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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


平成26年6月定例産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:塚本 大 議員
質疑・質問日:07/02/2014
会派名:自民改革会議


○塚本委員
 分割質問方式でやらせていただきます。
 今、土屋経済産業部長のほうから御説明いただいた資料とか、うちの会派で代表質問をさせていただいた項目とか重要なのがたくさんありますけれども、一番初めに駿河湾深層水について質問させていただきます。
 本来であれば、土屋部長が説明してくれた資料に駿河湾深層水の状況が載ってくるぐらい、県のほうでもさまざまな取り組みをして、報告をしてくれるようであればよかったかなと思いますが、ここにも載らないくらいの内容でして、忘れられたら困るなという思いもあって、一番初めにこれを取り上げさせていただくということです。
 あとは、たまたまかもしれないですけれども、この委員会は委員が10名いますけれども、県議会議員1期目の方が6人ですよね。もしかしたら、1期生の人たちは、駿河湾深層水って何だろうということもあるのかなと不安に思うぐらい、何か忘れられちゃったようなものなのかなという心配もあります。あえて皆さんに聞いてもらえるうちにやろうかということで、一番初めに取り上げさせてもらいます。
 初めは、そういう心配もあるものですから、この駿河湾深層水は何なのかという部分も御答弁いただきたいなと思います。
 また、駿河湾深層水とほかの深層水とはどういう違いがあるのか、そういった特徴も御説明いただきたいと思います。

 あとは、県で平成13年から取水をしてくれているんですが、駿河湾は静岡県に接していますので、どこでとってもよかったかもしれないんですけれども、この取水施設が焼津市にあるんですよね。当時どういったいきさつで焼津市にこういった施設をつくったのか。

 あと、平成13年当初に深層水を取水するに当たって、将来的に駿河湾深層水をどういう目的で使おうと思っていたのかとか、期待する効果等、当時の状況を、今言った項目を含めて御説明いただきたいと思います。

○川嶋水産振興課長
 それでは、焼津市の駿河湾深層水施設に関しましての回答をいたします。
 まず、この駿河湾深層水施設では、塚本委員がおっしゃったように平成13年から取水が始まっているわけですけれども、初めは平成元年に高知県の室戸で深層水の取水が始まりました。それと同時に富山県の入善町でも始まっております。その辺を機会に、深層水の利活用が非常に有効であるということで全国的に注目されるようになりまして、静岡県でもその構想が持ち上がりました。
 深層水というのは、ヨーロッパのほうから沈み込んだ海水が地球の一番深いところを通って流れている水であるというのがいわれだということで、非常にきれいであるということ、冷たいということ、バクテリアとかそういう雑菌が少なく、海の表層から栄養が沈み込んでいるために栄養が多い。きれいなこと、冷たいこと、栄養があること、この3点が注目された水でございます。

 静岡県でそういう構想が始まったわけですが、どこにつくるかということですけれども、深層水は非常に深いところの水をとるものですから、陸地からとる場所までの距離が短いほうがいいわけですね。幸い駿河湾というのは日本一深い湾と言われておりまして、急深なところが多いわけですけれども、駿河湾に面している各地について、深いところが陸地から近くにあるか調査をいたしました。
 それから、取水施設をつくる場合にはスペースが必要になりますので、スペースがあるという地理的な条件を加味いたしまして、幾つかの候補を挙げました。そして調査をしました。
 調査の際には実際に深いところの水をとってきまして、どういう水質であるかというのは当然必要なことですから、そういうさまざまな調査をした結果、条件に合致したのが焼津市であったということです。陸地からの距離が近くて、焼津漁港の中にスペースが確保できる、そのようなことがありまして焼津市に決定いたしました。

