場合、国や他の地方公共団体とかけ離れたり、あるいはその地域の労働者とかけ離れるということはできないけれども、しかし、そういうものはしっかり保障しますよという基本に立つべきだと思うんですね。その辺がないまま、口では決して国追随ではないと言いながら、ここ一、二年のいろんな動きの中ではそうとしか見えないということで、これまでも指摘してまいりました。
 あえてこれ以上の答弁は求めませんけれども、そういう姿勢を改めないと、人事委員会の存在価値というのはないに等しいということだけは申し上げておきたいというふうに思います。

 監査についても、これまでもいろいろな問題がありましたけれども、そういう問題を克服しながら監査制度が本当に生きたものになるように、しっかりと監査をやっていただきたいなと。
監査のことを別に特別ほめるわけじゃないんですけれども、前は何か監査をやっていても、本当に監査が機能しているのかという思いがいたしました。こういう監査報告を見ても、ほとんど指摘らしい指摘がなされないという時期が昔はありました。最近、ここ数年というか10年ぐらいの間はうんと変わって、積極的に指摘をするようになったというようなことで、かなり改善をされたなという思いはいたします。しかし、これで県民の負託に十分こたえているといえるのかといえば、やっぱりまだ反省すべきところもあるんじゃないかというふうに思います。
 そんなことで、私の意見としてはそういうふうに申し上げておきますけれども、また局長のほうで御発言があるようでしたら、お願いをしたいと思います。

 さて、危機管理部に戻ります。
 東海地震が非常に切迫しているというのは、岩田危機報道監の話でわかりましたから、これはそういう思いで県がいるんだなということはわかりました。
 そうした中で1つは、先ほど建築物のシンポジウムに参加しての話の中で聞いていてびっくりしたのが、この建築基準法の確認を昔は地元でやっていたのが、今は全国どこでやってもいいんですね。そうすると、よそでやっている中には、必ずしも静岡県のようなこういう厳しい条件というのを、余り深刻に考えないで気軽に通しているところがあるように思われると言ったのか、あったと言ったのかわかりませんけど、先ほど、岩田危機報道監からそんなようなたぐいの話があったんで、私はひょっとしたらそうだなと。ふっと、姉歯元建築士の事件を思い起こしたわけですけれども。
 本当に地元でやるよりは、よその県に行って建築確認をとってくるという業者が結構いるんですよね。だからこういう問題を含めて、私どもはしっかりと住宅の耐震化とか、あるいは建築の耐震化というものも、取り組んでいかなきゃいけないんだなというふうに感じました。

 住宅被害の認定の話、これも取り組んではおるということですけれども、実際に始められたのは掛川市だけだと。県内に今、35市町があるわけですから、それぞれのところで前向きに取り組めるように、一層の努力を求めておきたいというふうに思います。

 さて、霧島山というんですか、新燃岳というんですよね。新燃岳の火山が相変わらず続いているという中で、富士山についても、これが活火山であることを忘れるべきではないということは、最近強調されるようになりました。
 そうした中、御殿場市で過日、環富士山火山防災連絡会の定期会合が開催されて、そこでこの新燃岳と過去の富士山噴火時の違いというような話があったということです。
 これには、県からもどなたかが参加されているということですので、これについて少しお話いただきたいというふうに思います。

