本会議会議録
質問文書
平成25年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者: | 伊藤 育子 議員 | |
質疑・質問日: | 07/29/2013 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○伊藤委員
お願いいたします。
私のほうは、分割質問方式でお願いいたします。
まず1つ目は、先日、7月12日、先ほどから話題になっておりますアンテナコーナー「おいしず」に行ってまいりました。アンテナコーナーということで、産業委員会資料にも運営方針が出ていますとおり、いわゆる営利のみを追求するのではないと、アンテナなんだという位置づけということは理解しているんです。行ってみてびっくりしたのは、私はいろんな県がああいう形で出てきているんだと思っていたんです。
ところが、他県は数が少ないわけです。企業が出ているほうが多かったんです。だとするとあそこのアンテナコーナーというのは、ちょっとほかのお店と比べるのは酷かなという気はいたしました。
しかしながら、ちょっと見劣り――そんな言葉を使ってはいけないのでしょうか――ちょっとぐあいが悪いなという感じもいたしました。本会議でも質問があったんですがもう少し詳しく教えていただきたいと思います。
まず、そのコンセプトです。ああいう中で我が静岡県はアンテナコーナーを設けたという、そのコンセプトについて確認しておきたいと思います。
それから、あれから1カ月なんですがそのコンセプトの達成状況がどうなのか。何か、前の経済産業部長もお見えになっていて、ばたばたああしろこうしろと言ってましたけれども、そうはやっても太刀打ちできない状況かなとも思いますので、コンセプトの達成状況、それから評価についてお伺いしたいと思います。
もう1点は、本会議でも出ておりましたけれども、本県らしさを一体どこに置いた結果、あのお店なのか、それについてちょっとお伺いしたいなと思います。だって、素通りしたんですもん、行って。すてきだね、いいねなんて言いながら行って、それであれっと。あっちから静岡県の職員がこっちに向かってきましたので、この人たちどこに行くのなんて思ってたら、我々が通り過ぎたところが静岡のアンテナコーナーだったんです。何だ、何だ、通り過ぎちゃったのかというぐらい、わからなかったんですよ、本当のこと言って。
だから、静岡らしさというのをどういうふうに演出して、あの店舗になったのかなと感想を抱きましたので、その点についてお伺いしたいと思います。
確かに、工夫を凝らして、本当に誘客専門というお店と比較するのは気の毒かなと思ったんですが、そこのところはせめて静岡県人が素通りするなんていうことのないような店舗の演出が必要かなと思いますので、そこのところをどういうふうに演出なさったのかお伺いしたいと思います。
それからもう1つは、アンテナコーナーというのは、産業委員会資料の41ページにもあるんですが、6次産業化というものの成果かな、1つの入り口から出口までいろいろあるんでしょうけども、最後の部分の支援かなと思うわけなんです。そうだとすると、入り口から出口までの6次産業化の支援が一体どうなってるかというのは、この6次産業化というこの概念が農業関係者、商業関係者全部にどのぐらい浸透しているのかなという思いを持っているわけです。懸念しているわけですよ、はっきり言えば。
ですから、入り口のところでどういうふうな支援をしていただいて、そして最終的にこのアンテナコーナーに来るんだよという、そこのところの取り組み状況を教えていただきたいなと思っているところでございます。
○黒柳マーケティング推進課長
それではまず初めにアンテナコーナーのコンセプトについて御説明をいたします。
アンテナコーナー「おいしず」ですが、委員が御指摘のとおり、売り上げを追求するものではなく、あくまでも県産品の販路開拓の支援の場所、テストマーケティングの場所と位置づけております。
それから、首都圏における多様な県産食材の情報発信拠点でもあります。
さらには、首都圏を中心としましたバイヤーの皆様もあの店舗を訪れるということから、生産者が積極的にアピールする場所として活用していきたいという、その3点でございます。常設の展示場みたいな形として考えております。
