本会議会議録
質問文書
平成28年決算特別委員会産業分科会 質疑・質問
質疑・質問者: | 小野 達也 議員 | |
質疑・質問日: | 10/25/2016 | |
会派名: | 自民改革会議 |
○小野委員
それでは、端的に分割質問方式で伺っていきますのでよろしくお願いします。
まず、工業用水道事業について何点か伺います。
先ほどの説明で、平成27年度は2億9000万円余りの黒字ということでありました。公営企業決算審査意見書2ページを見ますと、事業ごとでは富士川、中遠、湖西が赤字となっています。特に富士川については昨年度は大きく落ち込んだようですけれども、この要因と今後の見通しについて伺います。
また、赤字が続いている中遠工水と湖西工水については、累積赤字がどの程度で、どのように経営改善を図っていくのか伺います。
○跡見経営課長
工業用水道事業についてでございます。
望月企業局長からも説明いたしましたように、事業の減少、用水型産業の撤退ということで、経営状況が徐々に厳しくなっております。中でも今回赤字になりました富士川工水につきましては、創設以来恐らく初めての赤字の計上になったかと思っております。
これは、富士川工水と東駿河湾工水の2つの工水を受水している大口の企業が、富士川工水から受水しているみずからの管を更新するために、一時的に富士川工水の受水を休止して東駿河湾工水に切りかえた影響で、富士川工水の収益が減少したことが一番大きな理由でございます。
具体的には、平成27年の6月から今年5月まで休止しておりました。その関係で赤字になっておりますけれども、既に復旧しておりまして、従来どおりの給水になっておりますので、今後はまた黒字に転換するものと考えております。
次に、中遠工水と湖西工水でございます。
これは従来から赤字が続いておりまして、中遠工水の累積赤字は34億円余、湖西工水につきましては18億円余の累積損失を抱えております。平成26年度、平成27年度にそれぞれ料金改定を認めていただきまして、いずれも平成30年度には単年度黒字に転換すると見込んでおります。
単年度黒字に転換いたしましても、この累積損失を解消するのはなかなか難しいところでございます。企業局といたしましては、コスト削減として、例えば湖西工水ですと豊川用水の工事費負担金を長年にわたって払っているわけですけれども、これを繰上償還することによって利息を低減するとか、それ以外のコスト削減にもいろいろ努めております。
こうしたコスト削減を引き続き続けるとともに、新たなユーザーの獲得に向けて営業活動を強化していきたいと考えております。
○小野委員
よくわかりました。
ぜひ平成30年度以降、また改善に努めていただきたいと思います。
赤字の工水については、それぞれしっかり対応していると思っておりますので、事業ごとの経営状況について決算書を見てわかるようにしていただきたいと思います。というのは、決算書の50ページにセグメントごとの営業収益などの情報は出ているんですけれども、これをまた貸借対照表など事業ごとに見られるようにしたほうが、ユーザーの皆さんに経営状況を理解してもらえるんではないかと思っております。その辺はいかがでしょうか。
○跡見経営課長
事業ごとの経営状況でございます。
平成26年度の会計基準の見直しに伴いまして、決算書には1事業ごとの経営状況を明らかにすることになりました。記載する項目につきましては、総務省が示しておりますガイドラインに従って決算書のフォームをつくっております。
5番委員の御指摘のとおり、これだけでは経営状況がわかりにくいのはもっともなところでございまして、実際にユーザーの皆様に御説明する際にはよりわかりやすい形で、実際の損益計算書とか貸借対照表ではなく、もう少し実際の事業ごとの経営状況がわかるものを工夫して説明させていただいております。
今後も引き続き工夫をして、皆様方に経営状況を御理解いただけるようにしてまいりたいと考えております。
○小野委員
次に、水道事業について伺います。
水道事業の収益については、各事業とも前年度並みで黒字経営を維持しているようでありますけれども、決算審査意見書5ページ、審査の意見に記載のとおり、今後管路等の大規模更新を行うに当たって費用の増加が見込まれています。これを見据えて、今後の経営をどのように見通しているのかお伺いします。