 それから、火山という意味では2月28日、ついこの間伊豆東部火山群の火山防災対策検討会というのが開かれて、そこで噴火の際火口があらわれる可能性がある範囲を、伊東市沿岸部から川奈崎沖一帯とすることを決めたと。気象庁は3月31日から、火山活動の状況や住民避難行動を示した噴火警戒レベルを同火山群に適用し、噴火に影響を与える群発地震の規模を見通す地震活動の予測情報を導入する。しかも、3月31日の13時からこれが出るということですね。
 今までの県の地域防災計画の一般対策編の中でも、当然第1章にこの地震について載っているわけですけれども、これが今度変わってくるという話ですよね。今までは、噴火警報、噴火予報、4段階ぐらいたしかありましたよね。それが、今度は大きく変わっていくというわけですよね。この辺について県はどういうふうに受けとめておられるのか。
 特に新聞報道ですけれども、地元の佃伊東市長は「危険な地域が浮き彫りになったというより、事前の危機管理体制をより強化する上で、安全性が高まったという印象のほうが強いと前向きにとらえた」というふうに出ている一方、伊東温泉旅館ホテル協同組合の柴田昌彦理事長は、噴火警戒レベルの設定に疑問を呈したと。「突然レベル4と発表されたら」、これ噴火レベルは1、2、3、4とあって、2、3が飛んで1からいきなり4になるという、この話ですけれども、噴火レベル4と発表されたら「観光客はパニックを起こすだろう」と。「他の地域と条件が違うのであれば、もっと細かく設定するべきと注文をつけた」と。柴田理事長は「観光関係者の生活がかかっている問題」だというふうに言っております。
 地元のそうした関係者が不安になっていると、心配になっているというまま、これ3月31日やっちゃうというのは本当にいいんですかという思いが、私にはするわけですけれども、この辺について、どんなふうにお考えなのかを伺います。

 それから、浜岡原発の問題です。きょうもお話のあったように、4号機が営業運転開始ということですけれども、5号機は既に先月、営業運転が再開をされたということですね。2月23日から営業運転が開始になっています。
 5号機は昨年の3月からの定期検査ということですけれども、その前に一昨年の8月の地震で他の号機に比べて加速度計に非常に高い数値が出たということです。そういう意味では、これに対する懸念というのは住民はもちろんですけれども、県も地元も、それから国の委員会の中でも非常に話題になっていた。
 特に、彼らがいうような低速度層というのが、一体どうなっているのかということの実態というのは、まだ解明されてないですね。この委員会でも、一番詳しい岩田さんにいろいろ聞いても、岩田さんもそういう言葉はないこともないけどと言いながら、必ずしもその概念をしっかり説明できないと。大体おかしいんですよね。今までは、かたい岩石の上に立っているはずの、その下のほうは実はかたくはなかったという話のようですから、一体どうなっているのかと。国のほうも含めてバックチェックといいましょうか、しっかり調べて、その結果を踏まえて安全だということになれば、県もオーケーしますよと言っていた、私は危機管理監はいつもそういう答えをしていたように思っていたんですけれども。
 原子力安全・保安院がオーケーを出し、県防災・原子力学術会議がオーケーを出し、地元がオーケーを出したから県もオーケーしたということなんでしょうけれども、どうもそこら辺は正直言って私には合点がいかないといいましょうか、理解しにくいところだなと。多分そういう意味では、苦渋の思いをしながら危機管理監もオーケーをしたんだろうと思うんです。
 5号機の再開に当たって注文をつけたというふうには、私も承知はしておりますけれども、この辺の、5号機運転再開にあたっての県の基本的なスタンス、あるいは県は県民の安全・安心のためにどういう注文をつけて、それがどういうふうに果たされようとしているのか、その辺をお伺いをいたします。
 いずれにしても、この5号機再開の問題は、なお残っている市民の不安というものがあるわけですから、それへの対応というものもしっかりやっていく必要があるんだろうと思うんですけれども、その辺はどんなふうになっているのか。
 それから、いわゆるバックチェックについて、その結果というのが出てくるのがいつごろというふうに見通しているのか、その辺もお伺いをいたします。
 片方でこういう動きがある中でも、相変わらず浜岡3号機で1月19日ですか、3号機建屋の中で火災が生じただとか、それから1月初めだと思うんですけれども、4号機のひび割れ――蒸気乾燥器に3カ所――というのが起きているということだと思うんですね。
 そのほか皆さんのほうで、本来行なわなけりゃならない申請がやられてないケースに対してだとか、あるいは点検周期を超えて使用されていた機器が多数あったということに対する注文だとか。本当に中部電力というのは、危険なものを扱っているわけですから、県民の安全・安心という建前は言いますけれども、本音はやっぱり利益会社だなと思ったのは、新しい社長が5号機をすぐに運転再開させてもらいたかったけれども、延び延びになったおかげで820億円損したみたいな話を記者会見でやっていました。これが本音だろうなという思いを私はしたわけです。
 そんなことを含めて、特に浜岡原発についての県の考え方というか、そういうものをお伺いをいたします。