コンセプトの達成状況の評価についてですが、秋葉原の土地として非常に多くの方々が集まる場所で、あの「おいしず」が入っている商業施設につきましては、1日1,000人以上のお客様に御来店をいただいているということで、幅広く情報発信はできているものと捉えております。
委員がお見えになった7月12日も茶業関係者が呈茶等をしながら、試飲をさせながら商品説明をしていたかと思いますけれども、ああいったことに積極的に取り組むことによって、商品の反応を得ることができると捉えております。まだ始まったところですので、今後そういったところを強化してまいりたいと思っているところでございます。
静岡らしさをどう演出してあの店になったのかという、非常に厳しい御質問ではございます。私どもとしましては、食の都しずおかというようなことを前面に出していきたいということで、委員がお見えになったときはまだ掲げてなかったのですが、食の都しずおかののぼり旗をまず入り口のところに掲げるような状態にしております。富士山の世界遺産登録もされたことですので、富士山を前面に出して、写真、ポスター等を張りまして、お店の雰囲気づくりを進めるということです。
富士山に関連した商品の販売状況が割といいものですから、そういった商品を前面に出して、お客様の注目を集めるというようなことに今取り組んでいるところでございます。
もう少し、店の紹介ができるようなことも、これから検討してまいりたいというふうに思っておりますので、また御指導いただけたらと思います。
6次産業化の入り口からどのような支援をしているのかというお話でございましたけれども、平成22年度から各農林事務所と水産技術研究所に6次産業化を支援する相談窓口を設置しておりまして、相談内容によりましては、専門家が対応できるようにということで派遣をしております。
それから、商品づくりをする場合の試作品ができたところで、試作品の評価会を専門家によって行っていただくとか、でき上がったものについては、商談会に出品いただくということもあります。「おいしず」では、途中の段階でも消費者の御意見をいただけると思いますし、でき上がった段階でもあそこに並べて、消費者の御意見をいただくことにつなげていきたいと考えております。以上でございます。
○伊藤委員
ありがとうございました。
あの場所というのは、物すごくいいと思いましたよね。本当にたくさんの方がいらっしゃるんですが、1日1,000人入った中で何人、静岡県のアンテナコーナーにおいでいただいたのか、そのデータをとってらっしゃるのかどうか。ほかのところは随分混んでいましたよ。
隣の桃はうまく売ってるんです。だから、その桃を1箱買っちゃったんです。北海道のところもすてきに陳列してあるんです。ところが、うちは不細工という感じでしたよね。
ですから、展示の仕方にも何かちょっとあか抜けしないところもあるなと思ったんですが、これっしかどころへ委託ですよね。ということは、これっしかどころのセンスであの展示をされているというふうに理解してよろしいのでしょうか。
それから、これっしかどころに委託したその理由ですよね。どういうようなプロセスでこれっしかどころに行ったのか。
そうするとまさに皆さんイメージしてくださればいいんですが、掛川駅にこれっしかどころがありますよね。うちのアンテナコーナーはあそこを小さくしたようなお店なんですよ。あそこはあそこで魅力的なんですよ、これっしかどころは。じゃあこっちも魅力的なはずなのに、ほかの県の店舗と比べますと、何でこうださくなっちゃうんだろうと、そういうふうな感じなんですよ。私も専門家じゃないですから何をどうすればいいのかわからないんですが、色目の統一もあるのかなというふうな気もしました。ごちゃごちゃいろいろ並んでいるだけでというふうな感じなんですね。ラッピングの問題もあるかなというふうな気もしました。のぼり旗と富士山でとおっしゃいましたけど、のぼり旗を想像して、またまたださくなっていないかなと私は心配なんですね。富士山の写真をどこにどういうふうに展示してあるのかなと想像しますと、ますますださいというふうな感じで、もう1回見にいかなくちゃいけないなと思っているんです。