○跡見経営課長
水道事業でございます。
水道事業につきましては、黒字経営を維持しており、他県の経営指標等と比較いたしましても、どれぐらい黒字が出ているかであるとか収益に対してどれぐらいの企業債、つまり借金を抱えているかという経営健全化の指標については、全国を上回る健全経営を進めているものと考えております。
しかしながら、人口減であるとか節水機器の導入による給水量の減少、将来に向けての更新を控え、引き続きコスト削減に努めるとともに、健全経営が維持できるように努めてまいりたいと考えております。
○小野委員
次に、地域振興整備事業について伺います。
決算審査意見書6ページに、平成27年度末の未処理欠損金が146億円以上になったとあります。企業局では、小山町湯船原工業団地のほかオーダーメード方式による造成にも取り組んでいるわけでありますけれども、今後、未処理欠損金が事業展開に支障がないのか伺いたいと思います。
○跡見経営課長
地域振興整備事業の未処理欠損金の件でございます。
未処理欠損金が146億円ございますが、資本金として209億円があり、未処理欠損金を差し引きしますと資本は63億円でございます。
会計全体の内部資金として、新たな投資に回せる資金が平成27年度末で48億円余ございます。
今、企業局で造成しております団地は、いわゆるオーダーメードとレディーメードがございます。オーダーメードにつきましては、かかる経費をあらかじめ前受け金という形で調達した上で事業展開する。それからレディーメードにつきましては、私どもが持っている手持ち資金の範囲内で事業展開することにしておりますので、現状で今後の事業展開に支障はないと考えております。
○小野委員
よくわかりました。
ぜひまたオーダーメード等、積極的に進めていけたらいいなと思っております。
最後に、新プロジェクト推進の関係で伺います。
先ほど、望月企業局長からCNFの開発支援に取り組んだとの御説明がありました。どう前年度取り組んでいただいたのか、また予算の執行状況についても教えていただきたいと思います。
○杉山新プロジェクト推進室長
今後の用水ユーザーのニーズに応えるため、平成26年度に開催しましたCNF産業振興セミナーに御参加いただきましたユーザー企業24社をまず訪問してニーズ調査を行いました。その結果、CNFに興味があり情報収集をしたい、研究のためにCNFサンプルを入手したいけれども入手方法、入手条件に関する情報が不足しているという意見が多くございました。
そこで、CNFを製造しサンプル提供する企業とCNFの用途開発に興味がある企業とのマッチングの機会となりますCNFサンプル企業展示会を、平成28年1月25日に富士市内で開催いたしました。展示会では、CNF製造企業9社が出展しプレゼンテーションを行い、全体で106企業、団体205名の参加がございました。
参加者のアンケート結果によりますと、サンプル製造企業を全部調べるのは大変なので非常に有効だった、展示による機会創出がすばらしいとの御意見をいただき、また出展企業からは、新たなユーザーとの接点が開拓できる、CNF提供各社が集まることで川下企業の参加も多くブースへの来店も多かったとの好評を得ることができました。
また、出展企業が行った名刺交換が194社、そのうちサンプル提供につながりそうなものが30社に上るなど、CNFの企業間マッチングに成果があったものと考えてございます。
次に、予算でございますけれども、平成27年度当初予算では展示会開催経費と職員旅費で約125万円を計上し、執行状況といたしましては、職員の企業訪問等に要した旅費40万円余となっております。展示会の開催経費につきましてはナノセルロースフォーラムと共催で行うこととなりまして、会場借り上げや設営の委託料などはナノセルロースフォーラムが発注しました。その結果、展示会については企業局の経費負担はないことになります。
○小野委員
よくわかりました。
前年度以降、今年度、また来年度ときっと拡大してくると思うんですけれども、ぜひ惜しみなく力を入れていただきたいと思います。以上でございます。
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