 当初の目的なんですけれども、深さが687メートルと396メートルの2種類の水を、1日約2,000トン取水して使おうということで始まりました。このほとんどが水産のための研究施設で、現在も水産技術研究所の深層水利用施設ということで稼働しておりますけれども、そこでの研究に充てるということが目的でございます。
 それから、当然それ以外にも水が出るわけですけれども、それを一般の方に供給するという形。例えば、きれいな水ですので魚市場のたたきを洗う水ですとか、水の成分、例えば塩、ミネラル、そういうものを多くしたり少なくしたりということをして食品ですとか、場合によっては農業用に使えないかとか、そういういろいろな可能性を秘めているということで研究が行われたり、また実際に使うということでつくられています。
 その成果なんですけれども、水産技術研究所で現在も研究しているわけですが、水産生物の飼育技術、特にアカザエビですとか、優良なプランクトンを培養する技術ですとか、海水に含まれておりますにがり成分を使いまして豆腐の原料にする。そういうものを使って豆腐をつくると非常にクリーミーな豆腐ができます。商品としてはクリーミートーフという名前なんですけれども、そういうものも開発してまいりまして、特許を10件ほど取得いたしました。
 このようにいろいろな研究成果があるわけですけれども、それを使う側としましては、この深層水のブランドマークを発行いたしまして、それを使っていただく方々の深層水利用者協議会という団体をつくりまして、その中で製品化して販売していこうということで現在向かっているところでございます。以上です。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。自分が次に聞こうかなという部分まで説明してくれたような感じだったんですけれども、熱心に御説明いただきましてありがとうございました。
 今、御説明いただいたように、焼津市でやる前にほかの地域でも深層水をとっていたんですよね。今お話があったように、駿河湾は深い湾ということで、ほかの地域との差別化を図る意味で、ほかのところよりも深いところからとりましょうというのと、そこそこ深いところからとりましょうというのを2本とってくれたんですよね。
 要は、深層水は表層部分から200メートルよりも深い部分ならどこからとっても深層水なんですけれども、駿河湾の特徴として深いので、深いところからとればいろいろ効果があるだろうということも含めてやってくれた事業だと聞いております。

 今、ブランド化とかいろいろ御説明があったんですけれども、今は平成26年ですよね。平成13年当時からとり始めて平成26年になりましたが、当時目的としていたことが今きちんとできているのかどうか。例えば、今御説明いただいた2本――深いほうと、そこまで深くないところの2本をとってくれているんですが、それがきちんと今でもとれていて効果を発揮しているのか、ほかの地域との差別化が図れているのかとか、そういったところの状況を御説明いただきたいと思います。

○川嶋水産振興課長
 今の質問に対してお答えさせていただきます。
 自然現象がありまして、いっとき水がとれなくなった時期がございました。ただ、平成24年2月に全部復旧いたしまして、現在は1日2,000トンと予定どおりの水がとれております。それに伴いまして、若干不安定なところがありますので、それに対する対応もしております。以上です。

○塚本委員
 今御答弁いただいた内容だと、恐らく平成13年からきょうまでの間の説明としては不十分だと思うんですね。深いほうは平成21年8月の地震で破断してとれていないんですよね。知っていてくれればよかったかなと思うんですけれども、とれていない。要は、その深いほうをつくったときは、ほかの地域と違ってかなり深いところだからということで、それを宣伝しながら売り込んでいこうと思ったら自然災害でそれが破断しちゃって深いところからとれなくなりました。
 焼津市の人たちばかりじゃなくて、いろいろな加工業者が使ってくれているんですが、さっき豆腐のにがりというお話もありましたけれども、例えばパッケージには600何メートルの深いところからとれているという感じのPRをしていたところもあるんですね。パッケージに表示をしていたんですよ。
 だけれども、自然災害によって破断して結局復旧断念ということで、その印刷したパッケージから何から全部無駄になっちゃう企業もあったりして、いろいろな被害を受けた人たちがいるんだけれども、それを県は責任を持って復旧しなくてもいいということになったんですね。
 その理由が、一応利用している人たちとの協定みたいなものがありまして、自然災害でそういうことがあった場合には県は責任を持たないという内容があるもので、これは自然災害で破断したことだから復旧しなくてもいいんだと。言い回しはもっと丁寧ですよ。だけれども結果として、そういうことで復旧しないということになったんですね。
 利用している人たちからすれば、深いほうは無理だけれども、そこそこの深さのところから今ある程度とれるので、これで我慢しようということで、月日がたって大分落ちついてきたんですね。ですから、今この事業が成り立っているのは、県が一生懸命やったというよりも、利用者の人たちが我慢をしてやってくれているんだというのが自分の感想です。
 そこはそこで過去のこととして、今利用している人たちもみんな、それを乗り越えて頑張ってくれているからいいんですけれども、1点自分が指摘をさせていただきたいのが、自然災害で壊れたもので、これは協定にも書いてあるから復旧しなくていいんだという、この姿勢がどうなのかということですよ。
 というのは、静岡県はかなり昔――昭和50年代前半ぐらいから東海地震の危険性が叫ばれていて、それに対応するためにいろんなことをやってきた。防災先進県だと言われていた静岡県が、平成13年に深層水を取水する施設をつくりましたよね。だから、もうこのときには、もしかしたら東海地震が起こるかもしれないと想定して、この施設をつくったわけですよね。だけれども平成21年の地震というのは東海地震の規模以下です。それなのに壊れたときの責任を持たないということですから、利用者からすると自然災害で水がとれなくなったときというのは、今まで防災先進県、防災先進県と言ってるものですから、少なくとも東海地震ぐらいの地震には耐えられる構造じゃないかなと利用者が思ったとしても、これは大きな勘違いと言えないと思うんですよね。
 だけれども、その規模以下の災害で壊れても県は直さなかったというのがあります。
 これはこれで過去のことなのでいいんですけれども、こういうことがあったということを皆さんに知っていただきたいということと、県がやっている事業は防災対策をきちんとやっていますよと言いながらも、それに対応できていない施設がもしかしたらあるのかもしれない。信用し切っちゃうと利用者サイドが損をこうむる確率もあるということだけは知っていていただきたいなということで、あえて言わせていただきました。
 利用者はそういう苦労を乗り越えて、今でも駿河湾深層水を利用しようということで取り組んでくれています。ですから、本来ならきょう土屋経済産業部長が説明してくれた資料にいろいろな県の支援策があって、深層水というのはこういう課題を乗り越えて、今みんなでこうやっていますよというような報告が載るくらい、もう少し力を入れて取り組んでもらいたいなという思いがあります。