富士山は確かに効果的で、どのようにださく張っても、富士山さえあれば何とかできるかなというふうな思いはあるんですよ。どんなにださくても、とにかく富士山は出すべきだと思うんですが、あのとき富士山もなかったものですから、通り過ぎたのかなと思いますけれども、もう1回見に行くときには、胸を張って、ここが静岡だ、皆さんおいでよと言えるような店舗、コーナーにしておいていただけたらなと要望しておきますね。これ以上質問しても、見ながらでなければどうしようもないので、ここの部分は要望でよろしいです。視察に行きましょう。
もう1点は、6次産業としての振興の仕方なんですが、例えば、それではアンテナコーナーに並べていただくための生産者、または6次産業を意識して頑張ってきた方々の努力というのは、どこでどんな形で認められることになるんでしょうか。それについてお伺いしたいんですね。
それからもう1つ、アンテナだとすると、秋葉原を見ていますと、外国人の方も随分来てらっしゃいましたということは、海外への発信、そして海外からの受信もあのアンテナで可能なのかどうか、そのアンテナの性能のほどをどれほど期待してらっしゃるのか。それについてもう1度お伺いいたします。
○松浦振興局長
御要望ということでしたけども、ディスプレーの方法につきましては、委員を初めいろんな方からいろいろ御意見いただいております。ああでもない、こうでもないという中で、努力しながら運営をしております。
今行けば、相当御納得もいただけるものかと思いますけれども、さらに質をよくするために、専門的な方にも見ていただいて、今後もう少しあか抜けたようなことで、ださいと言われないようにしていきたいと思います。
6次産業化等の出口としての位置づけなんですけれども、御案内のとおり、ふじのくに新商品セレクションというものを制度として持っておりまして、まさしく本県の食材を加工したものになります。現在、アンテナコーナーは賞味期限等の関係があって加工品が中心になっております。ぜひ6次産業化ということでいい素材を新しく加工品にして、それから一定の例えば味だけでなくてパッケージですとか価格設定もそういうセレクションの認定要素になっておりますので、そういったところをクリアしていただきながら、特にセレクションで選ばれたものは、アンテナコーナーの中央に据え置くようなやり方で、皆さんの努力に報いていきたいと考えております。
外国人の関係なんですけれども、海外の方もいらっしゃいますし、結果として海外へも行けばいいと思うんですけども、まずは何といっても我が国を代表する主要消費地である首都圏ということで、首都圏への情報発信を考えております。以上です。
○黒柳マーケティング推進課長
これっしかどころに商品管理業務を委託したその経緯でございますが、4月の下旬に委託者の募集をホームページ上でしておりまして、その募集期間が終わったところで出てきたところがこれっしかどころ1社だけであったということです。
これっしかどころさんは、これまで掛川駅の構内で地元の物を販売されている実績もあり、地域食材や特産加工品の情報も持っていらっしゃるということ。それから、いろんな商品開発に関しても御指導をされているというような経緯もあり、以前は県中東遠地域の商品を中心に扱っていたということですが、今は県内全般の商品を扱っているということで、経験は豊富であるということをもとに、これっしかどころに委託したということでございます。
「おいしず」が入っている商業施設の来客数でございますけれども、先ほど1,000人を超えるということで答弁しましたが、1日平均1,677人ほど入っております。これは「おいしず」の入っている商業施設に来て購入をした方、レジを通った方の人数でございます。その中で「おいしず」のコーナーにどれだけ立ち寄ったかということのデータはとれておりません。以上です。
○伊藤委員
ありがとうございました。
しっかりデータをとっているんですね。思ったより多いじゃないかという感想を持ちました。
そうすると、ださくても何でも人は来ているのかなという思いはあるんですが、でも、ほかのところのお店に私と佐野県議の2人で行ったんですね。そのときに2人で回ってみて、買わないんだけど、足を踏み入れてみたくなるお店ってあるんですよ。それで入ってみたら買っちゃってという感じですよね。
