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委員会会議録

質問文書

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令和2年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鈴木 節子 議員
質疑・質問日:10/05/2020
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○鈴木(節)委員
 一問一答方式でお願いします。
 先ほど、松下企業局長からコスト削減の方針がかなり強められたと説明がありました。
 新聞報道によりますと、企業局として平成19年度に事業債の購入により県債の14倍の利益を上げたと報道がありましたので、そのことについて少しお伺いいたします。
 運用益が倍々ゲームのように増えるとの見通しも新聞では出ていますけれども、そもそもの考え方でお伺いします。
事業債の運用に至る経過とメリット、デメリットをどのようにお考えなのかをお聞きいたします。

○内藤経営課長
 事業債の運用経過、メリット、デメリットについてお答えいたします。
 まずは経過でございますけれども、従来企業局が資金運用として中長期のものは国債や県債、政府保証債を対象に運用し、短期には大口定期預金を活用して運用してまいりました。
 しかし、この低金利政策の下、大口定期預金についても超低金利での応札、あるいは入札辞退といった事態もあったことから、利益を大きくするために何かいい運用方法はないだろうかと検討し、運用の主軸を大口定期預金から債権にシフトして従来対象としていなかった事業債を購入対象としました。
 メリットは、この低金利時代の中では利率が高いことです。デメリットは、県債、国債、定期預金に比べればリスクが高いことです。
 ただいろいろ条件をつけて、購入する事業債については、まず格付会社の格付がシングルA以上のもの、それから一般担保付社債――他の債権者よりも優先して返済を受けられる権利がついた社債でございます――に限ること。それからあまり長期で保有しますとデフォルトリスクがありますので、保有期間を3年以内とするといった決まりをつくり入札を行いました。
 事業債を購入対象としている都道府県は、なかなか少なく、あることはあるんですが年限によってリスクを管理する手法は全国初の試みでございます。
 企業局に資金運用委員会がありますが、3年後にお金が戻ってきた時点で経済状況をよく踏まえて検討し、慎重に判断してまいりたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
事業債運用についての基本的な考え方とリスク回避の手だても含めてお答え頂きましたけれども、もう少しお伺いします。
 国債、県債、定期預金ではなかなか運用益が見込めないとのことで、思い切った方策に出ていると思います。そもそも事業債で運用してはならないとの規定はないとは思いますが、基本的にはそもそもこの資金をどのように管理すべきか、それに対して事業債の運用は別に違反していないことを確認させていただきたい。
 リスク回避の手だてもいろいろ説明頂きましたけれども、格付がAランク以上だとか、一般担保付だとか、3年でもう一度見直す条件も説明頂きましたけれども、慎重過ぎることはないと思うので、リスク回避の手だてとしてこれで十分とお考えなのですか。また3年たったところで見直すとのことですけれども、今後についてはどのようにお考えなのか2点お伺いします。

○内藤経営課長
 事業債の購入が可能かですけれども、地方公営企業法施行令第22条の6の中で、管理者は地方公営企業の業務に係る現金を出納取扱金融機関、収納取扱金融機関その他の確実な金融機関への預金その他の最も確実かつ有利な方法によって保管しなければならないとされています。定めとしてはこれだけですが、事業債は運用可能であると。国もそういった見解になっていると思いますが、先ほど説明させていただきましたリスク回避の方策を取ることで、リスクはゼロに近いと判断しております。
 今後は3年間運用して、次も自動的にまたこれをやるのかは、そのときの経済情勢を勘案して、そのときの管理者が判断することになります。
 今保有している債権について、例えばデフォルトリスクがあるのかどうか、例えば我々は東京電力パワーグリット債という債権を持っていますが、東京電力の経営状況、債券価格は常にモニターしています。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
コスト削減の観点で、先ほど説明もありました浄水残土処理の関係をお伺いします。
 薬品投入前の浄水残土を産業廃棄物から除外して一般土砂扱いするとの方針を出して削減効果の試算は年間4300万円と説明もありました。この積算根拠と今やろうとしていることを踏まえて今後残土処理についてはどのような扱いをしていくのか、考え方をまずお聞きします。

