委員会会議録

質問文書

平成29年２月定例会総務委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　泰久議員
	質疑・質問日：	03/08/2017
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○髙田（泰）委員
　それでは、一問一答方式で質問させていただきます。
　まず、既に質問が出ていますけれども、説明資料１ページ目で組織改編関係の市町支援チームの設置についてですけれども、現在の体制の中で東・中・西に危機管理局を置き、地域支援課を設置している中で今回市町のＢＣＰ策定や本部運営訓練等の支援を行うということで本庁に支援チームを設置をするということですが、これまで東・中・西の危機管理局も各市町を支援していくことでは全く同じ目的を持って具体的に対応されてきたのではないのかなと思うんですが、それを新たに本庁の中にこのチームを置くということは今までの取り組みでは十分な成果が出てなかったのか、さらに機能拡大する目的があるのか、そこの違いと何を求めていくかを伺います。

○滝田危機管理部総務課長
　今、８番委員から触れていただいたとおり、地域の危機管理局におきましてこれまでも市町の支援に取り組んできております。今回本庁に地域支援チームを配置することにつきましては、先ほど熊本地震の際における県内市町の状況等も踏まえ、またアクションプログラム2013の中でも市町の災害対策本部の運営訓練実施等について35市町で行っていただく目標を掲げたことを踏まえまして、当然、引き続き危機管理局が市町の支援を行っていく主体であることは、これまでどおりと考えております。
　ただ、そうした危機管理局の取り組みを言い方が悪いかもしれないですけれど本庁として出先にお任せしてきた部分がなきにしもあらずということから、本庁も危機管理局と一体となって取り組み、特に危機管理局の市町支援への取り組みを本庁としてサポートしていけるようにしたいことから今回地域支援チームを置きまして、本庁ならではのノウハウを活用できるように危機管理局と一体となって取り組んでいこうと今回チームを設置することにしたものでございます。

○髙田（泰）委員
　わかりますけれど、防災先進県である静岡県が市町の防災能力をよりアップするために、各東・中・西に出先機関として、より市町と接触をしやすい危機管理局を置いてきめ細かい支援策をとってきたと思うんだよね。それが十分機能しないから本庁に置くんだよと聞こえるけれども、具体的に市町でのＢＣＰの策定は、策定しなさいよということでの指導といいますか、市町へと投げかけていると思うんですけれども、現状としての県下各市町のＢＣＰ策定状況はどうなっているんですか。

○杉浦危機政策課長
　アクションにも市町の業務継続計画を新規にのせて推進していく形で進めております。実際に熊本地震でも市町の災害対策本部となかなか自治体支援がという教訓がございましたので、のせておるんですけれども、市町のＢＣＰ策定状況につきましては、平成27年度末で35市町のうち19市町で策定されている状況でございます。

○髙田（泰）委員
　各市町でのＢＣＰ策定は、有事の対応や防災計画もあわせて非常に重要ですので、出先機関の危機管理局で具体的なやりとりをしながら市や町に即したＢＣＰ策定ができていくというのが、県が支援、サポートして接触しながらということでは地域支援局が中心じゃないのかなという感じがしますけれども、より機能するようぜひ本庁のチームということで、実機能ではそれぞれの地域支援課が主体になるんじゃないのかなと思いますから、支援機能が倍増するようぜひ見える体制、組織改正をお願いしたいと思います。

　次に移ります。
　平成29年度一般会計当初予算の中で、地震防災センター施設保全事業費900万円は昨年12月の総務委員会でも質問させていただきましたけれども、12月時点では地震防災センターのリニューアルに向け、基本設計、実施設計等を行い、施設の老朽化でリニューアルしていきたいということでしたけれども、今回の地震防災センター施設保全事業費900万円の範囲や中身はどうなのか。
　前回リニューアルにおける基本設計、実施設計との違いはどうなのかお示しください。

○筑紫危機情報課長
　来年度当初予算に計上しております地震防災センター施設保全事業費900万円についてお答えいたします。
　地震防災センターのリニューアルについて、今年度補正予算をいただきまして、基本構想、基本計画の案を作成しているところです。それとは別になりますけれども、地震防災センターは平成元年の４月に開館いたしまして、施設の中でいろいろ老朽化している部分が出ており、修繕が必要でありまして、県営繕企画課が実施している劣化診断結果を参考に非常照明用の電源の更新、それから空調設備の更新のための工事設計の委託料について今回900万円計上しております。
　ですので、リニューアルに係る予算と今回の施設保全の900万円とは基本的に別の事業となっております。