ですから、やはり人が入りたくなるような、だささで日本一というのもいいかもしれませんね、逆に考えると。そんなにすてきさとか、それで競うこともないかという思いを今持ちました。静岡って、物すごくださいところだよと。どこもかなわないというぐらいでもいいのかもしれません。とにかくいろんな方々に寄ってさえいただければ、そういう方法もあるのかなという思いを持ちましたので、また行くときには期待させるようなお店にしていっていただければありがたいなと思っています。
海外とのアンテナの役割については、とりあえずは国内でというお話がございました。そうなんでしょうね。でも、だとすれば、東京観光案内所はあそこにまだありますよね。あれは、なぜあそこに持っていかないんでしょうかね。お茶こそ、まさにうちの基幹産業なんですから、東京観光案内所とアンテナコーナーの関係はどういうふうになるのかなと思ったんです。私は、東京観光案内所の営業時間が気になってしょうがないんですよ。まず4時で終わるということ、土日閉店しているということ。今はどうなっているのか、私は調べていなかったんですが、東京観光案内所そのものも、情報発信がもっともっと可能なこういう場所に持っていったらどうなんだろうと思うんですが、その点は改善されているんでしょうか。もう1回確認しておきたいと思います。
○松浦振興局長
東京観光案内所との関係でございますけれども、あちらがお茶をメーンテーマとして常設のものということで従前からございまして、今回、お茶も含めた食品全体ということでアンテナコーナーを設けまして、まずは定着している東京観光案内所との連携を図るということで、双方に案内チラシ等を設けまして、連携した取り組みを図っているところです。今後の位置づけにつきましては、そちらを設置しています観光協会とも連携を図りながら、また考えてまいりたいと思います。
○伊藤委員
ありがとうございました。
いずれにせよ、アンテナコーナーがアンテナの役割を果たすような方向でお願いしたいということと、もう1つは、海外を視野に入れたアンテナであってほしいなという思いを持っているところでございます。要望しておきますね。
2番目の質問に行きます。
ことしの4月、議員提案で静岡県の商店街振興及び活性化条例が4月から施行されているところなんですが、それを受けて、もう既に動きが始まっているのかなという思いを持ったことがございました。商店街の総会に出ましたら、若い人たちがとても多くなったなと。今までは、商店街も終わりだなと、この世代で終わりかなという感じの顔ぶれだったんですが、若い人たちが今回出ていたんですね。その若い人たちが、例えば島田市の場合は、この間新聞に出たんですが、シマアツという、島田が今熱いよというふうな、そういう動きを若い人たちが始めているわけですね。
また、先週の金曜日、土曜日からでしたか、新聞にも出ました志太バルです。今回は島田からスタートをしていました。商店街の活性化条例ができたから若い人たちが、ということではないんでしょうけれども、たまたま若い人たちが動き出したなという思いを持ったところでございます。
ですから、頑張る人たちは支援しますというようなものが農業関係ではよく出てくるんですが、商業関係でも頑張る人たちにこそ応援をという意味で、若い人たちの動きに対して具体的にどのような支援が期待できるんでしょうか。
また、県がどうこれにかかわってきたのか、または、これからかかわるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○浅山地域産業課長兼商業まちづくり室長
シマアツに関連して、商業振興策について御説明いたします。
ただいま委員から御説明いただきました、今回島田市で開催されましたシマアツについてです。これまでありました商店街や商店会等の枠を超えて、若手やあるいは女性たちの商業者グループの活動を支援する県のモデルプロジェクト事業に昨年度から取り組んでいます。そして今回、このシマアツというのが委託事業採択されて開催されたところでございます。
具体的には、今度のシマアツにおきましても、ふじのくに魅力ある個店に登録されている若手商業者を中心に、島田地域の26店が今回参加して、内容としては、お客様に1日26店のうち数店を、たくさん回ってくださいねというイベントなんです。昨年も独自で開催してはいたんですけど、今回はお店同士の独自のコラボ展示だとか、例えばクイズスタンプラリーのようなもの取り入れて、多くの人が集まって開催されたところでございます。