○大繽o納局長
 初めに、指導検査結果の資料につきましては、この21ページの資料の3、文書指示の発生した原因分析というところを新たに加えまして、少しわかりやすくしたつもりだったんですけれども、まだまだ足りなかったようで申しわけありませんでした。次回以降、できるだけわかりやすい資料を提出するようにいたします。

 それから、公契約条例についてでございますけれども、条例の制定ということにつきましては、先ほど会計指導課長から答弁したとおりでして、まずは国レベルでの立法措置としての十分な議論がされるべきだというふうに考えております。
 ただ、ワーキングプアの防止という意味では、県庁でも各部局がそれぞれ契約制度を持っておりまして、その中で現段階でできるところから取り組む必要があるだろうというふうにも考えております。
 例えば、国土交通大臣が国会での答弁の中で、労働条件安定のために実効あるダンピング防止対策ですとか、元請、下請関係の適正化などに取り組むとされていまして、交通基盤部におきましては、例えば低入札工事において詳細調査を行うとか、そういう対応はとっているというふうに承知しております。以上です。

○佐藤監査委員事務局長
 監査についてでございます。
 今年度最初の委員会だったかと思いますけれども、監査の基本方針について御報告をさせていただいたかと思います。
 監査におきましては、毎年基本方針を立てまして、それに沿って監査を進めているところでございます。本年度につきましては2つ大きな柱を設けまして、1つは公正で透明性があり、県民の視点に立った監査を目指すということ、もう1つは、実効性のある監査結果を確保するという、2つの柱を立てました。
 監査結果の公表等、監査として前向きに取り組んできたつもりではございますが、一方におきまして、全庁会計調査の結果についてそのほとんどを監査として見ることができていなかったという事態もございました。
 こうした点を踏まえまして、今後一層、機動的、弾力的な対応により、多角的な観点から監査を行いますとともに、執行部が行います事務事業の見直しや、改革を促すような監査を通じまして、県民の負託にこたえる監査を行う監査委員を、我々事務局が支えていくようにしてまいりたいと考えております。以上です。

○岩田危機報道監
 富士山の環富士山火山防災連絡会、先日御殿場で開かれまして、このときにお二人講演をいただきました。うちの職員としては危機情報課の職員が参加をしてまいりました。
 まず荒牧重雄さんという方、この方は東京大学名誉教授で長く富士山の研究をされて、今現在山梨県環境科学研究所長をやっておられる方でございます。この方から、富士山と新燃岳、いわゆる霧島の火山の性質が違うんだということが御説明ありました。特にマグマの成分の関係です。霧島連山は、いわゆる安山岩というシリカに富んだマグマであり、比較的爆発的な噴火をする山である。
 一方、富士山は基本的には玄武岩のさらさらとした溶岩であるということで、比較的爆発的な噴火といった形態はとりにくいんですけれども、ただ、もともとの火山としてのマグマの絶対量が圧倒的に富士山は大きい山であるということで、そういったことに対して、きちんとやっぱり防災対策とか計画づくり、それから市民との情報共有というのが必要であるという、そんな御講演をいただいたというふうに聞いております。
 もう一方、岩手大学の土井さんという方、この方もやっぱり内閣府火山防災エキスパートでございまして、この方からも講演をいただいたということです。この方からは、こういった防災対策をするためには、きちんとやっぱり市民との情報共有というものが必要であるということと、それから、防災対応をとる市や町の担当、これ県も含めてでございますけれども、担当職員が、対応策についてきちんと引き継いでおくということが必要である。特に富士山については、もう計画がつくられてから年月がたっておりますので、担当者も変わりつつあるということで、こういった連絡会の中で、防災対応について職員同士がきちんと引き継いでいける環境づくりが必要だという、そういった御議論もいただいたということです。
 定期的にこういった連絡会を開きながら、環富士山につきましても市町村の担当者、それから県、それからこれは山梨県も入っているんですけれども関係機関の担当者が情報共有するということで、こういった活動も継続していく。