 そこで、この項目についての最後の質問になりますけれども、今後、どのように駿河湾深層水利活用の促進をしていってくれるのか、これについて御答弁いただきたいと思います。

○藤田水産業局長
 今の御質問についてお答えいたします。
 深層水の利活用につきましては、やはり我々県としてもしっかり取り組まなければいけないというところは、まさにそのとおりだと思います。ただ、やはり利用される皆さん方と一緒に考えていかなければいけないと思っています。
 来週ですけれども、深層水の利用者協議会の皆様方と直接お話しする機会を設けておりますので、その場で真摯にいろいろなお話をして、一緒に知恵を絞って、いい利用方策というものを見出す努力をしていきたいと考えております。

○塚本委員
 ありがとうございました。今、藤田水産業局長が言ってくれたやり方しか実際ないんだろうと思います。これは偶然なんですけれども、藤田水産業局長は以前、焼津市の経済部長で来てくれているときもあって、一旦国に帰ったけれども今度は県の水産業局長で来ています。市の考えと県の考えと、当然国のこともわかって、この駿河湾深層水についてどう対応していけばいいかというのを一番わかっている方ですから、ある意味、自分はすごく期待をしています。
 今お話があったように、来週ぐらいでしたかね、利用者協議会の総会に藤田水産業局長みずから来てくれて講演もしてくれるという話も聞いていますので、ぜひ利用者の方々とコミュニケーションをとっていただきたいと思います。
 この駿河湾深層水が、今はつくらないほうがよかったんじゃないかなという雰囲気がありますけれども、例えば10年後ぐらいに、いや、あのときのああいう挫折を乗り越えてつくっておいてよかったねと言われるような施設になるように、県のほうも努力をしていただきたいと思います。
 私はこの産業委員会に1年間くらいいると思いますので、委員会説明資料に報告として載るような取り組みをやっていただいて、こっちが聞かなきゃ報告しないとかじゃなくて、土屋経済産業部長みずからが今回の報告をさせてもらいますというところを、ぱっと見たら1ページ目に載っているみたいなね。そのぐらい力を入れて取り組んでほしいということも気持ちとしてお伝えをしながら、次の項目に移らせていただきます。