○海野水道企画課長
 まず、1点目の積算根拠についてであります。
 昨年度、富士川浄水場の着水井で発生した土砂が1,600立方メートルほどありました。これを産業廃棄物扱いで処理すると5100万円ほどかかっておりました。今回一般土砂扱いと認められた方法で処分しますと、同様な数量に対して約800万円になります。したがいまして、その差額の4300万円が削減されるのではないかと考えております。
 続きまして、他の浄水場への導入の可能性についてですが、富士川浄水場は他の浄水場に比べて着水井で発生する土砂の量が非常に大きくなっております。この点で4300万円とかなり大きいコスト縮減が見込みこまれます。他の浄水場におきましては構造がまちまちで、今回のような取組で大きい削減効果が現れるかどうかについては、費用対効果や施設の改修費用を見極めながら十分検討していかなければならないと考えております。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
今お伺いしたのは、事業債の運用や浄水残土の処理の関係で、企業局全体としては独立採算制でいかにしてコストを削減していくかといった大変大きな課題を抱えています。このコスト削減に向けた取組の方向がかなり強調されていると思いますが、そもそも企業局の使命は良質な工業用水を提供することと、水道水については安心・安全な水道用水を安定的に供給することが本来の役割だと思うんです。
 ですけれども、今後発生するであろう更新費用に莫大な費用がかかるとのことで、いかにして維持管理費を含めて総コストを低減するかが大きな使命になってしまっているように見受けられます。企業局概要を見ますと、コスト削減目標を単年度で2億7200万円としていると出ていました。先ほどの松下企業局長の説明で4億円との数字が飛び出したんですけれども、この辺の数字の受け止め方とこれだけ削減できる見込みなのか、その辺の考え方をまずお聞きをいたします。

○内藤経営課長
 コスト削減の見込みについてですが、7番委員のおっしゃるとおり経営戦略では単年度当たりのコスト削減額が2億7200万円と掲げられております。この内訳は民間委託の導入や電力料金の節約になっております。
 これに対して令和元年度の実績ですが、電力料金については入札方法を改善することにより相当節約ができ、3年契約で6億円ほど削減できました。1年当たりにすると1億9000万円ほどの削減効果がありました。
 それから、浄水発生土の有効活用については先ほどの一般土砂扱いの話ではなく、農業用の園芸土として使っていただくといった方法で、1800万円ほどの削減効果がありました。
 こういった取組を初めとして、令和元年度においてはトータルで2億4000万余の削減を図っています。
 冒頭の説明でありました、年間コスト4億円の削減につきましては、これらの2億4000万円の削減プラス、先ほどの浄水発生土の一般残土扱いの取組やいろいろな委託、点検業務などの包括契約、委託契約の長期契約を積極的に活用して、4000万円ほどの削減ができるのではないかと見込んでおり、合わせて4億円のコスト削減を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
○松下企業局長
 2年前に私が企業局長として席について初めて決算の状況を見せていただいたときに驚いたことは、単年度の比較しかしていない。その単年度の比較も確実な計画額に対してどれだけ削減したかが分からない形になっていました。マスタープランの計画額に対して2億7000万円減少させるのか確証がつかめないままの数字が出ていました。
 7番委員にも申し上げたとおり、今後揺るぎない形でコスト削減をやっていかなくてはいけない。そのときに一番大事なのは、今後企業局が経営として成り立っていくかどうかを見ていかなくてはならない。そのためには現在あるマスタープランや長期修繕計画に対して、その計画額のままで我々の企業経営が成り立っていくのか、成り立っていかないのなら抜本改革と毎年の着実な改善をしていかなくてはいけない。
 今我々の出している1000億円や4億円はあくまでも期待値でございますが、これを達成していかなければ将来にわたって安定的な企業局の経営は難しいのではないかということで出しております。
 今現在出されている積み上げによる計画額に対して毎年4億円、トータルコストの中で1000億円の削減をきちんと達成するために皆で頑張っていく。そういう意味で基準を明確に定めて、その部分を新しい手法や新しい装置、新しい創意工夫で今までやっていなかったところで削減していく。それが3年前の企業局とは圧倒的に変わったところです。
 資金運用で最も大事なことは事業の推進を妨げてはいけないこと。しかし、100億円あって124万円しか稼げていないことに対して私は企業局長として怒りを覚えたわけです。自分だったら100億円で124万円の利息しか得られない運用はしないだろうと。そのためには、どこまでできるのかと全国にも聞いたところ、安全、確実、有利であっても、歳計現金のがちがちの運用であっても、星3つが当たり前のところが星2つになり、あるところでは株価の運用までしている部分が――もちろんそれはまた特殊な関係もございますが――国側に聞いても緩やかな基準になりつつある、こういった世の変遷も含めてその中のものも新しく取り入れながら、計画額に対して、どれだけ毎年新しいことをやってイノベーションのごとく経費をダウンさせるか。
 そういうことでやらせていただいておりますので、比較そのものの基準が明確に、そして新しいものを基準に最大限やっております。