○髙田（泰）委員
　わかりました。
　それで、リニューアルの関係に関してですけれども、平成27年度の地震防災センター機能強化調査業務調査報告書でリニューアルが課題とされ、地震防災センターのリニューアル検討委員会を設置し、昨年12月25日に第１回検討委員会を行い、ことし３月までに延べ５回の委員会を開催して、基本計画、基本構想をまとめると伺っていますけれども、リニューアルに関した検討の進捗状況、今後の方向性について説明をお願いします。

○筑紫危機情報課長
　地震防災センターのリニューアルにつきましては、12月25日に第１回検討委員会を開催し、現在１月、２月と３回実施しております。検討委員会は全部で４回を予定しており、第４回目は３月17日に行う予定であります。
　今回、基本構想案、基本計画案について委員の皆様から御意見をいただいておりますが、実際リニューアルに当たって、新しいものを入れたときは来館者等がふえるんですけれども、やはり日がたつとだんだん下がってくるという意見もいただいております。ただ単に展示をリニューアルするのではなく、うまく表現し、例えば講演会や講座等を多く開催して、地震防災センターに来る方がいつも新しい知識とか、講座等に触れることができるソフト的な事業も大切であると御意見をいただいております。
　そういったものを踏まえて、リニューアルについても例えば体験性を重視し、その体験が防災行動につながる仕組みを委託業者とも検討しており、実現できるよう、構想や計画案について検討しているところです。
　それから、今後の方向といたしましては、地震防災センターは地震や津波を主な災害として取り扱ってきましたが、近年は火山噴火や風水害、土砂災害という大きな災害が発生し、そういったものについても啓発でき幅広く災害を捉えて啓発していきたいと思います。
　それから、情報発信についても地震防災センターに来ていただく方以外にいろいろな情報が発信できるよう情報発信の強化についても検討するよう意見をいただいております。これについても引き続き検討し、十分な情報発信が防災対策につながるようにしたいと思っております。

○髙田（泰）委員
　平成27年度の地震防災センターの機能強化調査業務調査報告書では、地震防災センターの課題として展示施設、建物及び建築設備の老朽化が言われている状況の中で、今回この予算の中には繰り越しというか外されたわけですけれども、展示施設のリニューアル化を検討委員会で検討してきている。
　ただ、展示施設のコンセプトとしては地震とか津波だけじゃなくて、噴火等々の災害まで広めた展示や広報ができる施設にしたいということですけれども、建物自体が老朽化している中、新たなコンセプトや幅広い目的で今の建物そのものが十分なスペースがあるのか。建物そのものが老朽化している場合、将来どうしようとしているのか。前回の議会では移設し、さらに機能拡大をしたらどうかという考え方についても伺いましたけれども、展示施設のリニューアルだけで考えているのか、将来構想として、あの場所で地震防災センターが建物の保全はできるかもしれないけれど、目的とする機能が十分果たされると見ているのかどうかを伺います。

○筑紫危機情報課長
　建物については、築後28年目を迎えるんですけれども、県有施設の長寿命化計画ですと50年あるいは80年までもたせるものはもたせたいという考えがございます。建物自体の耐震性とかいったものは特に問題はないんですけれども、やはり内部の空調とか電気はどうしても耐用年数が来ると修繕が必要で現在それに向けた修繕を行いたいところでございます。
　スペースにつきましては、地震防災センターは３階建てになっておりまして、主な展示等は１階のスペースになっているんですけれども、今後いろいろな個々の展示のスペースを考えたときに、１階だけでいいのか、あるいはもう少しスペースが必要なのか検討してまいりますので、場合によっては２階ですとか３階のスペースを展示にするとか、今あるスペースを兼用することで新たなスペースを生み出すことも踏まえながらリニューアルに必要な展示スペースをどう生み出していくのか検討していきたいと思っております。

○髙田（泰）委員
　ありがとうございます。
　今の施設をなるべく長もちさせてということはよくわかるし、全て県の施設を有効に使うことは当然なんだけれども、老朽化や狭いよということであるならば、もっと柔軟に考えて、例えば東静岡の文化の拠点といっても地震防災センターがその一角にあっても、より機能を幅広くするということであれば大いに結構だと思うんですよね。よりアクセスがいい場所で県外あるいは最近は海外からも大勢が地震防災センターを訪れているわけですから、防災県静岡を大きくＰＲをしていくということでは、より利便性のいいところに目的を持った施設を設け、それで今のところはまた有効に活用していけばいいと思うので、ぜひ柔軟に将来この目的をしっかり形にできる施設で考えていただきたいと思います。