 次の項目は、時間があったらこっちのほうを先にやろうかなと思ったんですが、今の話の流れもあるものですから、確認の意味で1点聞きたいのがあります。
 きょうの委員会説明資料にもありましたが、水産技術研究所の件です。
 私は今定例会の一般質問でもやらせていただきましたけれども、ハード面に近いところもあるものですから本来は交通基盤部所管で、細かい内容は経済産業部にはちょっと無理なところがあるかなと思います。
 にぎわい創出のところは、今土屋経済産業部長から御説明いただいたように、焼津市と調整しながら取り組んでいただけるということですから、こちらサイドからすると、できるだけ焼津市の要望事項を十分尊重した形で施設整備をしていただきたいなということで、そこは要望させていただきます。
 さっき駿河湾深層水のところで自分が説明したように、今回この水産技術研究所自体が防潮堤の海側にできるんですよね。さっき言ったように、駿河湾深層水の取水施設は、パイプの部分が破断して直さなかったという実績があるわけですよね。
 そのときの理由が、駿河湾は深いので、深いところというのはまだわからない部分があるというような話があったんですけれども、今回防潮堤の海側につくる水産技術研究所は、わからないところがあったので地震で壊れちゃったとか、津波がきてやられちゃったというのはまずいわけですよね。さっきの説明では、一応この辺の地域の人たちの避難施設的な役割も果たすという説明もあったものですから、今の時点では間違いなく大丈夫ですという答弁を間違いなくいただけるものと思います。
 確認の意味で念押しで聞いておきますが、今想定されているような南海トラフの巨大地震が起きた場合にも、その地震にも耐えられるし、その際に想定されている最大規模の津波でも耐えられるんだよということを、委員会で聞いて自信を持って答えてもらわないと地域の人たちが不安になっちゃいますんでね。その点について力説して大丈夫だという御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○櫻井研究調整課長
 移転いたします水産技術研究所は、焼津新港の鰯ケ島地区に移転整備するわけでございますが、移転整備するに当たりまして津波避難ビル機能も持たせることとしております。この津波避難ビルにつきましては、国から設計指針が既に示されておりまして、この指針に従って建築すれば地震・津波に耐えるしっかりしたものが建てられると認識しております。
 今後も、建築の専門家の助言をいただきながら、設計の中でその辺をしっかり固めていきたいと考えております。

○塚本委員
 ありがとうございました。次の項目に移ります。
 幾つかありますけれども、うちの会派の代表質問で増田議員が質問して知事から答弁をいただいた内容で、もう少し細かく教えていただきたいなというところを幾つか拾わせていただいて、質問させていただきます。
 初めのところは、今、土屋経済産業部長から御説明いただいた委員会説明資料の8ページにも載っている内容になります。
 知事が、今回の産業成長戦略会議には金融関係の人たちも入っているという部分が今までの会議とは違うよというところを結構力説された部分があったかと思います。
 そこの答弁の内容を読ませてもらいますと、今回の目玉は金融界が入っていること、金融界にはあり余るほど金がある、これをいかに有効に活用するかが日本全体の、また静岡県が直面している課題でもあると答弁されているんですね。金融関係の人が入っている。そこにお金があって、それを利活用する。そこまではいいと思うんですけれども、実際は金融機関がお金をたくさん持っているからといって、それを簡単に経済界に循環させるというのはなかなかできないところもあると思うんですよね。
 なので、その手法をどう思い描いているのか、金融関係の人が入ればすぐにお金が流れるという仕組みなら、これほど楽なことはないんですけれども、それをやるのが大変なので国でもどこでも困っているんだと思います。
 知事が議場で代表質問の答弁で言うぐらいですから、何かしら頭の中で考えているものがあるんじゃないかなと思うんですけれども、その辺のイメージしている施策を幾つか御紹介いただきたいと思います。

○望月県理事(産業戦略担当)
 金融機関に対する点についてお答えします。
 政府、日銀が大幅な金融緩和をやってきまして、金融機関には多額の資金が保有されているということで、この資金を活用して経済の活性化を図ることが国においても第3の矢ということで、成長のためにはやはり民間の資金、民間の企業の活動が活発化する必要があるということだと思います。
 円安になってデフレから脱却しつつある今、設備投資への意欲も徐々に盛り上がりつつあります。そういった中で地域企業の事業活動の活性化を図るために資金供給の強化といったものをやっていく必要があるということでございまして、産業成長戦略会議のメンバーには県の銀行協会、県の信用金庫協会の代表の方にも加わっていただいております。
 金融機関というのは、企業にとってみますと、やはり一番身近な相談相手、また企業の活動情報、財務状況を一番よくわかっていらっしゃるということでございまして、我々としては官民挙げて今回取り組むということでございます。こういった盛り上がりを見せていますと、県内企業の設備投資の意欲に応えるためには一層の資金支援を図っていきたいということでございますが、その支援策につきましては、現在でも県の制度融資を初めさまざまな支援策を講じているところでございます。
 そういった既存のものと重なりがないような形でやるということと、どうやったら効果的、具体的に設備投資が進むようになるのかというところを、まずは企業の皆様の御意見、また金融機関の皆さんとも調整を図って検討しているところでございます。以上です。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。企業の状況を一番把握されている金融機関が取引していれば、財務諸表とかそういうものを手に入れているものですから、財務内容等をよく承知しているということは当然なんです。今、御答弁でも言い回しに大分苦労しながら、間違いのないようにということで言ってくれたんだと思いますけれども、制度融資とかはやってくれているんですよね。
 借りる側からすると、その制度融資とは別個のところで何か新たな資金を借りられるのかどうかとか、そういうところだと思うんです。金融機関は、その制度融資に乗っからないところで簡単には貸さないですよね。制度融資は一定のルールにのっとって、それをクリアすれば借りられるとか借りられないということになるものですから、貸しやすいですけれども、それとは別個のところで金融機関が独自の審査をして貸すかというと、これはなかなか簡単なものじゃないんですよね。
 もし知事の答弁を企業の人たちが聞いていれば、そういった部分を期待すると思うんです。なので、今の御答弁でも制度融資とはかぶらないようなところをというニュアンスで言ってくれたと思うんですけれども、なかなか簡単には実現できないと思います。今、そういう言い回しで苦労して答弁してくれたものですから、ぜひ新たな制度融資的なものをつくって、資金が企業に回る仕組みをつくっていただけたらということで、ここは要望させていただきます。