 もう1点、伊豆東部火山群の噴火警戒レベル導入にあたって、前回の会議では伊東市の防災計画がまだ間に合っておりませんでしたので、伊豆市と県の防災計画を原案として御提示させていただきました。
 その中で、地元の観光協会等なかなか十分な理解が得られていないという新聞報道もございました。前回2月の時点で、一度観光協会をお邪魔しまして、県からも、それから気象庁も含めて御説明に伺いました。今回3月23日に市民フォーラムを検討してございますけれども、なるべく早く観光団体の方々にも、この噴火警戒レベルの意義、それから逆に言いますと、この警戒レベルを導入することによってより安全な情報、安心情報としても情報は提供できるということの御理解を深めるために、なるべく早い段階でお伺いして、説明してまいりたいというふうに考えています。

○小林危機管理監兼危機管理部長
 それでは、浜岡原発の5号機の問題について、私のほうからお答えいたします。
 5号機につきましては、今営業運転を再開しているわけですけれども、それを認めることについては、私としては県として大変重い1つの決断をしたというふうに考えています。
 というのは、やはり原子力安全・保安院が原因解明、それから想定東海地震の耐震安全性について大変熱心な議論をしていただいて、約1年半にわたって――中でも分科会に一たん差し戻すという――非常に慎重を期した検討を重ねていただいたと、私はそう受けとめています。
 その中で、実は原子力安全・保安院と我々との間の違いというのがどこにあるかといいますと、原子力安全・保安院というのはあくまで安全性を審査するのが原子力安全・保安院の役割で、我々はその安全性に対する評価について、我々がどう受けとめるか。そしてさらには、本来からいきますと、それに加えて地域住民の方々、それから県民の方々にどう安心していただけるのか。
 原子力安全・保安院は安全性のところで、一応自分たちの基準を設けて、その基準にのっとって判断するわけですが、我々はできればそこにプラス安心のところまで求めたい。委員がおっしゃったように、その安心という点からいきますと、本来からいけばやはりバックチェックを終えていただく。終えた段階で運転を再開するということが、私自身も好ましいとは思っておりましたが、だけども一応、想定東海地震に対する安全性については、一応保安院のほうでお墨つきをいただいた。そして、我々が設けております静岡県防災・原子力学術会議の原子力分科会においても、原子力安全・保安院の評価は妥当だという専門家の御意見をいただきました。
 それから、4市対協――浜岡原発安全等対策協議会におきましても、運転再開に同意するということをいただきまして、それで最終的に知事と御相談をした結果、やはりそういった保安院の判断、それから分科会の判断、それから地元の判断、これを尊重して運転再開は認めていきましょうと。ただし、無条件で運転再開を認めるわけではなくて、やはりそのバックチェックというのは、非常に大きな課題だと考えておりますので、なるべく早くバックチェックを終えていただいて、それに基づいて、耐震安全性について改めて保障をいただくことによって、県民の皆さん、地域住民の皆さんも安心していただける。だから要請事項の中に、その中の一番最初に、原子力安全・保安院が早くバックチェックを終えて評価ができるように、中部電力として全面的に協力しなさいということをお願いしたわけです。
 それからもう1つ、いろいろな保安規定違反、法令違反がございました。それは、私は前々からひとえに、中部電力の管理体制そのものに問題があると考えております。ですからその管理体制を見直してほしいということを、保安規定違反、法令違反のときにお願いをしておりますので、今、9月に向けて中部電力がその管理体制を見直すことをお約束しています。9月に向けてそこら辺のところを、中部電力がどういう形で体制をとるのか、また中部電力と途中でも経過を聞いて、中部電力と意見交換しながら、実質的にそういった1つレベルアップした管理体制になるようにしていきたいなと思っています。
 それで、バックチェックの見通しですけれども、これは私、すぐ5号機の運転再開を県として容認すると言った翌日に国のほうへ出向きまして、原子力安全・保安院の方々とお会いしまして、保安院の方々に、次はぜひ最優先でバックチェックをしてほしいと。原子力安全・保安院のほうでは、一応3月末に中部電力の地下構造調査の作業が終わることになっていますので、それをいただいて集中的にバックチェックについて、原子力安全・保安院としても全力を挙げてなるべく早く出せるように。そして、そのバックチェックを出した段階では、原子力安全・保安院のほうで、またその中身についてちゃんと公開の場で説明していただくと。そういう段取りで進めることになっておりますので、我々としては、また来年度に入りましても原子力安全・保安院をお邪魔して、そのバックチェックの状況等を確認することによって、一日も早くバックチェックを終えて想定東海地震に対する耐震安全性というものが、バックチェックの観点からも保障される。
 そういった意味で、ただ安全を担保するだけではなくて、県民、地域住民の皆さんが、ぜひ安心を持っていただけるという状態に一日も早くしたいということで取り組んでおりますので、よろしくお願いします。