　次に移ります。
　前回の総務委員会での質問に関連しますけれど、消防学校に関して県消防協会からも老朽化や狭隘化の中で、十分な訓練ができるような、また老朽化対策も踏まえて移転しさらに拡大をという要望が出されていました。
　前回、私からは地震防災センターと抱き合わせで、より機能拡大できる消防学校を移転してはどうなのかという角度から質問させていただきましたけれども、まず県消防協会からの要望に対してどのように対応しようとしているのかをお伺いします。

○滝田危機管理部総務課長
　まず、消防学校の役割でございますけれど、一番大きなものとして初任科教育、それ以外にも専科である特別教育、また消防団に関するものも行っております。その中で一番大きな初任科教育が平成20年ごろから学生数がふえ、前後期制で進めてきております。ただ退職者の減少や学生受け入れ数も徐々に減ってきており、近いうちにまた従来の１期制に戻すことが見通せる状況になってきております。
　県消防協会から手狭なことについてお話があったのは、特定の大会等が行われる際にどうしても駐車場の確保ができなかったことに発しているとお聞きしております。そこは別の方法で解決を見たと聞いており、現在の消防学校がそうしたいろんな教育を行っていく上で手狭とは理解しておりません。
　ただ、昭和60年に移転して開校しておりますので設備的な部分ももちろん、教育を進めていく上でのいろんな施設、設備が老朽化、陳腐化する中で今学校に求められている教育、訓練がなかなか十分できない状況にあると理解しており、とりあえず今一番急がれる課題としてはそうしたものを整備していくことと考えております。
　そうしたこともあり、今回の予算案に消防学校教育訓練機能充実強化事業費１億1200万円が計上されております。主要事業概要の５ページに説明させていただいておりますけれど、救助工作車を更新します。実は現在こうした工作車を使った訓練が思うようにできていないため、ぜひ更新させていただきたいと予算案に計上しているところです。
　こうした訓練の充実に必要なものとしては、救助工作車だけではなくて、今後もいろいろなものが必要になってくると考えており、まずは学校本来の教育や訓練を充実していく目的からいえば、まずはその不備や不足を補っていきたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　教育訓練の不備という言い方でしたけれども、具体的にはどういう施設等を考えているのか。

○滝田危機管理部総務課長
　例えば、実火災訓練で実際に火を燃やして熱気等を体験する訓練もコンテナを使っておりますけれど、煙やいろんな理由もあって住宅街に学校があるので十分に訓練できていない状況でございます。
　それ以外に、消防庁の通知で求められている瓦れきの対処訓練など、ぜひ全てを設置したい気持ちがないわけでもありませんけれど、いずれにせよ優先順位をつけながら対応していきたいと思っております。

○髙田（泰）委員
　平成29年度の消防学校に関する設備拡大は、予算としては救助工作車だけなのか、今言われた実火災体験型の訓練施設等々も含まれているのか、どこまでが平成29年度当初予算でしょうか。

○花嶋消防保安課長
　滝田総務課長が説明したとおり、消防学校の必要施設の予算要求といたしましては、救助工作車のほか、実火災体験施設6000万円ほどについてもあわせて整備し、実際に火災を体験する機会が少ないものですから、平成29年度は救助工作車をお諮りしているところでございます。

○白石危機管理監代理兼危機管理部理事
　花嶋消防保安課長から答弁がありましたけれども、今回要求しておりますのは救助工作車の予算であり、滝田危機管理部総務課長から話がありました実火災訓練施設や瓦れき除去については入っておりません。これらは非常に必要な施設だと考えておりますので今後整備、充実させる方向で検討してまいりたいと考えております。

○髙田（泰）委員
　予算関係や必要な設備はよくわかりました。
　それから、消防学校自体の将来的な構想――例えばもっと拡大していくための移転ということで、我々会派の議員からも富士山静岡空港周辺の防災拠点整備に抱き合わせて消防学校を富士山静岡空港近くに移設したらどうかという提言も出ています。消防学校には教官がかなりいるわけですから、有事に消防学校の教官あるいは職員は防災に直接携わることなく、消防学校を維持していくだけと伺っているんですが、優秀な職員に防災や有事に直接かかわっていただくことは必要と感じるので、拠点となる富士山静岡空港近くに将来的に移転し、機能拡大しながら消防学校そのものもそれなりに災害時の機能と役割を担っていただくことも必要と思いますが、将来構想についてどのように考えられているかをお伺いします。