先ほど、委員からもお話がありましたけれども、このシマアツという意味合いは、島田が熱いということで、若手の経営者の方々が、今の島田の商業を何とかしなくちゃいけないという熱い気持ちから出てきた事業を県で受けて、じゃあやってみようと。そういう形でやっていただいた事業です。
この成果としまして、まだ開催して間もないものですから、データはまだまとまって上がってきておりませんけれども、昨年に比べまして、市内外からの初めてのお客さんが大幅にふえたと。それとこの経営者の方々も、今までそれぞればらばらだった商業者が、一緒に1つのイベントにみんなで取り組むことで仲間意識も高まってきましたし、あわせて、それぞれの個店の意欲も湧いてきまして、今後も継続してやっていきたいとのことで地域の商業の活性化のいい事例じゃないかと感じております。
このモデルプロジェクトにおきましては、お金は余りかけずに、若手の経営者の方々の意欲といいますか、その頑張りでやっている事業なので、一工夫すれば、県内のいずれの地域でもできる事業です。今回たまたま島田でシマアツという事業をやりましたけど、これからまだ浜松と藤枝のほうでも、また全然違う若手の経営者の方々がやるイベントがありますので、そのイベント等の成果もあわせて、また報告会等で市町や商工団体等にも報告させていただいて、静岡初のイベントという形で取り組んでいきたい、そのように考えております。以上です。
○伊藤委員
ありがとうございました。
私もシマアツを知らないで行って、それで聞いて、新しい店舗に行ってみたという経験をしましたので、こうやって広がっていくのかなという思いを持ちました。ですから、新しい動きが始まっているなという気配は感じるんですが、あれを大事に大事に広げていっていただければなと思うんですね。
それで、商店街の1軒でもシャッターがあけば、もっといいなと思っているところなんです。大事に育てていくという意味で、経済的な支援ということは言いませんけれども、認めるという支援の仕方もあると思いますので、かわいがってやっていただきたいと思っているところでございます。ありがとうございました。
3つ目行きます。
中小企業の対策についてお伺いいたします。
産業委員会資料ですと9ページなんですが、雇用の問題も含めまして、どこの県でもそうだと思うんですが、製造業を支えているのは7割、8割方中小企業だというなことが言えると思うんですね。
ところが、私は不思議でしょうがない。この豊かな静岡県が、何で有効求人倍率が全国の23位で平均より下なんでしょうか。
それから、赤字企業数が2年間ワーストワンを続けているということは、これは一体どうしたことかと思うのですが、これについてはどのように、その理由、原因を分析してらっしゃるんでしょうか。それについてまずお伺いいたします。
○渡辺商工振興課長
本県の有効求人倍率が全国平均を下回っている、それから先ごろ新聞報道でも赤字企業の割合が全国一というような報道がされたところでございまして、この赤字企業について答弁します。
これはあるリサーチ会社が自社のデータベース上で、3年間連続して赤字の企業のうち静岡県の企業の割合が一番高かったということでございまして、それは統計数値というよりは記事として意味合いが強いものです。しかし実際のところ、赤字企業が多いということは事実でございまして、有効求人倍率のほうにもあらわれていますし、鉱工業生産指数もリーマンショック以降、ずっと全国平均を下回っているという形で統計数値も出ております。
これは、やはりリーマンショック以降、円高とか東日本大震災等がありまして、本県企業は輸送用機械、それから電気機械に頼っているという産業構造がございまして、そこの輸送用機械が非常に低迷し、特に輸送機械に関しては、下請企業がかなり多いわけでございますので、そこが低迷したことによって、本県経済がなかなか全国平均まで行っていないと考えております。
一方、本県企業の廃業率は、全国的に悪いほうから14位ぐらいでおりまして、そういう意味で赤字企業の割合は多いけれども、経済の状態はよくないけども、倒産までは広く至ってないという、そういう形であります。