 次の質問に移ります。
 これも本会議で、うちの会派の増田県議が代表質問した内容からさらに深めたいということでお聞きします。
 知事の答弁で、産業支援機関と県が連携して企業訪問調査を行い、経営者の方々から企業が抱えている課題などを直接聞き取っているという内容の御答弁がございました。
 企業の傾向とかそういうのをつかむには、かなりの数を回らなきゃいけないんじゃないのかなと思いますけれども、どのくらいの件数を回られて、どういった企業、あるいはどういった産業ではこういった傾向があったとか、産業別とか企業別でもいいんですけれども、回った件数とかその把握した内容を詳細に教えていただけたらと思います。お願いします。

○杉本管理局参事
 産業成長戦略会議の関係のうちの企業の訪問に関しましてお答えいたします。
 企業調査につきましては、県内の製造業を中心としました地域企業に対しまして、官民連携によるワーキンググループと一体となりまして、直接企業を訪問することにより聞き取り調査を行いました。
 7月2日現在におきまして110社を訪問したところでございます。訪問した企業からは、まずは災害リスクの不安であったり、事業融資が不足しているということ、立地における規制等の要望が聞かれております。
 県といたしましては、このような企業訪問調査で聞きました課題を、災害リスクへの対応、用地の不足、各種規制、人材の不足、新事業分野への進出などおおむね8分野に区分いたしまして整理し、把握いたしました。
 これらの8分類しました課題につきまして、6月17日の第2回産業成長戦略会議で報告いたしましたところでございます。
 企業調査につきましては、引き続き県内企業、それから県内に事業所を持つ県外企業も含めまして情報収集に努めてまいりたいと考えております。以上です。

○土屋経済産業部長
 今の100社程度というのは、県が直接回った企業の話です。今回、全体の状況を確認するために、経営者協会というところが経営者協会の中の会員のメンバー600社ほどに課題についての確認をしてございます。それとあわせて、100社というのはワーキンググループの中で、ここを回って次の選択について考えてもいいというところを100社回らせていただいたということです。
 それ以外に、商工会議所等の方々のメンバーの意見も合わせたものを最終の戦略としてございますので、回ったところだけの意見ではございませんので、そこは御承知いただきたいというのと、PRをする意味もあって100社程度の方、今後しっかりとした企業としてやっていただける地域企業の方々には県として皆さん方の意見も聞いたと、その意見について対応したということの表明もございまして、回らせていただいたということです。以上です。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。かなりの数の企業を直接回られたこととか、いろんな意向を確認してくれているということはよくわかりました。
 あとはその後、そういった課題を把握した後、それを解決するためにいろいろ取り組んでいただくことが大事だと思います。例えば自分は焼津市選出ですから、焼津市だと企業といえば水産業が盛んなものですから、水産加工業系が結構多かったり、水産業とどこが関係するのと思う人がいるかもしれないですけれども、船の関係で鉄鋼業も結構多いです。
 幾つか企業を回られた中で、8つぐらいに分野を分けて、いろいろ整理していくというお話でしたけれども、例えば水産加工業とか鉄鋼業の人たちの状況を確認して、どういった課題があると感じたのか。あと、水産加工業とか鉄鋼業の課題についてはどう対応していくおつもりなのか。具体的に水産加工業と鉄鋼業についてお聞きしたいと思います。