○花井委員
 浜岡原発の問題で、5号機再開については県としても重い判断をしたんだと。本来ならば、バックチェックを終えて、その反応も含めてというのが好ましかったという今お話だったわけですけれども。
 先ほど言ったのは、なお残る市民の不安への対応という点で、1月15日でしたか市民説明会があったと。しかし、そこでもかなりいろんな意見があったということで、新聞等にもなお残る市民の不安というようなことが言われているわけですね。
 だから、それに対してどう対応していくのかと。これはもう、バックチェックが出てこなければ何とも仕方がないんだ、ということではないんじゃないかと。そこは県がこういう判断をするに至った経緯の中で、県民の皆さんに納得していただけるというものに自信があるならば、もっと県としても何らかの形で、やるべきではないのかなというふうに思うんですけどね。その辺はどんなふうにお考えになっているのかということですね。
 バックチェックについては3月末に、地下構造調査を中電の側が終えて、そこから言ってみれば始まる話だということですから、いつになるかとちょっとわからない話ですけども、できるだけ早くやってくれという話はしているというふうに、一応受けとめておきますけど、今私が申し上げた点について、再度お伺いをいたします。
 この原発の難題をめぐっては、部長と私と何回かここで議論をいたしました。その考え方においては、なかなか私と部長がうまく交わるというところには到達していませんけれども。しかし、あるところでは私も理解できる部分もあります。部長として、県の当事者としての責任という中では、この原発が安全であってほしいし、その可能性はあるんだと。100%とはいかないけれども、99%まで安全を確保することは可能なんだというのが、部長の言い分だろうと思うんですけれども。
 私も、すべて原発は一から十まで危険だよというつもりはもちろんありません。もちろんそこでは、この原発の技術がまだ未確立なものであるということはあるにしろ、それなりに発展をしてきていると。あるいはいろんな事象を通じて、それを解決する中で発展をしてきているということは、私は事実だろうというふうに思うんですね。しかしながら、浜岡原発がなぜ危険かといえば、先ほど岩田危機報道監も言っていたように、東海地震が切迫をしているという状況があるわけです。この想定東海地震というのはほかの地震のように、例えば阪神・淡路大震災では激しい揺れというのは十数秒という程度ですけれども、想定東海地震では1分から2分と。地盤が軟弱であればそれ以上だと。そういう激しい揺れがくるんだというふうに言われています。だからこれをとめるとか、冷やすとか、いろいろ幾つかの条件があるわけですけれども、それらがすべてうまくいけば、確かにその可能性はないことはないと思うんですけれども、すべてのことがそんなにうまくいくもんだろうかという懸念というのは広く県民の中にあることは間違いないわけですから、だからそういう危険なものをあえて稼働させる必要ないじゃないかという意見というのは、当然あるわけですよ。
 私とあなたの違いというのは、もう明らかに違っているわけです。この違いについて、今あれこれどうしろということはありませんけれども、私は部長にその点はしっかりと、そういう県民の思いというものを受けとめていただきたいなというふうに思います。
 それと、シビアアクシデント――過酷事故、チェルノブイリだとか、ああいうのはまさに過酷事故というふうにいわれるものだろうと思うんですけれども。かつては安全神話というのが、日本ではまかり通っていたんですね。阪神・淡路大震災までは、高速道路も壊れないというふうに言われていましたし、茨城の東海村の事故が起きるまでは、原発についても安全神話というのがまかり通っていたけれども、それは通らないという時代を迎えているというふうに思うんですね。そういう中で、この過酷事故に対する対応というのが、既に1977年にはスイスではつくられているそうですけれども、我が国ではどこにもそういう対応計画というのはないわけですね。だから私はやっぱり、そういうものを含めて、本当にこの問題を通して県民の安全を守り通すということならば、そういうことも必要ではないのかなと。
 世界を見ても、ヨーロッパでもアメリカでも、最近原発の建設が再開されたと言われています。実際には、フランスがフィンランドで進めていたのも、日本からもその工事にかかわっているようですけれども。建設費は当初約30億ユーロと言っておったのが、実際には工事のおくれで追加費用が必要になって、お願いをしたが電力会社側は金を払わないというようなことで、結局国際商業会議所で仲裁申し入れになっていると。これがヨーロッパの第1号ですね、フランスが世界に誇っている欧州加圧水型炉――EPRの世界1号機ですよ。これがそういうことになっている。アメリカでも、実際カルバートクリスフ原発の新設が昨年10月凍結されたということですね。そういう世界の流れを見ても、私は原発というのは簡単に容認できないんだなと。うまくいくように、原子力安全・保安院も含めてあれこれ説明するけども、そんなに甘いもんじゃないなというのが私の率直な思いです。
 そういう思いを申し上げながら、部長の所見を改めて問いたいというふうに思います。