いずれにしても経済の情勢はよくないということで、県としては静岡新産業集積クラスター事業の推進や中小企業の成長分野の参入支援をしていくことにより新産業を創出するとともに、中小企業において新たな製品やサービスづくりを行う経営革新に積極的に取り組むように支援し、本県経済の振興を図ってまいります。以上であります。
○鈴木雇用推進課長
有効求人倍率が全国より下回っているということにつきまして、ただいま答弁がありましたとおり、第1点といたしましては、リーマンショック以降の製造業の生産の低下が上げられます。
もう1点考えられることといたしましては、東日本大震災の被災地における有効求人倍率が高くなっておりまして、全国の数値を押し上げているということが考えられます。これは、大震災から復興事業等によりまして、被災県における求人が多くなっているというのも一因だと考えております。以上でございます。
○伊藤委員
静岡県の有効求人倍率が全国23位。一方で規模が違うといえば違うんですが、愛知県は同じような経済構造じゃないかと思うんですが、全国一ですよね。こっちは全国23位という、その違いは何なんでしょうかと思います。結局、そこにある企業の質の問題かなと思いながら今伺ったんですが、そういうふうに解釈するしかないということなんでしょうか。
例えば、愛知県の中小企業対策を調べてみますと、そんなに静岡県と変わりないんですよ。愛知県だって、大して、これという政策があるわけじゃないですよね。
ただ、今おっしゃったような新成長戦略に関しては、静岡県よりも、もう少しきめ細かく徹底しているのかなという感じはしたんですね。というのはなぜかといいますと、成長分野に進出というか、入り込みたいという企業の相談とか、こういう政策をこっちは打ってますよと、さあどうぞ頑張ってくださいなということを、どこを通して浸透させているのか。そして、じゃあその気のある企業、手を挙げた企業は、一体どこに行けばよろしいのか。
愛知県の場合は、技術開発総合センター、静岡県でいうと工業技術研究所みたいなところがあって、その下に交流センターというのが各地にあって、中小企業がいつでもそこに行けば何とかなるような体制が整っているらしいんですよ。
我が県の場合は、例えばどういうふうに浸透させていって、そして、よし、それじゃあやろうじゃないかという方は、どこに行けばよろしいのでしょうか。お願いします。
○望月商工業局長
愛知県も、自動車関連が主要産業なので、本県と同様に、やはり生産指数などが落ちている部分があるんですけど、愛知県は県の規模も本県より大きいですし、さまざまな業種がありますので、そういう意味でいうと、やっぱり雇用の関係については都市部ということもあって高いというふうに認識しております。
新産業分野への進出支援なんですけど、本県も本格的に取り組んでおりまして、これについては静岡県産業振興財団、また浜松でいうと浜松地域イノベーション推進機構、また東部でいうとファルマバレーセンター、こういったところが中核的な支援機関として、成長分野への取り組みのトータル的な窓口にはなっています。
商工会とか商工会議所のほうにも、こういった施策については説明をいたしまして、商工会の会員の方だとか、また、金融機関を通じて、成長分野に進出をしたいという相手につきましては、先ほど言いました3つの機関を通じてセミナーの開催などの御案内をしているところでございます。以上です。
○伊藤委員
ありがとうございました。
やっぱり、そうしますと東・中・西各地にそういうところがあるということで、体制に問題はないわけですよね。
周知の方法としては、今、商工会、または商工会議所を通してとおっしゃいました。でも、実際に中小企業の一つ一つに当たってみますと、そこから情報はもらってないんですよ。応募した企業がありましたので、どこからこの情報をもらったんですかと聞いたら、銀行だと言ってましたよ。商工会議所や商工会を通してではないということは確かみたいです。一つ一つ、私は確かめて歩きましたから。
そうしますと、情報の流し方に問題はないかと。こっちが持っていることと、それから、実際の企業が受け取るところとは、すれ違いがあるということをやっぱり意識してかかるべきだなと。