○鈴木(節)委員
 松下企業局長、いろいろありがとうございました。
これから企業局の経費がかさむことを前提として、いかに経費削減をして、運用益をどうやって構築していくかといった決意、考え方はよく分かりました。
 ただちょっと気になるのは、本来の事業は工業用水の安定供給だったり、市民の命の水ですので安心・安全な水の供給が途切れることのないために、財政的な運営をかなりシビアに見ているのはよく分かりますが、本来の業務の目的に公共としての責任があるところで、そちらも最初の職責ということで遂行していただければと思います。
 それとあまり安易な民間委託、民営化が全国的に、例えば県内では浜松市のような動きもあるものですから、そういう方向にはならないようにお願いしたいと思います。

 次の質問です。
企業局の課題の中に最初に挙げられているのが人材育成です。
 職員がどんどん減っていてベテランの職員が退職して技術力が低下しており、人材の長期的視点からの育成と技術の組織的継承が必要だと思います。そのもとでこれまで全国的にどこの自治体もやってきたことですけれども、組織のスリム化、それから職員の定員管理計画を進めた結果、高齢化や年齢構成に偏りが出ていると思います。
 企業局も2005年には195人だった職員が2017年には180人に、年齢構成も40代、50代に偏りがあるとのことで、この評価と改善策についてお伺いします。

○海野水道企画課長
 企業局では、安全・安心で廉価な用水を供給するために、経営改革として人件費削減のため、集中改革プラン等により職員定数についても削減を図りながら事業運営を行ってきています。
 また、企業局の正規職員は全員が知事部局からの出向職員といった位置づけになっております。
 県全体の人事におきましても職員の年齢構成については偏りが生じていまして、企業局については水道特有の技術についての継承が難しくなる影響が生じてきていることは事実であります。
 このため、新たに企業局に配属された技術職員については、水道施設に関する技術を習得できるよう比較的企業局での在職年数が長い職員が講師となって技術研修を推進しているところで、技術のポイントを視覚的に練習するための動画作成などを行い技術伝承に取り組んでいます。
 県全体でも20代、30代の職員は少なくなっており、近年は民間の経験者採用を積極的に行っていまして、不足している年齢層を補う取組も行っています。企業局についても5名ほど民間経験の職員が活躍しており、今後も職員一丸となって業務に取り組み、技術継承を進め効率的な業務運営を行ってまいりたいと考えます。

○鈴木(節)委員
 ありがとうございます。
 今企業局は知事部局からの出向といった扱いになっていて、企業局で業務に携わった方がまた知事部局に戻ることがあると思います。企業局は本当に一企業のように、いかにして経費を削減し、運用益を上げるかといった財政的な経営というか、どうやってお金を生み出すかといった視点が全ての職員にもかなり植え付けられる、そういう観点が敏感になるところだと思うんです。
 これまでお伺いしてみると、お金をどうやって生み出すか、無駄を省くかといった意味では、かなりアンテナを高くしていろいろなアイデアを創意工夫して出し合って、知恵や工夫を出してやっていると。その積極性、挑戦というか、その辺は公務員であっても鍛えられる部署ではないかなと思うんです。
 そういう意味では経験も積んでいただきたいし、また知事部局に戻ったときにもその経験が生かされると思います。必要なところにしっかりお金を使うのは大前提ですが、無駄を省く意味ではかなり鍛えられる部署ではあると思うんです。
 その中で、技術職の方たちが大変少なくなっていますし、本庁も含めて必要な人事配置があると思います。企業局としてこれからの企業局をしょって立つような、人材育成の意味では、必要な部署に必要な人員配置が必要だとの意識をしっかり持って、人事課に対してこれだけの人事は必要だと要請するといった基本的な考えをお聞きをいたします。

○海野水道企画課長
 御指摘のとおり、必要な職員数の確保は非常に大切だと考えておりまして、今後は水道施設の大規模な更新をするに当たり職員数もそれなりに必要だと考えております。人事課に対しては適切に人事要求をするとともに、企業局内の技術力をさらにアップして効率的な業務運営を図っていきたいと考えております。

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