 あと焼津市の場合は、さっきお話もありましたけれども、津波の心配があると思われて企業流出の心配も多いわけですよね。それについて沿岸部は、多分焼津市以外のところも企業の人たちが心配していて、リスク回避という課題があるんだと思います。
 これについては県は具体的にどう取り組んでいってくれるのか。
 もう1つ絡めますが、本会議で増田県議が内陸フロンティアについて聞いたときにもあったんですが、内陸フロンティアは沿岸部の防災を最優先と言うんですけれども、そうするとそこに企業があることが防災上うまくないもので、内陸部に移転するかのようにとられかねない部分も県民の中にはあるんですよね。やっぱり焼津市の住民からすると、沿岸部に住んでいるものですから、そこで企業がきちんと仕事ができるような体制をとっていただきたいというところがあります。リスク回避は、移転するというよりも、そこの場所にいて企業が仕事をしていて大丈夫だよという体制をとってもらいたいと思うんです。
 沿岸部の企業に対するリスク回避的な対策、県の取り組みについて、ここもあわせてお伺いしたいと思います。

○望月県理事(産業戦略担当)
 私のほうからは、成長戦略会議とは離れた話にはなるんですけれども、沿岸部の関係についてお答えします。
 実は東日本大震災以降、沿岸部の企業についてはかなり回っています。やはりリスク分散したいという声は多々ありまして、実際にリスク分散をされてきている企業もございます。
 そういった中で、我々としては、全て内陸部に移転するというようなことではなくて、やっぱり現在地で頑張っていただく企業に対しても支援をしなければいけないということで、県の制度融資の中では、いわゆる津波浸水区域で津波に対する浸水防止対策をする企業に対しましては、例えばかさ上げをするだとか、擁壁をつくるとか、そういった対策をやる場合につきましては県の制度融資も対象にしております。
 また、リスク分散の中でも、津波浸水区域の中でより安全なところに移転するというような場合につきましては、企業立地の補助金の対象にするということもやっております。沿岸部に対しても内陸部と同様な形で支援を行っているところでございまして、その辺はまだ説明が足りない部分もあるので、これからまた、沿岸部の企業に対して積極的にPRをしていきたいと考えております。以上です。

○川嶋水産振興課長
 水産業の課題の把握についてお答えします。
 私たちは加工関係の団体の方といろいろ話し合い、連絡をとる機会がしょっちゅうあるわけですけれども、その中でそれぞれどういう問題があるのかということを聞き取りながら、課題の把握をしているつもりでございます。
 それから、水産技術研究所に開発加工科という科がございまして、加工業の方と密に連絡をとっておりますので、その中で、出てきた課題を把握しております。
 その中で出ている課題なんですけれども、近年、やはり魚が入ってこないということで、どうしても原料が高いという問題。それから販路の拡大がなかなか難しいということ。それからもう1つは人材の確保、大きく分けてその3つが課題としてあるんじゃないかと思います。
 原料につきましては、魚には当然使う場所と使わない場所がありまして、使わない場所をもっと有効に利用して製品に変えていくということでコストを下げる取り組みが必要かなということで、いろいろとやっております。
 それから販路の拡大につきましては、農産品フェアがここ2年続けてあります。ことしもあると聞いておりますけれども、その中ですとか輸出のセミナー、商談会等々があるということを積極的にこちらからお知らせすることによって、販路を拡大していこうと考えております。
 それから人材の確保につきましては、フロンティア事業として、就職を希望している方々に1年間、水産業、加工業の会社に研修に行ってもらいます。そして十分にその内容をマッチングしてから就業してもらおうという事業を現在やっているところでございます。以上です。

○木野地域産業課長兼商業まちづくり室長
 先ほどの鉄鋼業についてですけれども、今回の訪問には入っておりません。しかし、経済産業部では県内事業の課題やニーズを知るために、定期的にいろいろな業種の中小企業経営者がいます中小企業家同友会と意見交換をして、随時企業訪問を行って、直接企業の声を聞いています。
 またさらに、年に3回、発注企業300社と下請中小企業500社を対象に取引実態や行政への要求についてアンケート調査を行っています。
 鉄鋼関係の企業からは、円安によって燃料や原材料が高騰している中、販売価格への転嫁ができなくて収益を圧迫している、若年労働者が不足して技術の継承が危ういと懸念する声がある一方、付加価値の高い仕事を発注するために最新の設備を導入した、新規取引先の開拓によって収益確保を図りたいという意欲的な声もありました。
 そういった声に対する支援策といたしましては、静岡県機械金属工業協同組合連合会が実施する人材育成や技術力向上に資する研修の経費に助成するとともに、静岡県産業振興財団が実施します商談会の開催や下請取引あっせんなどを通じまして、下請中小企業の受注の拡大に努めております。以上です。