○小林危機管理監兼危機管理部長
 県の判断について県民の方々に不安があるという話は、それは私のほうも承知しております。要は原発で一番肝心なことは、やはり信頼関係の問題だと思いますね。だから、中部電力が原子力発電所を稼働させているわけですが、その中部電力のやっていることに対して、まず信頼があるかどうかというのが一番の大前提です。私は事業者としての中部電力というのは、そういった地域住民、県民の信頼の獲得に向けて、本当に精いっぱい努力しているのかということについては、今回の保安規定違反とか、法令違反、こういったものを見ますと、県民や地域住民の方々が非常に心配するのもむべなるかなと思っています。
 それともう1つは、今の軽水炉型の原子力発電所の仕組みについて、やはりもうちょっと冷静に県民の方々、地域住民の方々も知っていただきたい。一方的に不安心理をあおるような、そういった主張も見られますので、ともすればそういったものに流されがちになるということも実態としてありますので、その点でも、もっともっと今の軽水炉型について知っていただきたい。
 私にとって今の原子力の一番の根幹というのは、これはあくまで平和利用です。別にあそこで原爆をつくっているわけではないので。全く原爆とは違う仕組みによって、原子力発電という1つの平和利用の技術が確立されたわけで、その技術にのっとって運転をされている。その安全性については、残念ながら物事100%ということはありません。だけども、それが実用化するレベルにきたということも、これが私は事実だと思います。ただ、だから事実としてあるからいいというのではなくて、やはりそこでまだまだ、当然事業者として、その安全性を担保する、それから地域住民、県民の安心を担保するための不断の努力、こういったものをしていただくしかないと思っています。
 先ほどバックチェックの話をしましたが、いつかわからないではなくて、3月末に中部電力が地下構造の報告を出せば、原子力安全・保安院のほうは、直ちに集中してバックチェックの審査にかかっていただけると、評価の審査にかかっていただけるということですので、我々は来年度内の、しかもなるべく早い時期にバックチェックの結果を出していただくようにお願いをしたいと思っています。
 特に、今中部電力にお願いしているのは、原子炉建屋ですね。私は原子炉建屋の安全性を守るということが、もう原子力の安全性の一番の根幹であり、基本であると思っていますので、例えば、もう原子力建屋内での一切のふぐあいを起こさないというようなことを、体制的に真剣に考えろと。よくあるのが、検査が終わりますと、原子炉建屋の中で水の中に針金があったとか、何かひもの破片があったとか、そういったずさんな管理体制こそが、そういったことが、なかなか県民、地域住民の信頼を得られないということにつながっていくと思います。
 私は最終的に行き着くところは、その信頼関係をどう築いていけるのか、そして原子力の発電の仕組みについて、県民の方々がどう理解していただけるのか。やはりそこのところを、もっともっと議論していかないと、反対にただ単に危ないからやめろという議論だけで、本当にそれだけでいいのか。日本にとって本当に原子力エネルギーというのは非常に大切なものです。国全体では電力の中のエネルギーとして30%まで原子力が担うようになってきているわけです。これが安定的なエネルギーとして供給されているという、こういった現実がありますので、そういうところを踏まえて、もう少し原子力について冷静な議論ができることが、反対に原子力の安全性を高めていくし、国民の、県民の安心感にもつながっていくと私は思っておりますので。
 我々もそういう方向で、なるべくいろんな情報を県民の方々に積極的に開示することによって、少しでもそういった、当然危険なことは危険として、どうしたら危険になるのかということは情報として出さなければいけませんが、ただ単に安心感を醸成すればいいわけではないので、そこら辺のところはきっちりやりますけれども、ただ一方的に危ない、危ないという議論にとどまらせたくないという気持ちはあります。そこら辺のところは本当にオープンな形で、これからも情報をできるだけ広く県民の方々に公開をしていって、この原子力の安全対策に取り組むのが我々の仕事ですので、その安全対策を進めていきたいと考えています。以上です。