要は、広報もそうなんですが、こっちで発信したものがどういう形で届いているかということの見届け、それは必要じゃないかなと思うんですが、この事業に関しては、どういう見届けをしていて、この戦略があって、戦術もなければ、これはうまくいかないとは思うんですが、この戦略がどういう形で成功する兆しを持っていると見ているのか、そこら辺の見届けの状況を教えていただきたいと思います。
○梅藤新産業集積課長
情報の周知の方法については商工業局長のほうからも答弁ございましたけれども、商工会議所のほかにも金融機関が大事だということは、私たちどもも認識しております。昨年からですけれども、商工金融課を通じ金融機関の情報連絡会というものを開催いたしまして、そちらのほうにしっかり情報を伝えていこうということで、県内の4地方銀行、それから12信用金庫、全てに情報を流すようにしていきたいということで取り組みを始めたところでございます。
そのほかにも、各工業技術支援センターの技術統括監等がコーディネーターとなり、各地域の企業を回って情報をしっかり個々に訴えていこうというような取り組みをしております。できる限り情報が企業のほうに伝わる努力をしていきたいと思っております。
その成果がどうかということでございますけれども、試作・実証試験助成事業により、4年間で18件の製品化が促されておりますので、引き続き支援をしていきたいと考えています。
クラスターのほうも、かなり製品が出ておりまして、これまで平成14年度から11年間取り組んでおりますけれども、ファルマバレー、フーズ・サイエンスヒルズ、フォトンバレーで合計、144件の製品化がなされています。私どもこの企業の頑張りをしっかり支えていきたいということで、引き続き応援していきたいと思っております。以上です。
○伊藤委員
ありがとうございました。
心配したよりもよっぽどいい成果を上げているなと思ってよろしいですね。
それからもう1つは、今、中小企業の訪問とおっしゃいましたけども、訪問された企業数は一体、大体去年1年で何社ぐらいになりますか。
○梅藤新産業集積課長
すいません。ちょっと訪問数まで把握してございませんので、お調べして後ほど報告させていただきたいと思っております。
○伊藤委員
今の件で、できることであれば、一件一件もよろしいのですが、愛知県の資料を見ますと、中小企業者からのヒアリングを年間7回やっているんですね。地域ごとに車座集会という形でやっているんだそうです。
そのほかに訪問企業は平成24年度で106社で上がってるんですね。ですから、規模が違いますので、どのぐらいが適当かはわかりませんけれども、できるだけきめの細かな中小企業、零細企業まで含めて、かわいがっていただければありがたいなと思っています。要望しておきます。
もう1点行きます、今の件に関するんですが、工業技術研究所というのは、どういうかかわり方をしているんですかね。
○櫻井研究調整課長
工業技術研究所におきましては、設置しております機器の貸し出し、あるいは、中小企業の皆さんから個別に技術相談を受け、あるいは試験の依頼を受け、製品開発に協力するという形で中小企業の皆様を支援しております。
○伊藤委員
ありがとうございました。
多分、そういうことなんだろうなと思うんですが、そこまで行くためにはかなりその前のプロセスが必要ですよね。
それに関して産業委員会資料の7ページのコーヒーかすから作った活性炭で電気を貯めるというものも、企業から申し出のあった共同研究ということなんでしょうか。
○櫻井研究調整課長
コーヒーかすについては、複数の研究課題を持っておりますが、今回御紹介いたしました電極素材の開発研究については、静岡大学との共同研究でございます。民間企業は入っておりませんでした。
○伊藤委員
ということは、コーヒーかすというのはどこから出てきたのですか。というのは、普通、活性炭というのはヤシガラが主体なんですね。何からでも活性炭はできるんですが、今回は電極用活性炭というのがみそかと思うんですね。
ただ、コーヒーかすはそんなに出るものでもないと。これはなぜコーヒーかすだったんですか。
○田中商工業局技監
このコーヒーかすの出どころでございますけれども、静岡県はドリンクの製造が日本一でございまして、缶コーヒーを非常にたくさんつくっております。毎日非常に大量なコーヒーかすが出まして、その処理に困っているという投げかけが工業技術研究所にございまして、それじゃあ何とかしましょうというのが研究の発端になってございます。