○塚本委員
 御答弁ありがとうございました。1つは内陸フロンティアの絡みだったものですから、成長戦略会議と話がずれちゃったんですけれども、成長戦略会議でいろいろなところに聞いていく中で、沿岸部の1つの課題として沿岸部の企業の心配事もあったものですから、ちょっとお話ししました。やっぱり沿岸部の人たちからすると勘違いみたいなものも多くて、沿岸部から内陸部に移ることが内陸フロンティアだととられてしまうと、沿岸部の企業がなくなっちゃうことになるものですから。
 今お話があったように、沿岸部は沿岸部できちんと企業の支援もするし、内陸部は内陸部で開拓するためにいろいろ支援をしていくということで、そこは県民とか企業の人たちに誤解のない形で、内陸フロンティアの取り組みをやっていただく。それはそれでいいんだけれども、沿岸部から企業がなくなっちゃうと困るものですから、そこは勘違いがないように取り組んでいただきたいなと思います。
 あと、水産加工業と鉄鋼業について、それぞれ御答弁いただきましてありがとうございました。この水産加工業と鉄鋼業、大きな企業はいいと思うんですよね。例えば今、鉄鋼業でお話があったんですけれども、現場に行ってないけれども、いろんなところで会合を持って、そこでお話を聞いているとあるんですが、大きな企業はそういうところに社長さんとか、それなりの人たちが来れるんですが、水産加工業も鉄鋼業も、例えば100社ある場合、かなりのパーセンテージで家族でやっているだとか、おやじさん1人でやっているだとか、そのぐらいです。いろいろな情報を聞きたいと言ったって、そこに行っちゃうと仕事が全部できなくなっちゃうわけですよね。ですから中小零細の、もう末端の零細企業には、そういったところに行っていろいろ言いたくても言えない人たちがいます。
 できるならばこちらのほうから訪問してお話を聞く、調査をすると。いろいろ現場に行ってみれば、仕事の量が今の時期多いなとか多くないなというのはすぐわかるわけですよね。零細でやっている人は、それほどたくさん山積みになって仕事があるってこともないと思います。きれいになってすっからかんになっていれば、今はちょっと仕事が少ないんだろうなというのも行くだけでわかりますし、忙しそうに働いていれば、恐らく忙しいからと言って、せっかく訪問したのに何も話してくれないで帰されちゃうということもあると思うんです。
 できるだけ足を運んで現場の状況を確認しながら、県のほうは支援策を考えていただきたいということで要望しておきます。

 次の項目に移らせていただきます。
 土屋経済産業部長に御説明いただいたこの委員会説明資料からやりたいんですが、時間の関係もあるものですから、まず初めに、今ちょうど水産加工の販路拡大というお話もあったものですから、似たようなところで12ページの農林水産物等の海外販路開拓です。これと関連するのが34、35ページの水産業の6次産業化への取り組みです。35ページの表の下から2段目のところに海外販路の開拓というのがあるんですよね。ここのところで少しお聞きしたいと思います。
 委員会説明資料の12ページを見ると、見本市とか商談会とかそういった内容が掲載されているんですね。35ページでは、水産物がロシアに輸出されたという内容が掲載されているんですが、この2つのページを見ると、見本市とか商談会がうまくいったのでロシアに輸出することができるようになったと話を結びつけてしまいがちですが、実際にそういう流れでロシアへの輸出が実現するようになったのか。恐らくここに載っているのは、実現してうまくいった事例としてロシアなんでしょうけれども、うまくいかないがほかにもいろいろ当たっているんだよとか、当たってここはだめだったので諦めたよ。例えばそういうところはどういう理由で諦めたとか、そういった海外販路の取り組みの状況をもう少し詳細に、あれもこれも幾つもというわけにはいかないので、水産加工品のところに絞ってくれていいものですから、その点について海外販路開拓の取り組み状況を御説明いただきたいと思います。