○滝田危機管理部総務課長
　まず、消防学校の学生につきましては、消防本部からお預かりしているので、何か事があった場合は消防本部に帰って活動していただくのが基本と思っております。
　ただ、あくまで本部に戻れる場合という前提ですので、条件が確保できない場合は学校周辺において何らかの活動をすることも考えられないこともないと思いますが、ただ今の取り決めの中ではそこまですることは想定しておりません。
　富士山静岡空港の周辺に仮に移転した場合、運営していくための職員をどのように確保するのかにつきまして、やはりああいう立地でありますのでなかなか近くに住んでいる職員がいないため難しい面があるのが実情でございます。
　ただ、このことにつきましては学校をあそこに持ってくるということもあろうかと思いますし、またそれとは全く別の手段等を講じながら対応するなど幅広く検討していくことが必要と考えております。

○髙田（泰）委員
　ぜひ、この消防学校の件に関してもより幅広い角度から将来構想も含めて御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

　最後の質問に入ります。
　先ほど質問が出ましたけれども、説明資料９ページの自主防災組織の実態調査で今後の対応のポイント、問題点の記載がありますけれども、そもそも静岡県のそれぞれの市町に置かれている自主防災会は東海地震想定から非常に長い期間の中で育成されてきて全国でも非常に先進的に活動している県だと認識していますし、三・一一東日本大震災、津波等々も受けて、県としても各市町の自主防災のあり方を見直し調査しながらボトムアップやレベルアップを図ってきた。
　今回の熊本地震についても、自主防災のあり方を調査して、さらに各市町の自主防災の実態を確認しながら機能強化していこうという結果だと思いますけれども、そもそも静岡県内の各市町には若干の温度差もあるかもしれませんが、他県と比べてどういう状況にあると評価、認識されているのか、理想とする静岡県としていろんなこれから起こり得る各種災害に自主防災がどう対応していただくかということで目的、目標に対して現状や課題をどう県として見られているのか伺います。

○筑紫危機情報課長
　静岡県の自主防災組織の結成率は非常に高く、98％という高い率になっています。全国平均は８割程度の結成率だと記憶しておりますが、ただこれも都道府県によってやはり差がございまして、一番低い県は25％ぐらいの結成率と思っております。ただ結成率が高ければ機能するかどうかはまた別の問題で、組織がなければ動きようがありませんから自主防災組織をベースにきちんと対応できる支援が必要と思っております。
　それから、自主防災組織の目的や目標ですが、基本的には自助が一番重要と思っており、地震に関していえば建物の耐震化、家具の固定、非常食や水の備蓄、地域によっては津波等に備えてすぐに避難する自助が一番大事だと思っております。
　そうした中で、助かった命を災害関連死等で失わないために例えば避難所運営についてきちんとした環境を整えなければいけないと思っており、運営についても熊本地震の例を見て避難してきた方あるいは自主防災組織が中心となって運営すべきと思っております。
　共助については、自主防災組織に力を発揮していただいて自助、共助、公助を合わせて地震等の災害における減災など被害を少なくしていきたいと思っております。

○髙田（泰）委員
　自主防災の機能をアップしてもらいたい中で、県としても指導、援助していくのに先ほどの組織改編で本庁に市町支援チームを設置し、各市町を支援して自主防災のあり方あるいは機能をよりアップしていくところで、このチームが役割を担うのかを確認して質問を終わります。

○滝田危機管理部総務課長
　当然、市町の防災局の中では自主防も大きな部分を占めているようです。ただ今想定しているのは市町そのものの底上げ、支援をしていきたいという中で具体的にはそれぞれの市町において、どのようなところに弱み、ウイークポイントがあるのかを調べて分析していきたいと思っているんですけれど、そうした中で自主防のてこ入れが最優先課題として出てくるようであれば、そこも含めて考えていくことにはなろうかと思います。

○塩澤監査委員事務局監査課長
　先ほど５番委員から工事中の事故件数について御質問があり、即答できずに申しわけありませんでした。見込み資料がありましたのでお答えしたいと思います。
　監査の結果として把握している件数でありますけれども、工事現場での第三者事故、あるいは工事関係者の死亡事故に対して注意という監査結果を出しましたのが、平成26年度は７件ございます。内訳といたしましては農林事務所が１件、そのほかの６件は土木事務所であります。
　それから、平成27年度につきましては一番重い指摘という監査結果を出したのが１件ございます。これは第三者事故の多発で土木事務所に対して１件指摘を出しております。それから第三者事故あるいは工事関係者の死亡事故で注意という監査結果を出したものが６件ございます。この内訳は農林事務所が１件、残り５件は土木事務所でございます。
　平成28年度につきましては、２月の委員協議会終了時点で３件で、東部農林事務所も含めて３件の工事中の事故に注意の監査結果を出しております。

○渡瀬委員長
　ここでしばらく休憩します。
　再開は、13時30分とします。

　休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
　質疑等を継続いたします。
　では、発言願います。

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