○伊藤委員
なるほど、そうだったんですか。私が気になるのは、工業技術研究所にこの間視察に行ったんですが、その研究の課題や内容が、どれほど普遍的かなという疑問を持ったわけです。
例えば、お茶の何か研究をしていました。ただ、その研究がままごと的な研究で終わらないか。お茶の生産者、お茶の振興にどれだけ貢献できる研究なのか。その研究テーマ、研究内容が普遍的かどうか。税金を使ってやって、楽しんでいるような道楽的な研究になっていないかどうかという心配をしたわけなんですね。
コーヒーかすがそんなにあるとは思っていませんでしたので、これは認識不足でした。どれほど普遍的な研究で、県内全般にどれほどの波及効果があるのかなという疑問を抱いていたところでした。今回のお茶の研究は大丈夫なんでしょうか。
○松浦振興局長
本県の試験研究の中で、新成長戦略研究はまず試験研究機関にテーマの投げかけをします。また、試験研究機関のほうには、中小企業等からいろんな要望が出てまいりまして、それをもとに研究課題の設定をするわけですが、20件近く出てまいりますけれども、最終的には県の研究調整会議で決定します。これは、経済産業部長が委員長で、部内の関係局長がメンバーになっていまして、そこで各研究員がプレゼンテーションをします。そのときには研究計画の中でのいわゆる出口戦略、要するに商品化、あるいはどういうふうに普及させていくかにポイントを絞って、研究テーマの決定に至ります。
その前に、研究内容そのものについて、外部評価員という方々に専門的な評価をしていただきまして、その上で我々が出口のところをきっちりどこまで詰めているかという評価で最終決定をしています。
それで、翌年度の研究テーマが決定するということになっています。以上でございます。
○竹内委員長
3番委員、質問時間が近づいておりますので、まとめてください。
○伊藤委員
ありがとうございました。
今の工業技術研究所の研究内容にしても、それから、今度はお茶まつりがあるわけなんですが、さまざまな各種イベントにしても、県民にとって、やってよかったという実感、それをどういうふうに返すことができるかだと思うんですね。
工業技術研究所のお茶の研究なんかは、一体どういうふうにお茶の振興に結びつけることができるのか、大丈夫なのかという思いを持ちながら見てきたんです。
例えば産業委員会資料17ページの一番最後に「静岡茶の販売、魅力の発信につなげることができた」と書いてありますが、できたと思っているのは、こっちだけではないでしょうか。県民は、つなげることができたという思いを持っているでしょうか。生産者は、お茶まつりをやってもらってよかったと思っているでしょうか。それから「消費拡大につなげる機会となった」と言うでしょう。なったと言ったのは誰なんですかというふうな思いを県民は持っています。実感のできる政策をということで要望して終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長
ここでしばらく休憩いたします。
再開は、午後3時35分といたします。
( 休 憩 )
休憩前に引き続いて委員会を再開します。
質疑等を継続します。
○望月商工業局長
3番委員から質問のありました、中小企業への訪問件数でございますが、静岡県でも定例的に企業訪問をしている事業がございまして、元気な企業実態調査で大体年間五、六十社、商工業局の職員が手分けをして、県内各地の企業を訪問して、そこの企業の得意な分野の技術だとか製品だとか経営理念だとかいったことを取材をさせていただき、ホームページに載せてPRしております。
また、静岡県産業振興財団におきましては、平成24年度の数字ですと、下請企業の発注元である大手の企業を131社、受注先である下請企業を453社、計584社の訪問をしております。
また、愛知県でいう車座集会でございますが、本県ではタウンミーティングという形で、私が中心になって、商工業局には6課あるんですが、課ごとに関係の企業10社程度に集まっていただいて、そこで、現状の経済状況も含めて県に対する御意見とか御要望をいただく意見交換会を毎年やっております。以上でございます。
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