○川嶋水産振興課長
 ただいまの塚本委員の御質問なんですけれども、まずロシアへの輸出につきましては国際見本市が発端であったわけではございません。
 平成22年11月にロシアの商社の方々の御一行が静岡県へ仕事で来ました。そのときはお茶だったんですが、向こうからお茶以外の産物が欲しいという希望がございまして、その段階でこちらのほうで水産関係の業者に集まっていただきまして、対ロ水産物輸出実行会議を立ち上げてスタートしたのが始まりでございます。
 あと、そのほかにマーケティング推進課でやっていることなんですけれども、マカオや香港等への売り込み、展示、商談等がございまして、そこでは話が進んでいるという状況でございます。

○塚本委員
 難しいですけれども、ぜひ海外への販路開拓、国によってはいろいろ課題もあると思うんですよね。日本の思うように販路開拓ができない部分もあると思いますけれども、課題がクリアできそうなところはクリアして海外の販路を広げていただけたらなと思います。要望しておきます。

 恐らく最後の質問になるかなと思いますが、自分は一般質問でも焼津漁港の荷さばき施設等の再整備について聞かせていただきました。大変前向きな御答弁をいただいたんですが、ここは産業委員会なものですから、もう少し具体的なところ、中身を深めたいなと思います。
 荷さばき施設等ということで本会議で一般質問させてもらったんですが、焼津市の漁業関係者とか行政の人たちとか、携わっている人たちがこの等は何を意味しているかというのはわかってくれていると思うんですよね。ですので、御答弁でも冷蔵施設の内容だとか、焼津の外港の西岸壁――マイナス9メートル岸壁の話をしてくれたんだと思いますが、答弁でも国でつくるものなのでという話でした。
 これは当然、地元の焼津市や漁協と県で働きかけをすることでそういった計画がつくられているものですから、まず、この計画は今年度中につくるんだよと強く言い切ってもらいたいと思いますけれども、いつまでにつくるのか、まず教えていただきたいと思います。

○藤田水産業局長
 焼津漁港の整備については、特定第3種漁港になりまして、この特定第3種漁港という重要な漁港の整備については、国が主体となってまず計画をつくることになります。
 したがって、我々はそこに参画するという立場になるわけですけれども、我々としては今年度中につくりたいと思っておりまして、その意気込みで国との協議に臨みたいと思っております。

○塚本委員
 ありがとうございます。今年度中に計画ができて、恐らく来年度から事業にいろいろ着手していくと思います。ポイントは、いろいろな附属設備もあるのかもしれないですけれども、荷さばき施設と冷蔵庫とマイナス9メートル岸壁ということです。岸壁のほうは経済産業部ではなくて、もしかしたら交通基盤部の話になるかもしれないんですが、一番いいのは、今言った3つが来年度から全部同時に整備してくれるというのが最高なんですけれども、皆さんは恐らくそれはなさそうだという雰囲気を察しているんですね。
 そうすると、次に望むのはマイナス9メートル岸壁とほかの施設が同時並行的に行かないかということです。具体的には、マイナス9メートル岸壁と荷さばき施設は平成27年度――来年度からやってくれて、荷さばき施設が終わり次第冷蔵庫の整備に移るということまではしてもらいたいなという意向もあります。
 実現するかどうかは、今お話があったように国のほうの話になりますけれども、その意気込みで県は話をしていってくれるということでよろしいでしょうか。

○藤田水産業局長
 これから全て国との協議の中でスケジュールなども決まっていくわけですけれども、我々の考えとしましては、まず、港を9メートルに深く掘るという工事と並行して荷さばき施設をつくっていくと。時間のロスをできるだけ少なくするということで協議を進めたいと考えております。

○塚本委員
 恐らく時間がもう終わりだと思いますので、要望です。
 自分は今定例会の一般質問のときにも焼津漁港絡みを取り上げさせてもらいましたけれども、一般質問のときにも言ったように、年によって若干の誤差があるにしたって、日本一の漁港という気持ちで焼津市の人たちはやっているんですよね。でも施設管理者は県ですよね。
 今言ったように、整備を同時並行でやってくれるということは相当すごいことだなっていうのがあるんですけれども、県は日本一の漁港が静岡県にあるんだぞという気持ちをもっと前面に出しながらやっていただきたいと思います。
 機会があれば、焼津漁港について県で一生懸命取り組んでくれている内容をPRすることもしていただきたい。焼津市にあるだもんで焼津市のものじゃあないかいと思われがちなものですから、いや、県のものだぞと言うぐらい、静岡県で一生懸命取り組んでくれるよう要望して私の質問を終わります。

○大池委員長
 ここでしばらく休憩をいたします。
 再開は13時30分といたします。
 よろしくお願いします。
( 休 憩 )

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