○花井委員
 今お話があったようなことで、安全・安心を確保していくために県が努力するというのは、これは当然のことですけれども、ただ部長の認識が絶対的に正しくて、不安を持つ県民の人たちがちょっとおかしいんだというふうに聞き取れるような発言は、ちょっといかがかなというように私は思うんですけれども。
 前回も申し上げましたけれども、世界の流れというのは、必ずしもすべて今の軽水炉型の原発に頼らなきゃならないかといえば、そうじゃないよという話を前回いたしました。繰り返しませんけれどもそういうこともあります。
 それからもう1つは、プルサーマルの話も、浜岡は2年延期になりましたけれども。アメリカのマサチューセッツ工科大学、いわゆるMITの研究報告、核燃料サイクルの将来の概要というのが発表されました。これなんかも原子力を推進する立場からまとめられたものではありますけれども、要は現在の原発の主流である軽水炉の燃料となるウラン資源が、少なくとも今世紀の大半にわたって不足することはないといっているわけです。にもかかわらず、何かウランがなくなっちゃうからプルサーマルというような、当たり前のようにしてプルサーマルの議論がされるわけですね。だからやっぱり、1つ1つの話というのを、ある主張だけを聞いているんじゃなくて、その別な話もちゃんと耳を傾けないと、いわゆる、ためにする反対じゃなくて、原発を進めるような立場だって、こういう話をちゃんと僕はしているんだという点も、しっかりと受けとめていただきたいなと、意見を申し上げておきます。
 最後に1つ落としましたんで、出納局長にこれも申し上げるだけですけれども。
 公契約条例の話で、何か木で鼻をくくったような、さっき答弁をしましたけれども、そんなことじゃなくて、やっぱり県としてもっと前向きに、これはとらえるべきではないかと。
 相変わらず国が、国がと言えば国の責任で、国がやりゃ県もやるよというような議論の立て方というのは、私は違うんじゃないかと。やっぱり、県として県民の暮らしをどう守っていくのかと。労働条件、賃金の問題も含めてそういうものをどう守っていくのか。そのことがいい成果を生み出すもとになるわけですから。そういう意味では人ごとのようにとらえないで、先ほど、私はILOの話だとか、野田市の公契約条例の話とかいろいろしましたけれども、そういうものもしっかりと踏まえて、前向きに対処されることを要望して終わります。

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